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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X0305
管理番号 1239969 
審判番号 不服2010-16533 
総通号数 140 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-07-23 
確定日 2011-07-06 
事件の表示 商願2008- 81969拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「うるおいミルククリーム」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第5類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年10月8日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、当審における平成22年7月23日付け手続補正書により、第3類「クリーム状のせっけん類,クリーム状の歯磨き,クリーム状の化粧品」及び第5類「クリーム状の薬剤」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『うるおいミルククリーム』の文字を標準文字で書してなるものである。web情報及び本願に対して第三者から平成20年12月25日付けで提出された刊行物等提出書の添付資料によれば、主として化粧品等との関係において、『うるおいミルク』の文字が『肌にうるおいを与える効果を有する乳液』を、また『ミルククリーム』の文字が『乳液のように水分量を多く含み、保湿効果を有するクリーム』程度の意味合いの語として用いられている事実を見出すことができる。この点から、本願商標をその指定商品中、例えば『肌にうるおいを与え、皮膚をなめらかにする効果を有する水分量の多いクリーム状の商品』に使用したときには、単に商品の品質、効能、形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「うるおいミルククリーム」の文字を書してなるところ、構成中の「うるおい」の語は「水気を帯びること。しめり。『肌に?がない』」(広辞苑)、「ミルク」の語は「ミルク状のもの。乳液。」(同)、「クリーム」の語は「白粉下(おしろいした)あるいは肌や髪の手入れに用いる乳状の化粧料。」(同)の意味を有するものである。
また、本願指定商品には、「乳液」、「クリーム」等の化粧品が含まれており、それらの商品は、別掲(1)のとおり、ともに水分と油分を含んだ保湿化粧品であり、肌にうるおいを与える効果を有するものである。
そして、「乳液」と「クリーム」の相違点は、配合される水分と油分の比率による形状(流動性)の相違にあるものの、化粧品業界においては、別掲(1)及び(2)のとおり、両者の中間の形状を有する「ミルク(乳液)状のクリーム」などが取り扱われており、さらに、別掲(3)のとおり、「うるおい(潤い)ミルク」の語は「保湿効果を有するミルク(乳液)」ほどの意味合いで使用され、別掲(4)のとおり、「ミルククリーム」の語は「ミルク(乳液)状のクリーム」ほどの意味合いで使用されている実情がある。
そうとすると、本願商標は、構成全体として「保湿効果を有するミルク(乳液)状のクリーム」ほどの意味合いを容易に想起させるものであり、これを補正後の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質、効能、用途、形状を認識するにとどまるものであって、自他商品の識別標識として認識するということはできないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお、請求人は、「うるおい」の語は、辞書によると「精神的なゆとり」などの様々な意味を有することからすると、本願商標中の「うるおい」部分からは、「心にゆとりを与える商品」などの意味合いもごく自然に想起されるものであり、必ずしも原査定認定の「保湿効果を有する商品」の意味合いが看取されるとも限らない旨、主張している。
しかしながら、化粧品業界において、「うるおい(潤い)」の語が、一般に「保湿効果を有する商品」に使用されているのは別掲(3)のとおりであり、「うるおい」の文字部分からは前記意味合いを想起させるというのが相当であるから、上記主張は採用することができない。
また、請求人は、本願商標中の「クリーム」部分からは、「クリーム剤」あるいは「クリーム状の商品」を想起するとしても、「ミルク(milk)」の語は、辞書によると「乳、母乳」、「牛(山羊)乳」、「樹乳」、「乳液(化粧品)」などの意味を有することからすると、本願商標中の「ミルク」部分からは、「乳成分を含んだ商品」、「樹乳成分を含んだ商品」などの意味も自然に想起されるため、「ミルククリーム」の文字部分からも、必ずしも原査定認定の意味合いが看取されるとも限らない旨、主張している。
しかしながら、別掲(4)のとおり、化粧品業界において、「ミルククリーム」の語は「ミルク(乳液)状のクリーム」ほどの意味合いで普通に使用されているものであるから、上記主張は採用することができない。
さらに、請求人は、本願商標を「うるおい」+「ミルククリーム」と捉えるか「うるおいミルク」+「クリーム」と捉えるかで想起される意味合いも異なってくると考えられるので、結局、本願商標は特定の意味合いを想起するものではないといわざるを得ず、そもそも、本願商標を構成する各語毎に区切り、その各語が有する意味から本願商標のもつ意味を想起しようとすること自体無理がある旨、主張している。
しかしながら、前記のとおり、化粧品業界においては、「うるおい」の語は商品の品質を表すもの、「ミルククリーム」の語は商品の名称として、それぞれ普通に使用されているものであるから、本願商標は、「うるおい」と「ミルククリーム」の語を結合したものと自然に認識され、「保湿効果を有するミルク(乳液)状のクリーム」程の意味合いを容易に想起させるものというべきであるから、上記主張は採用することができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲

