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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X34
管理番号 1236595 
審判番号 不服2010-18781 
総通号数 138 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-08-20 
確定日 2011-05-12 
事件の表示 商願2009-33618拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第34類「たばこ,喫煙用具,マッチ」を指定商品として、平成21年5月7日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第2107366号商標は、「ESPRESSO」の欧文字と「エスプレッソ」の片仮名を上下2段に横書きしてなり、昭和61年1月28日登録出願、第27類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、平成元年1月23日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同21年1月21日に、指定商品を第34類「たばこ,喫煙用具,マッチ」とする指定商品の書換登録がなされたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲のとおり、左右両端を黒色の幅広の縦長矩形として、その間に縦のスリットを設けた薄い灰色の模様を表し、そのスリットを設けた模様の上部に、黒色の左右に羽を広げたライオンの顔とおぼしき図形(以下、「本願図形」という。)、中央に、黒色の肉厚の文字で大きく表された「JET」の欧文字、下部に、該「JET」の文字より約半分程の高さの細字で表された灰色の「Espresso」の欧文字を配した構成からなるところ、その構成中の両端の縦長矩形及びスリットを設けた模様は、上記本件図形及び欧文字部分の背景として看取されるとみるのが自然である。
ところで、本願図形と「JET」、「Espresso」の各欧文字部分は、いずれも間隔を空けて表されているものであって、これらを配した構成からなるものと視覚上容易に認識されるものであり、また、これらを常に一体不可分のものとしてみるべき特段の理由も見いだせないものであるから、本願商標は、本願図形、「JET」及び「Espresso」の各文字を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められない。
しかして、本願商標の欧文字部分において、「JET」の欧文字は、黒色の肉厚で中央部分に顕著に描かれているのに対して、「Espresso」の欧文字は、該「JET」の欧文字より小さく表されているうえ、薄い灰色のスリットを設けた模様を背景に、細字の灰色で表されていることも相まって、判然と認識し難いものといえる。
そうすると、本願商標は、これに接する取引者、需要者に、本願図形と「JET」の欧文字がいずれも商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえるとしても、「Espresso」の欧文字は、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができないとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、その構成中の「Espresso」の文字部分だけを、引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されないというべきである。
そして、本願図形は、親しまれた事物、事象を表すものとみるべき特段の事情を見いだせないものであるから、特定の称呼及び観念を生じないものであり、また、「JET」の欧文字は、「噴流、噴射」等の意味を有する英語として我が国において一般に知られているものであるから、「ジェット」の称呼、「噴流、噴射」の観念を生ずるものである。
以上によれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して「ジェットエスプレッソ」の称呼を生ずるほか、「JET」の文字に相応して「ジェット」の称呼をも生ずるものであり、「噴流、噴射」の観念を生ずるものである。
(2)引用商標
引用商標は、「ESPRESSO」の欧文字と「エスプレッソ」の片仮名を上下2段に横書きしたものであるところ、その構成中の「ESPRESSO」の欧文字は、「エスプレッソコーヒー」の意味を有する語として知られているものであり、下段の片仮名は、上段の欧文字から生ずる読みを表したものと無理なく認められるものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「エスプレッソ」の称呼及び「エスプレッソコーヒー」の観念を生ずるものである。
(3)商標の類否
ア 外観
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、引用商標は、前記2のとおりの構成からなるものであるから、外観については十分に区別し得るものである。
イ 称呼
本願商標は、前記(1)のとおり、「ジェットエスプレッソ」及び「ジェット」の称呼を生ずるものであり、引用商標は、前記(2)のとおり、「エスプレッソ」の称呼を生ずるものであるから、両称呼は、音構成及び構成音数において顕著に相違するものである。
ウ 観念
本願商標は、前記(1)のとおり、「JET」の文字に相応して「噴流、噴射」の観念を生ずるものであり、引用商標は、前記(2)のとおり、「エスプレッソコーヒー」の観念を生ずるものであるから、観念については明らかに相違するものである。
エ 取引の実情
本願商標と引用商標とは、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとみるべき取引の実情を見いだせない。
オ 小括
以上によれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても何ら相紛れるおそれはなく、これらを同一又は類似の商品に使用したとしても、その商品の出所の混同を生ずるおそれがあるとは認められない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標

(色彩は、原本参照)

審決日 2011-04-26 
出願番号 商願2009-33618(T2009-33618) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X34)
最終処分 成立  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 関根 文昭
特許庁審判官 末武 久佳
大島 勉
商標の称呼 ジェットエスプレッソ、ジェイイイテイエスプレッソ、ジェット、ジェイイイテイ、エスプレッソ 
代理人 佐々木 功 
代理人 川村 恭子 

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