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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X0305
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X0305
管理番号 1243198 
審判番号 不服2010-20614 
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-09-14 
確定日 2011-08-18 
事件の表示 商願2009-38780拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「ミストウォッシュ」の片仮名と「Mist Wash」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環」を指定商品として、平成21年5月26日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『ミストウォッシュ』及び『Mist Wash』の文字を普通に用いられる方法で二段に書してなるところ、本願商標中の『ミスト』及び『Mist』の文字は、指定商品との関係から『霧状のもの。噴霧剤』を、『ウォッシュ』及び『Wash』の文字は、『洗浄。洗浄剤』を意味するものと認められ、インターネット情報によれば、洗浄・清浄効果を有する噴霧式の商品が、複数の者によって販売されている事実を見いだすことができることからすれば、本願商標は全体として『噴霧式の洗浄剤』程の意味合いを看取させるものであり、これをその指定商品中、例えば『噴霧式の身体用洗浄剤』の上記文字に照応する商品に使用したときには、単に商品の品質、効能、形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,薬剤」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
本願商標の構成文字である「ミストウォッシュ」の片仮名と、「Mist Wash」の欧文字に関して、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、以下の事実が認められる。
1 「ミスト」の語について
(1)「霧。霧状のもの。」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)
(2)「微粒子。霧状のもの。」(「コンサイスカタカナ語辞典第3版」株式会社三省堂 2005年10月20日)
2 「ウオッシュ」の語について
(1)「洗剤、洗浄剤」(「ランダム英和辞典第2版」株式会社小学館 2002年1月10日発行)
(2)「洗い薬、洗浄剤」(「講談社英和中辞典」株式会社講談社 1994年11月28日発行)
3 鼻の洗浄剤における「ミスト」及び「ウォッシュ」の語の使用状況について
(1)「大正製薬」のウェブサイトに、「花粉やほこりの洗浄に『パブロン鼻ウォッシュAG』新発売」の表題のもと、「『パブロン鼻ウォッシュAG』は、鼻にしみないようにし、やさしいミストでたっぷりと洗えるエアゾールタイプにし、ボトルも細く持ちやすくて場所をとらない形状にいたしました。」との記述とともに、携帯用の鼻の洗浄剤の画像がある。
(http://www.taisho.co.jp/company/release/2001/122501-j.htm)
(2)「おくすりのシンヤクドー」のウェブサイトに、「ナザール『鼻ウォッシュ』 ミストタイプ 30mL 花粉・ほこり・雑菌を洗い流す鼻洗浄スプレー」の記述とともに、携帯用の鼻の洗浄剤の画像がある。
(http://item.rakuten.co.jp/sinyakudo/1416688/)
(3)「ロート製薬」のウェブサイトに、「アルガード鼻すっきり洗浄液 [100mL][医療機器]」の表題のもと、「アルガード鼻すっきり洗浄液は、花粉・ほこり・雑菌などをすっきりきれいに洗い流す鼻洗浄液です。気持ちいいミント系ミストウォーターを、噴霧量自由自在のフリーストップ式ノズルで噴射して、お鼻をしっかり洗浄します。」との記述とともに、携帯用の鼻の洗浄剤の画像がある。
(http://www.rohto.co.jp/prod/?jan=101641)
(4)「からだのお悩み専門店東京ミヤコスタイル」のウェブサイトに、「ぐークリーンEX 30ml」の商品名のもと、「洗浄液を1回、プシュッーとスプレーすることで、お鼻の中がスッキリします。ミストタイプなので、鼻の奥までしっかり届いて洗浄します。」の記述とともに、携帯用の鼻の洗浄剤の画像がある。
(http://www.tokyo385.com/body/goo-clean.htm)
(5)株式会社鼻科学研究所」のウェブサイトに、「携帯用鼻洗スプレー ハナぴゅあ(洗浄液100ml付)」の表題のもと、「外出先でも手軽にできる鼻洗浄花粉や汚れた空気を吸った直後に」及び「ミストタイプなので鼻粘膜にやさしい」との記述とともに、携帯用の鼻の洗浄剤の画像がある。
(http://www.hana-clean.com/products/etc_1.html)
(6)「クスリのゴクウ」のウェブサイトに「鼻全体にやさしく広がるミストタイプ
【日進医療器】エルモ 鼻の穴洗い 110mL 鼻腔用洗浄スプレー【ミストタイプ】【医療用洗浄器】」の記述とともに、携帯用の鼻の洗浄剤の画像がある。
(http://item.rakuten.co.jp/jyugo/as-4955574781397/)

第4 請求人の意見の要旨
請求人は、前記第3の証拠調べ通知に対して、平成23年5月2日付けの意見書を提出し、「本願商標を構成する『ミストウォッシュ』及び『Mist Wash』の文字自体が、指定商品の品質、効能等を表示するものとして普通に使用されているとはいえない。そうとすれば、本願商標は、その指定商品の品質、用途等を暗示させる程度の間接表示にすぎず、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。」旨主張している。

