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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない X44
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X44
審判 査定不服 観念類似 登録しない X44
管理番号 1236701 
審判番号 不服2010-11014 
総通号数 138 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-05-24 
確定日 2011-05-06 
事件の表示 商願2008-83680拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「天空の足湯」の文字を標準文字で表してなり、第44類に属する「入浴施設の提供」を指定役務として、平成20年10月15日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法4条第1項第11号に該当するとして、引用した登録第4454341号商標(以下「引用商標」という。)は、「天空の湯」の文字を横書きしてなり、平成11年9月21日に登録出願、第32類「鉱泉水」及び第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,入浴施設の提供,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供」を指定商品及び指定役務として、平成13年2月23日に設定登録され、その後、更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、「天空の足湯」の文字を表してなり、該文字に相応して、「テンクウノアシユ」の称呼を生じ、また、「天空」が「そら」(広辞苑第6版)を意味することから、「空に(近い所に)ある足湯」程の観念を想起させるものである。
(2)引用商標
引用商標は、「天空の湯」の文字を書してなり、該文字に相応して「テンクウノユ」の称呼を生じ、本願同様に「天空」が「そら」を意味することから「空に(近い所に)ある浴場」程の観念を想起させるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを比較するに、本願商標から生ずる「テンクウノアシユ」の称呼と引用商標から生ずる「テンクウノユ」の称呼とは、前半部分の「テンクウノ」及び語尾の「ユ」を共通にするものであるが、中間音において、「アシ」の音の有無に差異があることによって、両称呼は、聴別し得るものである。
また、外観について比較すると、本願商標と引用商標とは、本願商標における4文字目の「足」の文字の有無に差異を有するとしても、その他の文字の構成、配列を同じくするものであるから、外観上全体として近似した印象を与えるものである。
さらに、観念について比較すると、本願商標と引用商標とは、それぞれ「空に(近い所に)ある足湯」と「空に(近い所に)ある浴場」の観念を想起させるものであるが、「足湯」は「浴場」の一種類といえるものであるから、その差異は、浴場の種類が「足湯」であるか「(一般的な)浴場」であるかにすぎない。
しかして、「足湯」を表すときには、必ずしも「○○足湯」と表すばかりでなく、単に「○○湯」のように、「(一般的な)浴場」と同様に表されていること、あるいは、「○○湯(足湯)」のように、「○○湯」の文字にかっこ書きを併記して使用されている実情が別掲1のとおり確認できる。
さらに、別掲2のとおり「入浴施設の提供」を提供している者は、その役務の対象物として、「(一般的な)浴場」のほか、「足湯」も併せて提供している場合も多く、その場合、例えば、別掲2(3)の如く「○○湯」が提供する浴場の種類を表すものとして「露天風呂」「内風呂」「足湯」の記載も確認できる。
そうとすれば、前記の「入浴施設の提供」における取引の実情からして、本願商標に接する需要者、取引者にとって、足湯を含む場合もある浴場を表す「湯」と「足湯」とは、同一又は類似の観念を与えるものであるから、本願商標と引用商標は、「空に(近い所に)ある浴場である」という意味においては違いはないといえるものであるから、観念において同一又は類似するものといわざるを得ない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼において、聴別し得る差異を有しているとしても、外観において、近似した印象を与えるものであり、また、観念において、同一又は類似するものであるから、本願商標をその指定役務に使用した場合には、その出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
また、本願の指定役務と引用商標の指定役務中「入浴施設の提供」は、同一の役務である。
したがって、本願商標と引用商標とは類似するものである。
(4)請求人の主張
請求人は、「需要者は、『足湯』と『湯』の文字が別の言葉であり、別の意味を有しているものと理解するから、本願商標と引用商標の観念は共通にするものではない。」旨述べている。
確かに「足湯」と「湯」が別な言葉であることは否定するものではないが、上記したとおり、「入浴施設の提供」の取引の実情を考慮すれば、両者の観念は同一又は類似するものと判断し得るものであるから、請求人の主張は採用することはできない。
(5)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原審の判断は妥当であるから、原査定を取り消すことはできない。
別掲 別掲1 「足湯」を「○○湯」あるいは「○○湯(足湯)」と表示した使用例
(1)「信濃毎日新聞」が運営する「信州日帰り温泉紀行」のウェブサイトにおいて、「足湯ガイド」の見出しのもと、「神宮寺足湯」、「ななくりの湯」、「八面大王足湯」、「万葉足湯」及び「薬師の湯」等の記載がある。(http://www8.shinmai.co.jp/onsen/ashiyu/)
(2)「兵庫県新温泉町」のウェブサイトにおいて、見出しに「夢千代館・アオギリの湯(足湯)」の記載がある。
(http://www.town.shinonsen.hyogo.jp/page/5fdc7f466b7e0bfe099c139b7edb0805.html)
(3)「熱海市」のウェブサイトにおいて、「家康の湯」の見出しのもと、施設名の項に「家康の湯(足湯)」の記載がある。
(http://www.city.atami.shizuoka.jp/2nd/www/map/o-ieyasu.html)
(4)「淡路島/あわじウェブドットコム」が運営する「あわじウェブドットコム」において、見出しに「淡路島の温泉 洲本温泉 潮騒の湯・足湯」の記載がある。
(http://www.awaji-web.com/onsen/shiosainoyu.html)

別掲2 一般的な「入浴施設の提供」のほか、「足湯」も提供している例
(1)「小江戸はつかり温泉」のウェブサイトにおいて、「多彩なお風呂・野天風呂」の見出しのもと、「多彩なお風呂」の項に、「足湯」の記載がある。
(http://www.41-26.com/edo_bath.html)
(2)「大江戸温泉物語」のウェブサイトにおいて、「大江戸温泉物語」の見出しのもと、「足湯・ドクターフィッシュ」の記載がある。
(http://www.ooedoonsen.jp/higaeri/bath/index.html)
(3)「奥多摩温泉もえぎの湯」のウェブサイトにおいて、「お風呂のご案内」の見出しのもと、「露天風呂」「内風呂」「足湯」の記載がある。
(http://www.okutamas.co.jp/moegi/guide.htm)

※下線は当合議体が付与。

審理終結日 2011-03-08 
結審通知日 2011-03-09 
審決日 2011-03-23 
出願番号 商願2008-83680(T2008-83680) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (X44)
T 1 8・ 262- Z (X44)
T 1 8・ 261- Z (X44)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田崎 麻理恵箕輪 秀人 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 小川 きみえ
小俣 克巳
商標の称呼 テンクーノアシユ、テンクーノ、テンクー 
代理人 市川 誠 

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