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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X29
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X29
管理番号 1236467 
審判番号 不服2010-11348 
総通号数 138 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-05-26 
確定日 2011-04-07 
事件の表示 商願2009-15470拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「牛乳便」の文字を標準文字で表してなり、第29類「乳製品」を指定商品として、平成20年6月6日に登録出願された商願2008-44510に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同21年3月4日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
本願商標は、「牛乳便」と標準文字で書してなるところ、近年、消費者の利便性を考慮し、自宅まで商品を配達販売方法が各種業界において行われており、下記のウェブサイトの掲載によれば、本願指定商品を取り扱う業界において、配達による牛乳の販売方法を表す語として「牛乳便」の文字が使用されている実情をうかがい知ることができる。そうとすると、本願商標は、「配達による牛乳の販売」程の意味合いをするにすぎず、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の販売方法を表したものと理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。

(1)「COOP茨城」のウェブサイトにおいて「生活クラブ生協・茨城:配達・受取について」の見出しのもと、「■ 牛乳便 牛乳は週に2回配達があります。専用のストッカーを用意してください。蓄冷剤は班で用意してください。ドライアイスはビンが割れる恐れがありますので止めてください。」との掲載(http://homepage3.nifty.com/watage/ffile/f130.htm)。
(2)「あいコープみやぎ」のウェブサイトにおいて「まんまどっとこーぷ◇News:『牛乳便』と、200ml瓶牛乳の終了のお知らせ」の見出しのもと、「◆これまでおこなってきました『牛乳便』の配送を3月末で終了します。これまで『牛乳の週2回配達』のご要望にお応えして行ってきた『牛乳便』配送(パスちゃん牛乳1リットルパックを、通常配送のほか、もう一回配送するシステム)ですが、配達ロットが設定されていることもあり、利用が進んでおりませんでした。また通常配達に混載する形でのお届けであったため、通常配達への負担が大きく、配達効率を押し下げる形となっておりました。」との掲載(http://www.mamma.coop/news/news00103.htm)。

第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性
商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」ものであるところ(同法第1条)、商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。同法第3条第1項第6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項第1号ないし第5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(平成22年(行ケ)第10114号 同年8月4日判決)。
これを本件についてみるに、本願商標は、前記第1のとおり、「牛乳便」の文字を書してなるところ、その構成中の「牛乳」の文字は、「牛乳・加工乳の総称。」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)を意味する語として、また、「便」の文字は、「人や荷物・手紙などをある場所まで運ぶこと。また、その手段。」(「大辞泉増補・新装版」株式会社小学館 1998年12月1日発行)を意味する語として、いずれも一般に知られているものである。
そして、本願の指定商品は、前記第1のとおり、「乳製品」であるところ、商標法施行規則別表の第29類に徴すれば、「十 乳製品」の項に「牛乳 クリーム チーズ 乳酸飲料 乳酸菌飲料 バター 発酵乳 粉乳(乳幼児用のものを除く。) やぎ乳 羊乳 練乳」と記載されていることからすれば、本願の指定商品には、「牛乳」が含まれるものである。
ところで、本願の指定商品を取り扱う業界においては、商品の販売に付随して提供される配達について、商品の一般名称を表す語に「便」の文字を連結した「○○便」の文字が「○○を配達するサービス」を指称する語として、一般的に採択、使用されている実情にあり、本願の指定商品中「牛乳」についても、その販売にあたり、これを購入者の自宅へ配達するサービスを指称するものとして「牛乳便」の文字が使用されているのが実情である。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品中「牛乳」に使用したときは、これに接する取引者、需要者をして、構成文字全体から「牛乳の販売に付随する配達サービス」を想起し、「牛乳の配達」を理解、把握するというのが相当である。
