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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y051012
管理番号 1238231 
審判番号 取消2010-300510 
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2010-05-14 
確定日 2011-05-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第1072527号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1072527号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、昭和46年11月19日に登録出願、第10類「自動調節機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和49年6月13日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成16年6月9日、第1類「写真材料」、第5類「医療用腕環」、第9類「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」、第10類「医療用機械器具」及び第12類「車いす」に書換登録がなされたものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第5類の「医療用腕環」、第10類の「医療用機械器具」及び第12類の「車いす」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その商品及び役務の区分並びに指定商品中、第5類の「医療用腕環」、第10類の「医療用機械器具」及び第12類の「車いす」については継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていない。
したがって、本件商標の商品及び役務の区分並びに指定商品中、前記商品についての登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)弁駁の理由
ア 被請求人は、本件商標を商品「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット(HP322-004、HP322-005)」及び商品「血液分析装置用ファン(PA55H3-C)」に使用しているとし、本件商標の使用の事実を証明するものとして、乙第1号証ないし同第25号証を提出した。
イ しかし、被請求人が本件商標を使用していると主張する商品「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット(HP322-004、HP322-005)」は、完成品である「個人用透析装置(TR-3000S)」に組み込まれる部品であり、また、商品「血液分析装置用ファン(PA55H3-C)」も、完成品である「血液分析装置」に組み込まれる部品であるところ、これらは、本件商標に係る指定商品中の「医療用機械器具」には含まれないものである。
すなわち、本件商標は、昭和34年法分類の第10類「自動調節機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として昭和49年6月13日に設定登録された後、指定商品については、国際分類第8版に対応する第1類「写真材料」、第5類「医療用腕環」、第9類「理化学機械器具、光学機械器具、写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具」、第10類「医療用機械器具」、第12類「車いす」を指定商品として、平成16年6月9日に書換登録されたものである。
このうち、第10類「医療用機械器具」は昭和34年法分類の第10類「医療機械器具」に対応するものである。
ところで、類似商品・役務審査基準においては、第9類「電気通信機械器具」(中分類に「電気通信機械器具の部品及び附属品」が掲載されている)、第9類「電子応用機械器具及びその部品」、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」等のように、類似群内において完成品の他に部品・附属品を含む場合にはその旨が明記されている。
しかし、これらとは異なり、第10類「医療用機械器具」については、大分類(「医療用機械器具」等)、中分類(「診断用機械器具」等)、細分類(「胃鏡」等)のいずれにも「完成品」のみが掲載され、「部品」は一切掲載されていない。それゆえ、「医療用機械器具の部品及び附属品」、「医療用機械器具及びその部品」又は「医療用機械器具並びにその部品及び附属品」のように「部品」が含まれることを積極的に表示しない限り、「医療用機械器具の部品」は含まれず、単に「医療用機械器具」と表示するだけでは「医療用機械器具の部品」は含まれないものと解釈される。
そこで、本件についてみると、単に「医療用機械器具」と表示しているだけであるので、これには「医療用機械器具の部品」は含まれない。
よって、「個人用透析装置(TR-3000S)」に組み込まれる「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット(HP322-004、HP322-005)」及び「血液分析装置」に組み込まれる「血液分析装置用ファン(PA55H3-C)」の各部品は、本件商標に係る指定商品中の「医療用機械器具」には含まれないものである。
ウ 仮に、第10類「医療用機械器具」には「医療用機械器具の部品」が含まれるとの解釈が成り立つとしても、本件各部品は独立して取引の対象となり得る「商品」には該当しない。
