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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X36 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X36 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X36 |
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管理番号 | 1238246 |
審判番号 | 不服2010-215 |
総通号数 | 139 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-07-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-01-06 |
確定日 | 2011-06-02 |
事件の表示 | 商願2008-99643拒絶査定不服審判事件についてした平成22年8月31日付け審決に対し,知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成22年(行ケ)第10327号,平成23年4月27日判決言渡)があったので,さらに審理のうえ,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,別掲1のとおり,「MITSUI SUMITOMO CARD」の欧文字を上段に,「Gold Loan」の欧文字を下段に,それぞれ横書きしてなり,第36類「資金の貸付け」を指定役務とし,平成20年12月10日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶理由に引用した登録第3140108号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおり,「CitiGold Loan」の欧文字を横書きしてなり,平成4年9月29日に登録出願,第36類「資金の貸付け」を指定役務として,平成8年4月30日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新登録がなされ,現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は,前記1のとおり,「MITSUI SUMITOMO CARD」の欧文字を上段に,「Gold Loan」の欧文字を下段に,それぞれ横書きで表記し,「Gold Loan」の文字は,上段の「MITSUI SUMITOMO CARD」の文字に比べ,2倍以上に大きく表記した文字からなる。「MITSUI SUMITOMO CARD」部分は,「MITSUI」,「SUMITOMO」及び「CARD」のそれぞれの間に,半字分の僅かな間隔が設けられている。また,「Gold Loan」部分は,「Gold」と「Loan」との間に,約1字分の間隔が設けられている。 本願商標中「MITSUI SUMITOMO CARD」部分からは,我が国における著名な金融機関である三井住友銀行と関連を有する請求人(三井住友カード株式会社)の商号(略称),又はその取り扱うカードとの観念を生じさせる。また,本願商標中「Gold」部分からは,金,富,財宝,金色,貴重なもの,高貴なもの,素晴らしいものなどの観念を生じさせる。本願商標中「Loan」部分からは,貸与,貸し付け,貸与金,借金などの観念を生じさせる(いずれも「小学館ランダムハウス英和大辞典第2版」)。もっとも,「Loan」部分は,指定役務である「資金の貸付け」そのものを指す語であることに照らすならば,役務の出所を識別する機能はないと解するのが相当である。「Gold Loan」に相当する語は存在しないので,固有の観念は生じることはないが,場合により,素晴らしいとの印象を与える貸し付けなどの観念を生じさせることがあり得るといえる。そうすると,本願商標全体からは,三井住友カード株式会社が業として行う,特定の種類のローンなどの観念を生じさせることがあり得るといえる。 本願商標は,その全体から「ミツイスミトモカードゴールドローン」,「ミツイスミトモカード」又は「ゴールドローン」との称呼が生じ得る。 (2)引用商標について 引用商標は,別掲2のとおり,「CitiGold Loan」の欧文字を,ほぼ同じ大きさの太い文字で,右に傾斜させ,横書きで表記されたもので,「CitiGold」と「Loan」との間には,約1文字分の間隔が設けられているものである。 そして,引用商標の「CitiGold」部分は,「CitiGold」に相当する既存の語は存在しないので,その限りでは,格別の観念を生じることはなく造語と理解される。なお,「CitiGold」部分の,先頭の「Citi」部分からは,「City」とは綴りが異なるものの,その音から「都市」との観念,又は金融機関であるシティグループないし関連会社の商号(略称)であるとの観念を生じさせ,後方の「Gold」部分からは,金,金色,富,財宝,貴重なもの,高級なもの,素晴らしいものなどの観念を生じさせることがあり得るといえる。 また,引用商標の「Loan」部分からは,貸与,貸し付け,貸与金,借金などの観念が生じる。もっとも,「Loan」部分が,指定役務である「資金の貸付け」そのものを指す語であることに照らすならば,役務の出所を識別する機能はないと解するのが相当である。 そうとすれば,引用商標からは,「シティゴールドローン」ないし「シティゴールド」の称呼が生じさせるというべきである。 (3)本願商標と引用商標との類否について ア 外観について 本願商標の外観は,別掲1のとおり,「MITSUI SUMITOMO CARD Gold Loan」の外観であるのに対し,引用商標の外観は,別掲2のとおり,「CitiGold Loan」のほぼ同じ大きさの太い文字で,右に傾斜させ,横書きで表記されたもので,「CitiGold」と「Loan」との間には,約1文字分の間隔が設けられている外観であるから,両商標は,外観において,相違する。 イ 称呼について 本願商標は,「ミツイスミトモカードゴールドローン」ないし「ゴールドローン」との称呼を生じさせるのに対し,引用商標は,「シティゴールドローン」ないし「シティゴールド」との称呼を生じさせるものであり,両商標は,称呼において,相違する。 ウ 観念について 本願商標から,特定の観念は生じないというべきであるが,請求人である三井住友カード株式会社の提供するローンの種類であるとの観念を生じさせることもあり得るといえる。 これに対し,引用商標からは,特定の観念は生じない。なお,「シティゴールド ローン」ないし「シティゴールド」から,需要者,取引者に対して,シティバンク銀行株式会社等が属するシティグループが提供する,ローンないし金融サービスとの観念を生じさせることもあり得るといえる。そうすると,両商標は,観念においては,特定の観念が生じないので,対比することはできないが,観念が生じるとすれば,その限りで相違する。 エ まとめ 以上のとおり,本願商標と引用商標とは,その外観,称呼において相違する。また,観念においては,特定の観念が生じないので,対比することはできないが,他方,観念が生じるとすれば,その限りで相違する。 そうすると,本願商標と引用商標とは,称呼,外観及び観念においてのいずれよりみても,相紛れるおそれのない非類似の商標である。 (4)結語 以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものではないから,これを理由として本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。 その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標 別掲2 引用商標 |
審理終結日 | 2010-08-17 |
結審通知日 | 2010-08-20 |
審決日 | 2010-08-31 |
出願番号 | 商願2008-99643(T2008-99643) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(X36)
T 1 8・ 261- WY (X36) T 1 8・ 263- WY (X36) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 池田 光治、吉田 昌史 |
特許庁審判長 |
鈴木 修 |
特許庁審判官 |
田中 亨子 小俣 克巳 |
商標の称呼 | ミツイスミトモカードゴールドローン、ミツイスミトモカード、ミツイスミトモ、ミツイ、スミトモ、ゴールドローン、ゴールド |
代理人 | 小林 十四雄 |
代理人 | 岡村 信一 |