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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X091214161820 審判 全部申立て 登録を維持 X091214161820 審判 全部申立て 登録を維持 X091214161820 |
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管理番号 | 1235072 |
異議申立番号 | 異議2010-900250 |
総通号数 | 137 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-05-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-08-13 |
確定日 | 2011-04-06 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5323007号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5323007号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5323007号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成21年4月30日に登録出願、第9類、第12類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類ないし第26類、第28類ないし第30類、第32類ないし第34類、第41類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年2月2日に登録査定、同年5月14日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 1 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のとおりのである。なお、これらをまとめていうときは「引用各商標」という。 (1)登録第4317439号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成9年7月17日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年9月24日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 (2)登録第4584528号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成12年10月13日に登録出願、第18類、第28類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同14年7月12日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 (3)商願2007-79407号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、平成19年7月2日に登録出願、第35類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、同23年1月24日に登録査定されていたものである。 2 具体的理由 申立人は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第2号証ないし甲第21号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第10号について 本件商標と引用各商標は、いずれも欧文字「N」と他の欧文字を組み合わせて図案化してなる商標である。本件商標と引用各商標とは、「N」の図案化において、類似の点がある。申立人の宣誓供述書においても述べているとおり(甲第18号証)、本件商標中の「N」の文字を構成する各線のカーブ、及びはね方は引用各商標における「N」の文字を構成する各線のカーブのしかた、及びはね方とほぼ同じである。 さらに、本件商標を構成する「N」と「L」と思しき文字の組み合わせ方は、「N」の中央の斜めの線を二分するように縦線を入れるようにもう一方の文字を組み合わせているという点で、引用各商標における「N」と「Y」との組み合わせ方と大きな共通点があり、また、本件商標の図形を構成する文字の組み合わせを表す線が幅太に描かれている点も、引用各商標を構成する文字を表す線と共通している。 これらの共通点から、本件商標と引用各商標とは一見して印象が近似しており、時と所を異にして本件商標と引用各商標とを見た需要者は、両者を区別することができない。つまり、本件商標と引用各商標とは、外観において相紛らわしい類似の商標である。 そして、引用各商標は、本件商標の指定商品・役務のうち、第9類「録画済みビデオディスク、第14類「キーホルダー」、第16類「文房具類」、第24類「布製身の回り品」等については、日本ですでに使用され、その商品・役務について周知となっている。 以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について 上記のとおり、本件商標と引用商標1及び2とは、外観において類似するものであり、その指定商品又は指定役務は互いに類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 加えて、本件商標の指定商品と引用商標3の指定役務とは、類似するものであるから、本件商標は、商標法第8条第1項に反して登録されたものである。 (3)メージャーリーグベースボール及び引用各商標について 申立人は、米国メジャーリーグベースボールの商標権その他の権利を管理する法人である。引用各商標は、米国メジャーリーグベースボールに属する球団であるニューヨーク・ヤンキースの著名なロゴマークである。該球団には、松井秀喜等の日本人選手が所属していたため日本でよく知られた球団のひとつとなっている。引用各商標は、ニューヨーク・ヤンキース、ひいてはメージャーリーグベースボールという出所を表す標章として日本国内で広く知られているものである(甲第2号証ないし甲第8号証、甲第13号証、甲第20号証及び甲第21号証)。 (4)商標法第4条第1項第15号について 本件商標は上述のとおり、申立人の引用各商標と類似する。 