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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X3043
管理番号 1243254 
審判番号 不服2010-14013 
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-06-25 
確定日 2011-08-24 
事件の表示 商願2009- 42057拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,コーヒーゼリー,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,コーヒー豆,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、平成21年6月5日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、ありふれた氏の一つである『岡田』の文字と、『珈琲』の文字とを一連に『岡田珈琲』と普通に用いられる方法を脱しない程度の態様で横書きしてなるところ、全体として『岡田の氏を有する者の取扱いに係るコーヒー』程の意味合いを認識させるものであるため、本願商標をその指定商品、指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、『岡田氏の取扱いに係るコーヒー』『岡田氏の取扱いに係るコーヒーの提供』程の意味合いを看取するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識しないというのが相当であるから、商標法第3条第1項第6号に該当し、『コーヒー,コーヒー豆』以外の商品、『コーヒーを主とする飲食物の提供』以外の役務に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋
請求人に対し、平成23年3月23日付けで送付した審尋の内容は、別掲2のとおりである。

4 当審の判断
(1)本願商標は、別掲1のとおり「岡田珈琲」の文字を筆文字風に横書きしてなるものである。
そして、上記3の審尋のとおり、「岡田珈琲」の文字からなる本願商標は、看者をして「(全国に多数存在する)岡田姓の業務に係るコーヒー店」のごとき意味合いを認識するにとどまり、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものと判断するのが相当であって、かつ、普通に用いられる方法の範囲内で表されたものである。
したがって、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用するときは、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標といわなければならないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「Google」の検索結果を挙げ、また、全国的な商品販売、マスコミによる紹介などによって、本願商標「岡田珈琲」は請求人の出所識別標識として認識されているとして、及び本願商標の書体は「普通に用いられる方法」の範囲で表されたものでないとして、さらに、他の登録例を挙げ、本願商標は登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、請求人の営業地域(現在、請求人のホームページで確認できるもの。)は、熊本市内(5店舗)のみであること、及び請求人がオンラインショッピング等において、アイスキャンデー、マロンパイ等を販売し、雑誌等で紹介されたことは認められるものの、それらの商品の販売数量、販売高、広告宣伝の方法、回数など具体的な商標の使用状況に関する証拠の提出はないことから、本願商標が使用によって識別力を有するに至っているものと認めることはできない。
また、本願商標の書体は、上記3の審尋1.(2)イで例示したとおりコーヒー店の店名等には様々な書体が用いられていることからすれば、普通に用いられる方法の範囲で表されたものというのが相当である。なお、近時、筆文字は、「筆文字ロゴ」、「デザイン書道」等と称され、店舗名や商品名などに広く採用されている。
さらに、他の登録例を挙げ本願商標も登録されるべきある旨の主張については、商標が自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、その指定商品及び指定役務の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであって、上記3の審尋1.に明示した実情からすれば上述のとおり判断するのが相当である。
したがって、請求人の主張はいずれも採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)




別掲2(審 尋)
1.本願商標は、「岡田珈琲」の文字を筆文字風に横書きしてなるところ、その構成中「岡田」及び「珈琲」の文字(語)について、次の事実がある。
(1)「岡田」について
「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店発行)には、「おかだ【岡田】」の項に「姓氏の一つ。」と記載され、10数名の岡田姓の著名人の説明の記載があるが、他の意味の記載はない。
また、「50音別 個人名 ハローページ 東京都23区全区版・上巻」(東日本電信電話株式会社 平成13年3月発行)には、約4,200名の者が掲載され、「日本の姓の全国順位データベース」と称するウェブサイト(http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~jjksiro/kensaku.html)には、「岡田」の姓は、全国で32位に位置づけられ、電話番号登録件数は、95,111件である旨の記載がある。
(2)「珈琲」について
ア 「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店発行)には、コーヒー【koffie オランダ・coffee イギリス・珈琲】の項に「コーヒー豆を煎って挽き粉としたもの。また、それを湯で浸出した褐色の飲料。香気と苦味がある。」の記載がある。
イ 本願の指定商品及び指定役務との関係において、例えば次のように使用されている。
(ア)「上島珈琲店」のウェブサイトにおいての使用(http://www.ueshima-coffee-ten.jp/ueshima/)。
(イ)「加藤珈琲」のウェブサイトにおいての使用(http://kitamoto.on.arena.ne.jp/kato/)。
(ウ)「鈴木珈琲」のウェブサイトにおいての使用(http://www.bellmate.com/)。
(エ)「前田珈琲」のウェブサイトにおいての使用(http://www.maedacoffee.com/)。
(オ)「渡辺珈琲」のウェブサイトにおいての使用(http://watanabe-coffee.com/)。
2.かかる事実からすれば、本願商標は、ありふれた氏「岡田」とコーヒーを取り扱っている店等を表示するものとして一般に使用されている「珈琲」の文字を結合してなるものであって、全体としてコーヒーを取り扱う店名、名称(略称)を表示したものと認識されるとみるのが自然である。
また、本願の指定商品及び指定役務との関係において、ありふれた氏と「珈琲」の文字とを結合し店名等を表示することは、上記1.(2)イの事実からも普通に行われているものといえるので、「岡田珈琲」の文字からなる本願商標は、全国に多数存在する岡田姓の者がコーヒーに係る業務を行うにあたりその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当なものとはいえない。
そうとすると、「岡田珈琲」の文字からなる本願商標は、看者をして「(全国に多数存在する)岡田姓の業務に係るコーヒー店」のごとき意味合いを認識するものであって、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものと判断するのが相当である。
さらに、コーヒー店の店名等の表示は、上記1.(2)イの例のように様々な書体が用いられているので、本願商標の書体も、普通に用いられる方法の範囲で表されたものといわなければならない。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務について使用するときは、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
なお、この審尋と拒絶査定の理由とは、いずれも本願商標が、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標であるとするものであるから、両者の内容は実質的に相違するものではない。



審理終結日 2011-06-28 
結審通知日 2011-07-01 
審決日 2011-07-12 
出願番号 商願2009-42057(T2009-42057) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X3043)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石塚 文子 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 瀧本 佐代子
大島 康浩
商標の称呼 オカダコーヒー、オカダ 
代理人 大橋 君平 
代理人 松田 純一 
代理人 伊藤 卓 
代理人 西村 公芳 

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