このことは、原審が拒絶の理由として挙げた証拠のほか、インターネットにおけるウェブサイトに以下のような記載があることからも十分に裏付けられるところである。
(1)「北東京生活クラブ生活協同組合」に係るウェブサイトにおいて、「【牛乳便】ぎゅうにゅうびん」の見出しの下、「班・戸別配送に週2回配達しているパスチャライズド牛乳は、1回は消費材と一緒に通常配達便で届き、もう1回は牛乳をメインに配達している専用の【牛乳便】で届きます。」との記載(http://www.kitatokyo.com/yougo/ka.htm)。
(2)「生活クラブ生協千葉」に係るウェブサイトにおいて、「【牛乳便とは】」の見出しの下、「センター便(ドライ・冷凍・冷蔵・農産物)とは別の曜日に配送されるものです。品目は牛乳・パン・豆腐・水などです。」との記載(http://www.s-coop-chiba.jp/tankyou/2009/11/001038.html)。
(3)「生活クラブ 静岡」に係るウェブサイトにおいて、「生活クラブ生協 静岡のあゆみ」の見出しの下、「2001年 4月 豆腐の配達は両センター共通の牛乳便で・10月から週2回配達」との記載(http://homepage3.nifty.com/s-club_shizuoka/sosiki.html)。
(4)「ワーカーズ・コレクティブ・つくし」に係るウェブサイトにおいて、「牛乳便(班・戸配)9コース」との記載(http://saitama-workers.com/cont/work/haisou/009-tukusi.html)。
(5)「生協流通新聞」に係るウェブサイトにおいて、「生活クラブ愛知--農残物セット・パンの供給開始」の見出しの下、「パンは週二回の牛乳便で配達」との記載(http://www.seikyo-net.co.jp/backnumber/back-no041020.html)。
(6)「生活クラブ春日井」に係るウェブサイトにおいて、「12/11○○ミックスで簡単おやつと豆腐の試食」の見出しの下、「牛乳便で週2回、1回4丁から注文できますよ。」との記載(http://plaza.rakuten.co.jp/ksclub2008/diary/200902150002/)。
(7)「生活クラブ生協・神奈川」に係るウェブサイトにおいて、「◆グリーンシステムキャンペーンが始まりました」の見出しの下、「『応募用紙』は、共同購入の配達便(牛乳便を除く)で提出してください。」との記載(http://www.seikatsuclub-kanagawa.coop/topics20100706.html)。
(8)「生活クラブ生協協同組合鳩山支部運営委員会」に係るウェブサイトにおいて、「出し忘れた人は締切週の牛乳便、又は木曜日11時?12時にくらぶルームに持って来てください。」との記載(http://clubhato.web.fc2.com/hidamari0907.pdf)。
(9)「多摩きた生活クラブ生協事務局」に係るウェブサイトにおいて、「出し方:配達便にて出してください。(牛乳便では扱いません)」との記載(http://s-club-tokyo.way-nifty.com/tamakita/2008/07/1_ab1c.html)。
(10)「パンの巻! 2003.04.01.」の見出しの下、「・・・直販配送による週2回の牛乳便だったのです。」との記載(http://www.kitatokyo.com/archive/noji/pan.htm)。
(11)「久々のチーズ便がやってきました・・・今回はブルーチーズとスモークチーズとオニオンチーズ…あとフェッタオイル漬けのナチュラルチーズ(これってどうやって食べるの)これで¥1500って安くないですか」との記載(http://ameblo.jp/yassanchi0203/entry-10739904054.html)。
(12)「新得季節のチーズ」の見出しの下、「あの共働学舎から季節のチーズが届きました。年三回のチーズ便も最後の冬の便。」の記載(http://fiddleronexile.cocolog-nifty.com/anthrotranslator/2009/12/index.html)。
(13)「昨日届いたチーズ便の中に入っていたサワークレマライト、これを使いたくて今日はパンを焼きました。サワークレマライトとは、"クリームチーズをベースにレモン果汁で甘酸っぱくしたフィリングで、ベーカリーでよくデニッシュにしぼられてるやつ"だそうです。」の記載(http://www.recipe-blog.jp/profile/8696/blog/894098)。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中「牛乳」に使用しても、取引者、需要者をして、「牛乳の配達」を表したものと理解、把握するにとどまり、自他商品の出所を表示する標識とは認識し得ないというのが相当である。
これに対して、請求人は、「牛乳便」の文字が本願指定商品の取引分野において「配達による牛乳の販売」程の意味合いにより普通に使用されているような事実はなく、本願商標は、「牛乳を運ぶこと」という程度の意味合いを暗示し得る造語と認識される旨主張する。
