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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y18
管理番号 1238267 
審判番号 取消2010-300541 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2010-05-20 
確定日 2011-05-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第5037077号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5037077号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成18年10月27日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,革ひも,原革,原皮,なめし皮,毛皮」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、同19年3月30日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張(要旨)
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証(本件商標の商標登録原簿の写し)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、過去3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人の提出に係る証拠からは、本件商標をその指定商品中の第25類「被服」について継続して3年以上日本国内において使用したとは認めることができない。
(1)本件商標は、「CAL SURF」のローマ字を左横書きしてなる下段にこれと同大の「カルサーフ」の片仮名を配することで、ローマ字と片仮名を上下2段に併記して一体的に構成した態様の商標である。
しかしながら、乙第1号証ないし乙第6号証については、「CALSURF」又は「CalSurf」又は「calsurf」というように、ローマ字のみを付したものが載っているだけで、片仮名「カルサーフ」を付したものが載っていない点、いずれもシャツの胸部等において、もっぱらローマ字及び数字による表現の装飾的あるいは意匠的効果等に惹かれて、これらのシャツの購買意欲を喚起することを目的として表示されたものである点、更には、前記の意匠的効果も本質的に片仮名の存在を排除するものである点から、乙第1号証ないし乙第6号証には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が記載されているとはいえない。
したがって、これらの証拠については、商標の使用ではなく、意匠的な美感を訴えるものであって、かつ、片仮名の存在が排斥される様態での使用であることから、このような使用は、商標法が本来予定するところの登録商標の使用とは本質的に異なるものである。
(2)また、乙第2号証ないし乙第6号証については、以下のような奇異な点がある。
乙第2号証では、答弁書の中で、「この雑誌の第142ページ及び第143ページは、・・・及び、第143ページ右下部に【お問い合わせ先】が記載されており、・・・そして、第142ページの中央の女性モデルが着用しているポロシャツの右胸部に『CAL SURF』と本件商標が付されている。」と述べているが、実際には、上部に手書きで「2008 5月号 FINE」と記載された頁のみが添付されているだけで、これが雑誌の第142頁及び第143頁なのかどうか不明である。なお、次頁のものには左側の下端に「195」と頁を示す数字が記載されており、この195頁のみが上部に手書きで「2008 5月号 FINE」と記載されていることに奇異の感を抱くものである。
乙第3号証ないし乙第6号証も乙第2号証と同様、下部に頁を示す数字が記載されておらず、上部に手書きで「2008 8月号 FINE」、「2008 FINE 10月号」、「FINE 2008 5月号」、「FINE 2008 6月号」と記載されており、奇異の感を抱くものである。
したがって、乙第2号証ないし乙第6号証については、証拠として正当なものとは認めることができない。
(3)以上のとおり、被請求人が提出した本件商標の使用を証明しようとする証拠は、片仮名「カルサーフ」を表示せず、むしろ片仮名の存在を排斥するような態様のものであって、意匠的な美感を訴えるものであることから、被請求人が提出した証拠では、本件商標をその指定商品について継続して3年以上日本国内において使用した事実があることを証明しているとはいえない。

