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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y111421
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y111421
管理番号 1241544 
審判番号 不服2009-650008 
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-01-14 
確定日 2011-05-19 
事件の表示 国際登録第917437号商標に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Meissener Porzellan」の欧文字を横書きしてなり、第11類、第14類及び第21類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2006年(平成18年)12月20日に国際商標登録出願されたものである。
そして、指定商品については、原審における平成20年5月26日付け手続補正書及び当審において、2010年(平成22年)5月12日に国際登録簿に記録された限定の通報があった結果、最終的に、第11類「Lamp vases of porcelain,lamp pedestals of porcelain.」、第14類「Clock cases;brooch leaves;ring stones;coins;badges.」及び第21類「Household or kitchen utensils and containers not of precious metalor coated therewith;porcelain ware,in particular toilet utensils of porcelain and table ware;goods of terracotta,namely table ware;crystal [glassware] and painted glassware,in particular table ware;artificial porcelain ware for household purposes,in particular vases of porcelain,boxes of porcelain,wall plates made of works of art of porcelain,terracotta or glass,dessert bowls of porcelain,baskets for decoration of porcelain for domestic use,figurines of glass and porcelain,candlesticks of porcelain.」となったものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『Meissener Porzellan』の文字を書してなるところ、「Meissener」の文字は、「マイセンの」を意味する陶磁器の原産地名を直観させる語であり、「Porzellan」の語は、「陶磁器」を表すドイツ語である。そして、マイセン産の磁器が国際的に極めて著名で、数多く輸入もされ、該輸入品に本願商標と同一の表記も記載されることから、本願指定商品との関係では、「マイセンで作られる磁器」の意を認識させる、「Meissener Porzellan」の文字を表してなるものと容易に認識されるものであるから、本願商標に接する取引者・需要者は、これを、本願指定商品の品質、原産地表記であると認識、理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識しないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、ドイツのマイセン産以外の商品に用いた場合には、品質の誤認を生ずるものと認められるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、以下の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき請求人に対し、平成21年10月30日付で証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。
(1)「Meissener」及び「Porzellan」の文字について
ア「Meiβener」(「β」は「エスチェット」と呼ばれ、「β」が表示できないときの代用表記として「ss」が用いられる)の項に「マイセンの」の記載。
イ「Porzellan」の項に、「磁器;陶磁器;磁器製の食器」の記載。(いずれも小学館独話大辞典 第2版 小学館発行)。
(2)「Meissener Porzellan」の文字について
ア コンサイスカタカナ語辞典 第3版(株式会社三省堂発行)の「マイセン磁器」の項に、「[ド Meissner Porzellan]ドイツのドレスデンに近いマイセン特産の磁器.<現>★日本の伊万里焼など東洋の磁器をまねて、1709年にヨーロッパで初めて硬質磁器製作に成功.」の記載。
イ イミダス編集部編 imidas 現代人のカタカナ語 欧文略語辞典(株式会社集英社発行)の「マイセン磁器」の項に、「【Meissener Porzellan 独】」ドイツのドレスデンのマイセン窯で作られる磁器.優美で良質であり彫刻的なもの.ドレスデン磁器,ドレスデンチャイナともいう.」の記載。
ウ 「古美術 朱鴾和」のウェブサイトにおいて、「マイセンキャンディー入れ」の見出しのもと、「商品の説明 マイセン磁器 マイセンじき Meissener Porzellan ヨーロッパで最初につくられた硬質磁器。」の記載。(http://www.tokiwart.jp/SHOP/meissen.html)
エ インテリア用語辞典のウェブサイトにおいて、「マイセン磁器」の項に「よみがな まいせんじき 原語 Meissener Porzellan 原語名 ドイツ語」の記載。(http://www.mmkst.com/interior/menu02_321.html)
オ Google画像検索のウェブサイトにおいて、磁器等の写真の下に商品名として「Meissenr Porzellan」の記載。
