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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X30
管理番号 1238427 
審判番号 不服2010-22913 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-10-12 
確定日 2011-06-09 
事件の表示 商願2009- 66163拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ザ・ノンフライ」の文字を標準文字で表してなり、第30類「から揚げ粉,その他の食用粉類」を指定商品として、平成21年8月31日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『ザ・ノンフライ』の文字を標準文字にて書してなるところ、その構成中『ザ』の文字部分は、英語の定冠詞『The』の表音として一般的に使用されており、該語は英語の定冠詞であるほか、『普通名詞の前に付いて、同類のものの中で特に代表的・典型的なものとして強調する語』としても親しまれた語であることから、後に続く『ノンフライ』の文字を、単に特定或いは強調するかのように使用されているものと認識される。そして、『ノンフライ』の文字部分は『油であげていない』の意味を有し、商品の加工方法を表すものと認められることから、これらの文字を一連に書した本願商標全体として『油であげていないことを強調』した誇示的表示と認識するにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、上記意味合いに照応する指定商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「ザ・ノンフライ」の片仮名を書してなるところ、構成中に「・」が存在することから、本願商標は、「ザ」の文字と「ノンフライ」の文字に分離して看取されるものである。
そして、構成中前半の「ザ」の文字は、英語の定冠詞であって、「普通名詞の前に付いて、同類のものの中で特に代表的・典型的なものとして強調する語」(広辞苑)としても親しまれた語である「the」の表音を片仮名で表記したものと容易に認識されるものである。また構成中後半の「ノンフライ」の文字は、「油で揚げていないこと」の意味を表す語である(コンサイスカタカナ語辞典 第3版 株式会社三省堂発行)。
(2)ところで、近年、本願指定商品を取り扱う食品業界においては、本来は油で揚げて調理される揚げ物が、需要者の健康志向を反映して、レンジやフライパンなどで揚げずに調理されることも一般に行われており、そのような料理又は調理方法として「ノンフライ」の語が普通に採択使用されている事実がある。そして、揚げずに調理するのに適したから揚げ粉、パン粉等が取引されている事実も認められる。このことは、以下(3)及び(4)のとおり、インターネット情報からも裏付けられるものである。
(3)油で揚げないから揚げ、フライ等について「ノンフライ」の語が使用されている事例
ア 「COOKPAD http://cookpad.com」と称するウェブサイトにおいて、「オーブンでノンオイル・ノンフライ唐揚げ」の見出しのもと、「家の場合はオーブンのスチーム機能を使って作りました。」の記載がある(http://cookpad.com/recipe/300958)。
イ 「ダイエットでもおいしく食べた?い!」と称するウェブサイトにおいて、「ダイエット料理レシピ」の項に「揚げない唐揚げ」の見出しのもと、「油で揚げない鶏のから揚げレシピです。電子レンジで脂肪の30%をカットした後、オーブントースターで数分焼きます。揚げる手間も省けて、お弁当のおかずにも嬉しい、ノンフライ鶏の唐揚げです。」の記載がある(http://marron-dietrecipe.com/agemono/agemono_nonfriedchicken.html)。
ウ AmebaGGの「テレビ番組☆最新・お得情報☆紹介ブログ」と称するウェブサイトにおいて、「ノンフライブーム!揚げない揚げものレシピ(唐揚げ・とんかつ)ズームイン!!SUPER3/3」の見出しのもと、 「揚げない揚げものレシピ」、「今回はお弁当にもピッタリのノンフライの『からあげ』と『トンカツ』をご紹介します。」、「電子レンジとオーブンを使って、さっくりとした食感の揚げ物ができます。」の記載がある(http://ameblo.jp/sugartv/entry-10472429592.html)。
エ 「COOKPAD http://cookpad.com」と称するウェブサイトにおいて、「ノンフライ☆揚げないメンチカツ」の見出しのもと、「ノンフライ第5弾☆ 高カロリーなメンチカツを油は極力使わずヘルシーに作りました♪」の記載があり、油で揚げないでオーブンにより調理するメンチカツが紹介されている(http://cookpad.com/recipe/985350)。
オ 「食育大事典」と称するウェブサイトにおいて、「ノンフライ チキン味噌カツ」の見出しのもと、「ササミを使い油を控えてローカロリーに」の記載があり、油で揚げないでフライパンにより調理するチキン味噌カツが紹介されている(http://www.shokuiku-daijiten.com/open_recip.php?id=149p=3d=f=2r=c=2n=0PHPSESSID=llmfbabdhl)。
(4)油で揚げない調理方法用のから揚げ粉、パン粉等の取引の実情
ア 日本食糧新聞社の「食の情報源」と称するウェブサイトにおいて、「『レンジでチンするから揚げ粉』発売(昭和産業) 日食 2011/03/02日付 10455号 08面」の見出しのもと、「商品特徴=粉類。鶏肉にまぶして電子レンジで調理するだけ。調理時間5分。油を一切使用しないので、後片付けが楽。」、「油は使わない」の記載がある(http://news.nissyoku.co.jp/Contents/urn/newsml/nissyoku.co.jp/20110302/GAIBU20110218053201753/1)。
イ 日本生活協同組合連合会のウェブサイトにおいて、「フライパンで焼くだけから揚げ粉 100g」の見出しのもと、「まぶしてフライパンで焼くだけでから揚げができ、油で揚げる手間がいらないから揚げ粉です。」の記載がある(http://211.133.240.246/search/DispDetail_00.do;jsessionid=A0218CADC00492CE46106A28D7D735AA?itemID=t000100017012volumeName=00004)。
