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審決分類 審判 全部無効 商4条1項16号品質の誤認 無効としない X25
審判 全部無効 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 無効としない X25
管理番号 1241383 
審判番号 無効2010-890109 
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-09-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2010-12-27 
確定日 2011-07-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第5125667号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5125667号商標(以下「本件商標」という。)は、「コットンヒップ」及び「Cottonhip」の文字を二段に横書きにしてなり、平成19年6月11日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同20年1月8日に登録査定、同年4月4日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第10号証(枝番を含む。)を提出した。
〈請求の理由〉
本件商標は、以下のとおり、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は、同法第46条第1項第1号の規定により、無効にすべきものである(なお、請求人は、審判請求の根拠条文について、「商標法第43条の2第1項の規定により取り消されるべきである。」旨主張するが、請求の趣旨及び理由の要約の記載からすると、上記記載のとおり、「商標法第46条第1項第1号の規定により、無効にすべきものである。」の誤記と認める。)。
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
ア 本件商標中の「コットン」及び「Cotton」の文字部分は、外来語で「綿織物」、「木綿」を意味する語として親しまれている語であり(甲第2号証)、例えば、「コットンシャツ」、「コットンインナー」及び「コットンショーツ」が「木綿製のシャツ」、「木綿製のインナー」及び「木綿製のショーツ」を意味するように、本件商標の指定商品「被服」の関係では、単にその品質(材質)を表すにすぎない。また、本件商標中の「ヒップ」及び「hip」の語も、日常普通に用いられる外来語であり(甲第2号証)、同様に、本件商標の指定商品「被服」との関連において、「臀部」及び「腰」を指称する語にすぎない。したがって、「コットン/Cotton」と「ヒップ/hip」の語は、いずれの語も自他商品の識別機能を果たし得ないものである。
そして、本件商標は、識別力のない「コットン/Cotton」と「ヒップ/hip」の語を単に結合した語であり、「コットンヒップ」又は「Cottonhip」の語としては、「木綿製のショーツ」の意味を表したもので、その全体としても指定商品の品質を直接的に表したものにすぎない。したがって、本件商標は、その指定商品との関係では、自他商品識別機能を発揮し得ないものである。
イ 請求人は、過去に、「COTTONHIP」の欧文字と「コットンヒップ」の片仮名文字よりなる商標を第25類に出願したところ、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶査定を受けた(甲第3号証の1ないし3)。その拒絶理由通知では、「本願商標は、『臀部』『腰』を指称する語として知られている『HIP』『ヒップ』の文字に、『綿織物』『木綿』等の意味合いにおける外来語として、わが国においても日常普通に使用されている『COTTON』『コットン』の文字を冠し『COTTONHIP』『コットンヒップ』と普通に用いられる態様で書したものですから、これをその指定商品中、例えば『木綿製のコルセット』『木綿製のショーツ』等に使用した場合、前記意味合いにおける商品の品質(材質)を表示するものとして認識させるにすぎない。」旨認定した(甲第3号証の2)。
ちなみに、「コットン」又は「Cotton」の語を結合辞として構成された下記の商標が第25類で出願されたが、商標法第3条第1項各号を根拠条文として拒絶された。
商標「Cotton Hip」(商願平08-49003号、甲第4号証)、商標「COTTONBOTTOMS」(商願平08-57336号、甲第5号証)、商標「Cottonplus」(商願2008-28355号、甲第6号証)、商標「コットンウォーマー」(商願2008-64899号、甲第7号証)
上記「Cotton Hip」(甲第4号証)は、本件商標の構成文字と同一であり、かつ、請求人が過去に出願した「COTTONHIP/コットンヒップ」(甲第3号証)とは、別の出願であるが同様に拒絶されている。