すなわち、薬事法上、「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等をいい(薬事法第2条第4項)、完成品であっても部品であっても、「医療機器」として製造販売するためには、クラス分類に応じた届出又は承認若しくは認証の取得を要し、申請の際の添付文書情報を開示し、承認番号等を表示しなければならない。
しかし、請求人がネット検索したところ、本件各部品については、添付文書情報は何ら開示されていない。また、乙第11号証ないし同第13号証、乙第22号証、乙第23号証の写真をみても、本件各部品には承認番号等は表示されていない。それゆえ、本件各部品は「医療機器」としての承認若しくは認証を得ているものではなく、単なる汎用部品にすぎない。
現に、被請求人は、同社の製品カタログにおいて、「ステッピングモータ」について、「幅広い用途に対応します。」と記載し、「ドットプリンター」の「キャリッジ」、「監視カメラ」の「カメラ雲台 駆動」、「眼科用検査機」の「装置駆動」、「BS受信機」の「アンテナ駆動」等、多数の採用事例を挙げ、また、「AC・DC軸流ファン」についても、主な用途として、「電子計算機その周辺端末機」、「サーバー」、「パソコン」、「複写機」、「音響機器」、「放送機器」、「通信機器」、「産業機器」、「医療機器」、「遊技機器」を挙げ、「日本電産サーボの製品はできるだけ汎用性を持たせる設計、製作をしております」と記載しており、被請求人は、本件各部品を汎用部品であると自認している(甲第1号証)。
よって、本件各部品は「医療機器」として単体で製造販売することができるものではなく、独立して取引の対象となり得る「商品」には該当しない。
エ 以上のように、被請求人が本件商標を使用していると主張する商品「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット(HP322-004、HP322-005)」及び商品「血液分析装置用ファン(PA55H3-C)」は、「部品」であるから、本件商標に係る指定商品中の「医療用機械器具」には含まれず、仮に、「医療用機械器具」に「医療用機械器具の部品」が含まれるとしても、本件各部品は「医療機器」として単体で製造販売することができるものではなく、独立して取引の対象となり得る「商品」には該当しない。
それゆえ、乙各号証によっては、本件審判請求登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用をしていることは証明されていない。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第25号証を提出した。
(1)被請求人は、「民生用・業務用精密小型モータ、ファン・ブロア・センサ及びモータ応用製品の開発・製造・販売」を事業内容として、昭和24年4月19日に設立された株式会社で、平成20年に日本サーボ株式会社から日本電産サーボ株式会社に社名変更をしている(乙第1号証、乙第2号証)。
(2)被請求人は、平成18年から今日に至るまで、東レ・メディカル株式会社(以下「東レ・メディカル」という。)が製造販売する「個人用透析装置(TR-3000S)」に組み込まれる「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット(HP322-004、HP322-005)」を製造し、これに本件商標を付して、東レ・メディカルに販売(譲渡)している。
上記東レ・メディカルが製造販売する商品「個人用透析装置(TR-3000S)」は、薬事法承認(認証)番号21500BZZ00059000号として承認(認証)されている(乙第3号証)。
そして、上記商品はカタログ(発行日2008年10月)などにより宣伝広告されている(乙第4号証)。
被請求人が製造販売する上記「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット(HP322-004、HP322-005)」は、仕様書1、仕様書2、設計図面1ないし3、写真1ないし4に示すもので(乙第5号証ないし同第13号証)、上記東レ・メディカルの商品「個人用透析装置(TR-3000S)」の部品として組み込まれるものである。
具体的には、上記東レ・メディカルの「個人用透析装置(TR-3000S)」のカタログ(乙第4号証)の第2頁の左側の個人透析装置の写真における中段の○で囲った部分に組み込まれており、実際の透析の際には、この部分に注射器が装着される。
そして、上記被請求人の人工透析装置用ヘパリンポンプユニット(HP322-004、HP322-005)のステッピングモータ(KT35FMl-017)部分に、上記設計図面2(乙第8号証)、設計図面3(乙第9号証)に示すように、本件商標を付したネームプレートが取付けられている。
なお、上記設計図面2におけるネームプレートは、製作当初のステッピングモータ(KT35FMl-017)に取付けられていたもので、設計図面3におけるネームプレートは、2008年12月1日に上記ステッピングモータの一部の部品に変更があり、その改良後のステッピングモータ(KT35FMl-017)に取付けられているものである。
また、上記写真1(乙第10号証)、写真2(乙第11号証)は、実際に上記被請求人が製造販売する「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット(HP322-005)」の表側及び裏側写真を示し、写真3(乙第12号証)、写真4(乙第13号証)は、上記ユニットの裏側に固定されているステッピングモータ(KT35FMl-017)の拡大写真を示すものである。
そして、上記ヘパリンポンプユニットに固定されたステッピングモータのネームプレートに、本件商標が付されている。
被請求人は、上記人工透析装置用ヘパリンポンプユニット(HP322-004)を、平成21年12月4日に、被請求人の代理店である川北電興株式会社(以下「川北電興」という。)に100個譲渡し、被請求人は、川北電興から物品受領書を受け取っている(乙第14号証)。
