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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X0916283841
審判 全部申立て  登録を維持 X0916283841
管理番号 1238517 
異議申立番号 異議2010-900338 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-10-29 
確定日 2011-06-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第5341258号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5341258号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5341258号商標(以下「本件商標」という。)は、「GUESS WITH JESS」の欧文字を横書きしてなり、平成20年6月11日に登録出願、第9類、第16類、第28類、第38類、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年6月21日に登録査定され、同年7月30日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要点)
1 商標法第4条第1項第11号違反について
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は、以下のアないしエのとおりである。
ア 登録第2064141号商標は、「GUESS」の欧文字と疑問符「?」とを一連に横書きしてなり、昭和61年4月30日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年7月22日に設定登録、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成20年11月12日に指定商品を第16類「印刷物,写真,写真立て」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
イ 登録第2074301号商標は、「GUESS」の欧文字と疑問符「?」とを一連に横書きしてなり、昭和61年4月30日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年8月29日に設定登録、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成20年11月12日に指定商品を第16類「紙類,文房具類」及び第24類「布製ラベル」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
ウ 登録第2126150号商標は、「GUESS」の欧文字と疑問符「?」とを一連に横書きしてなり、昭和61年4月30日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年3月27日に設定登録、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同21年2月25日に指定商品を第9類「光学機械器具」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
エ 登録第2152567号商標は、「GUESS」の欧文字と疑問符「?」とを一連に横書きしてなり、昭和61年4月30日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年7月31日に設定登録、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同21年4月30日に指定商品を第9類「眼鏡」及び第14類「時計」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
以下、上記引用各商標を一括していうときは、単に「引用商標」ということがある。
(2)本件商標について
本件商標「GUESS WITH JESS」は、全体としてまとまった一つの意味を持つものとして、特に我が国でよく知られ又はよく使用されている一連の英文字というわけではない。
したがって、本件商標は、全体として、一つの観念を生じるものというわけではないことから、常に全体を一体に認識しなければならないほどの強い結びつきや格別の理由は、構成中の各々の英文字の間にはないものである。
また、本件商標は、その英文字の組み合わせの全体の長さが冗長であるため、特に簡易迅速を尊ぶ現実の取引の現場においては、称呼される際には、その一部を省略し、短縮して称呼されることが起こるのが常であり、その際には、語頭の部分のみに短縮され、称呼されることが自然であり、多いものである。
以上のことから、本件商標は、称呼される際には、その後半部を省略され、語頭の「GUESS」の英文字のみから、「ゲス」のみの称呼を生じることもあり得るものである。
(3)引用商標について
引用商標は、いずれも「GUESS?」の英文字からなるものである(甲第3号証ないし甲第10号証)ところ、これに相応して、いずれも「ゲス」の称呼を生じるものである。
(4)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標は、共に「ゲス」の称呼を生じるものであるから、称呼において類似の商標である。また、本件商標と引用商標の指定商品は、前記したとおりであるところ、同一又は類似のものを有するものである。
さらに、引用商標は、本件商標の先願に係るものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第15号違反について
(1)本件商標の語頭の「GUESS」の英文字は、申立人の社名である「GUESS? INC.」の一部である「GUESS」であるところ、この「GUESS」の英文字は、申立人に係る世界的に使用され、かつよく知られた著名商標である。
(2)申立人は、1981年にアメリカで、商標「GUESS」を「ジーンズ」に使用し販売したのを始めとして、その後もニットウェア、ベビー用品、時計、靴、香水、眼鏡、ハンドバッグ、被服、革製品、ネクタイ、ベルト、ゴルフ用品、家庭用品、宝石、水着、文房具等と、商標「GUESS」を使用する商品を拡大してきた(甲第11号証及び甲第12号証)。
現在では、商標「GUESS」を使用する商品を扱うブティックだけでも、アメリカに65店舗を始めとして、日本を含む世界26力国に展開している(甲第13号証)。
商標「GUESS」を使用した広告写真は、ファッションを専門とする写真家が一流になるための登竜門と言われるまでになり、また、商標「GUESS」の広告のモデルから、トップモデルを数多く輩出してきた(甲第11号証)。
商標「GUESS」は、それらの広告を通じても、使用する商品の分野を超えて、世界中に知られ、浸透してきたものである。
これらの背景から、申立人に係る商標「GUESS」は、アメリカにおける強いブランドの一つとして認められているものである(甲第14号証)。
(3)我が国においても、申立人に係る商標「GUESS」を使用した商品は、1998年から販売されてきており、販売実績は、毎年数百万ドル以上の単位で推移してきている(甲第15号証)。
