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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X0510
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 X0510
管理番号 1243184 
審判番号 不服2010-24330 
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-10-28 
確定日 2011-09-06 
事件の表示 商願2009-65153拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、「ダチョウ抗体マスク」の文字を標準文字で表してなり、第5類、第9類、第10類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年8月26日に登録出願されたものである。
そして、その指定商品については、原審及び当審における手続補正書により、第5類及び第10類に属する願書記載のとおりの商品に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ダチョウ目ダチョウ科の鳥』を意味する『ダチョウ』の文字と、『生体が抗原の侵入に反応して体内に形成する物質』を意味する『抗体』の文字と本願指定商品の普通名称である『マスク』の文字とを結合した『ダチョウ抗体マスク』の文字を標準文字で表してなるところ、近年、ニワトリ由来の抗体を内蔵して、抗体反応によりインフルエンザウイルス等の抗原を不活性化し、感染力を失わせることで感染を予防するマスクが開発、製造されていることからすれば、該文字は、『ダチョウ由来の抗体を用いたマスク』ほどの意味合いを理解させるにすぎず、これを本願の指定商品中、上記意味合いに照応する商品(例えば『ダチョウ由来の抗体を用いた衛生マスク』等)に使用しても、単にその商品の品質を表示したものと認識されるにすぎず、前記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「ダチョウ抗体マスク」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、請求人の提出に係る各証拠によれば(なお、請求人の提出した証拠は、資料1ないし資料63と甲第64号証ないし甲第77号証(枝番を含む。)からなるところ、以下、「資料○」とあるのを甲第○号証と読み替える。)、以下の事実が認められる。
(1)「ダチョウ抗体マスク」は、請求人と塚本教授とが共同開発した衛生マスク及び医療用マスクの名称であり(甲第2号証、甲第3号証及び甲第73号証ないし甲第77号証)、該商品は、請求人が独占的に製造販売するものである(甲第74号証)。
(2)請求人は、該商品を2008年7月に販売を開始し、2009年には40億円分を生産し、年間生産枚数は4000万枚に至っている(甲第75号証)。そして、請求人のウェブサイトによれば、現在も継続的に該商品の生産及び販売が行われている(http://www.crosseed.co.jp/product/index.html、http://www.crosseed.co.jp/topics/index.html)。
(3)TBS及びテレビ西日本の放映する番組内において、「ダチョウ抗体マスク」が請求人である「CROSSEED株式会社」と共に紹介されている(甲第64号証ないし甲第67号証(枝番を含む。))。
(4)発行部数130万部を有する通信販売雑誌「通販生活」において、該商品についての複数回にわたる記事掲載が行われている(甲第68号証ないし甲第72号証)。
(5)該商品は、平成21年度産官学連携推進会議・文部科学大臣賞を受賞している(甲第1号証)。
上記で認定した事実によれば、「ダチョウ抗体マスク」の文字は、請求人の業務に係る商品に使用する商標として、その取引者及び需要者に、一定程度認知されているものと認められる。
また、当審において職権をもって調査するも、衛生用マスク及び医療用マスクの分野において「ダチョウ抗体マスク」の文字を使用しているのは、請求人のみであり、他者の使用は認められない。
さらに、鶏からインフルエンザ抗体を取り出す技術に比べ、ダチョウからインフルエンザ抗体を取り出す技術は未だ一般的であるとはいえず、商用ベースで行っているのは、上記塚本教授の関連会社であることからすれば、「ダチョウ抗体マスク」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質、原材料等を表示するものとして、取引上、普通に採択、使用されているものということはできない。
そうとすれば、「ダチョウ抗体マスク」の文字は、補正後の本願指定商品との関係において、原審説示のように「ダチョウ由来の抗体を用いたマスク」を表す商品の品質表示であるというよりは、上記衛生用マスク及び医療用マスクを表す名称として請求人が創作した造語からなる商標とみるのが相当であるから、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、かつ、商品の品質について誤認を生ずるおそれもないというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2011-08-25 
出願番号 商願2009-65153(T2009-65153) 
審決分類 T 1 8・ 272- WY (X0510)
T 1 8・ 13- WY (X0510)
最終処分 成立  
前審関与審査官 薩摩 純一平松 和雄古森 美和 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 吉野 晃弘
末武 久佳
商標の称呼 ダチョウコータイマスク、ダチョーコータイマスク、ダチョー、コータイマスク、コータイ、ダチョーコータイ 
代理人 羽立 幸司 

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