そして、上記川北電興は、東レ・メディカルに上記商品を100個納入し、川北電興は、東レ・メディカルから納品書兼検査票を受け取っている(乙第15号証)。
同じく、被請求人は、上記人工透析装置用ヘパリンポンプユニット(HP322-005)を、平成22年4月26日に、川北電興に100個譲渡し、被請求人は、川北電興から物品受領書を受け取っている(乙第16号証)。
そして、川北電興は、東レ・メディカルに上記商品を100個納入し、上記川北電興は東レ・メディカルから納品書兼検査票を受け取っている(乙第17号証)。
(3)次に、被請求人は、平成9年から今日に至るまで、株式会社日立ハイテクノロジーズ(以下「日立ハイテクノロジーズ」という。)が製造販売する商品「血液分析装置」に組み込まれる「血液分析装置用ファン(製品名PA55H3-C)」を製造し、これに本件商標を付して、日立ハイテクノロジーズ(旧株式会社日立製作所)に販売(譲渡)している。
なお、日立ハイテクノロジーズは、平成13年10月に日製産業株式会社と株式会社日立製作所の事業部の一部とが統合して、日製産業株式会社の社名が変更されたものである(乙第18号証)。
被請求人が製造販売する「血液分析装置用ファン(PA55H3-C)」は、仕様書3(乙第19号証)、Marketing Form(乙第20号証)、設計図面4(乙第21号証)、写真5(乙第22号証)、写真6(乙第23号証)に示すもので、このファンは日立ハイテクノロジーズの商品「血液分析装置」の部品として組み込まれるものである。
そして、上記血液分析装置用ファンに、設計図面4(乙第21号証)に示すように、本件登録商標が付されたネームプレートが取付けられている。
また、上記写真5(乙第22号証)、写真6(乙第23号証)は、実際に上記被請求人が製造する血液分析装置用ファン(製品名PA55H3-C)の写真を示し、上記ファンに固定されたネームプレートに本件商標が付されている。
被請求人は、平成21年11月9日付けの日立ハイテクノロジーズからの注文書(乙第24号証)に基づき、平成22年4月22日に血液分析装置用ファン(製品名PAS5H3-C)を日立ハイテクノロジーズに150個譲渡し、被請求人は、株式会社日立ハイテクノロジーズから物品受領書を受け取っている(乙第25号証)。
(5)以上詳記したように、被請求人は、本件商標を、少なくとも平成18年から今日に至るまで、商品「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット(HP322-004、HP322-005)」に使用しているものである。また、被請求人は、本件商標を、少なくとも平成9年から今日に至るまで、商品「血液分析装置用ファン(製品名PA55H3-C)」に使用している。
してみれば、被請求人は、本件商標をその指定商品である「医療機械器具(即ち現行の商品及び区分第10類「医療用機械器具」)」の範疇に属する商品について、少なくとも平成9年から今日に至るまで使用していることは明らかであり、本件商標が商標法第50条の規定により取り消されるべきでないことは明瞭である。

4 当審の判断
(1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 医療用データベース(乙第3号証)によれば、東レ・メディカルの製造販売に係る「個人用透析濾過装置」(商品番号「TR-3000S」)について、薬事法の承認(承認番号21500BZZ00059000)を得ていることが認められる。そして、東レ・メディカルの2008年10月発行の商品カタログ(乙第4号証)には、商品記号「TR-3000S」として、個人用透析装置の現物写真が掲載されている。
イ 被請求人から東レ・メディカルに宛てた「納入仕様書」(乙第6号証)は、平成20年10月29日に東レ・メディカルの担当部が受領したと認められる。それには「ヘパリンポンプユニット仕様書」が添付されており、その中には、製品型式として「HP322-005」、機構の駆動モータとして「ステッピングモータ(KT35FM1-017)」の記載があるほか、仕様の欄に、「適用シリンジ」や「検知機能」等についての各記載がある。
ウ 被請求人に係る設計図面1(乙第7号証)、同図面2(乙第8号証)及び同図面3(乙第9号証)によれば、「HP322-005」に関して詳細な作図が示されており、記号「KT35FM1-017」のステッピングモータ部位に、籠字風に表したJ字状の輪郭図形内の下部に、「S」を他の文字「ERVO」の2倍ほどの大きさで「SERVO」と表した標章を表示することとされている。
エ 写真1ないし4(乙第10号証ないし同13)には、前記ウに対応したと認められる形状の物品が写されており、内側に「HP322-005」が表示され、また、記号「KT35FM1-017」を付したモータと思われる部位の左上に、黒塗りのJ字状の図形内の下部に、「S」を他の文字「ERVO」の2倍ほどの大きさで「SERVO」と白く表した標章が付されている。
オ ウの設計図面、エの現物写真の形状と前記アの東レ・メディカルのカタログを併せみると、ヘパリンポンプユニットが個人用透析装置に組み込まれて用いられるものと優に推認し得るから、ヘパリンポンプユニットは前記透析装置に専用の部品と認められるものである。
カ 被請求人から川北電興への「物品受領書」(乙第16号証)及び納品書兼検査票(乙第17号証)によれば、東レ・メディカルに納品するための製品記号「HP322-005」をもって特定し得る商品「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット」、数量「100」について、2010年4月26日に、川北電興が被請求人から受領をしたことが認められる。
キ 前記年月日は、本件審判請求の登録前3年以内の時期にあたるものであり、前記アないしカを綜合してみれば、同時期に、前記標章を表示した商品「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット」について、被請求人から川北電興、川北電興から東レ・メディカルへの譲渡がされたと推認することができる。