申立人に係る商標「GUESS」を使用した商品は、店舗による販売のみならず、インターネットを通じての通信販売によっても、様々な商品が今日まで販売されてきている(甲第16号証)。
本件商標が登録出願された2008年の直近の2006年においては、日本における雑誌では、「WWD Japan」、「Gainer」、「monthly m」、「Popteen」、「Nuts」、「Pinky」、「ViVi」、「ELLE Japon」、「GLITTER」、「GLAMOROUS」、「Me’s Joker」等に、商標「GUESS」を使用した「時計」が掲載されている。
また、ドラマ「弁護士のくず」とタイアップし、出演の女優が商標「GUESS」を使用した「時計」を身に着けていた(甲第17号証)。
商標「GUESS」を使用した商品「時計」に関しては、我が国では、ブルーベル・ジャパン株式会社が主に販売代理を行っており、東京、愛知、大阪、兵庫、福岡、沖縄の各店舗において販売を行っている(甲第18号証)。
さらに、2006年においては、日本における雑誌では、「週刊朝日」、「Gainer」、「LEON」、「Brand’s OFF」、「香水図鑑」等に商標「GUESS」を使用した「香水」が掲載されている。
また、「松屋」、「松坂屋」、「プランタン」、「西武」、「東急」、「丸井」、「東武」、「そごう」、「PARCO」、「大丸」、「三越」等の全国の百貨店で「香水」が展示、販売されている(甲第19号証)。
2007年においても、日本における雑誌では、「Me’s Joker」、「Esquire」、「流行通信」、「GLAMOROUS」等に、商標「GUESS」を使用した「時計」が掲載されている(甲第20号証ないし甲第24号証)。
2008年においても、日本における雑誌、新聞では、「GLITTER」、「monthly m」、「WWD Japan」、「Me’s Joker」、「ELLE girl」、「GLAMOROUS」、「朝日新聞」等に商標「GUESS」を使用した「時計」が掲載されている(甲第25号証)。
(4)以上のことから、商標「GUESS」は、本件商標が登録出願された2008年6月11日の時点では、申立人に係る商品を表示する商標として、我が国でも広く知られ、著名に至っていたものというべきものである。
したがって、申立人が所有する当該著名商標「GUESS」を一部に有し、かつ当該著名商標「GUESS」と類似すると認められる本件商標が本件指定商品及び指定役務に使用された場合、その商品及び役務の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号若しくは同第15号に該当する商標であるから、同法第43条の2第1号によりその登録は取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性
本件商標は、前記第1のとおり、「GUESS WITH JESS」の欧文字を横書きしてなるところ、「GUESS」、「 WITH」及び「JESS」の各文字の間に半字程度の間隔を有しているが、構成各文字は同じ書体、同じ大きさをもって外観上一体的に表されているものである。
そして、本件商標は、これより生ずると認められる「ゲスウイズジェス」の称呼も冗長でなく、無理なく一気一連に称呼し得るものであるから、構成文字全体に相応して、「ゲスウイズジェス」の一連の称呼のみ生ずるものであって、単に「ゲス」の称呼は生じないというべきであり、他に、本件商標の構成にあって、「GUESS」の文字部分のみを分離、抽出して観察しなければならない特段の事情は見いだせない。
また、本件商標は、その構成全体をもって親しまれた既成の事物、事象を表すとみるべき特段の事情も見いだせない。
そうすると、本件商標は、「ゲスウイズジェス」の称呼のみを生ずるものであり、一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
他方、引用商標は、いずれも「GUESS」の欧文字と疑問符「?」とを「GUESS?」と一連に横書きしてなるところ、その構成中の疑問符「?」(クエスチョンマーク)は、簡易迅速を旨とする取引の実際において、他の文字と共に使用される場合には称呼されないとみるのが相当であり、また、その構成中の欧文字は、「推測」等の意味を有する英語(「研究社 新英和大辞典第6版」株式会社研究社 2002年3月発行)であるから、これらよりは、「ゲス」の称呼及び「推測」の観念を生ずるものである。
そうとすれば、本件商標から生ずる「ゲスウイズジェス」の称呼と引用商標から生ずる「ゲス」の称呼とは、その構成音数において明らかな差異を有し、音感、音調を異にするものであるから、称呼上十分区別し得るものである。
また、本件商標と引用商標とは、上記のとおり、外観において明らかな差異があり、観念においては比較できないものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性
申立人の提出に係る甲各号証によれば、「GUESS」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)は、主に商品「時計」について2006年(平成18年)から2007年(同19年)に発行された雑誌において紹介され、広告が掲載されたこと、その他、香水、財布、眼鏡等にも使用されている事実が認められる。
しかし、甲各号証によっては、使用商標は、本件商標の登録査定時(平成22年6月21日)において、我が国の需要者の間に相当程度知られていたことを推認し得るとしても、必ずしも著名性が高いとまではいうことができない。
そして、使用商標は、「推測」等の意味を有する成語であるから、独創性が高いといい得ないものであり、本件商標と使用商標とは、後者が構成中に疑問符「?」を有していないとしても、前記1の場合と同様に十分に区別し得る別異の商標というべきである。
そうすると、本件商標と使用商標の類似性の程度、使用商標の周知著名性及び独創性の程度等を総合的に判断するならば、本件商標は、その指定商品及び指定役務に使用したときに、これに接する取引者、需要者をして、申立人に係る使用商標を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品及び役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-05-30 
出願番号 商願2008-45763(T2008-45763) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X0916283841)
T 1 651・ 271- Y (X0916283841)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岩谷 禎枝大渕 敏雄高橋 厚子 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 田中 亨子
末武 久佳
登録日 2010-07-30 
登録番号 商標登録第5341258号(T5341258) 
権利者 ウッドランド アニメーションズ リミテッド
商標の称呼 ゲスウイズジェス 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
代理人 橋本 良樹 
代理人 幡 茂良 
代理人 潮崎 宗 
代理人 小出 俊實 
代理人 吉田 親司 
代理人 石川 義雄 

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