第3 被請求人の主張(要旨)
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、第25類の「被服」について、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、被請求人により使用されている。
1 乙第1号証ないし乙第6号証は、本件審判請求の予告登録前3年以内に、株式会社日之出出版(以下「日之出出版」という。)により発行された雑誌の写しである。
乙第1号証は「Fine 356号(2008年2月1日発行)」の写しであり、85頁の上部から中央部にかけて、本件商標を付したポロシャツが4点(4種)掲載されており、また、当該頁の下部に掲載されているハーフパンツにも本件商標が付されている。そして、同頁の下欄には、「すべての商品の問い合わせ先はブランクです。詳しくはP187のショップリストをご確認ください。」と記載されており、187頁の右側「オフィス」の欄には、被請求人の名称と連絡先(電話番号)が記載されている。
これらの事実から、本件商標が被服類について、本件審判請求の予告登録前3年以内に使用されていたことは明らかである。
乙第2号証ないし乙第6号証も同様のものであり、乙第2号証は「Fine 359号(2008年5月1日発行)」の写しであり、乙第3号証は「Fine 362号(2008年8月1日発行)」の写しであり、乙第4号証は「Fine 364号(2008年10月1日発行)」の写しであり、乙第5号証は「Fine 371号(2009年5月1日発行)」の写しであり、乙第6号証は「Fine 372号(2009年6月1日発行)」の写しである。
乙第2号証の142頁の中央の女性モデルが着用しているポロシャツの右胸部に「CAL SURF」と本件商標が付されている。乙第3号証の161頁の上部右側の男性モデルが着用しているTシャツの胸部に「CAL SURF」と本件商標が付されている。乙第4号証の147頁の上部右側のモデルが着用しているロングTシャツの背面上部及び同頁の中央のモデルが着用しているパーカーの裾部に「CAL SURF」と本件商標が付されている。乙第5号証の157頁の上部右側に掲載されているTシャツ及び下部右側に掲載されているTシャツの背面上部に「CAL SURF」と、同頁右側に掲載されているサンバイザーにも「CAL SURF」と本件商標が付されている。乙第6号証の148頁の中央の男性モデルが着用しているTシャツの胸部に「CAL SURF」と本件商標が付されている。
そして、乙第2号証ないし乙第6号証の上記した各頁等の商品の簡単な説明の最後には「(ブランク)」の表記があり、下部に「お問い合わせ先(電話番号やメールアドレス等)」が記載されている頁もあり、「Shop List」の頁の「オフィス」の欄には、被請求人の名称と連絡先(電話番号)が記載されている。
乙第7号証は、被請求人のホームページの写しであり、上記各雑誌に記載されている電話番号及びホームページアドレスが被請求人の連絡先であることが分かる。
2 以上の証拠より、本件商標が被服類について、本件審判請求の予告登録前3年以内に、日本国内において被請求人が使用していることは明らかである。

第4 当審の判断
被請求人は、本件商標をその指定商品中の「被服」について、本件審判請求前3年以内に、日本国内において使用しているとして、乙第1号証ないし乙第7号証を提出している。
1 そこで、被請求人の提出に係る乙各号証をみるに、これらによれば、以下の事実を認めることができる。
(1)乙第1号証は、日之出出版の発行に係る雑誌「Fine 356号(2008年2月1日発行)」の写し(抜粋)であり、85頁には、「’08サーフファッションはワッペン付き&プリント入りで開幕」の見出しのもとに、各種のポロシャツ等が掲載されている。上部から中央部にかけて、別掲(2)ないし別掲(4)のとおりの状態をもって、色々な態様で表された「CAL SURF」の標章(以下、「使用標章1」ないし「使用標章3」といい、使用標章1ないし3をまとめて「本件使用標章」という。)が付されたポロシャツが掲載されており、いずれにも簡単な商品説明とともに価格が表示されている。そして、同頁の下欄には、「すべての商品の問い合わせ先はブランクです。詳しくはP187のショップリストをご確認ください。」と記載されており、187頁の「Shop List」の頁には、「今月の掲載商品ご協力店」として、「オフィス」の欄には被請求人の名称と認められる「ブランク」の表示もあり、その電話番号が記載されている。
(2)乙第2号証ないし乙第6号証も日之出出版の発行に係る雑誌「Fine」の写し(抜粋)と認められるものであり、乙第2号証は「Fine 359号(2008年5月1日発行)」の写しであり、乙第3号証は「Fine 362号(2008年8月1日発行)」の写しであり、乙第4号証は「Fine 364号(2008年10月1日発行)」の写しであり、乙第5号証は「Fine 371号(2009年5月1日発行)」の写しであり、乙第6号証は「Fine 372号(2009年6月1日発行)」の写しである。
そして、乙第2号証ないし乙第6号証中の商品が掲載されている各頁をみれば、そのいずれにも、モデルが色々な態様で表された「CAL SURF」の標章が付されたポロシャツやTシャツ等を着用している写真が掲載されており、各商品の簡単な説明の最後には、被請求人の名称と認められる「(ブランク)」の表記があり、下部には「お問い合わせ先(電話番号やメールアドレス等)」が記載されている頁もあり、乙第1号証と同様に、「Shop List」の頁には、「今月の掲載商品ご協力店」として、「オフィス」の欄には被請求人の名称と認められる「ブランク」の表示もあり、その電話番号が記載されている。
しかしながら、これらの雑誌の商品が掲載されている頁には、頁を示す数字の表示がなく、例えば、乙第2号証の当該頁の欄外には、「ファイン 5月号/製版課DMA2-鶴瀬3課/製版者 道川/校正回数2」等の表示があることからみれば、それらの頁は、いずれも現物の雑誌そのものの写しではなく、雑誌の製版段階における原稿の写しの如きものと推認されるものである。
(3)乙第7号証は、被請求人のホームページと認められるものの写しであり、被請求人を示す社名の欄には、住所とともに、上記各雑誌に記載されている電話番号と同じ電話番号が記載されている。