第5 当審の判断
本願商標は、「ミストウォッシュ」の片仮名と、「Mist Wash」の欧文字を上下二段に普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中の「ミスト」及び「ウォッシュ」の文字は、それぞれ「霧」及び「洗う」の意味を有する語として良く知られている語であるから、「ミストウォッシュ」の文字が片仮名で一連に書されているとしても、「ミスト」と「ウォッシュ」の2語からなるものと認識されるものである。
また、「Mist Wash」の欧文字部分は、「Mist」の文字と「Wash」の文字との間にスペースが介されており、外観上も「Mist」と「Wash」の2語からなるものと認識すること明らかである。
そうとすると、「ミスト」は「Mist」、「ウォッシュ」は「Wash」の外来語又は欧文字の読みを片仮名表記したものとみるのが相当である。
そして、「Mist」の文字は、複数の辞典類において「霧状のもの」として掲載されており(前記第3の1)、また、「Mist」の文字の片仮名表記である「ミスト」の文字についても、「鼻の洗浄剤」において、「『パブロン鼻ウォッシュAG』は、鼻にしみないようにし、やさしいミストでたっぷりと洗えるエアゾールタイプにし、ボトルも細く持ちやすくて場所をとらない形状にいたしました。」(前記3の(1))の記載及び「洗浄液を1回、プシュッーとスプレーすることで、お鼻の中がスッキリします。ミストタイプなので、鼻の奥までしっかり届いて洗浄します。」(前記3の(3))の記載が認められることからすれば、「Mist」及び「ミスト」の文字は、該商品が「霧状」であることを示す商品の品質を表示する語として、認識し把握される語ということができる。
一方、「Wash」の文字は、複数の英和辞典において「洗剤、洗浄剤」として掲載されている(前記第3の2)ほか、オンライン英語辞書Weblio英和辞典・和英辞典によれば、「6【可算名詞】 [しばしば複合語をなして] 洗い薬,化粧水.」(研究社 新英和中辞典)、「洗浄剤」(学術用語英和対訳集)及び「洗浄薬; 洗濯; 洗い物; 水たれ勾配」(JST科学技術用語日英対訳辞書)の記述がそれぞれ認められるところである(http://ejje.weblio.jp/content/%EF%BD%97%EF%BD%81%EF%BD%93%EF%BD%88)。
そして、該文字の片仮名表記である「ウォッシュ」の文字についても、「鼻の洗浄剤」において、「花粉やほこりの洗浄に『パブロン鼻ウォッシュAG』(前記第3の3(1))及び「ナザール『鼻ウォッシュ』 ミストタイプ 30mL 花粉・ほこり・雑菌を洗い流す鼻洗浄スプレー」(前記第3の3(2))のように、「洗浄」の語と共に使用されていることからすれば、「Wash」及び「ウォッシュ」の文字は、「鼻の洗浄剤」との関係において、該商品が「洗浄剤」であることを示す商品の品質を表示する語として、認識し把握される語ということができる。
そうとすれば、「ミストウォッシュ」及び「Mist Wash」の文字は、「鼻の洗浄剤」との関係において、「霧状の洗浄剤」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識し理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当であり、上記商品以外の「鼻の洗浄剤」に使用するときは、該商品があたかも「霧状の商品」であるかの如く、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
なお、請求人は、「洗剤、洗浄剤」の英語表記は、「detergent」である旨主張するが、上記のとおり「wash」の文字も「洗浄剤」を理解させるものであり、たとえ、「洗剤、洗浄剤」の英語表記が「detergent」であったとしても、その事実のみをもって、これを否定することはできない。
また、請求人は、本願の指定商品と関係する分野で直接的に「ミスト(Mist)」の文字が使用されている例だけでなく、「ミストタイプ」の文字が一連に表示、使用されている例が含まれている旨主張するが、「タイプ」とは「形状」を意味する「型」の外来語であること(前出「広辞苑第6版」)、そして、例えば、中外製薬のウェブサイトにおいて「くすりのタイプ(形)」(http://chugai-pharm.info/hc/ss/medicine/body/body008.html)の記載が認められることからすれば、薬剤の形状を示す語として理解されるものであるから、上記のとおり、「鼻の洗浄剤」において、形状として「霧状」のものが存在するか否かを検討するにあたっては、「ミストタイプ」の文字の使用例も併せて考察を行うことは許されるというべきである。
さらに、請求人は、審決例及び商標登録例等を挙げ、本願商標は登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標が、商標法第3条第1項第3及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについては、本願商標とその指定商品との関係
から、個別具体的に判断されるべきものであって、商標の構成を異にする商標登録の存在により、判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の上記各主張は、いずれも採用することができない。
以上によれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-06-14 
結審通知日 2011-06-17 
審決日 2011-06-28 
出願番号 商願2009-38780(T2009-38780) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X0305)
T 1 8・ 13- Z (X0305)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大塚 順子松田 訓子 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 末武 久佳
吉野 晃弘
商標の称呼 ミストウオッシュ、ミスト 
代理人 成合 清 
代理人 為谷 博 

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