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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X30
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X30
管理番号 1244699 
審判番号 不服2010-22745 
総通号数 143 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-10-08 
確定日 2011-09-15 
事件の表示 商願2009-73714拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「神戸苺トリュフ」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年9月29日に登録出願、その後、指定商品については、原審における平成22年5月10日付け手続補正書により、第30類「チョコレート菓子」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『兵庫県神戸市産の苺入りのトリュフチョコレート菓子』程の意味合いを理解させる『神戸苺トリュフ』の文字を表してなるものであるから、これをその指定商品中、上記に照応する商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、単に商品の品質を表示したものと認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における手続の経緯
当審において、職権に基づく証拠調べをした結果、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当すべきものとする新たな証拠を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成23年5月17日付けの証拠調べ通知書によって、これを開示し意見を求めたところ、請求人からは、何らの回答もなかった。

4 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「神戸苺トリュフ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、前半の「神戸」の文字は、「兵庫県の南東部、大阪湾に面する市。」(広辞苑第六版 岩波書店)を意味する語であり、また、後半の「トリュフ」の文字は、「地下生の食用キノコ。西洋松露ともいわれる。また、その形に似せて作ったチョコレート」(現代用語の基礎知識2011 自由国民社)を意味する語である。
そして、以下のとおり、「苺トリュフ」の文字が、本願指定商品を取り扱う業種において「苺味または苺を原材料とするチョコレート菓子」等を表すものとして使用されている事実が見受けられる。
(1)新聞記事 (下線は、当合議体によるものである。)
ア 「バレンタインデー:有名パティシエに人気 スイーツブームで熱い商戦 /三重」
毎日新聞 2005.02.11 地方版/三重 21頁
「四日市市諏訪栄町の中部近鉄百貨店四日市店では、5階に国内の人気パティシエ10人が手掛けたチョコレートの販売コーナーを9日から開設。東京の有名店『ル ショコラティエ タカギ』のパティシエ、高木康政さんが作った、いちごトリュフが早くも品薄になるなど評判は上々だ。」
イ 「チョコレートに恋して マリオン」
朝日新聞 2004.01.21 東京夕刊 7頁
「お薦めは今月に完成したばかりの6種の『バレーショコラ』(写真、1枚15グラムの12枚入り3000円)。カカオ豆の産地や含有量にこだわった、同店ならではの自慢の品で、1枚50グラム500円の単品も。ほかに半乾燥のイチゴを混ぜ込んだ『イチゴトリュフ』(1個200円)も人気。水曜休み。午前10時?午後7時。」
ウ 「[遊ぶ]デパート /東京」
毎日新聞 2003.01.28 地方版/東京 21頁
「30日?2月14日、新宿タカシマヤ(新宿駅)。『ジョゼフ・シュミット』のトリュフ、『ル ショコラティエ タカギ』のイチゴトリュフ、『新宿 花園万頭』のぬれ甘チョコつとなどチョコレート菓子を展示販売。」
エ 「百貨店で選ぶバレンタイン マリオン」
朝日新聞 2003.01.22 東京夕刊 7頁
「本命用チョコレートとしては、昨年10月に日本橋高島屋に日本1号店を出店した『ジョゼフ・シュミット』の商品(2月2日日曜から1階正面口特設会場で期間限定販売)や、高島屋限定の『グラマシーニューヨーク』の『グラマシーショコラ』(4個入り1000円)、『ノリエット』の『ブリックショコラ』(15個入り700円)、『ル ショコラティエ タカギ』の『イチゴトリュフ』(8個入り1600円)などがお薦めという。」
オ 「『本命チョコ』不況知らず 高級輸入品・手作り根強く /岐阜」
朝日新聞 2002.02.09 名古屋地方版/岐阜 27頁
「昨年はイチゴ味のガムやお菓子が女子高生たちの間で流行した。同店でも今年初めて、冷凍乾燥させたイチゴをホワイトチョコでくるんだものや、イチゴトリュフの手作りキットを用意した。売れ行きは上々だという。バレンタインにもイチゴブームの傾向が現れているようだ。」
(2)インターネット情報 (下線は、当合議体によるものである。)
ア 「COOKPAD」のウェブサイトにおいて、「ストロベリーの板チョコを使ったトリュフを作ってみました.外側をビターめのチョコレートでコーティングすると,甘味・酸味・苦味のバランスがとっても良いです」との記載により「いちごトリュフ」のレシピが紹介されている(http://cookpad.com/recipe/335169)。
イ 「MAQUI‘S」のウェブサイトにおいて、「甘酸っぱい野苺をサクサクフリーズドライに♪ミルク風味の甘くてクリーミーなホワイトチョコでコーティングしました。」との記載により「いちごトリュフ」が販売されている(http://www.maquis.co.jp/sweets/sweets5.html)。
ウ 「大丸・松坂屋 通信販売 DMall.jp」のウェブサイトにおいて、「フリーズドライいちごを、クリーミーなホワイトチョコで丸ごとひと粒包みました。チョコの甘味といちごの酸味、滑らかなチョコの食感といちごのサクサク感が絶妙なスイーツです。たっぷりお楽しみいただけるお徳用袋入り」との記載により「いちごトリュフ」が販売されている(http://dmala.jp/item/87306/)。
以上のとおり、「苺トリュフ」の文字については、上記(1)および(2)によれば、本願指定商品を取り扱う業種において、「苺味または苺を原材料とするチョコレート菓子」を表すものとして使用されている事実が認められる。
そうとすれば、「神戸苺トリュフ」の文字からなる本願商標を、その指定商品について使用したときは、これに接する取引者、需要者に、「神戸で製造・販売される苺味又は苺を原材料とするチョコレート菓子」であると理解、認識させるに止まり、本願商標は、商品の産地、販売地及び品質を表示する標章のみからなるものであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-07-19 
結審通知日 2011-07-20 
審決日 2011-08-02 
出願番号 商願2009-73714(T2009-73714) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X30)
T 1 8・ 13- Z (X30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 薩摩 純一 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 田中 亨子
瀬戸 俊晶
商標の称呼 コーベイチゴトリュフ、コーベイチゴ、コーベトリュフ 
代理人 小林 正樹 

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