ウ 日本食研のウェブサイトにおいて、「揚げずにつくるサクサク衣のから揚げ粉」の見出しのもと、「フライパンで焼くだけで、まるで油で揚げたようなサクサク衣のから揚げに仕上がります。」の記載がある(http://www.nihonshokken.co.jp/home_products/meat/etc/post-214.html)。
エ 日本製粉株式会社のウェブサイトにおいて、「オーマイ まぶして焼くだけからあげ粉 和風しょうゆ味」の見出しのもと、「まぶしてフライパンで焼くだけの簡単”からあげ粉”。」の記載がある(http://www.nippn.co.jp/products/home/13/detail1146.html)。
オ 旭トラストフーズ株式会社のウェブサイトにおいて、「揚げずにフライ!について」の見出しのもと、「油を使わず、オーブン調理専用のパン粉です。」、「揚げないから、衣部分の脂質分は大幅に減少します。」等の記載がある(http://www.trust-foods.com/product/nonfry.html)。
カ 日本食糧新聞社の「食の情報源」と称するウェブサイトにおいて、「『やき揚げ粉』発売(みたけ食品工業) 日食 2011/03/09日付 10458号 10面」の見出しのもと、「商品特徴=粉類。国産米粉100%使用。豚肉で豚カツ、鶏肉で鶏カツなどがフライパンやオーブンで簡単に作れる。米粉の特徴を生かし、焼くだけでもカリカリした食感のフライになり、揚げてもおいしい米粉でできたフレーク状料理粉。」の記載がある(http://news.nissyoku.co.jp/Contents/urn/newsml/nissyoku.co.jp/20110302/GAIBU20110218053201753/1)。
キ 「ぐるっぱKokubu」と称するウェブサイトにおいて、「食品モニタ」の項に「『旭食品工業(株) フライパンでサクッと仕上がるパン粉』」の見出しのもと、「1.フライパン、ホットプレートを使用して少ない油でフライ料理が出来るパン粉です。」、「4.揚げ油を使用しないので後片付けが簡単!」の記載がある(http://www.guruppa.jp/mnt/detail/94.html)。
ク ヒガシマル醤油株式会社のウェブサイトにおいて、「粉末調味料」の項に、「揚げずにからあげ鶏肉調味料」の見出しのもと「まぶしてフライパンで焼くだけで簡単にからあげができる、調味料。」の記載、「揚げずにとんカツ調味料」の見出しのもと「まぶしてフライパンで焼くだけで、簡単にとんカツができる調味料。」の記載、「揚げずに手羽焼調味料」の見出しのもと「コラーゲン豊富で安価な鶏の手羽肉に、さっとまぶして焼くだけの手羽焼調味料。」の記載がある(http://www.higashimaru.co.jp/products/agezuni.html)。
ケ 株式会社ダイショーのウェブサイトにおいて、「お肉がおいしい調味料 お肉屋さんのフライパンで焼くから揚げの素」の見出しのもと、「大さじ1杯の油で焼くだけでカリッとした食感のから揚げに仕上がります。」の記載がある(http://www.daisho.co.jp/item/detail/i/127505/)。
(5)以上よりすれば、「ノンフライ」の語に「ザ」を付加した「ザ・ノンフライ」の語が一般に使用されている事実がないとしても、「ノンフライ」の語は、普通に使用されているものであり、これに「ザ」の文字を付加したにすぎない本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「油で揚げずに調理ができる商品であること」を強調したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであるといわざるを得ない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するものとしてその出願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。
なお、請求人は、本願商標の登録適格性を主張するために、過去の登録例を挙げているが、本件とは、商標の態様及び指定商品を異にするものであって、そもそも、出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、該商標の構成態様と指定商品とに基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではないから、この点についての請求人の主張は、採用することができない。
また、請求人は、本願商標の使用実績を示す証拠として、甲第1号証、甲第8号証ないし甲第13号証を提出し、本願商標は使用の結果、現実に出所表示機能を発揮しているものである旨、主張しているが、前記証拠においては、本願商標の使用開始時期、使用期間、使用地域、当該商品の生産又は販売の数量、並びに広告宣伝の方法及び回数等は明らかにされておらず、また、提出された証拠をみると、本願商標を請求人の子会社が使用していることは認められるが、実際に使用している商標は、「日清」等の識別力を有する文字と共に表示されているものであるので、本願商標がその指定商品に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できるに至ったものと認めることもできないから、この点についての請求人の主張も、採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-04-07 
結審通知日 2011-04-12 
審決日 2011-04-25 
出願番号 商願2009-66163(T2009-66163) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小松 孝 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 内山 進
根岸 克弘
商標の称呼 ザノンフライ、ノンフライ 
代理人 保崎 明弘 
代理人 和田 光子 
代理人 水野 勝文 
代理人 岸田 正行 

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