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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X03
審判 全部申立て  登録を維持 X03
審判 全部申立て  登録を維持 X03
管理番号 1238483 
異議申立番号 異議2009-900469 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-12-25 
確定日 2011-05-23 
異議申立件数
事件の表示 登録第5267496号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5267496号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5267496号商標(以下「本件商標」という。)は、「ビカミ」の片仮名及び「be-kami」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成21年1月23日に登録出願され、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品として、同年8月11日に登録査定、同年9月18日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4542074号商標(以下「引用商標」という。)は、「美加美」の漢字を標準文字で表してなり、平成13年2月9日に登録出願され、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤」を指定商品として、平成14年2月8日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由(要旨)
本件商標は、構成中上段の「ビカミ」が下段の「be-kami」の読みを表記したものと認識されるから、「ビカミ」の称呼を生じるものであり、また、特定の意味合いを有しない造語と認められる。
他方、引用商標「美加美」は、1文字目の「美」は、「美人(ビジン)」、「美白(ビハク)」、「美化(ビカ)」などの語のとおり、冒頭に位置する「美」が、一般的に「ビ」と発音、称呼されることがほとんどであり(甲第3号証)、また、2文字目以下の「加美」の文字は、全国の地名・駅名において「カミ」と称呼され、加えて、申立人の略称である「加美乃素」中の「加美」に通じ、該「加美乃素」の化粧品分野における著名性をかんがみれば、「加美」の文字からは、「カミ」の称呼を生じるというべきであるから、引用商標「美加美」からは、「ビカミ」の称呼が生じる。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観上の違いを考慮しても、「ビカミ」の称呼を同一にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品に包含されるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、上記1のとおり、片仮名文字と欧文字とを併記した構成からなるところ、一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の商標において、その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるときは、仮名文字部分より生ずる称呼が、その商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。そして、本件商標は、「ビカミ」の文字部分が「be-kami」の文字部分の読みを特定したものといえるから、「ビカミ」の称呼を生ずるものであり、特定の意味合いを有しない造語と認められるものである。
他方、引用商標は、上記2のとおり、「美加美」の文字からなり、特定の意味合いを有しない造語と認められるところ、「美」の文字が「ミ」や「ビ」と読まれ、また、引用商標と同様に前後が同じ漢字からなる、「亜細亜」、「刻一刻」、「弾道弾」等の文字が、それぞれ「アジア」、「コクイッコク」、「ダンドウダン」のごとく同一の読みで読まれることからすれば、引用商標「美加美」からは「ミカミ」又は「ビカビ」の称呼を生ずるというのが相当である。
なお、申立人は、甲第3号証ないし甲第10号証(枝番を含む)を提出し、引用商標からは「ビカミ」の称呼が生ずる旨述べているが、引用商標は「美加美」の漢字3文字よりなるものであるから、語頭に「美」の文字を有する多くの熟語が「美」を「ビ」と称呼し、また、「加美」の文字2文字あるいはそれを含む地名、駅名等において、「加美」を「カミ」を称呼している例があるとしても、それをもって、1文字目と3文字目の同じ漢字をあえて別の読み方をする根拠とするものとはいい難く、さらに、申立人に係る商標「加美乃素」は、その構成文字全体で著名商標となっているものであるから、構成の一部の読みをもって、引用商標の構成の一部の読みを特定する理由とすることもできない。
そして、インターネット検索においても、「美加美」を「ミカミ」と称呼する例は存在する(美加美やきとり店城東店(みかみやきとりてん)http://r.tabelog.com/aomori/A0202/A020201/2002025/)ものの、「美加美」を「ビカミ」と称呼する例は、申立人の使用を含め確認できない。
そこで、本件商標から生ずる「ビカミ」の称呼と引用商標から生ずる「ミカミ」又は「ビカビ」の称呼とを対比すると、「ビカミ」と「ミカミ」とでは、共に3音という短い音構成にあって、称呼の識別上重要な要素を占める語頭音において「ビ」と「ミ」という明らかな音の差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が異なったものとなり、彼此紛れることなく区別することができるものである。また、「ビカミ」と「ビカビ」においても、3音という短い音構成の、語尾音における「ビ」と「ミ」の明らかな音の差異は、それぞれを一連に称呼するときは、やはり、全体の音感・音調が異なったものとなり、容易に区別できるものである。
そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、また、いずれも既成の親しまれた観念を有する成語を表したものとはいえないから、観念上両者を比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-05-06 
出願番号 商願2009-3950(T2009-3950) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X03)
T 1 651・ 263- Y (X03)
T 1 651・ 261- Y (X03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 野口美代子
特許庁審判官 田中 亨子
内山 進
登録日 2009-09-18 
登録番号 商標登録第5267496号(T5267496) 
権利者 株式会社アイエンス
商標の称呼 ビカミ、ビーカミ、ベカミ 
代理人 堤 隆人 
代理人 小堀 益 
代理人 白井 恵 
代理人 萼 経夫 
代理人 山田 清治 

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