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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X03
審判 一部申立て  登録を維持 X03
審判 一部申立て  登録を維持 X03
管理番号 1241571 
異議申立番号 異議2010-900361 
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-09-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-11-05 
確定日 2011-08-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第5344886号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5344886号商標の指定商品中,登録異議の申立てに係る指定商品についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第5344886号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲(1)のとおりの構成からなり,平成20年8月25日に登録出願,第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,靴クリーム,靴墨,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」並びに第6類,第8類,第9類,第14類,第16類,第20類,第21類,第24類ないし第26類,第29類,第30類,第41類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成22年4月6日に登録査定,同年8月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下の(1)及び(4)のとおりである。
(1)登録第2128318号商標は,「LUX」の文字を横書きにしてなり,昭和61年12月15日に登録出願,第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成元年4月28日に設定登録されたものである。その後,2回にわたり存続期間の更新登録がなされ,指定商品については,平成21年10月7日,第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がなされたものである。
(2)登録第4275540号商標は,「LUX」及び「ラックス」の文字を上下二段に横書きしてなり,平成10年3月17日に登録出願,第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成11年5月21日に設定登録,その後,存続期間の更新登録がなされたものである。
(3)登録第4916534号商標は,別掲(2)のとおりの構成からなり,平成16年11月26日に登録出願,第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成17年12月16日に設定登録されたものである。
(4)登録第4964108号商標は,別掲(3)のとおりの構成からなり,平成15年9月24日に登録出願,第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成18年6月23日に設定登録されたものである。
以下,これらをまとめていうときは,「引用商標」という。

3 本件登録異議の申立ての理由(要点)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,「LE」と「LUXE」とが結合した商標であり,「LE」は仏語の男性名詞の前に付される定冠詞で識別力が弱いことから,「LUXE」の部分から「ラックス」の称呼が生じる。他方,引用商標からは,「ラックス」の称呼が生じるから,本件商標と引用商標とは,称呼において同一であり類似するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は,その前身である英国のリーバ・ブラザーズの1890年代の創業以来,ヨーロッパのみならず日本を含む世界各国において引用商標を登録,使用して来た(甲第3号証)。引用商標のブランド「LUX」は,1899年に英国で石鹸に使用されて以来(甲第4号証),永年に亘って世界中で使用されている結果,本件商標の出願時前から,申立人会社若しくは申立人の業務に係るせっけん類等を含む商品を表示するものとして,日本及び世界中の需要者に認識され周知著名なものとなっている。
引用商標は,周知・著名であるので,該商標と混同を生じるおそれのある本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は,申立人所有の周知・著名商標をそっくりそのまま包含したものであり,該商標の顧客吸引力を利用するものであり,又は顧客吸引力を希釈化させる等,不正の目的で使用するものといわざるを得ず,商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)むすび
したがって,本件商標は,第3類の指定商品について,商標法第4条第1項第11号,同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから,商標法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,別掲(1)のとおり,上部の先端が尖った縦線と,縦線の2倍程の太さで末端がやや尖った横線で表された「L字状の図」を表し,その右上部には「3を反対向きにした様な図」を配し,その右に前記と同様の「L字状の図」,その右上部には馬蹄状の図,その右に「C」を逆向きに交差させた図,及び「3を反対向きにした様な図」を順に配してなるものである。
そして,これらを全体としてみても,特異なデザイン態様で表されてなることから,直ちに特定の文字列を表したものとは認識し難く,複数の幾何図形を横に配列した一の標章と理解,把握されるものというのが相当である。
したがって,本件商標は,特定の称呼及び観念を生じない一の標章と認められる。
他方,引用商標は,「LUX」の欧文字,あるいは,それに「ラックス」を併記してなるか,又は,別掲に示すとおりの構成からなるものであって,いずれも,その構成文字から生ずる「ラックス」の称呼をもって取引に資されるものと認められる。
しかして,本件商標と引用商標を比較してみると,本件商標と引用商標とは,その外観構成において顕著な相違を有することが明らかなものであるから,外観上相紛れるおそれはないものである。
また,本件商標は,上記のとおり,特定の称呼及び観念を生じさせないものであるから,引用商標とは称呼及び観念について比較することができず,称呼及び観念上相紛れるおそれはないものである。
してみれば,本件商標は,外観,称呼及び観念のいずれからみても,引用商標とは類似しない商標というのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は,本件商標の登録出願時及び査定時において,申立人の商品「せっけん類」を表示する商標として取引者,需要者の間に広く知られていると認め得るものである。
しかしながら,前記(1)のとおり,本件商標は,引用商標と十分区別し得る別異の商標であるから,商標権者が本件商標を登録異議の申立てに係る指定商品に使用しても,申立人の引用商標を想起,連想させるものではないというのが相当であり,申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は,前記(1)のとおり,引用商標とは十分に区別し得る別異の商標であり,また,申立人の提出に係る甲第3号証ないし甲第5号証(枝番を含む。)を勘案しても,例えば,本件商標権者が不正の目的をもって本件商標を出願し、登録を受けたなどと認めるに足る具体的事実を見いだすことはできない。
そうとすれば,本件商標は,引用商標の出所表示機能を希釈化させ,申立人の名声等を毀損させる目的,その他の不正の目的をもって使用するものとは認め難いものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,登録異議の申立てに係る指定商品について,商標法第4条第1項第11号,同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものとする。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標



(2)引用商標(登録第4916534号商標)



(3)引用商標(登録第4964108号商標)



異議決定日 2011-07-20 
出願番号 商願2008-69457(T2008-69457) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (X03)
T 1 652・ 222- Y (X03)
T 1 652・ 271- Y (X03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 末武 久佳
田中 亨子
登録日 2010-08-13 
登録番号 商標登録第5344886号(T5344886) 
権利者 高瀬 哲也
商標の称呼 ルリュックス、ルリュクス、レラックス、レラグゼ 
代理人 中山 健一 

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