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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X36
審判 全部申立て  登録を維持 X36
審判 全部申立て  登録を維持 X36
管理番号 1240012 
異議申立番号 異議2010-900339 
総通号数 140 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-08-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-10-29 
確定日 2011-07-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第5341631号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5341631号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5341631号商標(以下「本件商標」という。)は,「レジアス」の片仮名を書してなり,平成22年3月25日に登録出願,第36類「資金の貸付け及び手形の割引,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,商品代金の徴収の代行,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」を指定役務として,同年6月10日に登録査定,同年7月30日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が取消理由に引用する登録商標は,以下の(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第4473847号商標(以下「引用商標1」という。)は,「REGUS」の欧文字を標準文字で表してなり,平成11年2月22日に登録出願,第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務並びに第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」を指定役務として,同13年5月11日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4473848号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲(1)のとおりの構成よりなり,平成11年2月22日に登録出願,第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務並びに第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」を指定役務として,同13年5月11日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
以下,これらをまとめていうときは,「引用商標」という。

3 本件登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標
本件商標は,片仮名「レジアス」を同書,同大,等間隔にて横書きしてなる。
これに対し,引用商標1は,標準文字の欧文字にて同書,同大,等間隔で「REGUS」と書してなる。また,引用商標2は,別掲(1)のとおり,欧文字「Regus」がデザイン化されており,中央の「g」を中心に空間を開けながら左右対称に下線が引かれ,「g」の文字上には,王冠の左半分を表したような図形とそれを白黒反転させた右半分の王冠図形が配置されている。
引用商標の商標権者は,申立人である。
イ 本件商標と引用商標との類否
(ア)外観と観念について
本件商標と引用商標は,片仮名と欧文字の差異があることから,外観上は類似しているとはいい難い。次に,観念を比較するに,本件商標「レジアス」は,何ら観念を伴わない造語商標として理解されるといえる(甲第4号証)。
一方,引用商標に係る欧文字「Regus」は,甲第5号証にあるとおり,イギリス人の苗字として使用されており,その由来は,ラテン語で「王」を意味する「rex」や「regis」にあるとされている。
また,引用商標2は,その構成に王冠を配置している。かかる欧文字の由来及び王冠の図形の存在を総合すると,引用商標からは,「王」なるイメージが漠然と看取されるといえる。
(イ)称呼について
本件商標からは「レジアス」の称呼が生じる。一方,引用商標からは,我が国で親しまれたローマ字読み風の「レグス」「リガス」「レガス」等の称呼が生じ得るほか,その取引の実情から「リージャス」の称呼が生じるものである。引用商標から生じ得る称呼のうち「リージャス」が,最も本件商標の称呼「レジアス」と類似すると考えるが,まずは引用商標から「リージャス」の称呼が生じる取引の実情を以下述べる。