(http://images.google.co.jp/images?hl=ja&source=hp&q=Meissener+Porzellan&lr=lang_ja&um=1&ie=UTF-8&ei=Oq_KSqa3KZ3s6gOflOzwBA&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=4)
カ 「PP BOOKSTORE」のウェブサイトにおいて、「Meissenr Porzellan」の見出しのもと、「title. Meissener Porzellan・・・ comment. マイセン磁器の魅力を紹介した1冊。解説もされています。 other. ドイツ語表記」の記載。(http://ppbks.com/details/J0308A17.html)
キ 「Leipziger Tourisums und Marketing GmbH」のウェブサイトにおいて、「スーベニアベストテン BEST 10 Souvenir」の見出しのもと、「マイセン磁器(ザクセン州マイセン) Meissener Porzellan 1798年にヨーロッパで初めての白磁器の製造がザクセンで始まった。これが今日、高級磁器として世界的に有名なマイセン磁器である。」の記載。(http://www.lts-leipzig.de/cgi-bin/click.system?navid=1623&sid=eljzDTmP8nHZt7VFu0azRhEDdZzybITF)
4 職権証拠調べに対する請求人の意見(要点)
我が国において、ドイツ語を理解するのはごく一部のものにすぎない。また、「Meissener」のみの欧文字、又は「Meissener Porzellan」のみの欧文字のいずれかの文字部分を構成要素に含む商標が、世界各国で自他商品識別力を認められていることからすれば、「Meissener Porzellan」の語句が説明的、記述的な態様で使用されている場合があるとしても、商標全体からみれば、特定の観念を生じない一種の造語と捉えるべきである。したがって、本願指定商品との関係において、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものであり、本願に係る指定商品について使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、前記1のとおり、「Meissener Porzellan」の文字を表してなるところ、前記3の証拠調べ通知において示したとおり、構成中の「Meissener」の文字部分は、ドイツ語で「マイセンの」の意味を、また、「Porzellan」の文字は、「磁器;陶磁器;磁気製の食器」の意味をそれぞれ有するものであること、「Meissener Porzellan」の文字は、カタカナ語辞典等の一般的な辞書に「マイセン磁器」を意味するものとして掲載されていること、実際の取引においても、「Meissener Porzellan」の文字が「マイセン磁器」指称するものとして採択・使用されている実情等が認められる。
これらの事実に照らせば、「Meissener Porzellan」の文字よりなる本願商標は、全体として「マイセン磁器」の意味合いを容易に理解、認識させるものである。
してみれば、本願商標をその指定商品中「マイセン産の磁器」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものであって、かつ、これを前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「日本人になじみのないドイツ語で書された本願商標の意味を理解し、発音することができるのは、ごく一部の者にすぎず、本願商標は、全体として一種の造語を表したものと認識される。」旨主張しているが、たとえ、「Meissener Porzellan」の文字が、ドイツ語で表記されたものであるとしても、該文字は、前記3で示したとおり、我が国において、一般的な辞書等に掲載され、実際の取引においても、「マイセン磁器」を指称するものとして採択・使用されている実情が認められることから、「Meissener Porzellan」の文字は、取引者・需要者の間においては、ドイツのマイセン産の磁器を指称するものとして一般に使用され、商品の品質を表示するものとして理解されているものとみるのが相当である。
以上よりすれば、本願商標は、自他商品識別標識として機能し得ないものといわなければならない。
よって、請求人の主張を採用することはできない。
イ 請求人は、原審及び当審において、国内での登録例(甲第6号ないし第14号証)及び外国での登録例(甲15号ないし第27号証)を挙げ、「本願商標と構成的な共通点がある商標が、本願の指定商品と同じ分野において、自他商品識別力を有するとして登録を容認されているから、本願も登録されるべきである。」旨主張しているが、外国における登録例については、諸外国における商標登録制度と我が国のそれが同一のものと解釈しなければならない事情が存するものとは認められない。
また、国内における登録例については、本願商標とは、商標の具体的構成において相違するものであるから、本願商標とは事案を異にするといわざるを得ず、また、登録出願された商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の構成態様と指定商品(指定役務)との関係において、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、それら登録例の存在によって、前記判断は何ら左右されないというべきであるから、請求人の該主張も採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-12-15 
結審通知日 2010-12-17 
審決日 2011-01-07 
国際登録番号 0917437 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y111421)
T 1 8・ 272- Z (Y111421)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 八木橋 正雄 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 井出 英一郎
小田 昌子
商標の称呼 マイセナーポーツェラン、マイセナーポッツェラン、マイセナーポルツェラン、マイセナー、ポーツェラン、ポッツェラン、ポルツェラン 
代理人 宮城 和浩 
代理人 黒瀬 雅志 
代理人 塩谷 信 
代理人 吉武 賢次 

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