しかし、本願商標は、上記のとおり、その構成中の「牛乳」と「便」の各文字がそれぞれ「牛乳・加工乳の総称。」、「人や荷物・手紙などをある場所まで運ぶこと。」を意味する語として一般に知られているものであるから、「牛乳を運ぶ」ほどの意味合いを認識し得るばかりでなく、配達による牛乳の販売において、「牛乳便」の文字が使用されている実情を踏まえてみれば、「牛乳の配達」を理解、把握するということができるものであるから、これをその指定商品中「牛乳」に使用しても、自他商品の出所を識別するための標識としての機能を果たし得ないものであるというべきであり、このような自他商品の識別力のない商標について特定人による独占使用を認めることは、公益上適当としないものでもある。
また、請求人は、原審において拒絶の理由に挙げた証拠は、実質的に同じ事業体とみられる者による使用であり、その出所表示に係る使用であるから、これをもって「牛乳便」の文字が商品の販売方法を表示するものということができない旨主張する。
原審説示の証拠は、生活クラブ生活協同組合(牛久市猪子町992-676在)と生活協同組合あいコープみやぎに係るものであり、いずれも生活協同組合の一つと認められるものである。
しかして、前者が加盟する生活クラブ生協連合会のウェブページ(http://www.seikatsuclub.coop/coop/index.html)には、「生活クラブ連合会の会員単協は、自主的に運営している約200の支部など地域の自治組織を基盤に成り立ち、それぞれ自立した運営と活動を展開しています。」との記載があり、また、両者が加盟する日本生活協同組合連合会のウェブページ(http://jccu.coop/aboutus/profile/member.html)には、「日本生協連と会員生協はたがいに独立した法人です。各地にある地域生協、職域生協、学校生協、大学生協、医療生協、共済生協など、生活に密着したさまざまな分野で活動している約500の生協が日本生協連の会員です。会員生協も日本生協連も、それぞれ独立した法人として事業・経営を行っており、本部と支店の関係ではありません。会員生協と日本生協連、あるいは生協と生協の間では、人事交流や支援を行ったり、協同による生協どうしの連帯の力で、商品の共同開発や物流機能の統合などを実現しています。」との記載もあることからみると、両者は独立した法人であり、それぞれ独立して事業を行っているものというべきであり、たとえ、物流機能の統合などが行われている場合があるとしても、そのことをもって直ちに両者が実質的に同一の事業体であるということはできないから、かかる主張は理由がない。
さらに、請求人は、他の審決例及び登録例を挙げて、本願商標と同様の構成からなる結合商標が登録されている旨主張する。
しかし、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かの判断は、当該商標の査定時又は審決時において、指定商品の取引の実情を考慮し、当該商標の全体の構成に基づいて、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人の主張に係る他の審決例及び登録例は、上記判断を左右するものではない。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
以上によれば、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 商標法第4条第1項第16号該当性
本願商標は、前記1のとおり、その構成中の「牛乳」と「便」の各文字がそれぞれ「牛乳・加工乳の総称。」、「人や荷物・手紙などをある場所まで運ぶこと。」を意味する語として一般に知られているものであるから、「牛乳」の文字と「便」の文字との組合わせからなるものと容易に理解されるものであり、その語義自体から「牛乳を運ぶ」の意味合いを認識するばかりでなく、牛乳に係る取引の実情の下では、「牛乳の配達」を理解、把握し得るものでもある。
そうすると、本願商標が牛乳以外の「乳製品」に使用された場合には、需要者は、商品の品質が「牛乳」に関するものと誤認するおそれがあるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるというべきであるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-01-31 
結審通知日 2011-02-01 
審決日 2011-02-22 
出願番号 商願2009-15470(T2009-15470) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X29)
T 1 8・ 272- Z (X29)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 武谷 逸平早川 真規子 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 末武 久佳
吉野 晃弘
商標の称呼 ギューニュービン、ビン 
代理人 河野 生吾 
代理人 河野 誠 
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