2 上記において認定した乙各号証のうち、請求人は、乙第2号証ないし乙第6号証の成立について疑問を呈しているが、少なくとも、乙第1号証によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成22年6月7日)前3年以内である2008年(平成20年)2月1日に発行された日之出出版の発行に係る雑誌「Fine 356号」において、別掲(2)ないし別掲(4)のとおりの状態に標章が付されたポロシャツの広告を掲載していた事実を認めることができる。
(1)そこでまず、乙第1号証のポロシャツに表示されている本件使用標章が商品の識別標識である商標として機能しているといえるか否かについて検討する。
別掲(2)に表示されている本件使用標章は、ポロシャツの左胸部分に「CAL」と「SURF」の欧文字を二段に大きく表したものであり(なお、該文字の下に極めて小さな欧文字からなる文字列が表示されているが判読することが出来ない。)、右胸部分には、数字の「35」がややデザイン化して表されている。別掲(3)に表示されている本件使用標章は、ポロシャツの背面中央部分に大きく表されている数字の「35」の上部に、「CALSURF」の欧文字をやや湾曲した形で大きく表したものである。別掲(4)に表示されている本件使用標章は、ポロシャツの右胸部分に「CALSURF」の欧文字を半円を描くように湾曲させて表し、該半円状の文字の内部に数字の「35」を表し、その下に5つの星の図形を横一列に配したものである。
この点について、請求人は、上記した標章の使用は商標の使用ではなく、意匠的な美感を訴えるものであって、商標の使用とは本質的に異なるものである旨主張している。
しかしながら、例えば、東京高裁平成14年(行ケ)第500号審決取消請求事件の判決においては次のように判示されている。
「・・・仮に,被告の主張するように商標法第50条所定の『使用』の意義を限定的に解するとしても,ある図形が特定の業務を行う者の商品又は役務について使用する標章として商標法2条1項所定の商標に当たるかどうかと,これが物品の外形において視覚を通じて美感を起こさせる創作として意匠法2条所定の意匠に当たるかどうかは,次元を異にするものであって,何ら矛盾背反するものではなく,物品に係るある図形が視覚を通じて美感を起こさせる場合に,これに接した取引者,需要者において,当該標章を使用する者の業務に係る商品又は役務であることを認識することは十分に可能であるから,商標と意匠の双方に当たる図形ということに何ら不都合はない。そうすると,本件使用標章が,それ自体としての,あるいは他の文字や図形との組合せに係る意匠的な機能を果たしているからといって,標章としての自他識別力が当然に否定されるものではなく,これが同時に商標にも該当するということは何ら妨げられるものではない。・・・」
これを本件についてみれば、確かに、請求人が主張しているように、本件使用標章が視覚を通じてポロシャツの美感を起こさせる機能を果たしていることを否定することはできないとしても、本件使用標章は、他の文字や数字あるいは図形と分離観察することが不可能又は困難というほどに一体不可分に結合されているとか、本件使用標章部分だけを取り出して識別認識することができないなどの格別な事情も認められないから、該ポロシャツに接した取引者・需要者は、本件使用標章に着目して、これを独立した文字商標として把握・認識することも十分に可能であり、十分にあり得ることというべきである。
そうとすれば、本件使用標章は、意匠的な機能を果たしているからといって、標章としての自他識別力が当然に否定されるものではなく、これが同時に、商標法第50条にいう「登録商標の使用」にも該当するものと認められるから、この点についての請求人の主張は採用できない。
(2)次に、乙第1号証のポロシャツに表示されている商標(本件使用標章)が本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものであるか否かについて判断する。