(1)「美容Life キレイなお肌は美人の証拠!」と称するウェブサイトにおいて、「乳液とクリームのススメ」の項において、以下の記載がある(http://cosme-kanpai.chu.jp/susume-nyueki.html)。
ア 「乳液とクリームの違い」の見出しのもと、「クリームより乳液の方が油分が少なく、サラッとした感触です。乳液とクリームは、水分と油分の比率により形状に違いがあります。乳液の方が水分が多く、油分が少ないので伸びが良く、さっぱりとした使用感です。クリームは油分が多く半固形状なので乳液に比べ安定していますが指でつけることが多いので雑菌の繁殖の心配があります。」
イ 「乳液とクリームの役割」の見出しのもと、「乳液とクリームは、水分と油分を含んだ保湿化粧品で、肌の水分や栄養分を閉じ込める役割を果たしています。化粧水で与えた水分を蒸発させないようにしてお肌を保護し柔らかなお肌にしてくれます。」
ウ 「乳液の種類 (朝用/夜用)」の見出しのもと、「【夜用】肌質によって、さっぱり用としっとり用が選べるようになっている製品が多いです。朝用に比べコクがあり、油分の補給、肌の柔軟効果、水分を逃がさないのが使用目的です。」
エ 「クリームの種類」の見出しのもと、「悩みに合わせた製品が数多くあり、感触もコクのあるものからさっぱりした乳液のようなクリームまであります。」

(2)クリーム状の乳液、又は、乳液状のクリーム
ア 「富士フイルム ビューティー&ヘルスケア Shop」と称するウェブサイトにおいて、「ナノフィルト エマルジョン Iさっぱり/IIしっとり<クリーム状乳液>」の見出しのもと、「〈Iさっぱりタイプ〉 みずみずしい感触で溶け込むようになじむクリーム状乳液。」、「〈IIしっとりタイプ〉うるおいをキープするクリーム状乳液。」の記載がある(http://shop-healthcare.fujifilm.jp/products/skincare/nanofilt/emulsion/index.html)。
イ 「VECUAオンラインショップ」と称するウェブサイトにおいて、 「デイチャージミルク DS」の見出しのもと、「メイク前の肌をつややかでハリ感のある状態に整える、乾燥肌用のクリーム状乳液。」の記載がある(http://www.vecua.com/contents/hp0064/index.php?No=140CNo=64)。
ウ 「amazon.co.jp」のウェブサイトにおいて、見出しに「フランソワーズモリス 『パナセ』 50mlチューブ入り 乳液状のクリーム」の記載がある(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001M5NO50/eaudio-22/ref=nosim/)。
エ 「SOTHYS PARIS」と称するウェブサイトにおいて、「オキシリアンス フリュイド」の見出しもと、「さっぱりとテカリをおさえ肌色を明るく柔軟に保つ乳液タイプのクリームです。」の記載がある(http://www.sothys.co.jp/products/face/face3_goods05.html)。

(3)「うるおい(潤い)ミルク」の使用例
ア 花王株式会社の「ビオレu」のウェブサイトにおいて、「ビオレu 家族みんなのうるおいミルク (無香料)」の見出しのもと、「プッシュで簡単!家族みんなで使える弱酸性のスキンケアミルクです。す?っとなじんで、高保湿なのにベタつかず、しっとりすべすべの素肌に。全身はもちろん、ほお・口もとなど、カサつきが気になるときも、すぐにプッシュ!」の記載がある(http://www.kao.com/jp/bioreu/bru_moistmilk_00.html)。
イ Yahoo!ショッピングの「爽快ドラッグ」のウェブサイトにおいて、「ボディミルク」の項に「ボディベール うるおいミルク(250mL) [ボディベール](ロート トリートメント)」の見出しのもと、その商品説明として「●乾燥して荒れたボディに、うるおいリッチな薬用乳液が角質層の奥までじっくり浸透して、なめらかしっとり肌を実感。」、「●3つのうるおい効果で、『モイスチャーベール』:」、「・うるおいじっくり集める…アケビエキス」、「・うるおいしっかり閉じ込める…保水バリアMPC」、「・うるおいぎゅっと抱え込む…アプリコットエキス」、「●うるおい肌は、水分・NMF・脂質のバランスがとれています。」、「●キイチゴエキス(天然うるおい成分)配合。」の記載がある(http://store.shopping.yahoo.co.jp/soukai/4987241119073.html)。
ウ 「LAGARE」と称するウェブサイトにおいて、「ビューティー」の項に「 ジルスチュアートボディミルク」の見出しのもと、「花びらのように、シルクのように。みずみずしくなめらかにボディをつつむうるおいミルク◎マドンナリリー、ピオニー、カミツレ、バラなどの花々と、シルクエキスのうるおいがたっぷり。透き通るような透明感とうるおい感を肌にあたえます。◎肌にとけこむようにみずみずしく、浸透性に優れたなめらかな使い心地。表面はベタつかず、しっとりしなやか。うるおいを奥まで閉じこめて、」の記載がある(http://daimaru.lagare-shop.com/categoryfde5c/e89f5/1586766.html)。
エ 楽天市場の「真珠の卸屋さん」のウェブサイトにおいて、「真珠肌パールミルク【乳液】120ml」の項に「真珠肌(まだまはだ)のこだわり」見出しのもと、「しっかりカバー潤いミルク」、「べたつかな保湿お肌にピンとハリ。」の記載がある(http://item.rakuten.co.jp/wsp/cosme03/)。
オ 楽天市場の「Arewell」のウェブサイトにおいて、「メイクも落とせてお肌に優しい うるおいミルク洗顔」の見出しのもと、「肌に刺激を与えない、乳液タイプのミルククレンジング。」の記載がある(http://item.rakuten.co.jp/vitaclub/7-wl0161/)。