(2)本件商標は、別掲に示すとおりの構成からなり、籠字風に表したJ字状の輪郭図形内の下部に、「S」を他の文字「ERVO」の2倍ほどの大きさで「SERVO」と表して配したものである。そして、前記(1)において「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット」に表示された標章をみると、本件商標と同じ構成及び構図の標章が表されており、これをもって、本件商標と社会通念上同一の商標が表示されたと認められるものである。
(3)上記標章は、前記のとおり、商品「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット」について使用されたと認められるものであり、前記使用に係る商品は、医療用機械器具である「個人用透析装置」に専ら用いられる商品として取引されたものと認められるから、本件商標は、その指定商品である医療用機械器具に属すべき商品の一に使用されたというべきである。
この点、請求人は、被請求人の取り扱うポンプについては、同人の宣伝広告の文言等に照らせば汎用性のものである旨主張するが、前記使用に係る商品は、汎用性のあるポンプとしての取引ではなく、人工透析装置用に用途を特定したポンプユニットであることが、仕様書等に照らしても明らかといえるから、請求人の主張は採用し得ない。
(4)また、請求人は、本件「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット」が完成品である「個人用透析装置」に組み込まれる部品であるから、部品を明示していない本件商標の指定商品「医療用機械器具」には含まれない旨主張する。
しかしながら、本件「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット」は、本件商標の指定商品「医療用機械器具」に含まれるものと解すべきであり、上記(3)のとおり、判断するのが相当である。
すなわち、本件商標は、平成3年商標法改正前の出願に係るものであり、当該旧商標法(昭和34年法)下の商品の区分第10類に属する全ての商品を指定商品として設定登録されたものであって、これには、医療機械器具の専用の部品も包含されていたと解されるものである。そして、設定登録後に、前記1記載のとおり、指定商品について書換登録がなされたものである。
上記の書換に際しては、「書換ガイドライン」(特許庁商標課編)が参考となるが、これを参照すると、昭和34年法の第10類の「医療機械器具」に対応した書換表示として、第5類「医療用腕環」、第10類「医療用機械器具」及び第12類「車いす」が掲載されており、部品に関する記載は特になく、本件についても、上記に沿って書換申請がなされたと推認されるものである。
そして、書換時における商品の分類は、商標法第6条第2項の政令で定める商品及び役務の区分に従うものとされ(附則第2条)、その区分は、ニース協定第1条に規定する国際分類に即することとされている(商標法施行令第1条)。そして、当該ニース分類の一般的注釈によれば、商品に関する(d)項で「他の商品の一部となることを目的として作られた商品は、同様の商品が通常は他の用途に使用することができない場合のみ、原則として、当該他の商品と同じ類に分類する。・・」とされている。
以上を綜合してみれば、書換時に本件商標の指定商品から「医療用機械器具の部品」の全てが除かれたとみるべき合理的理由はみいだせず、部品を除くとの記載がない本件商標の指定商品「医療用機械器具」には、当該部品が含まれると解するのが相当というべきであり、上記のとおり、本件「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット」は、「医療用機械器具の部品」に当たると解されるものである。
また、請求人は、薬事法を引用し、「完成品であっても部品であっても、『医療機器』として製造販売するためには、認証の取得を要し、承認番号等を表示しなければならない。」旨主張をしているが、同法の規制対象に該当する「医療機器」の概ねは、商標法上で「医療用機械器具」に属すべき商品と解されるけれども、薬事法上の「医療機器」として、単独で薬事法の承認を受けていない物品であっても、医療用機械器具に専用の部品等であれば、商取引上の観点から、「医療用機械器具」に属すべき商品と解されるものであり、上記「人工透析装置用ヘパリンポンプユニット」も、この範疇の商品として取引されたものというべきである。
(4)以上のとおり、被請求人提出の証拠によれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、被請求人によって取消請求に係る指定商品に使用をされたと認められるものである。
したがって、本件商標は、取消請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定によってその登録を取り消すことはできないものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲
本件商標(登録第1072527号商標)




審理終結日 2011-03-04 
結審通知日 2011-03-08 
審決日 2011-03-31 
出願番号 商願昭46-126498 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y051012)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小川 きみえ
小林 由美子
登録日 1974-06-13 
登録番号 商標登録第1072527号(T1072527) 
商標の称呼 サーボ、セルボ 
代理人 澤木 紀一 
代理人 佐々木 功 
代理人 澤木 誠一 
代理人 川村 恭子 

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