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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2012900207 審決 商標
異議2014900169 審決 商標
異議2013900052 審決 商標
異議2011900184 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X29
管理番号 1238484 
異議申立番号 異議2010-900036 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-02-09 
確定日 2011-05-23 
異議申立件数
事件の表示 登録第5280339号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5280339号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5280339号商標(以下「本件商標」という。)は、「楽キャベ」の文字を標準文字により表してなり、平成21年3月19日に登録出願、第29類「植物・植物エキス又は植物発酵エキスを主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・液状・ペースト状・クリーム状・タブレット状・カプセル状・カプレット状・ソフトカプセル状・錠剤状・棒状・板状・ブロック状・丸薬状・固形状・ゲル状・ゼリー状・グミ状・ウエハース状・ビスケット状・飴状・チュアブル状・シロップ状・スティック状の加工食品,動物エキスを主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・液状・ペースト状・クリーム状・タブレット状・カプセル状・カプレット状・ソフトカプセル状・錠剤状・棒状・板状・ブロック状・丸薬状・固形状・ゲル状・ゼリー状・グミ状・ウエハース状・ビスケット状・飴状・チュアブル状・シロップ状・スティック状の加工食品,青汁・漢方生薬・食物繊維又は海草を主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・液状・ペースト状・クリーム状・タブレット状・カプセル状・カプレット状・ソフトカプセル状・錠剤状・棒状・板状・ブロック状・丸薬状・固形状・ゲル状・ゼリー状・グミ状・ウエハース状・ビスケット状・飴状・チュアブル状・シロップ状・スティック状の加工食品,調理用青汁,調理用青汁のもと,調理用野菜ジュース,乳製品,豆乳,スープのもと,ふりかけ」を指定商品として、平成21年9月9日に登録査定、同年11月13日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由(要旨)
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「キャベ」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)を、その業務に係る医薬品「胃腸薬」に平成元年4月から現在まで継続して使用し、これを使用した「胃腸薬(キャベ2)」の平成元年から平成18年5月までの売上高の総額は、242億9,000万円であり(甲第2号証)、また、発売準備期間たる平成元年4月から平成18年3月までの宣伝広告は、新聞総計7万1,710段、雑誌総計53.76頁、TVCM総計16万2,788GRP(延べ視聴率)に達しており(甲第3号証)、本件商標の登録出願前には、引用商標は申立人の業務に係る商品を表示する商標として医薬品分野において周知著名となっていた。
(2)本件商標「楽キャベ」は、漢字「楽」と片仮名「キャベ」という字体の異なる文字で構成されているため、「楽」と「キャベ」とに分離把握され、「楽」が「楽しい」の意味合いを表していることも相俟って、「キャベ」の部分に着目して商取引をするのが自然であり、「キャベ」の称呼が生じることは否定し得ない。そして、引用商標も「キャベ」から成り、本件商標と同一の「キャベ」の称呼が生じ、しかも、本件商標の指定商品は、錠剤状やカプセル状のいわゆる健康食品を含む食品で、引用商標が使用されている経口タイプの「胃腸薬」と、生産者、流通経路、取引者、需要者が事実上共通している。
(3)以上からすれば、本件商標に接する取引者・需要者は、直ちに同一称呼を生ずる著名な引用商標を想起、連想するか、あるいは本件商標を著名な引用商標と外観的に見誤り、本件商標を使用した商品を申立人の業務に係る上記「胃腸薬」のシリーズ商品あるいは関連商品であるかのごとく、その出所について混同を生じるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)申立人は、引用商標が申立人の業務に係る商品「胃腸薬」に使用する商標として医薬品分野において周知著名となっていると主張し、甲第2号証ないし甲第15号証を提出しているので検討する。