(4)「ミルククリーム」の使用例
ア 株式会社セレクトビューティーのウェブサイトにおいて、「肌を乾燥や刺激からやさしく守り潤いを与えるリッチなミルククリーム」の見出しのもと、「select f.a.e.s(セレクトフェイス) モイスチャーミルククリーム (乳液)」、「クリームのようなリッチ感と乳液のような伸びのダブル処方。エステ後のようなしっとり贅沢なお肌を長時間キープする高機能クリーム。」の記載がある(http://www.seleb.co.jp/main/product/faes/item04.html)。
イ 「シャルレの公式通販サイト(シャルレウェブストア)」と称するウェブサイトにおいて、「エタリテ フレディアス ミルククリーム <乳液> 」の見出しのもと、「なめらかにフィット、うるおい逃さない。 肌にすっとのびてフィットする乳液。うるおいをしっかりとじ込めて、しっとり感を保ちます。キメを整えて肌をなめらかにし、化粧ノリをよくします。」の記載がある(http://store.charle.co.jp/ec/html/item/001/020/item19875.html)。
ウ 楽天市場の「World Beauty Bellezzano ワールドビューティー ベレッツァーノ」と称するウェブサイトにおいて、「30%OFF【訳ありアウトレット】【未来化粧品 Miracos】
ミラコス クレンジングミルク <メイク落とし>(外箱なし/未開封/未使用)」の見出しのもと、「肌にスーッと滑らかにのびるミルククリームで、マッサージしながら メイクを浮き上がらせワントーンクリアな透明感あふれるお肌に導きます。」の記載がある(http://item.rakuten.co.jp/bellezzano/10000542/)。
エ 「MAQUIA ONLINE」と称するウェブサイトにおいて、「2010/10/22 こってりミルクで毛穴するん ローズヒップで肌もちもち」の項に「トリロジー/コスメティカ パシフィック リム クレンジング クリーム(200ml)」の見出しのもと、「硫酸塩不使用で肌にやさしい、リッチな質感のミルククリーム。」、「こっくりとしたクリーミィなミルクだから、毛穴やメイクの汚れをからみとってつるんとした肌に。」の記載がある(http://maquiaonline.com/boutique_n/detail_000002170.html)。
オ 楽天市場の「ケンコーコム」と称するウェブサイトにおいて、「『ウテナ ミルククリーム』超微粒子に乳化されたなめらかな保湿クリーム。お肌にスーッと浸透します。 ウテナ ミルククリーム」の見出しのもと、「『ウテナ ミルククリーム』は、3/1000ミリという超微粒子に乳化してあるので、なめらかな肌触りの保湿クリームです。お肌にすーっとなじみます。」の記載がある(http://item.rakuten.co.jp/kenkocom/a311420h/)。
カ 「コスメフォーラム」と称するウェブサイトにおいて、「ドゥ ラ メール(DE LA MER)」の項に「ラ・メール(LA MER) モイスチャーライジングクリーム」の見出しのもと、「マックスヒューバー博士の最先端科学ミルククリーム。肌質を超える威力は飛躍的な効果をもたらします。 乾燥肌、トラブル肌、毛穴・・・あらゆる肌に応える働きは、4ヶ月もかかる製法の賜物でしょう。」の記載がある(http://www.cosmeforum.jp/product/la.html)。

審理終結日 2011-03-11 
結審通知日 2011-04-01 
審決日 2011-04-25 
出願番号 商願2008-81969(T2008-81969) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X0305)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 瀧本 佐代子
根岸 克弘
商標の称呼 ウルオイミルククリーム、ウルオイミルク、ウルオイ 
代理人 石津 義則 

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