(a)申立人は,世界各国の企業向けにレンタルオフィス・サービスオフィスを提供するイギリスの法人であり,1989年設立以来,現在では,世界85力国,500都市,1100拠点においてビジネスセンター事業を展開し,100,000社以上の顧客を抱えている(甲第6号証)。我が国においては,1998年に現地法人「日本リージャス株式会社」を設立して以来,現在では,東京・横浜・大阪・名古屋・福岡・広島・仙台・神戸といった主要都市において,25のサービスオフィスセンターを有するに至っている(甲第7号証)。甲第8号証及び甲第10号証からは,日本リージャス株式会社が,会社パンフレット,ホームページ,名刺(発行枚数:約30万枚),封筒(発行枚数:約50万枚)等において,引用商標とともに,片仮名「リージャス」を,自らのハウスマークとして使用していることがわかる。
(b)日本リージャス株式会社は,事業展開している東京・大阪等の主要都市において,積極的に,駅ポスター,車内広告,空港バナー広告等の宣伝活動を行っている(甲第11号証ないし甲第34号証)。当該広告には,引用商標のいずれか一方又は両方を表示し,片仮名「リージャス」を併記していることから,広告を目にした者は,「REGUS」の呼び名が「リージャス」であることを容易に理解するものである。また,当該広告は,1日の乗降客数が数十万人,数百万人単位である東京・大阪等の大都市の駅・空港に出されており,非常に多くの者が当該広告を目にしている(甲第35号証)。加えて,日本リージャス株式会社のCMが,平日朝にBSジャパンで放送されているニュース番組「モーニングサテライト」において,2010年11月から流されていることを併せて考えると(甲第9号証及び甲第36号証),引用商標の呼び名が「リージャス」であることは,多くの者に知られている事実であるといえる。
(c)申立人の現地法人である日本リージャス株式会社が行うレンタルオフィスの提供サービスは,従来日本では馴染みの薄い役務であったため,日本経済新聞等,様々な媒体に取り上げられ注目されている(甲第37号証ないし甲第54号証)。このことからも,引用商標から「リージャス」の称呼が生じると理解している者は多いといえる。
(d)以上より,本件商標と引用商標からは,ともに「リージャス」の称呼が生じるといえる。
(e)本件商標から生じる称呼「レジアス」と引用商標から生じる称呼「リージャス」とを比較すると,両者の差異は,語頭の「レ」と「リ」及びその後の長音の有無,「ジアス」と「ジャス」の差にすぎない。語頭の「リ」と「レ」はともに「ラ行」に属する上,帯同する母音の「工」と「イ」は調音方法が近い近似音である。また,「ジアス」と「ジャス」を実際に発音した際も,「ジアス」は3音ともはっきり発音されるというよりも,「ア」の音は「ジ」の音に吸収され「ジャス」に近い音となる。
また,先に例に挙げた「Regis」なる語は,「レジス」とも読まれることから(甲第57号証),引用商標中「RE」の部分を「レ」と発音し,「GUS」を「ジャス」と発音すると考える者がいることもあり得る。その場合は,引用商標の称呼は「レジャス」となり,本件商標と引用商標の称呼の差は語頭「レ」の後の「ジアス」と「ジャス」となる。「レジアス」の「ジアス」の部分は一連に称呼するとはっきり発音されずに「ジャス」に近くなることから,両商標の称呼は極めて近いものとなる。特に,取引実情においては,必ず一音一音を明確に区切って称呼され,聴取されるとは限らないことから,本件商標と引用商標の称呼の差異が全体の称呼に及ぼす影響は極めて微差であり,両者は称呼上彼此混同が生じるおそれが高い。
(ウ)本件商標と引用商標との比較
本件商標と引用商標は,外観上は類似しているとはいい難い。また,本件商標からは何らの観念が生じない一方,引用商標からは「王」なるイメージが生じる。最後に,本件商標から生じる称呼「レジアス」と引用商標から生じる称呼「リージャス」「レジャス」は,その音感,音質から類似するといえる。よって,本件商標と引用商標は,その称呼の類似性から,全体として互いに相紛れるおそれのある類似の商標である。また,本件異議申立てに係る指定役務と引用商標の指定役務は相抵触している。
よって,本件商標を本件異議申立てに係る指定役務に使用した場合,引用商標を使用した役務との間で役務の出所について混同を生じさせるおそれが十分にある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標が申立に係る指定役務に使用された場合,取引者,需要者が申立人リージャス・マネージメント・リミテッド,又はその日本現地法人である日本リージャス株式会社の業務に係る役務,若しくはこれら法人と何らかの関係がある役務であると誤認し,役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