また、「ヒップ」又は「HIP」の語を結合辞として構成された下記の商標が第25類で出願されたが、前記と同様に商標法第3条第1項各号を根拠条文として拒絶された。
商標「SILKY・HIP/シルキーヒップ」(商願平09-159966号、甲第8号証)、商標「beautyhip/ビューティーヒップ」(商願2004-42887号、甲第9号証)、商標「ヌードヒップ」(商願2005-71051号、甲第10号証)
ウ 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標がその指定商品中、「木綿のショーツ」等、木綿製のボトム衣類以外の商品に使用するときは、その商品の品質につき誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。

3 被請求人の主張
被請求人は、前記2の請求人の主張に対し、何ら答弁するところがない。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
ア 本件商標は、前記1のとおり、「コットンヒップ」の片仮名文字と「Cottonhip」の欧文字を二段に横書きにしてなるものであるところ、請求の理由によれば、請求人は、本件商標を構成する「コットン」、「Cotton」及び「ヒップ」、「hip」の各語は、その有する意味(甲第2号証)から、いずれも自他商品の識別機能を有しない語であることを前提に、これらを結合した本件商標は、「木綿製のショーツ」の意味を表示するにすぎないから、全体として自他商品の識別機能を有しないと結論づけ、「コットン(「Cotton」、「COTTON」)」若しくは「ヒップ(「Hip」、「HIP」)」の文字を含む商標又はその両方の語よりなる商標についての過去の審査例を引用して(甲第3号証の1ないし甲第10号証)、本件商標が商標法第3条第1項第3号に該当する根拠としている。
イ そこで、本件商標が、その指定商品について使用された場合に、自他商品の識別標識としての機能を有するものであるか否かについて、以下検討する。
(ア)確かに、「コットン」、「Cotton」の語及び「ヒップ」、「hip」の語は、前者が「木綿」などを意味し、後者が「腰」などを意味する語として(甲第2号証)、いずれも我が国の一般の需要者の間によく知られている語であって、指定商品との関係からみれば、「コットン」、「Cotton」の語は、被服等の原材料が木綿であることを表示するものとして普通に使用されているものであり、また、「ヒップ」、「hip」の語は、被服の採寸のポイントとなる箇所であったり、スタイル等を決めるポイントとなる箇所であることを認めることができ、本件商標は、「コットン」、「Cotton」及び「ヒップ」、「hip」の2語を結合したものと理解されるものといえる。
しかしながら、本件商標は、これを構成する「コットンヒップ」及び「Cottonhip」の各文字が、いずれも同一の書体をもって一連に書されており、「コットン」、「Cotton」及び「ヒップ」、「hip」の2語の結合状態は強いものであって、本件商標の構成全体を観察した場合においても、外観上まとまりよく表されているといえるものであり、また、本件商標より生ずると認められる「コットンヒップ」の称呼も、無理なく一気一連に称呼し得るものであり、そして、「コットン」、「Cotton」及び「ヒップ」、「hip」の2語は、前記のとおり、個別に観察すれば、いずれも自他商品の識別機能が弱いものであるところから、両語の間に識別上ないし観念上の軽重の差がないといえ、加えて、「コットンヒップ」ないし「Cottonhip」の語が、本件商標の登録査定の時点において、請求人が主張するように、「木綿製のショーツ」の意味をもって、該商品の品質を具体的、かつ、直接的に表示するものとして、取引上普通に使用されていた結果、これに接する需要者が、直ちに商品の品質等を表示し、自他商品の識別機能を有しない語として認識していたと客観的に認めるに足りる証拠の提出はないこと(特に、「ヒップ」、「hip」の語が、「ショーツ」等の普通名称を表すものとして普通に使用されている事実は見出せない。)、などを総合すると、本件商標は、これをその指定商品について使用した場合は、その需要者に、構成全体をもって一体不可分の造語を表したと認識されるとみるのが相当である。その他、本件商標が、その登録査定時に、「木綿製のショーツ」ないしその品質を表示するものとして、取引上普通に使用されていたと認めるに足りる証拠は見出せない。
なお、本件商標の審査段階において提出された刊行物等提出書(提出日を平成19年10月3日とする。)に添付の甲第5号証ないし甲第13号証(以下「刊行物甲第○号証」という。)によれば、以下の記載が認められる。
A 福助株式会社の発行に係る2005年(平成17年)ないし2007年(平成19年)のカタログ(刊行物甲第5号証ないし同甲第7号証)には、「Cotton Hip/コットンヒップ」の表示と共に、「95%コットンのフィットショーツ・・ヒップを包み込むパターン・・」(刊行物甲第5号証ないし同甲第7号証)、「はき丈設計やや浅め」(刊行物甲第7号証)などの文字の記載があること。
