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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X43
審判 査定不服 外観類似 登録しない X43
審判 査定不服 観念類似 登録しない X43
管理番号 1238291 
審判番号 不服2010-16181 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-07-20 
確定日 2011-05-19 
事件の表示 商願2009- 58686拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「FRANKIE’S The Sausage Bar」の欧文字を標準文字で表示してなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成21年8月3日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第5271019号商標(以下「引用商標」という。)は、「フランキー」の片仮名文字を標準文字で表示してなり、平成21年4月10日に登録出願、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、同年10月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、「FRANKIE’S The Sausage Bar」の文字よりなるところ、その構成中「FRANKIE’S」の文字は、全ての文字が大文字で書されているのに対し、該文字に続く「The」、「Sausage」及び「Bar」の各文字は、語頭のみを大文字で他の文字を小文字で書してなるものであるから、「FRANKIE’S」と「The Sausage Bar」の文字とは、その表示方法を異にし、視覚上分離して看取されるものである。
また、その構成文字全体から生ずる「フランキーズザソーセージバー」の称呼は冗長であるから、構成文字中の一部を捉え称呼する場合もあると判断するのが相当である。
さらに、「The Sausage Bar」の文字は、「ソーセージを提供する酒場」程の意味合いを容易に認識させる語であることからすれば、本願の指定役務「飲食物の提供」との関係においては、役務の質を表示する自他役務識別標識としての機能がないか、または、その機能が極めて弱い部分として認識されるものである。
さらにまた、本願商標の構成文字全体でなんらかの特定の意味合いを看取させる等、これらを常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとするべき特段の事情も認められないものである。
してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標の構成中、前半部の全て大文字で書された「FRANKIE’S」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
そうしてみると、本願商標は、構成文字全体に相応して「フランキーズザソーセージバー」の称呼のほか、「FRANKIE’S」の文字部分に相応して「フランキーズ」の称呼をも生ずるものである。
また、「FRANKIE’S」の文字部分は、「男子の名:Frankの別称」を意味する「FRANKIE」(小学館ランダムハウス英和大辞典〈特装版〉)と、名詞の所有格を示す「’S」とを結合したものとして認識されるものであることからすれば、当該文字部分より「フランキー(男子名)の」の観念のほか、必ずしも強い印象を与えるものとはいえない名詞の所有格を示す「’S」を捨象して、印象が強い「FRANKIE」の文字に着目して、単に「フランキー(男子名)」の観念をも生ずるといえるものである。
他方、引用商標は、「フランキー」の片仮名文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「フランキー」の称呼を生ずること明らかであり、該文字からは、「フランキー(男子名)」の観念を生ずるといえるものである。
そこで、本願商標から生ずる「フランキーズザソーセージバー」の称呼と引用商標から生ずる「フランキー」の称呼とを比較するに、両称呼は、「フランキー」の音を共通にするとはいえ、これに続く「ズザソーセージバー」の音の有無に明らかな差異を有するものであるから、十分に聴別し得るものである。
また、本願商標から生ずる「フランキーズ」の称呼と引用商標から生ずる「フランキー」の称呼とを比較するに、両称呼は、共に「フランキー」の5音を共通にし、異なるところは、語尾における「ズ」の音の有無にすぎないものである。
そして「ズ」の音は、それ自体響きの弱い有声摩擦子音「z」と母音「u」の結合した音であるばかりでなく、比較的聴取され難い語尾に位置することに加えて、本願商標の構成からすると、該音は名詞などの所有格を示す「’S」に相応する音であって必ずしも印象が強いとはいえないことからすれば、語尾における「ズ」の音の有無が両称呼に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、それぞれを一連に称呼するときには、両称呼は相紛らわしく、互いに聴き誤るおそれがあるものといわなければならない。
また、本願商標と引用商標とは、「フランキー(男子名)」の観念を共通にするものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、その外観においては、区別し得ることを考慮したとしても、称呼において相紛らわしく、観念を共通にする類似する商標といわざるを得ない。
そして、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一のものである。

2 請求人の主張について
請求人は、「本願商標の構成中の『The Sausage Bar』の欧文字は、『ソーセージを提供するカウンターのある洋風酒場・軽食堂』程の意味合いを暗示させる場合があるとしても、当該文字が、本願指定役務の質等の内容を具体的に表示するものとして取引者・需要者の多くに理解されているとはいえない。そのため、本願商標において、当該文字が、本願指定役務との関係で自他役務の識別標識としての機能がないか極めて弱いとの見解は妥当ではなく、自他役務の識別標識として十分機能し得るものといえる」旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成中の「The Sausage Bar」の欧文字は、それぞれの文字の有する意味合いからすれば、全体として「ソーセージを提供する酒場」程の意味合いを容易に認識させるもので、これに接する取引者・需要者は、「飲食物の提供」の一業態を認識するにとどまり、その指定役務「飲食物の提供」との関係においては、上記1のとおり、役務の質を表示する自他役務識別標識としての機能がないか、または、その機能は極めて弱い部分として認識されるものであるから、請求人の係る主張は採用することができない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。

3 まとめ
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-03-16 
結審通知日 2011-03-22 
審決日 2011-04-05 
出願番号 商願2009-58686(T2009-58686) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X43)
T 1 8・ 261- Z (X43)
T 1 8・ 263- Z (X43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 矢代 達雄 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 小俣 克巳
小川 きみえ
商標の称呼 フランキーズザソーセージバー、フランキーズザソーセージ、フランキーズ、フランキー、ザソーセージバー、ソーセージバー 
代理人 右田 敏之 
代理人 是枝 洋介 

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