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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X3035
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X3035
審判 査定不服 外観類似 登録しない X3035
管理番号 1241491 
審判番号 不服2010-23821 
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-10-22 
確定日 2011-07-25 
事件の表示 商願2009- 75877拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第30類「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン」及び第35類「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、平成21年10月6日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、拒絶の理由に引用した登録第5099249号商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成19年2月15日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,菓子及びパン,サンドイッチ,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品,イーストパウダー,ベーキングパウダー」を指定商品として、同年12月14日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲1の構成よりなり、ややデザイン化された文字で表されているものの、「Le」の欧文字と「Brun」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるものであり、構成全体より「ルブラン」の称呼を生ずるものである。そして、フランス語において「le」の文字が定冠詞であり、「brun」の文字が「褐色の,茶色の」(いずれも「小学館ローベル仏和大辞典」)を意味する語であり、構成全体より「褐色,茶色」の意味を有するものであるが、我が国において親しまれた語といえないことから、本願商標よりは、特定の観念を生じないというのが相当である。
他方、引用商標は、別掲2の構成よりなり、「le blanc」の欧文字と「ル・ブラン」の文字とを上下二段に横書きしてなるものであり、その構成文字に相応して「ルブラン」の称呼を生ずるものである。そして、フランス語において「le」の文字が定冠詞で、「blanc」の文字が「白い」(いずれも「小学館ローベル仏和大辞典」)等を意味する語であり、構成全体より「白」の意味を有するものであるが、我が国において親しまれた語といえないことから、引用商標よりは、特定の観念を生じないというのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較できず、外観において相違するとしても、「ルブラン」の称呼を共通にする類似の商標である。
また、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と「コーヒー及びココア,菓子及びパン」を共通にするものであり、本願商標の指定役務「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標の指定商品「コーヒー及びココア,菓子及びパン」と類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標と引用商標とは、外観上顕著な差異を有するものである。本願商標の「Brun」の文字は、フランス語で「褐色・茶色」を意味するものであり、化粧品関連の分野において、従前から色彩を示すものとして普通に使用されていたもので、近時チョコレートなどの色に相応させたものとして、菓子の分野においても認識された語である 。また、本願商標に係る指定商品「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン」等においては、主たる需要者が婦人等の女性であるので、本願商標に接する主たる需要者においては、「Brun」の意味合いを概ね把握しているため、需要者をして直ちに「褐色・茶色」というイメージを感得する。他方、引用商標を構成する「(le) blanc」は、フランス語で「白色」を意味するもので、飲食物の分野においては、ワインの種別(すなわち「白ワイン」であること)やチーズの品質(すなわち「白色のチーズ」であること)を示すものとして、広く認識されているものである。特に、我が国に流通している数多くの「白ワイン」には、その種別を示すものとしてラベルに「BLANC」、「Blanc」、又は、「blanc」の表示が付されており、消費者はその表示を認識して「白(ワイン)」であることを確認している。したがって、本願商標と引用商標とは、外観上及び観念上の相違点が、称呼における共通性を凌駕するので、両商標は非類似である旨主張している。
しかしながら、「Brun」の文字は、化粧品分野を含めて我が国において、「茶色、褐色」を意味する語として、親しまれた語といえないことは、前記認定のとおりであり、請求人も何ら請求人の主張を裏付ける証拠を提出していない。
他方、「Blanc」の文字は、例えば、輸入ワインについて「Blanc」の記載があることは認められるものの、一般にその商品説明には「白」と表示されているのであって、ワイン、チーズ等に「Blanc」が使用されているとしても、該文字が「白」を意味するものとして一般に知られているとまではいうことができない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じさせるものではない。
また、本願商標の外観は、「Le」の文字と「Brun」の文字とを二段にし、手書き風の書体で表されているものであるが、この程度の図案化は、商標において広く行われているものであり、本願商標は、外観において顕著な特徴を有するものとはいえない。
そして、引用商標は、「le blanc」及び「ル・ブラン」の文字を二段に書してなるものであるが、いずれも平易な書体であって、外観上顕著な特徴を有するものではない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
また、請求人は、近時の取引の実情から、需要者・取引者は、外観上の特性を知ったことを前提にして取引を行うというのが自然であり、外観を重視した取引が大勢を占めるものである旨主張するが、簡易、迅速を尊ぶ取引の実際においては、電話を用いた口頭による取引を行う場合も少なくないこと、テレビ・ラジオ等によるコマーシャル等のように専ら称呼による商品の宣伝広告が行われる場合があり、これらの宣伝広告を記憶してその称呼を頼りに取引に当たる場合も少なくなく、称呼の重要性も軽視できないというべきであるから、請求人の上記主張も採用することができない。
なお、請求人は、過去の審決例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、これらの事例は、構成文字の組み合わせが異なるものであり、本願とは事案を異にするものであるから、請求人のかかる主張も採用することはできない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1

別掲2

審理終結日 2011-05-23 
結審通知日 2011-05-27 
審決日 2011-06-08 
出願番号 商願2009-75877(T2009-75877) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X3035)
T 1 8・ 261- Z (X3035)
T 1 8・ 263- Z (X3035)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 早川 真規子 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 小畑 恵一
高橋 幸志
商標の称呼 ルブラン、ブラン 
代理人 赤澤 一博 
代理人 宮澤 岳志 

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