本件商標は、別掲(1)に示したとおり、「CAL」と「SURF」の欧文字を半文字程度の間隔を設けて一連に表し、その下に「カルサーフ」の片仮名文字を配した構成からなるものであるところ、その構成中の「SURF」の欧文字は「打ち寄せる波」等を意味する英単語であり「サーフ」と称呼されるものであるが、「CAL」の文字部分は、造語と認められるものであり、例えば、「Calcium」の英単語が「カルシウム」と発音されて親しまれている例にならえば、「カル」と称呼されるものとみるのが自然である。そうとすれば、「CAL SURF」の欧文字は、全体として特定の意味合いを有するものとはいえない造語であって、「カルサーフ」と称呼されるものと認められるから、本件商標構成中の片仮名文字は、「CAL SURF」の欧文字の自然な読みを表したにすぎないものとみるのが相当である。
一方、被請求人が乙第1号証のポロシャツに使用している別掲(2)ないし別掲(4)に表示されている商標(本件使用標章)は、上記したとおりの構成からなるものであり、いずれも本件商標そのものを使用しているものではない。
しかしながら、商標の使用は、商標を付する対象に応じて、適宜に変更を加えて使用されるのがむしろ通常であり、本件の場合も、「CAL SURF」の欧文字は、他の文字や数字、図形から独立した文字商標として認識し得るものであって、その表現方法が二段書きや緩やかな湾曲状あるいは半円状であるとしても、いずれも本件商標構成中の欧文字と同じ綴り字からなるものであり、いずれからも「カルサーフ」の称呼のみを生ずるものであるから(「CAL SURF/カルサーフ」は、造語と認められるから観念については比較すべくもない)、「カルサーフ」の片仮名文字が併記されてはいないが、本件商標と社会通念上同一の商標と認めて差し支えないものというべきである。
(3)してみれば、被請求人は、本件審判についての要証期間内に、乙第1号証の雑誌「Fine 356号」において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標(本件使用標章)が付されたポロシャツの広告を掲載していたものと認められるところであり、これは、商標法第2条第3項第1号及び同第8号に規定されている商標の使用行為ということができる。
3 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判の請求に係る指定商品中の第25類「ワイシャツ類」に含まれる「ポロシャツ」について使用をしていたことを証明したものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)本件商標


(2)使用標章1


(3)使用標章2


(4)使用標章3

(上記(2)ないし(4)の色彩については乙第1号証参照)

審理終結日 2010-12-17 
結審通知日 2010-12-21 
審決日 2011-01-05 
出願番号 商願2006-100059(T2006-100059) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Y18)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 大橋 信彦 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 内山 進
前山 るり子
登録日 2007-03-30 
登録番号 商標登録第5037077号(T5037077) 
商標の称呼 カルサーフ、キャルサーフ、カル、キャル、シイエイエル、サーフ 
代理人 齋藤 晴男 
代理人 齋藤 貴広 
代理人 佐藤 嘉明 
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