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審決分類 |
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない Y09 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y09 |
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管理番号 | 1238344 |
審判番号 | 不服2010-8242 |
総通号数 | 139 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-07-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-04-19 |
確定日 | 2011-05-26 |
事件の表示 | 商願2005-93648拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「GIZMO」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類「電子データの記憶用携帯型ハードドライブとして用いるUSBフラッシュドライブ,その他のコンピュータハードウエア,その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」を指定商品として、2005年4月6日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成17年10月6日に登録出願されたものである。 そして、願書記載の指定商品については、当審における同22年5月24日付け手続補正書により、「電子データの記憶用携帯型ハードドライブとして用いるUSBフラッシュドライブ」に補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4892644号商標(以下「引用商標」という。)は、「GIZMO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年12月21日に登録出願、第9類「電子計算機用プログラム」を指定商品として、同17年9月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標の類否について 本願商標及び引用商標は、前記1及び2のとおり、共に「GIZMO」の欧文字を標準文字で表してなる同一の商標である。 (2)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について 本願商標は、前記1のとおり、「電子データの記憶用携帯型ハードドライブとして用いるUSBフラッシュドライブ」を指定商品とするところ、「USBフラッシュドライブ」とは、『《 USB flash drive 》「USBフラッシュメモリー」に同じ。UFD。』(「デジタル大辞泉」小学館http://kotobank.jp/word/USB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96)をいう。 そして、「USBフラッシュメモリー」とは、「《 USB flash memory 》パソコンのUSBポートに接続して使う小型の外部記憶媒体の総称。電気的に記録内容の書き換えが可能なフラッシュメモリーを内蔵し、携帯性に優れる。USBメモリー。USBストレージ。USBメモリードライブ。USBフラッシュドライブ。」(同「デジタル大辞泉 http://kotobank.jp/word/USBフラッシュメモリー)と解されることからすれば、「USBメモリー」、「USBストレージ」及び「USBメモリードライブ」と上記指定商品とは、同種の商品ということができる。 そこで、以下の検討においては、これらを含めて、「USBフラッシュメモリー」と称することとし、これと、本願の指定商品である「電子データの記憶用携帯型ハードドライブとして用いるUSBフラッシュドライブ」とは、同じ商品について説示したものとする。 しかして、後掲(1)によれば、「USBフラッシュメモリー」は、請求人が挙証するコンピュータ周辺機器業者のほか、大手家電メーカーや大手コンピュータメーカーも製造を行っていること、後掲(2)によれば、制御プログラム以外のソフトウェアがインストールされた「USBフラッシュメモリー」が存在することがそれぞれ認められる。 また、「USBフラッシュメモリー」は、電気店、コンピュータの販売店、家電量販店及び通信販売において販売されているとみるのが相当であり(なお、請求人は、「本願指定商品は、コンピュータ周辺機器等と称する商品のひとつとして、最終的な商品の使用者に向けて、主として電気店、コンピュータの販売店、家電量販店、通信販売において販売されている。また、その用途から、オフィスにおいて使用されるいわゆるオフィス用商品としても販売されている。」と述べており、この点についての争いはない。)、これらの販売形態においての需要者には、コンピュータを利用する一般の消費者も含まれるというべきである。 一方、引用商標は、前記2のとおり、「電子計算機用プログラム」を指定商品とするところ、該商品は、「コンピューターに対して、どのような手順で仕事をすべきかを、機械が解読できるような特別の言語などで指示するもの。」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)であり、該「電子計算機用プログラム」には、ダウンロードによる電子計算機用プログラム、記録媒体に記憶した電子計算機用プログラムのソフトウェアが含まれる(「商品及び役務の区分解説 〔国際分類第9版対応〕特許庁商標課編」発明協会2007年12月発行)。 そして、後掲(1)によれば、「電子計算機用プログラム」は、請求人が挙証するソフトウェア企業のほか、大手家電メーカーや大手コンピュータメーカーも製造を行っていることが認められる。 また、「電子計算機用プログラム」のうち、パッケージ化された商品については、電気店、コンピュータの販売店、家電量販店、通信販売において販売されているとみるのが相当であり(なお、請求人は、「自主開発では、ソフトウェアの大半はパッケージ化商品として家電量販店、電気店、コンピュータ販売店、通信販売、ソフトウェアの内容によっては書店において販売され、あるいはインターネットを経由したダウンロードによる販売が行われている。業務分野を特定した企業向けの特殊なソフトウェアの場合は、該当する企業等への直接的あるいは間接的な売り込みを行う販売方法が主として用いられている。」と述べており、この点についての争いはない。)