ア 甲第2号証及び甲第3号証は、申立人会社の担当者による売上高証明書又は広告量証明書と認められるところ、両証明書中に「・・・の胃腸薬(キャベ2)につき、・・・」と記載されていること、それぞれに添付された数値を示す表にも「キャベ2販売実績推移」又は「興和 キャベ2」との表題が記載されていること、また、甲第3号証に添付されたテレビCMの画面を示す書面においては、「素材名」として「コーワ キャベ2・液キャベ」と表示され、該CMに登場する人物が「今日はキャベ2 はい相手が」、「そうですかキャベ2飲んでね」又は「うんキャベ2飲んでね まあ」と話していることが認められるものの、単に「キャベ」と表現されているものは見当たらない。
イ 甲第5号証及び甲第6号証は、株式会社ドラッグマガジン発行の「週間ドラッグトピックス」の写しと認められるところ、これらには、「ヒット商品大賞」又は「ヒット商品優秀賞」について掲載されており、いずれにも申立人の胃腸薬である「キャベ2コーワ」が大賞あるいは3位に選出されていることが認められるものの、単に「キャベ」と表示されているものは見当たらない。
ウ 甲第7号証ないし甲第11号証は、株式会社社会調査研究所又は株式会社インテージ発行の「SDIアニュアルレポート」の1992年度版、1995年度版、1998年度版、2001年度版及び2004年度版の写しと認められるところ、その掲載内容によれば、1990年度ないし2004年度の間において、胃腸薬のシェアとして、「キャベジン」が、1991年度の第2位を除き、全て第1位であったことが認められる。また、「主要メーカー手持商品一覧」として申立人の欄には、「新キャベジンコーワ顆粒」、「キャベジンコーワ新胃腸薬」、「キャベ2コーワ」、「キャベジンAコーワ」、「キャベジンコーワ消化薬S」、「キャベジンコーワ錠」、「液キャベコーワ」、「液キャベコーワS」、「キャベジンコーワS」等が表示されているものの、単に「キャベ」と表示したものは見当たらない。
エ 甲第12号証ないし甲第15号証は、当庁における異議の決定又は審決の写しであり、当該異議事件又は審判事件において対象となった登録商標は、いずれも本件商標とは構成態様が異なり、その指定商品も本件商標の指定商品とは相違し、事案を異にするものであるから、これらの異議の決定又は審決の判断が本件の審理に影響を及ぼすものではない。
オ その他、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として単独で使用されている事実を示す証左はない。
カ そして、上記アないしウの「キャベ2」、「液キャベ」、「キャベ2コーワ」、「キャベジン」等の文字からなる各商標は、「キャベ」の文字のみからなる引用商標とは構成態様が明らかに異なる別異のものというべきである。
(2)以上によれば、申立人の提出に係る証拠によっては、「キャベ2」又は「キャベジン」の各商標が広く知られているといえる余地があるとしても、引用商標自体が申立人の業務に係る商品「胃腸薬」について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(3)次に、本件商標と引用商標の類否について検討するに、本件商標「楽キャベ」は、漢字、片仮名の文字種の違いはあるものの、同書、同大、等間隔で一連に書されており、外観上まとまりよく一体に看取されるものであって、これより生ずると認められる「ラクキャベ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであることからして、本件商標からは、「ラクキャベ」の一連称呼のみを生ずるものといえる。
また、本件商標は、全体として親しまれた既成の観念を有する成語を表したものともいえず、一種の造語からなるものとして認識し把握されるものである。
他方、引用商標は、「キャベ」の文字からなり、「キャベ」の称呼を生ずるものであって、親しまれた既成の観念は生じないものといえる。
そこで、本件商標から生ずる「ラクキャベ」の称呼と引用商標から生ずる「キャベ」の称呼とを対比するに、両称呼は構成音数が異なるばかりでなく、語頭における「ラク」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、彼此紛れることなく区別し得るものである。また、両商標は、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、観念上比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(4)以上を総合すると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないものというべきであり、また、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-05-06 
出願番号 商願2009-20168(T2009-20168) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X29)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大森 健司 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 内山 進
田中 亨子
登録日 2009-11-13 
登録番号 商標登録第5280339号(T5280339) 
権利者 株式会社東洋新薬
商標の称呼 ラクキャベ 
代理人 特許業務法人アルガ特許事務所 

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