ア 引用商標及び申立人使用の商標「リージャス」の著名性
引用商標及び申立人が日本において使用している商標「リージャス」は,申立人リージャス・マネージメント・リミテッドが提供するサービスオフィスの貸与に使用される商標として需要者に広く知られている。申立人は,世界各国の企業向けにサービスオフィスを提供するイギリスの法人であり,1989年に設立以降,現在では,世界85力国,500都市,1100拠点においてビジネスセンター事業を展開し,100,000社以上の顧客を抱えている(甲第6号証)。
「サービスオフィスの貸与」とは,受付・秘書,家具・什器・IT・会議室等が完備のサービス付きオフィスを契約期間において貸与するサービスである。申立人の当該役務は,オフィス家具や備品,インターネット等が完備されたオフィススペースを利用者の業務の規模,時期的都合等に応じて提供し,併せて電話対応等の秘書代行サービスも提供している(甲第8号証)。サービス内容としては,オフィスそのものを賃貸する常駐型や,賃貸オフィスなしで,オフィス機能の全てにアクセスできるバーチャルサービスをも提供し,初期投資を抑えたい起業時,出張・移動の多い者,在宅ビジネス等を行なう者を主な需要者としている(甲第59号証)。
イ 申立人は,1998年に日本に進出し日本現地法人,日本リージャス株式会社を設立して以来,継続的に引用商標及び商標「リージャス」を使用しており,申立人の提供するレンタルサービスオフィスセンターは,既に25箇所となり,毎年次々と新たなセンターが設立されている(甲第7号証)。
日本におけるレンタルオフィス業界は,新たなサービススタイルであるため全国展開を行っている企業は少ないものの,申立人とオーストラリア系のサーブコープジャパン株式会社の2社がシェアを二分している。両者が有するオフィス数(物件数)はそれぞれ,25箇所と21箇所である(甲第60号証)。甲第61号証はレンタルオフィス企業の一覧であり,上記2社以外は全国展開の規模には至っていないことがわかる。
申立人は過去3年において,事業展開をしている東京,大阪等の主要都市において,駅広告,空港バナー広告,電車の申吊広告,電飾看板等といった手段を用いて積極的に広告宣伝活動を行っている(甲第11号証ないし甲第34号証)。当該広告は,1日の乗降客数が十万人,百万人単位である東京・大阪等の大都市の駅・空港に出されており,非常に多くの者が当該広告を目にしている(甲第35号証)。
加えて,日本リージャス株式会社のCMが,平日朝にBSジャパンで放送されているニュース番組「モーニングサテライト」において,2010年11月から流されていること(甲第9号証及び甲第36号証)を併せて考えると,引用商標及び商標「リージャス」は,需要者の間で広く知られた商標であるといえる。また,申立人は,雑誌や在日米国商工会議所会報等媒体においても,宣伝広告を行っている(甲第62号証及び甲第63号証)。
ウ 更に,申立人のレンタルオフィスの貸与は,従来日本では馴染みが薄い役務であったため,様々な媒体に取り上げられ注目されたことが甲第37号証ないし甲第54号証の記事から明らかである。
エ また,インターネット検索サイト「YAHOO!JAPAN」にて,「REGUS」なる語を検索したところ,最初の20件全てが,申立人及び日本リージャス株式会社に関する記事であった(甲第55号証)。
かかる事実から,引用商標及び商標「リージャス」は申立人の商標として,不動産役務において全国的に広く知られていることが明らかである。
以上のとおり,申立人の商標は,レンタルオフィスの貸与等をはじめとし,広範な使用地域や宣伝広告等も相まって不動産業界で広く知られており,本件商標が不動産関連役務に使用されることで,申立人に係る役務,または申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く,その出所について混同を生じさせるおそれが高い。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は,申立人の業務に係る役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって,不正の目的(不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。)をもって使用するものに該当する。
ア 申立人の引用商標は,申立入リージャス・マネージメント・リミテッドの提供するレンタルオフィスの貸与サービスに使用されている商標として国内外における需要者の間に広く認識されている。
申立人は,世界各国の企業向けにサービスオフィスを提供しており,世界中でビジネスセンター事業を展開している。これは,申立人を含むリージャスグループが展開しており,リージャスグループは親会社リージャス・パブリック・リミテッドと申立人を含む多数の子会社からなる。親会社のリージャス・パブリック・リミテッドが株式の20%以上を保有する子会社は16社にのぼる(甲第64号証)。
