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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X242535
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X242535
管理番号 1243161 
審判番号 不服2010-22925 
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-10-12 
確定日 2011-08-11 
事件の表示 商願2009-93236拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Gabardine MATURE」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類、第14類、第16類、第18類、第24類、第25類、第26類及び第35類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成21年12月9日登録出願されたものである。
そして、指定商品及び指定役務については、当審における平成22年10月12日受付の手続補正書により、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,シャワーカーテン,織物製トイレットシートカバー,織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳,布製ラベル」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する別掲に記載のとおりの役務と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
なお、以下、これらを一括して「引用商標」という。
(1)登録第917631号商標は、「MATURE」の欧文字及び「マチュア」の片仮名を上下二段に書してなるものであり、昭和44年6月13日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同46年8月2日に設定登録されたものであり、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第5256842号商標は、「MATURE」の欧文字及び「マチュア」の片仮名を上下二段に書してなるものであり、平成21年2月10日に登録出願され、第25類「下着,その他の被服」を指定商品として、同年8月14日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「Gabardine MATURE」の欧文字を表してなるものであるところ、「Gabardine」と「MATURE」との間には、1文字分の間隔が設けられており、語頭の「G」のみが大文字で表された「Gabardine」の部分と大文字のみで表された「MATURE」の部分とが、外観において明確に分離された印象を与えるものである。
そして、本願商標の構成中の「Gabardine」の文字部分は、「ギャバジン(あや織り服地の1種)」(「グランドセンチュリー英和辞典第2版」2005年1月10日、株式会社三省堂発行)の意味を有する英語であり、その表音である「ギャバジン」の語は、例えば、広辞苑第六版(2008年1月11日、株式会社岩波書店発行)において、「ギャバジン【gabardine;gaberdine】」の見出しの下、「経(たて)に梳毛(そもう)糸、緯(よこ)に梳毛糸または綿糸を用い、うねの高い綾織とした織物。主として服地、また防水してレーンコート地に用いる。ギャバ。」、コンサイスカタカナ語辞典第4版(2010年2月10日、株式会社三省堂発行)において、「ギャバジン[gabardine]」の見出しの下、「急斜綾(あや)織り.梳(そ)毛糸を使い,急角度の細かい綾目を出した毛織物.また,それを模した綿織物.」、新・田中千代服飾辞典(2004年4月1日第一版新訂第7刷、株式会社同文書院発行)において、「ギャバジン[Gabardine,Gaberdine]」の項には、「1.衣服:正しくはギャバディーン。中世に着用された丈の長いゆったりした<うわっぱり>のこと。(略)2.織物:目のち密な綾織の毛織物のことで、クレバネットともいう。(略)ギャバジンの特徴は,経(たて)糸の密度を緯(よこ)糸の密度よりも著しく多くしているため,あや目が45度以上の急傾斜になっていることで,60度くらいのものもある。(略)」との記載がある。
また、2006年2月17日付け共同通信記事情報において、「英国調がトレンド 遊び心はネクタイで」の見出しの下、「この春から社会人として第一歩を踏み出すフレッシュマン。新調すべきリストの上位に挙がるのがスーツだろう。(略)『ウール100%で織りがサージやギャバジンなら、三シーズン着られます』とアドバイスするのは、既製品のほか、オーダーメードのスーツも手掛ける(略)」の記載、2010年8月6日付け繊研新聞(4面)において、「PV9月展に日本から新規5社出展 “日本らしい技”前面 草木染めやジャカード」の見出しの下、「ウールメルトンで800グラムの目付けに見えながら、合繊複合で200グラムに仕上げたもの、強い反発感のある薄手ギャバジン、キュプラの交織シリーズなどが主力商品となる。」の記載、2010年11月12日付け繊研新聞(11面)において、「〈連載〉 大人も顔負け 11年春夏子供服トレンド-5 大人服の応用 家族提案、本物志向をウリに」の見出しの下、「大人の服を縮小したような柄や仕立てを取り入れた子供服が増えてきた。(略)入卒園式などに着用するテーラード服は本物志向が進んだ。黒の深みにこだわり、国産ウールのギャバジンを使ったスーツ((3)左、チャビーギャング、上下4万3000円)、光沢のあるラペルを使ったものやダブルブレスト(ジェネレーター)など選択肢も広い。(略)」の記載があるほか、多数の新聞記事中に服地の種類名として「ギャバジン」の語が使用されている。
そうすると、「Gabardine」の文字は、「ギャバジン(綾織り服地の1種)」の意を認識させる語と認められるものであり、本願商標に係る指定商品又は指定役務との関係からは、商品の品質又は役務の質等を表示する語であるといえるものであり、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を有するものとはいえない。
他方、本願商標の構成中、後半に位置する「MATURE」の文字部分は、「熟した、成熟した」(「グランドセンチュリー英和辞典第2版」前出)の意味を有する英語であり、「マチュア」と発音されるものと認められる。そして、該文字部分は、本願商標に係る指定商品又は指定役務との関係から、商品の品質又は役務の質等を表示するものとして認識される語とはいえない。
さらに、本願商標は、「Gabardine」の文字部分と「MATURE」の文字部分とが、全体として特定の意味合いを認識させるものであるなど、これらを常に一体不可分のものとしてみなければならない特段の事情は認められない。
してみれば、「Gabardine」の部分と「MATURE」の部分とが外観において明確に分離された印象を与える本願商標において、これをその指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「Gabardine」の文字部分を商品の品質又は役務の質等を表示する語であるとして省略し、後半の「MATURE」の文字部分に着目し、該部分をもって取引に資される場合も決して少なくないといわなければならない。
したがって、本願商標は、その構成文字全体から生ずる「ギャバジンマチュア」の称呼のほかに、「MATURE」の部分に相応して「マチュア」の称呼をも生ずるものであり、また、該部分から「熟した、成熟した」の観念が生じ得るものである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、「MATURE」の欧文字及び「マチュア」の片仮名を上下二段に書してなるものであるから、前記(1)においてした認定と同様に、「マチュア」の称呼を生ずるものであり、「熟した、成熟した」の観念が生じ得るものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否についてみると、両商標は、「マチュア」の称呼及び「熟した、成熟した」の観念を共通にし、また、「MATURE」の文字部分において、その綴り及び全て大文字からなる点を共通にするものであるから、外観上も近似した印象を与えるものである。
そうとすると、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を同一にし、外観においても近似した印象を与える類似する商標というべきである。
また、本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
そして、以上の判断に反する取引の実情は見いだし得ない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 <別掲>
本願商標に係る指定役務
第35類「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,写真機械器具及び写真材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」

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審理終結日 2011-06-13 
結審通知日 2011-06-14 
審決日 2011-06-30 
出願番号 商願2009-93236(T2009-93236) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X242535)
T 1 8・ 263- Z (X242535)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 大塚 順子
田中 敬規
商標の称呼 ギャバジンマチュア、ギャバジンマテュール、ギャバギン、ギャバディン、マチュア、マテュール 
代理人 大上 寛 

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