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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X38
管理番号 1241431 
審判番号 不服2010-20307 
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-09-09 
確定日 2011-07-22 
事件の表示 商願2009-64448拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「光もっと割引」の文字を標準文字で表してなり,第38類「電気通信(放送を除く。),放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として,平成21年8月24日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由
原査定は,「本願商標は,その指定役務との関係から『光ファイバー』程度の意味合いを容易に認識させる『光』の文字と,『その上に。さらに』等の意味の語である『もっと』の文字と,『一定の価額中から何割かを減ずること』等の意味の語である『割引』の文字を結合し,『光もっと割引』の文字を横書きに書してなるところ,本願指定役務に含まれる電気通信の分野においては,様々な割引制度が存在する実情にあるから,これをその指定役務中,前記意味合いに相応する役務,例えば『電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供』に使用しても,『一定の価額中から,さらに何割かを減じられた,光ファイバーを利用した電気通信に関する役務の利用形態』程度の意味合いを認識させるに過ぎず,単に役務の質,提供の方法を普通に用いられる方法で表示するものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,前記第1のとおり,「光もっと割引」の文字を書してなるものであるところ,このうち「割引」の文字部分は,「一定の価額中から何割かを減ずること」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)の意味を有するから,本願商標は,その構成文字全体から,「光の価額中から,さらに何割かを減ずること」程度の意味合いが理解されるものである。
そして,本願指定役務中,「電気通信(放送を除く。)」の分野においては,「光」の文字が「光ファイバー(回線)を利用した通信サービス」程度の意味合いで使用されている事実が,原査定において示したもののほか,以下(1)のように見いだせ,さらに,「光」の文字が「光ファイバー(回線)を利用した通信サービス」程度の意味合いであることを前提に,そのサービスに係る料金を「光の価格」「光の料金」などと称している事実が,以下(2)のように見いだせる(下線は,当合議体によるものである。)。

(1)「光」の文字が「光ファイバー(回線)を利用した通信サービス」程度の意味合いで使用されている事例
ア 「ブロードバンド、光が過半数」の見出しで,「総務省は18日、ブロードバンド(高速大容量)サービスの今年6月末時点の契約数が3092万7000件となり、そのうち光ファイバー回線は1588万9000件で、全体に占める割合が51.4%となったと発表した。光ファイバーが半数以上を占めたのは初めて。」との記載(2009.09.19 東京新聞 朝刊 8頁)。
イ 「ブロードバンド契約数 『光』がDSLを逆転/総務省まとめ」の見出しで,「総務省は17日、家庭向けブロードバンド(高速大容量通信)契約数のうち、光ファイバー回線が6月末時点に初めて、一般の電話回線を使ったDSL(デジタル加入者線)を上回って最多になったと発表した。光ファイバーは、3月末時点に比べて93万件多い1308万件と、全体の45%を占めた。逆にDSLは42万件少ない1229万件で、42%にとどまった。ブロードバンドサービス全体の契約数は59万件増えて2934万件だった。」との記載(2008.09.18 読売新聞 東京朝刊 8頁)。
ウ 「『光』は西から?高利用率 関電の通信子会社 契約100万件突破」の見出しで,「関西では光ファイバーが優位-。関西電力の通信子会社『ケイ・オプティコム』(大阪市)の光ファイバーによるブロードバンド接続(FTTH)の契約が先月、100万件を突破。電力会社系通信会社が躍進したことで、関西地方は全国でも光ファイバー接続の利用率が高いことが改めて強調された格好だ。」との記載(2010.04.15 産経新聞 東京朝刊 13頁)。
エ 「光とADSLの違い」との見出しがあるウェブサイトにおいて,「圧倒的に速い光回線!」「下り上り最大200Mbps*1の圧倒的通信速度を誇る光回線はADSLと比べて圧倒的に速い!動画やファイルのダウンロードには通信速度が速く安定している光回線が一番です。」との記載(http://www.ocn.ne.jp/hikari/wflets/chigai/)。
オ 「インターネット接続サービスのご案内」との見出しがあるウェブサイトにおいて,「速くて快適 光ファイバー」「光のプラン一覧」との記載(http://join.aolservice.jp/index.html)。

(2)光ファイバー(回線)を利用した通信サービスに係る料金が「光の価格」「光の料金」などと称されている事例
ア 「プロバイダー比較」との見出しがあるウェブサイトにおいて,「当サイトで紹介しているプロバイダの種類にはOCN ヤフーBB BIGLOBE so-net nifty KDDI GyaO AOL interQ BB.exciteなどがあります。また、プロバイダ契約時には回線業者としてauひかりやフレッツ光などに申し込む必要があります。光とADSLを選ぶ必要があり、今から申込をされる場合、時代をかえりみると光のほうがお得です。ADSLより光のほうが早く、光の価格が今後さらに安くなる可能性が高いからです。」との記載(http://www.providernavi.info/genre14.html)。
イ 「ADSLを見直していこう」との見出しがあるウェブサイトにおいて,「ADSLと光の価格」「ADSLと光という二つの通信方法を比較した場合に、その比較対象となる一つめは、価格というものでしょう。現在、光ネットワークは、明らかに低価格化の道を進んでいます。そのため実際には、ADSLよりも安いタイプの光というものも出ているのです。しかしそのような光の条件には、集合住宅という状況が多く、戸建でのネットワーク使用では、ADSLと光では、いまだに数千円の差というものが存在しているのです。」との記載(http://review-adsl.com/change/)。
ウ 日本電信電話株式会社に係るウェブサイトにおいて,「今後の光の料金についてどう考えているか。」「当社は世界に先駆けて光の普及を決断した時点から、光の価格をADSL並みにしたいという目標を掲げ、事業に取り組んできた。」との記載(http://www.ntt.co.jp/topics/hikari/index.html)。
エ 「経営ひと言/イー・アクセスの深田浩仁社長『機会うかがう』」との見出しで,「『光回線のアクセスチャージ(接続料)は高すぎる』と不満を漏らすのは、非対称デジタル加入者線(ADSL)大手、イー・アクセス社長の深田浩仁さん。(中略)『光の接続料がADSL並みに安くなれば、光回線事業に参入することもやぶさかではない』という。」との記載(2010.06.02 日刊工業新聞 9頁)。
オ 「ADSL&光比較プロバイダーNAVI」との見出しがあるウェブサイトにおいて,「プロバイダー月額料金比較一覧とADSL・光の通信料比較」「プロバイダー毎の高速ブロードバンド(ADSL・光)料金比較一覧表」との記載(http://bb.s2mall.net/provider.shtml)。