リージャス・グループの親会社であるリージャス・パブリック・リミテッドが公表しているアニュアル・レポートによると,当該グループの2009年度の収益は約10億5510万ポンド(日本円約1528億円),営業利益は約8600万ポンド(約124億5500万円)であり(甲第65号証),アメリカ合衆国のフォーチュン誌が作成する企業ランキング“フォーチュン500”にランクインする企業の半数以上が,オフィス需要の一部を申立人のレンタルオフィス等に係る役務に委ねている(甲第6号証)。
また,インターネット上の辞書ウィキペディアに申立人の属するリージャス・グループについての記載があり,申立人の引用商標2が掲載されているとともに,「2010年3月現在,リージャス・グループの施設は南北アメリカでの14カ国で483施設(アメリカ合衆国の400施設を含む),ヨーロッパ・中東・アフリカの45力国で248施設,アジア・オセアニアの16カ国で116施設にのぼる。リージャス・グループは世界中で約5,500人を雇用している。」と述べられている(甲第66号証)。申立人のウェブサイトを確認すると,77の国と地域の565都市にて申立人の施設が分布していることが明らかである(甲第67号証)。
このように世界中の都市において,申立人に係る役務が引用商標のもとで提供されていることが明白であり,このことからも外国において広く認識された商標であると捉えることができる。
イ 次の要件である本件商標に係る不正の目的については,本件商標の使用態様により明らかである。
(ア)商標権者である,大林不動産株式会社は,本件商標を既に不動産物件シリーズ名として使用している。実際の使用態様は,別掲(2)に示すとおり,片仮名「レジアス」の他に,欧文字の大文字と小文字を「Regius」と書し,「g」の態様及び中央に王冠の図形を配している。このように本件商標の実際の使用に係る商標と申立人の引用商標2とは,その構成が極めて近似しており,時と場所を異にして両者を離隔観察した場合,彼此混同を生ずるほどに類似していると判断できる(甲第68号証及び甲第69号証)。
(イ)このような商標権者の実際の使用態様を考慮すれば,本件商標の使用は申立人が長年の使用により蓄積した信用(グッドウィル)を毀損させるものであり,不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって出願され,使用されている商標であることが推認される。商標権者は,不動産の売買鑑定等の業務を行っており,特許庁の“類似商品・役務審査基準”において類似群は36D01である。
一方,申立人の業務「レンタルオフィスの貸与」も同じ類似群に属する役務であり,両者の役務は類似する。そして既に述べたとおり,申立人の引用商標は全世界で使用され,需要者の間に広く認識されているため,申立人と同じ第36類の不動産関連の役務を行う商標権者は,申立人の引用商標の存在を知った上で,不正の目的をもって本件商標を使用していると考えられる。
また,申立人は,大林不動産株式会社に対し,平成22年3月12日付けで,本件商標に関連する書面を送付している。当該書面においては,申立人が引用商標に係る商標権を所有していること,引用商標が世界中の需要者に認知され著名であること等を理由に,大林不動産株式会社所有の登録商標「レジアス/REGIUS」(登録第5277725号商標)に対し異議申立てを行っている事実を申し述べるとともに大林不動産株式会社が商標権を放棄すること,登録商標の使用を停止すること等を検討するよう,大林不動産株式会社に申し入れている。しかしながら,大林不動産株式会社は,当該書面により引用商標の存在等を知ったにもかかわらず,当該書面の送付から約二週間後に,登録第5277725号商標の片仮名部分のみを取り出した態様からなる本件商標を登録出願している。このような出願は,日本又は外国で周知な商標について信義則に反する不正の目的をもって出願されたといわざるを得ない。
(ウ)以上より,本件商標は,申立人の業務に係る役務を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって,不正の目的(不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。)をもって使用するものに該当し,商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)まとめ
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号,同第15号及び同第19号に違反して登録された商標であるから,商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,「レジアス」の片仮名を書してなるものであるから,これよりは「レジアス」の称呼を生じ,特定の観念を有しないものと認められる。