B インターネット通販(刊行物甲第8号証ないし同甲第12号証)には、「コットンヒップハングショーツ」(刊行物甲第8号証及び同甲第10号証)、「コットンヒップハンガー」(刊行物甲第9号証)、「コットンヒップハングビキニショーツ」(刊行物甲第11号証)、「コットンヒップハンガーショーツ」(刊行物甲第12号証)の表示のもと、「婦人用ショーツ」が紹介されていること。
C 請求人の販売に係るショーツに付されたタグ(刊行物甲第13号証)には、「コットンヒップ」、「脇の縫い目ナシ」、「綿混」、「お肌にやさしいスクワラン加工」、「おなかゆったり」などと表示されていること。
しかしながら、福助株式会社及び請求人の販売に係る商品「ショーツ」に表示された「Cotton Hip/コットンヒップ」又は「コットンヒップ」の文字が、商品「ショーツ」について、いかなる品質を表示するものとして使用されているか判然としないのみならず、カタログ又はタグを見る限りにおいて、「Cotton Hip/コットンヒップ」又は「コットンヒップ」の文字は、商品の品質を表示するというより、むしろ、商標的な使用とみることができる。また、インターネット通販における表示は、「コットンヒップハングショーツ」、「コットンヒップハンガーショーツ」等であって、被服の業界において、「スカートやスラックスをウエストで締めずに、腰骨にかけて着る着方」を「ヒップハンガー(hip hanger)」と称している事実があるところからすると、上記表示中の「コットンヒップ」の文字のみが分離・抽出されて着目されるものではない。
したがって、上記刊行物等提出書に添付された証拠によっても、本件商標の登録査定時に、「コットンヒップ」ないし「Cottonhip」の文字が、商品「ショーツ」の品質を表示するものとして、取引上普通に使用されていたものと認めることはできない。
(イ)以上によれば、本件商標は、これをその指定商品のいずれについて使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
ウ 過去の審査例について
請求人が引用する審査例における商標は、本件商標とは、構成する文字が一連であるか否かの相違、あるいは、「コットン(若しくは「Cotton」、「COTTON」)」又は「ヒップ(若しくは「Hip」、「HIP」)」の文字と結合する文字における相違など、その構成態様を異にするばかりでなく、当該事例における審査においても、その多くのものは、請求人の主張と同様に、当該商標を構成する文字全体が、商品の品質を表示するものとして普通に使用されているという事実を明らかにする証拠を開示することなく、単に当該商標を構成する文字のうちから、単語ごとに抽出し、抽出した単語の意味のみをもって、商標全体から生ずる意味合いを導き出し、その意味合いが指定商品の品質を表示するものであると認定したと推認することができる。
なお、審査例のうち、例えば、「コットン(Cotton、COTTON)」と結合した「BOTTOMS」は「下半身に着る服」の意味を、また、「plus」「ウォーマー」の語はそれぞれ「加えること」、「暖めるもの」等の機能あるいは効能に該当するような意味を有するものであることからすれば、それぞれの商標全体として品質を表示するといえるものであり、本件商標とは明らかに事案を異にするものである。
してみると、請求人の挙げた過去の審査例をもって、本件における上記イの認定が左右されるものではない。
エ したがって、本件商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとする請求人の主張は、理由がなく、採用することはできない。

(2)商標法第4条第1項第16号について
前記(1)イ認定のとおり、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の造語を表したと認識されるものであるから、これをその指定商品のいずれについて使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとする請求人の主張も、理由がなく、採用することはできない。

(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項第1号の規定により、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-05-18 
結審通知日 2011-05-24 
審決日 2011-06-08 
出願番号 商願2007-58954(T2007-58954) 
審決分類 T 1 11・ 13- Y (X25)
T 1 11・ 272- Y (X25)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 岩谷 禎枝田村 正明 
特許庁審判長 野口美代子
特許庁審判官 前山るり子
内山 進
登録日 2008-04-04 
登録番号 商標登録第5125667号(T5125667) 
商標の称呼 コットンヒップ 
代理人 清原 義博 
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