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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X30 審判 査定不服 観念類似 登録しない X30 |
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管理番号 | 1238301 |
審判番号 | 不服2010-15158 |
総通号数 | 139 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-07-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-07-07 |
確定日 | 2011-05-16 |
事件の表示 | 商願2009- 50295拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「太陽のスフレ」の文字を標準文字で表してなり、第30類「スフレ」を指定商品として、平成21年7月3日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第2692170号商標(以下「引用商標」という。)は、「太陽」の文字を横書きしてなり、平成4年3月27日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年8月31日に設定登録されたものである。その後、平成16年3月16日に商標権の存続期間の更新登録がされ、平成17年3月23日に、指定商品について第30類「フローズンヨーグルト,その他の菓子及びパン」とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標は、「太陽のスフレ」の文字を書してなるところ、該文字は、「太陽」の文字と「スフレ」の文字とを格助詞「の」で結合したものであることは、語句の構成自体から明らかである。 そして、構成中、前半の「太陽」の語は、「太陽系の中心をなす天体で、恒星の一つ。」(広辞苑)の意味で広く一般に知られている語であり、後半の「スフレ」の語は、本願商標の指定商品の普通名称を表すものであるから、「太陽」の文字部分が自他商品識別標識として機能を果たし得るものと認められ、本願商標からは、その構成文字全体から生ずる「タイヨウノスフレ」の称呼のほか、「太陽」の文字部分から生ずる「タイヨウ」の称呼をも生じ、「太陽」の観念を生ずるものである。 一方、引用商標は、「太陽」の文字を書してなるところ、その構成文字に相応して、「タイヨウ」の称呼と「太陽」の観念を生ずるものである。 そこで、本願商標と引用商標の類否について検討するに、称呼については、本願商標と引用商標とは、共に「太陽」の文字部分から生ずる「タイヨウ」の称呼を共通にするものであり、観念については、いずれも取引者、需要者に「太陽」の意味合いを想起させ得るものである。 また、本願商標と引用商標は、要部である「太陽」の文字部分を共通にするものであるから、外観上も相紛れるおそれがあるものである。 そうとすると、本願商標と引用商標は、「タイヨウ」の称呼及び「太陽」の観念を共通にするものであり、外観上も相紛れるおそれがある、互いに相紛らわしい類似の商標といわざるを得ない。 そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。 してみれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものと判断するのが相当である。 (2)請求人の主張について 請求人は、本願構成において、「スフレ」の文字部分が、本願指定商品の普通名称を表しているとしても、格助詞「の」で結合してなる本願商標にあっては、全体をもって一つの商標として認識されるというべきであり、「のスフレ」の文字部分を省略して、構成中の「太陽」の文字部分のみをもって取引にあたるとはいい難く、むしろ、構成文字全体をもって、一体不可分の一種の造語として認識し把握されるとみるのが自然であり、他に構成中の「太陽」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の取引事情はない旨、主張している。 しかしながら、本願商標は、「太陽」の文字と指定商品の普通名称である「スフレ」の文字とを格助詞「の」で結合してなるものであるところ、指定商品に係る洋菓子を取り扱う業界において、「太陽」の文字は、商品の品質等を表すものではなく、十分に自他商品の識別標識としての機能を発揮し得るものであり、また格助詞「の」は所属を表すものであるから、本願商標において、「太陽」の文字が商品の出所を表す部分として認識されるのに対し、「スフレ」の文字は、本願指定商品の普通名称を表すものであり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものである。そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、構成中に所有を意味する格助詞「の」を介して「太陽のスフレ」と表したとしても、「太陽」の文字を商品の出所を表す部分として認識するというべきであり、「太陽」の文字が自他商品の識別標識としての機能を有するものとして、独立して取引に資される場合があるものというのが相当であるから、請求人の主張は採用することはできない。 また、請求人は、本願商標は、外観上まとまりよく一体に表されているものであり、これによって生じる「タイヨウノスフレ」の称呼も、よどみなく一気一連に称呼できるものである旨、主張している。 しかしながら、本願商標が「太陽」と「スフレ」の文字とを格助詞「の」で結合したものであることは明らかであり、これが外観上まとまりよく表され、よどみなく一連で称呼し得るものであるとしても、「太陽」の文字が独立して取引に資され得るものであることは前記のとおりであるから、請求人の主張は採用できない。 さらに、請求人は、過去の審決例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨、主張しているが、これらの事例は、構成文字の組み合わせが異なるものであり、本願とは事案を異にするものである。そして、本願商標と引用商標の類似判断は、両商標について個別具体的に行えば足りるのであり、特に、本願商標と引用商標とは、「太陽」の部分を共通にする類似の商標であり、極めて類似性は高く、前記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することはできない。 (3)したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-03-08 |
結審通知日 | 2011-03-11 |
審決日 | 2011-03-24 |
出願番号 | 商願2009-50295(T2009-50295) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(X30)
T 1 8・ 263- Z (X30) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 武谷 逸平、早川 真規子 |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
瀧本 佐代子 根岸 克弘 |
商標の称呼 | タイヨーノスフレ、タイヨーノ、タイヨー |
代理人 | 大内 信雄 |