、これらの販売形態においての需要者には、コンピュータを利用する一般の消費者も含まれるというべきである。 以上を総合して考慮すれば、本願商標の指定商品である第9類「電子データの記憶用携帯型ハードドライブとして用いるUSBフラッシュドライブ」と引用商標の指定商品である第9類「電子計算機用プログラム」とは、その生産部門、販売部門及び需要者層を同じくするものであり、両者は、類似する商品と判断するのが取引の実情に照らし相当であるといえる。 なお、請求人は、上記「電子データの記憶用携帯型ハードドライブとして用いるUSBフラッシュドライブ」と「電子計算機用プログラム」とは、生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途、需要者、部品と完成品の関係の判断項目に基づけば、両者は非類似の商品である旨を主張しているが、該判断項目のうち、用途については、若干相違するものの、上記のとおり、生産部門、販売部門、需要者層が一致することからすれば、両者は類似の商品と判断せざるを得ず、その主張を採用することはできない。 (3)まとめ 以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 後掲 (1)大手家電メーカー及び大手コンピュータメーカーにおける「電子データの記憶用携帯型ハードドライブとして用いるUSBフラッシュドライブ」及び「電子計算機用プログラム」の取扱い状況について ア 富士通株式会社 (ア)「自動データ消去機能を実現した安全USBメモリを開発」の表題のもと、「株式会社富士通研究所(注1)とFujitsu Laboratories of America, Inc. (注2)は、USBメモリの紛失やWinnyなどによる情報流出の防止に向けて、単体でも一定時間が過ぎると自動的にデータが消える安全なUSBメモリおよび、本USBメモリ中のデータを特定のサーバにしか保存させないファイル・リダイレクト技術(注3)を開発しました。」の記載及び商品写真の掲載がある。(http://pr.fujitsu.com/jp/news/2009/04/17-1.html) (イ)「OASYS」の表題のもと、「日本語ワープロソフト OASYS V10 「OASYS V10」、「OASYS SuperOffice V10」はOASYS専用機の優れた操作性・機能を継承しています。」の記載がある。(http://software.fujitsu.com/jp/oasys/) イ 株式会社東芝 (ア)「USBフラッシュメモリ」の商品項目のもと「データの持ち運びに便利なUSBフラッシュメモリ。USBポートに挿入するだけで自動認識。オフィスでのデータ移動や友人との写真のやり取りなど、携帯性に優れたコンパクトサイズのUSBフラッシュメモリがデータをつなぎます。スタンダードモデル(WindowsR(審決注:「R」の文字は、丸の中に表されている。) 7 ReadyBoost機能※対応)」の記載及び商品写真の掲載がある。(http://www.toshiba.co.jp/p-media/usb/index_j.htm) (イ)子会社である東芝ソリューション株式会社のウェブページにおいて、「英日/日英翻訳ソフト The翻訳シリーズ」の商品名のもと、「自然な訳文を導き出す『ダブル知識翻訳』や『CFエンジン』『概念翻訳』『2段階翻訳』といった様々な独自技術が高い翻訳精度を実現します。The翻訳 2009 シリーズは、『用例ベース自動翻訳』による過去の翻訳結果の活用、『フレキシブルWeb検索』による辞書登録支援や『セレクトコーパス翻訳』などにより、使えば使うほど翻訳精度が向上できる、まさに『あなたにあわせて成長する翻訳ソフト』です。」の記載がある。(http://pf.toshiba-sol.co.jp/prod/hon_yaku/index_j.htm) ウ ソニー株式会社 (ア)「”ポケットビット”」の商品項目のもと、「ソニーのUSBメモリーPOCKETBIT”ポケットビット”」の記載及び商品写真の掲載がある。(http://www.sony.jp/rec-media/) (イ)「ソフトウェアダウンロード」の項目のもと、「製品のアップデートプログラムやユーティリティソフトウェア、お楽しみコンテンツ等をダウンロードいただけます。」の記載がある。(http://www.sony.jp/support/download.html) (2)ソフトウェアがインストールされた「USBフラッシュメモリー」について ア 有限会社クラムワークスのウェブページにおいて、「BOOTPLUG」の商品名のもと、「■仕様」欄に「パッケージ内容 本体 (USBメモリ)、 起動CD (8cm)、 簡易説明書」の記載、「搭載OS」の欄に「Linuxカーネル2.4をベースに独自開発」の記載及び「搭載アプリケーション」の欄に「Webブラウザ、 メーラー、 PDFビューア リモートデスクトップ クライアントOpenOffice.org 2.0、 メモ帳、 等」の記載がある。(http://www.cramworks.com/prod/bootplug/) イ エレコム株式会社株式会社のウエブページにおいて、「MF-NU2Aシリーズ[ブラック]」の商品名のもと、『「パスワード自動認証機能」付きで簡単&安心の大容量USBメモリ あらかじめ登録されたパソコンではパスワード入力が不要な、セキュリティ機能搭載USBフラッシュメモリです。本製品に搭載されている新発想のパスワード自動認証機能付きセキュリティソフト「PASS(Password Authentication Security System)」は、パスワード認証方式のセキュリティソフトですが、あらかじめ登録されたパソコンについては自動認証を行います。日常よく利用するパソコンを登録しておくことで、普段はパスワードを入力する手間がなく気軽にご利用いただけます。』の記載がある。(http://www2.elecom.co.jp/data-media/usb-flash/mf-nu2a/bk/) |
審理終結日 | 2010-12-16 |
結審通知日 | 2010-12-24 |
審決日 | 2011-01-06 |
出願番号 | 商願2005-93648(T2005-93648) |
審決分類 |
T
1
8・
264-
Z
(Y09)
T 1 8・ 262- Z (Y09) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 久保田 正文、原田 信彦 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
吉野 晃弘 末武 久佳 |
商標の称呼 | ギズモ、ジズモ |
代理人 | 柳田 征史 |
代理人 | 中熊 眞由美 |
代理人 | 佐久間 剛 |
復代理人 | 塚田 晴美 |