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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X1621
審判 一部申立て  登録を維持 X1621
管理番号 1243415 
異議申立番号 異議2011-900012 
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-10-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2011-01-17 
確定日 2011-09-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5360273号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5360273号商標の指定商品中、登録異議の申立てに係る指定商品についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5360273号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成21年12月1日に登録出願、第1類、第3類、第4類、第7類、第11類、第16類、第21類、第29類、第30類、第31類、第36類、第40類、第41類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年8月25日に登録査定、同年10月15日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4269582号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成8年9月18日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月30日に設定登録されたものであり、その後、商標権の存続期間の更新登録がされて、現に有効に存続している。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標は、別掲1のとおり、濃淡2色の緑色の太線で描いた2つの円を横に並べて接触させ、接触部分から下側に直線が短く延びた図形の下に、小さく「めぐはぐ」と表記されているところ、該図形と下段の平仮名表記とは意味的な繋がりがなく、色も異なっているので構成上一体ではないため、本件商標については、大きい図形の方がより強く印象づけられるため、該図形部分が要部となる。
これに対し、引用商標は、別掲2のとおり、黒い太線で描いた円の右横に同じ太線で水滴状に少しデフォルメした円を並べて接触させて右側の円は左の円との接触部分が少し開いてそこから下側に直線が短く延びた図形の下に、小さく「PLASTIC OMNIUM」とアルファベット表記されているところ、引用商標も図形と下段の欧文字とは意味的な繋がりがなく両者はなんら関係がないので、本件商標と同様に、大きい図形の方がより強く印象づけられるため、図形部分が要部となる。
そこで、本件商標と引用商標の図形部分についての外観対比を行うと、両者ともに太線からなる2つの円を接触させて横に並べ、接触部分から下へ短い棒が延びている部分であり、この部分は共通しているので、本件商標及び引用商標は、要部である図形部分の外観が類似しており、両商標の外観上の印象は相紛らわしいものである。
また、本件商標の文字部分「めぐはぐ」は造語であり、引用商標の文字部分は申立人の会社名であるが、日本においては特に意味がない造語と考えられるとしても、両者の図形部分からは「双葉」「ゼンマイ巻部品」が連想され、その観念が生じると考えられるので、両者の観念は同一である。
そして、本件商標と引用商標は、その指定商品の一部も同一又は類似のものである。
以上より、本件商標と引用商標は、外観及び観念において類似の商標であり、また、その指定商品の一部が同一又は類似であるので、需要者は両商標を混同してしまう蓋然性は非常に大きいと考えられる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消されるべきである。

4 当審の判断
本件商標は、別掲1のとおり、緑系色の濃淡によりメビウスの帯のような連続性のある2つの立体感をもたせた同じ大きさの円と、その中間に左右の濃緑色部分から下向きに分岐させ一本にしたかのような短い帯とを構成要素とする幾何的な図形(以下「本件図形」という。)を描き、その下段に「めぐはぐ」の平仮名を配した構成からなるものである。
そして、本件商標のかかる構成態様にあっては、本件図形と該平仮名とは、両者の形象や色彩による視覚的な相違又は観念的にみても常に一体不可分のものとしてのみ認識されるような格別の理由も見いだし難いから、本件図形は、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといえる。また、本件図形は、幾何的な図形と認識される以上に、特定の事物や事象を表現したものとはいえないから、これよりは特定の称呼及び観念は生じ得ないものというべきである。
これに対し、引用商標は、別掲2のとおり、黒塗りの極太線により描いた真円と、これに接して水滴形を抜くような円と鈎とを組み合わせた図形(以下「引用図形」という。)を描き、その下段に「PLASTIC OMNIUM」の欧文字を配した構成からなるものである。
そして、引用商標も、引用図形と該欧文字とは、両者の形象による視覚的な相違又は観念的にみても常に一体不可分のものとしてのみ認識されるような格別の理由を見いだし難いから、引用図形は、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといえる。また、引用図形は、幾何的な図形と認識される以上に、特定の事物や事象を表現したものとはいえないから、これよりは特定の称呼及び観念は生じ得ないものというべきである。
そこで、本件図形と引用図形との類否について検討するに、両者は色彩やその描出方法が相違するばかりでなく、前者は左右の円の大きさを同じくする構成に対して、後者は右側の円部分の下部が水平から下方に直角に伸びた構成とする点において顕著な差異を有するものであるから、看者に全く別異の印象を与えるものである。
してみると、本件図形と引用図形とは、時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、需要者の通常の注意力をもってすれば、外観において、彼此相紛れるおそれはないというべきである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、要部である図形部分の外観が類似するとして、これを前提に、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとする申立人の主張は、採用することができない。
また、本件図形と引用図形とは、特定の事物や事象を想起し得ない幾何的図形として印象される以上に、両者から「双葉」或いは「ゼンマイ巻部品」という観念が生じるとするのは困難であり、両者が観念上同一又は類似するものということはできないから、この点についての申立人の主張も採用できない。
さらに、本件商標の構成中の「めぐはぐ」の平仮名と引用商標の構成中の「PLASTIC OMNIUM」の欧文字とは、外観及び称呼において顕著な差異を有するものであり、観念においては比較することができない。
ほかに、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の取引の事情も見いだせない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1 本件商標

(色彩は、原本参照)

2 引用商標


異議決定日 2011-08-26 
出願番号 商願2009-90877(T2009-90877) 
審決分類 T 1 652・ 263- Y (X1621)
T 1 652・ 261- Y (X1621)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大渕 敏雄田崎 麻理恵 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 田中 亨子
末武 久佳
登録日 2010-10-15 
登録番号 商標登録第5360273号(T5360273) 
権利者 南国興産株式会社 株式会社FYC
商標の称呼 メグハグ 
代理人 前田 弘 
代理人 嶋田 高久 
代理人 竹内 宏 
代理人 原田 智雄 
代理人 杉浦 靖也 
代理人 今江 克実 
代理人 竹内 祐二 

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