ここで、引用各商標は上記(3)で述べたとおり、ニューヨーク・ヤンキースのユニフォームに使用されるロゴマークとして、日本の需要者・取引者によく知られたものであり、申立人の業務にかかる商品である帽子、被服、運動用具等のライセンス商品に使用されているものである。上記ライセンス商品は日本でも販売されている(甲第10号証及び甲第18号証)。 かかる状況において、もし、本件商標と引用各商標とが外観における画一的な類似の範囲に属さないとしても、本件商標をその指定商品「被服等」及び指定役務「野球の興行の企画・運営又は開催」に使用すると、需要者・取引者の間で、その商品・役務と申立人の業務に係る商品・役務との間で出所の混同が生じる。 つまり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するにもかかわらず登録されているので、その登録は取り消されるべきである。 (5)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同法第8条第1項に違反して登録されているので、その登録は取り消されるべきである。 第3 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について (1)本件商標について 本件商標は、別掲(1)のとおり、黒地四角形内に白抜きで「N」の文字と「L」字状の線(横線部分の右端部分は右斜め上に大きく伸びている。)とを両者の中心が重なるように組み合わせてなるものであって、特定の称呼及び観念を生じないものである。 (2)引用各商標について 引用各商標は、別掲(2)ないし(4)の構成のとおり、いずれも「N」と「Y」の文字をその中心がほぼ重なるように組み合わせてなるものであり、容易に欧文字「N」と「Y」のモノグラムからなるものと看取できるものである。 そして、引用各商標は、後記のとおり、ニューヨーク・ヤンキースのロゴマークとして我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているものであるから、「ニューヨーク・ヤンキース(のロゴマーク)」の観念を生じ、特定の称呼を生じないものである。 (3)本件商標と引用各商標との類否 ア 外観の類否について 上記(1)のとおり、本件商標は、黒地四角形内に白抜きで「N」の文字と「L」字状の線とを組み合わせてなるところ、全体としては、黒地四角形内に幾何図形を白抜きで表したもの、若しくは「N」の文字と「L」字状の線を含む幾何図形を白抜きで表したものと看取されるとみるのが自然である。 これに対し、引用各商標は、上記(2)のとおり、中心がほぼ重なるように組み合わされた欧文字「N」と「Y」とのモノグラムと認識されるものである。 そうすると、本件商標と引用各商標とは、前者は(Nを含む)幾何図形と認識されるのに対し、後者は「N」と「Y」のモノグラムと認識されるものであるから、両者は、全体の構成において顕著な差異を有するものと判断するのが相当である。 してみれば、本件商標と引用各商標は、明らかに異なった印象を受けるものであり、両者を時と所を異にして離隔的に観察しても相紛れるおそれのないものといわなければならない。 イ 称呼及び観念の類否について 本件商標が特定の称呼、観念を生じないものであり、引用各商標が「ニューヨーク・ヤンキース(のロゴマーク)」の観念を生じ、特定の称呼を生じないものであるから、両商標は、観念及び称呼において相紛れるおそれがないものである。 (4)以上のとおりであるから、本件商標と引用各商標とは、外観、観念及び称呼のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものでない。 2 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について (1)引用各商標の周知、著名性について 申立人の提出に係る甲各号証によれば、引用各商標は、米国メージャーリーグの球団であるニューヨーク・ヤンキースの著名なロゴマークといえる。そして、引用各商標を付した帽子、被服等の商品は日本でも遅くとも2004年に販売されていることから、引用各商標は、我が国においても本件商標の登録出願の日前から申立人の業務に係る商品を表すものとして著名なものであって、その状況は現在も継続していると認められる。 (2)商標法第4条第1項第10号及び商標法第4条第1項第15号について 引用各商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであるが、本件商標とは上記1のとおり、外観、観念及び称呼のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 そうとすれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものということはできず、また、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品及び役務が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品及び役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 してみれば、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。 3 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同法第8条第1項に違反してなされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)引用商標1 (3)引用商標2 (4)引用商標3 |
異議決定日 | 2011-03-22 |
出願番号 | 商願2009-32646(T2009-32646) |
審決分類 |
T
1
651・
25-
Y
(X091214161820)
T 1 651・ 271- Y (X091214161820) T 1 651・ 261- Y (X091214161820) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 金子 尚人 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
瀧本 佐代子 小畑 恵一 |
登録日 | 2010-05-14 |
登録番号 | 商標登録第5323007号(T5323007) |
権利者 | 株式会社西武ライオンズ |
代理人 | 村木 清司 |
代理人 | 松原 伸之 |
代理人 | 関口 一秀 |
代理人 | 塚田 美佳子 |
代理人 | 高部 育子 |
代理人 | 松嶋 さやか |
代理人 | 橋本 千賀子 |
代理人 | 野原 利雄 |