他方,引用商標1は,「REGUS」の欧文字を表してなり,引用商標2は,その構成中に「Regus」の欧文字を有するものであるところ,各文字は,特定の観念を有しない造語と認められ,我が国にて一般に親しまれている英語読みに倣い「レグス」又は「リガス」の称呼を生ずるといえるものである。
ところで,申立人の提出に係る甲各号証よれば,引用商標は,「リージャス」の称呼をもって取引に資されていることが認められ,そうとすれば,これらの文字よりは,「リージャス」の称呼をも生ずるといえるものである。
そこで,本件商標より生ずる「レジアス」の称呼と,引用商標より生ずる「レグス」の称呼とを比較すると,両称呼は,4音又は3音という極めて短い音構成において,第2音から「ジア」と「グ」の音の差異を有するものであるから,それぞれ明瞭に聴取され得るものであり,称呼上互いに相紛れるおそれはないものである。
また,本件商標より生ずる「レジアス」の称呼と,引用商標より生ずる「リガス」の称呼とを比較すると,両称呼は,称呼の識別上重要である語頭において,「レジア」と「リガ」の音の明らかな差異を有するものであるから,それぞれを一連に称呼しても明確に聴別し得るものである。
次に,本件商標より生ずる「レジアス」の称呼と,引用商標より生ずる「リージャス」の称呼とを比較すると,両称呼は,共に4音という短い音構成において,語頭から「レジア」と,「リージャ」の音の明らかな差異を有するものであるから,全体の語調,語感が異なり,互いに相紛れるおそれのないものというのが相当である。
さらに,本件商標と引用商標は,それぞれ前記(1)のとおりの構成よりなるものであるから,外観上明確に区別し得るものであり,観念においては,それぞれ造語よりなるものであるから比較することができない。
そうとすれば,本件商標と引用商標とは,その称呼,外観及び観念のいずれの点においても類似しない商標というのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る甲第4号証ないし甲第57号証,甲第59号証ないし甲第67号証からすれば,引用商標及び申立人の使用に係る商標「リージャス」は,本件商標の登録出願時及び査定時において,申立人の「建物の貸与」に関する業務を表示する商標として取引者,需要者の間に一定程度知られていると認められるものである。
しかしながら,本件商標と,引用商標及び申立人の使用に係る商標「リージャス」とは,前記(1)のとおり,十分に区別し得る別異の商標であるから,商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても,申立人の引用商標及び同人の使用に係る商標「リージャス」を想起,連想させるものではないというのが相当であり,申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのように,その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は,前記(1)のとおり,引用商標及び申立人の使用に係る商標「リージャス」とは十分に区別し得る別異の商標であり,また,申立人の提出に係る甲第68号証及び甲第69号証を勘案しても,例えば,本件商標権者が申立人の業務との関係において,出所の混同を生じさせる目的をもって本件商標を不正に使用し,申立人に損害を与えたというような具体的事実を見いだすことはできない。
そうとすれば,本件商標は,引用商標の出所表示機能を希釈化させ,申立人の名声等を毀損させる目的をもって登録出願し,その他の不正の目的をもって使用するものとも認め難いものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項11号,同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)引用商標2



(2)使用商標



異議決定日 2011-06-29 
出願番号 商願2010-23084(T2010-23084) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X36)
T 1 651・ 271- Y (X36)
T 1 651・ 222- Y (X36)
最終処分 維持 
前審関与審査官 平澤 芳行 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 末武 久佳
田中 亨子
登録日 2010-07-30 
登録番号 商標登録第5341631号(T5341631) 
権利者 大林不動産株式会社
商標の称呼 レジアス 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
代理人 橘 哲男 
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