• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
管理番号 1243390 
異議申立番号 異議2010-900403 
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-10-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-12-20 
確定日 2011-08-29 
異議申立件数
事件の表示 登録第5354003号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5354003号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5354003号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年11月13日に登録出願、第9類「傾斜センサー,測定機械器具」を指定商品として、同22年8月9日に登録査定、同年9月17日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第7号に該当するとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 申立人の引用する商標
申立人が引用する登録第4037428号商標(以下「引用商標」という。)は、「MCGRAW-EDISON」の欧文字を横書きしてなり、平成7年10月17日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電線及びケーブル」を指定商品として、同9年8月1日に設定登録されたものである。
イ 本件商標と引用商標の類否
引用商標は、「MCGRAW」と「EDISON」とが分離記号「-」によって分離されており、かつ、その全体称呼「マックグローエジソン」は冗長なものであるから、簡易迅速を尊ぶ取引の実情にかんがみれば、引用商標は「エジソン」の称呼、観念をもって取り扱われることもあるといえる。
一方、その構成からして本件商標が「エジソン」の称呼、観念をもって取り扱われることもあることは明らかである。
そうすると、本件商標と引用商標は「エジソン」の称呼、観念を共通にする類似のものとなる。
また、両商標の指定商品は共にいわゆる電機メーカーによって製造、販売されるものであり、販売する店舗も共通することが多い。その結果、必然的に取引経路も共通するものとなるから、これらの共通点にかんがみれば、両者の指定商品は類似するものといえる。
ウ 小括
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、図案化されているが「EDISON」の文字からなると容易に理解でき、「EDISON(エジソン)」は、アメリカ生まれの世界の発明王として小学生でも知っている著名な人物であって、こような歴史上の偉大な人物の名前を何ら関係のない者が無断で自己の商標として登録して独占権を得ることは、その子孫の感情のみならず、アメリカ国民の感情をも損なうものであって国際信義に反するものである。
そして、本件商標の指定商品は発明とは極めて関連が深いので、本件商標はその「エジソン」の名声に便乗する意図の下に採択・登録されたと考えられる。
なお、本件商標の文字部分は図案化されているが、容易に「EDISON」の文字からなると理解できるから、商標法第4条第1項第7号に該当しないとする理由とはなり得ない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものであるといえる。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲のとおり、外側に青色の8個の大きさの異なる円を順次配した青色の円形の右部に「E」の文字を抜くように表し、その右側に「DISON」(「O」文字の中に赤丸が表示されている。)の欧文字を配してなるものである。
そして、本件商標は、その構成中、白抜きされたように表された「E」の文字とそれに続く「DISON」の文字から「EDISON」の文字を認識することができ、これより「エジソン」の称呼を生じるものといえる。しかしながら、本件商標は、上述したとおり、外側に青色の8個の大きさの異なる円を順次配した青色の円形の右部に「E」の文字を抜くように、かつ、「O」文字の中に赤丸が表されている特徴を有することから、看者をしてその外観に強く印象付けられ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
一方、引用商標は、上記2(1)アのとおり「MCGRAW-EDISON」の文字からなるところ、その構成文字は、同書、同大、等間隔で一体的に表され、該文字から生じる「マックグローエジソン」の称呼も、格別冗長でなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、引用商標は、その構成中「EDISON」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、あるいは該文字以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものとはいえないから、該文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、許されないといわなければならない。
そうとすれば、引用商標は、「MCGRAW-EDISON」の構成文字全体をもって、一体不可分のものとして認識、把握され、その構成文字に相応して、「マックグローエジソン」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものというのが相当である。
そこで、本件商標と引用商標の類否について検討すると、両者は、称呼においては、それぞれの称呼「エジソン」と「マックグローエジソン」の比較において、前者が4音、後者が9音の音構成からなり、前半部における「マックグロー」の音の有無という明らかな差異を有するものであるから、称呼上相紛れるおそれのないものである。また、両者は、外観においてはその構成に明らかな差異があり、さらに、観念においては比較することができないから、外観及び観念においても相紛れるおそれのないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
次に、本件商標の指定商品「傾斜センサー,測定機械器具」と、引用商標の指定商品「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電線及びケーブル」との類否について検討すると、両者の生産者は、前者が精密機械や計測器メーカー、後者が送配電機器や電線ケーブルメーカーと生産者を異にし、また、用途も前者が計測、後者が送配電と異なるから、両者に同一又は類似の商標を使用しても、それらの商品が同一営業主の製造、販売に係る商品と誤認混同するおそれはない非類似の商品とみるのが相当である。
また、申立人は両商品が類似することを示す証拠を提出していない。
したがって、本件商標と引用商標とは、商標及びその指定商品のいずれも非類似のものというべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、上記(1)のとおり、外観に特徴を有し看者をしてその外観に強く印象付けられるものであるから、発明家「EDISON(エジソン)」を直ちに連想、想起するものとはいえないと判断するのが相当である。
そうすると、本件商標をその指定商品について使用することが、国際信義に反するものということはできないし、他に本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものと認めるに足る事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものとはいえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第11号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)



(色彩については原本参照)

異議決定日 2011-08-11 
出願番号 商願2009-86111(T2009-86111) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (X09)
T 1 651・ 263- Y (X09)
T 1 651・ 261- Y (X09)
T 1 651・ 262- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山本 敦子 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 瀧本 佐代子
小畑 恵一
登録日 2010-09-17 
登録番号 商標登録第5354003号(T5354003) 
権利者 エジソン オプト コーポレーション
商標の称呼 エジソン、エディソン、ディソン 
代理人 原 隆 
代理人 青木 篤 
代理人 田島 壽 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