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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない X2325
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X2325
管理番号 1236452 
審判番号 不服2010-6712 
総通号数 138 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-03-31 
確定日 2011-04-06 
事件の表示 商願2009- 10980拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「HEATFIBER」の欧文字と「ヒートファイバー」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第23類「糸(「脱脂屑糸」を除く。),脱脂屑糸」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い」を指定商品として、平成21年2月18日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5253995号商標(以下「引用商標」という。)は、「ファイバーヒート」の片仮名文字と「fiber・heat」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成20年12月26日登録出願、第24類「布製身の回り品,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同21年8月7日に設定登録されたもので、現に有効に存続している。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、前記1のとおり、「HEATFIBER」の欧文字と「ヒートファイバー」の片仮名文字を上下二段に横書きした構成よりなるものであり、下段の「ヒートファイバー」の片仮名文字は、上段の「HEATFIBER」の読みを表したものと容易に認識され得るものである。
そして、本願商標の構成中、「HEAT」及び「ヒート」の文字部分は、「熱、暖気」等(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典 第2版<特装版>及び株式会社三省堂 コンサイスカタカナ語辞典 第3版)を意味する英語及び当該英語に由来する外来語として、「FIBER」及び「ファイバー」の文字は、「繊維」等(前掲書)を意味する英語及び当該英語に由来する外来語として、いずれも良く知られ用いられている語であることからすると、本願商標は、「HEAT」と「FIBER」及び「ヒート」と「ファイバー」の語を、それぞれ組み合わせたものであることを容易に理解させ得るものであるとともに、それぞれの語は一連の語句として特定の観念をもって一般に親しまれているとはいい難いものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「ファイバーヒート」の片仮名文字と「fiber」と「heat」の欧文字を中黒「・」で結合した「fiber・heat」を上下二段に横書きした構成よりなるものであり、上段の「ファイバーヒート」の片仮名文字は、下段の「fiber・heat」の読みを表したものと容易に認識され得るものである。
そして、引用商標のかかる構成から、「fiber」と「heat」の語を組み合わせたものであることを容易に理解させるとともに、それぞれの語は一連の語句として特定の観念をもって一般に親しまれているとはいい難いものである。
以上のことから、本願商標と引用商標の類否について判断するに、本願商標は「ヒートファイバー」と称呼され、引用商標は「ファイバーヒート」と称呼されるところ、その差異は「ヒート」と「ファイバー」の音節が入れ替わっているにすぎないものと理解されるものであって、かつ、それぞれの観念は、ともに、「HEAT」、「heat」及び「ヒート」の語意と、「FIBER」、「fiber」及び「ファイバー」の語意の組み合わせから、全体の観念を認識するものである。
そうとすれば、本願商標及び引用商標に接する取引者、需要者が、時と処を異にして、これらに接するときは、称呼及び観念において「ヒート」と「ファイバー」のいずれが前節あるいは後節であったかを判別することが極めて困難であって、称呼及び観念上、互いに相紛れるおそれがあるものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標は、外観において異なるとしても、称呼及び観念において相紛れるおそれのある類似の商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、需要者・取引者は、商品に付された商標が全体として一連の熟語や特定の観念を形成するものであろうとなかろうと、相当の注意力を払って商品を購入したり取引を行うものであり、2語の英単語からなる商標の前半部分と後半部分とを認識せずに取引を行うなどということは、実際の取引の場においてあり得ないことである旨主張する。
しかしながら、本願商標の指定商品の中には、「洋服」をはじめとして「セーター類,ワイシャツ類,下着,靴下」等の日常的に消費される商品が含まれており、これらを購入する者が特別の商品知識を有しない一般消費者であることに照らせば、需要者が常に相当の注意力を払って商品を購入するものと直ちに認めることはできない。また、これらの商品の購入に関しては、常に商品及びそれに付された商標をその場で対比するのではなく、商品、商標を記憶して、時間と場所等を異にして購入を考える場合も十分にあり得るものである。
また、請求人は、本願商標は、直ちに特定の意味合いを想起し得ない一種の造語よりなるものというべきであって、殊更前半の「HEAT」「ヒート」と後半の「FIBER」「ファイバー」に分離して考察すべきような特段の事情は見当たらないので、その構成文字全体に相応して生じる「ヒートファイバー」の称呼のみをもって取引に資されるものとみるのが相当である旨主張する。
しかしながら、前記3(1)のとおり、本願商標の構成中、「HEAT」及び「ヒート」と「FIBER」及び「ファイバー」の語は、いずれも良く知られ用いられている語であることからすると、本願商標は、「HEAT」と「FIBER」及び「ヒート」と「ファイバー」の語を、それぞれ組み合わせたものであることを容易に理解させ得るものであって、取引者、需要者がこれを更に短い2語に分離して称呼したり、認識することは十分にあり得ることといわなければならず、かつ、取引社会において、「HEATFIBER」及び「ヒートファイバー」のそれぞれの語が一連の語句として特定の観念をもって一般に親しまれているとはいい難いものである。
さらに、請求人は、過去の審決例を挙げて、本願商標も引用商標とは非類似である旨主張しているが、請求人が挙げる過去の審決例は、対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の審決例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
したがって、これらの点についての請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2011-01-28 
結審通知日 2011-02-04 
審決日 2011-02-15 
出願番号 商願2009-10980(T2009-10980) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (X2325)
T 1 8・ 262- Z (X2325)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 忠司手塚 義明菅沼 結香子 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 安達 輝幸
前山 るり子
商標の称呼 ヒートファイバー、ヒート 
代理人 江村 一宏 
代理人 山本 進 
代理人 溝上 哲也 
代理人 岩原 義則 

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