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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X35
審判 全部申立て  登録を維持 X35
審判 全部申立て  登録を維持 X35
管理番号 1241586 
異議申立番号 異議2010-900368 
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-09-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-11-12 
確定日 2011-08-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5346600号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5346600号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5346600号商標(以下「本件商標」という。)は、「AMERICAN CLOTHING OUTFITTERS」の欧文字と「CAITAC」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成22年2月1日に登録出願、第35類「米国製の被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米国製の履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米国製のかばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米国製の身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同年7月13日に登録査定、同年8月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人アメリカン イーグル アウトフィッターズ インコーポレーテッド 外1名(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のとおりの商標であり(以下、これらの商標を総称して「引用各商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
(ア)登録第5259237号商標は、「AMERICAN EAGLE OUTFITTERS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年4月6日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同21年8月21日に設定登録されたものである。
(イ)登録第3294569号商標は、「AMERICAN EAGLE OUTFITTERS」の欧文字を横書きしてなり、平成6年12月20日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年4月25日に設定登録され、その後、存続期間の更新登録がされたものである。
(ウ)登録第5013286号商標は、「AMERICAN EAGLE OUTFITTERS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成17年12月19日に登録出願、第3類、第18類、第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同18年12月22日に設定登録され、その後、同19年4月9日にその指定商品中、「第18類 かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」について、放棄による一部抹消の登録がされたものである。
(エ)登録第5051822号商標は、「AMERICAN EAGLE OUTFITTERS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年9月1日に登録出願、第14類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同19年6月1日に設定登録されたものである。
(オ)登録第5009372号商標は、「AMERICAN EAGLE OUTFITTERS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年2月1日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年12月8日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、全体の称呼が冗長なため、上段の「アメリカンクロージングアウトフィッターズ」又は下段の「カイタック」のみに省略された称呼が自然に生じるものである。観念については、「CAITAC」は造語であり、上段の英単語の意味から「アメリカ製のアウトドア用の被服」や「アメリカンカジュアル衣料品店」なる観念が想起される。
一方、引用各商標からは、「アメリカン イーグル アウトフィッターズ」の称呼が生じ、「アメリカ製の鷲マークのアウトドア用被服」や「鷲マークのアメリカンカジュアル(衣料品)店」の如き意味合いが想起される。
両商標を比較すると、「AEMERICAN」で始まり、「OUTFITTERS」で終わる3語構成の被服を指定商品とする著名な商標は他にないことから、本件商標の上段部分は、引用各商標と類似するとの印象を強く与えるものである。よって、両者は外観上紛らわしい商標である。
また、両商標は、「アメリカ製のアウトドア用被服」や「アメリカのカジュアル衣料品店」という部分で観念を共通にする。
称呼についても、最初の「アメリカン」が特に印象に残り、次の語は印象に残りにくく、最後の「アウトフィツターズ」が同じため、全体的には類似の印象が残るものである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、引用各商標の著名性を考え合わせると外観、観念及び称呼において混同しやすい商標であり、本件商標の指定役務と引用各商標の指定商品及び指定役務とも同一又は類似の関係にある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
(ア)引用各商標の著名性について