してみれば,「光の価額中から,さらに何割かを減ずること」程度の意味合いが理解される本願商標を,本願指定役務中,「電気通信(放送を除く。)」に使用するときは,「光」の文字からは「光ファイバー(回線)を利用した通信サービス」程度の意味合いが理解されることより,そのサービスに係る料金が「光の価格」「光の料金」などと称されていることも相まって,本願商標の構成文字全体から,「光ファイバー(回線)を利用した通信サービスの価額中から,さらに何割かを減ずること」程度の意味合いが直ちに理解されるといわざるを得ない。
そうすると,本願商標は,本願指定役務中「電気通信(放送を除く。)」に使用された場合,これに接する取引者・需要者をして,上記程度の意味合いを理解させるにとどまるものといえるから,役務の質(内容)を表示するにすぎず,自他役務としての識別機能を果たさないものというのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 請求人の主張について
(1)請求人は,「光」の語が多義的であることもあって,本願商標中の「光」の文字が直ちに「光ファイバー回線を各家庭まで引き込んで高速インターネット通信を提供するサービス」程度の意味合いを容易に認識させるとはいえない旨,主張する。
しかしながら,前記1のとおり,「光」の文字は,「電気通信(放送を除く。)」の分野において「光ファイバー(回線)を利用した通信サービス」程度の意味合いで使用されている事実があることより,同意味合いが直ちに理解されるものといえるので,請求人の上記主張は採用することができない。
(2)請求人は,「光もっと割引」の文字が,請求人以外の者によって一般に使用されていないことをもって,本願指定役務に係る取引者,需要者は,本願商標を,自他役務を識別する機能のある標識として認識する旨,主張する。
しかしながら,商標法第3条第1項第3号は,取引者,需要者に指定役務の質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき,それ故に登録を受けることができないとしたものであって,該表示態様が役務の質を表すものとして必ず使用されるものであるとか,現実に使用されている等の事実は,同号の適用において必ずしも要求されないものであるから,上記請求人の主張は採用することができない。
(3)請求人は,他の商標の登録例を挙げ,これらの商標が登録されている以上,本願商標が登録されないことは不合理である旨,主張する。
しかしながら,登録出願に係る商標が商標登録の要件を具備しているか否かは,当該商標の構成態様と,指定役務の取引の実情等に基づいて,個別具体的に判断されるべきであり,本願商標については,前記1のとおり判断されるものである。
「光ぐっと割引」の文字を標準文字で表してなる,登録第4913119号商標についても,その構成態様は本願商標と異にするものであり,その構成態様による取引の実情や需要者の認識等も自ずと異なるものである。
例えば,本願商標中の「もっと」の文字部分は,「その上に。さらに」の意味のみを有する語であるのに対し,該登録商標中の「ぐっと」の文字部分は,「一気に強い力を加えたり気合を入れて行なったりするさま」,「基準とした物事と比較して差が非常に大きいさま。一段と」,「心に強い衝撃を受けるさま」,「狭いところで急に物がつかえたり進行が止まったりするさま」及び「わずかな声や音を出すさま。ちょっと物を言うさま」の5種の意味を有する語であり(いずれも「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店)),「もっと割引」の文字については,「movaからfomaに変更するともっと割引されると広告で見かけたのですが,…」(http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4637728.html)や,「今設定の分割代金ははWホワイトプランにしたことを前提の額で頭金は0円だそうだ。(中略)私の場合は機種変での割引額。新規ならもっと割引される。」(http://ken-show.at.webry.info/200801/article_3.html)などと利用され,親しまれている。
そうとすれば,該登録商標とその構成態様を異にする本願商標については,前記1のとおり,その構成態様及び指定役務の取引の実情等に基づき,個別具体的に判断すべきであるから,請求人の上記主張は採用することができない。

3 結語
以上のとおりであるから,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして,本願を拒絶した原査定は,妥当であって,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-05-20 
結審通知日 2011-05-25 
審決日 2011-06-07 
出願番号 商願2009-64448(T2009-64448) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X38)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 池田 光治宗像 早穂平澤 芳行 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 田中 亨子
守屋 友宏
商標の称呼 ヒカリモットワリビキ、ヒカリ、モットワリビキ 
代理人 志賀 正武 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 村山 靖彦 
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