アメリカン イーグル アウトフィツターズ インコーポレーテッド(以下「AEO社」という。)は、1904年に米国で設立された衣料品小売業の企業であり、2010年1月時点で米国に1015店舗、カナダを合わせると1103店舗を有している。AEO社は設立以降、事業の拡大を続けており、2010年度の純売上高は約29億9千万ドル(約2447億円)となっている。米国のフォーチュン誌のランクでも2010年は649位であり(甲第6号証)、大手アパレル企業としての地位を確立している。
日本においても、2012年春を目処に建設中の表参道プロジェクト(仮称)のビルに1号店となる旗艦店の開店が決定している(甲第15号証)。 インターネットの検索エンジンGoogleに「AMERICAN EAGLE OUTFITTERS」と入力すると約342万件がヒットし(甲第9号証)、「アメリカンイーグルアウトフィッターズ」と入力しても約62万件もヒットし(甲第10号証)、ウィキペディア(日本語版)やコトバンク等の百科事典的サイトにも「アメリカンイーグルアウトフィッターズ」の項目が存在している(甲第13号証)。日本でも楽天等の大手ネットショップのみならず、数多くの通販業者がAEO社の商品を扱っており(甲第11号証)、販売数も増加を続けている(甲第17号証)。
そして、店舗が世界各国に展開され始めたため、それに伴い引用各商標も世界各国で出願、登録がなされている(甲第19号証)。
以上のとおり、引用各商標は、申立人の業務に係る「被服」を中心としたアパレル関連商品について使用されている商標として、本件商標の登録出願時には既に、我が国における取引者・需要者の間においても広く知られていたものである。
(イ)商標法第4条第1項第10号該当性
本件商標は、周知な引用各商標に類似する商標であり、本件商標の指定役務と該周知な引用各商標に係る商品又は役務とは同一又は類似の範囲に属する関係にある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(ウ)商標法第4条第1項第15号該当性
引用各商標が著名であるため、本件商標に接する需要者は、本件商標がAEO社の業務と何らかの関係があるものと誤認するおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおり、「AMERICAN CLOTHING OUTFITTERS」と「CAITAC」の欧文字とを二段に横書きしてなるものであるところ、その構成中の「AMERICAN CLOTHING OUTFITTERS」の文字は、「アメリカ製被服の衣料店」程の意味合いを表すものであって、本件商標の指定役務との関係においては、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないか、果たし得るとしても極めて弱いものというべきであるから、該文字部分のみを捉えて取引に供されることはないものとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、商標権者の商号の略称の欧文字表記であって、かつ、造語と認められる「CAITAC」の欧文字部分をもって、あるいは、「AMERICAN CLOTHING OUTFITTERS」の文字と「CAITAC」の文字との組合せ全体をもって識別力を発揮しているものというべきであるから、本件商標構成中の「AMERICAN CLOTHING OUTFITTERS」の文字部分のみを捉えて、本件商標と引用各商標とが外観、称呼及び観念において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
しかも、本件商標構成中の「AMERICAN CLOTHING OUTFITTERS」の文字部分と引用各商標中の「AMERICAN EAGLE OUTFITTERS」の文字とを比較したとしても、中央部分において、「CLOTHING」と「EAGLE」という明かな文字の差異を有しており、該各文字が印象に残り難いとする格別の理由も見出し得ないから、これら一連の文字より生ずる外観、称呼及び観念の差異も明らかなものというべきである。
そして他に、本件商標と引用各商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第10号について
前記したとおり、本件商標と申立人が周知・著名である旨主張している引用各商標とは、互いに紛れるおそれのない非類似の商標と認められるものであるから、他の要件について判断するまでもなく、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものとはいえない。

(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用各商標とは、前記したとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、申立人の提出に係る証拠によれば、引用各商標がアメリカにおいて被服等の商標として使用されており、我が国においてもインターネット通信販売により、一定程度販売されていた事実は認められるにしても、本件商標の登録出願時及び査定時において、引用各商標が申立人の業務に係る商品や役務を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。

(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-07-25 
出願番号 商願2010-10231(T2010-10231) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (X35)
T 1 651・ 271- Y (X35)
T 1 651・ 26- Y (X35)
最終処分 維持  
前審関与審査官 平澤 芳行吉田 昌史 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 末武 久佳
田中 亨子
登録日 2010-08-20 
登録番号 商標登録第5346600号(T5346600) 
権利者 カイタック株式会社
商標の称呼 アメリカンクロージングアウトフィッターズカイタック、カイタック、アメリカンクロージングアウトフィッターズ、クロージングアウトフィッターズ、アウトフィッターズ 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 志賀 正武 
代理人 志賀 正武 
代理人 鈴木 博久 
代理人 渡邊 隆 
代理人 渡邊 隆 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 鈴木 博久 

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