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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X03
審判 全部申立て  登録を維持 X03
管理番号 1235059 
異議申立番号 異議2010-900224 
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-05-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-07-30 
確定日 2011-03-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5319055号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5319055号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5319055号商標(以下「本件商標」という。)は、「ステラマーレ」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成20年11月21日に登録出願、同22年3月31日に登録査定がなされ、第3類「化粧品」を指定商品として、同年4月23日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第176号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標について
本件商標において「ステラ」、「マーレ」は、それぞれ要部であり、本件商標からは、これらに対応した称呼及び観念が生ずる。なお、「ステラマーレ」なる熟語は存しない。したがって、「ステラマーレ」は、「ステラマーレ」として一連としてのみ用いるという事情は存しない。
(2)引用商標の著名性について
ア 「STELLA」(以下「引用商標」という。)は、日本を含め世界において、世界的に著名なデザイナーであり、申立人ステラ マッカートニー リミテッドの代表者であるステラ マッカートニーが2003年より創作し、申立人が製造販売する香水のブランドとして、本件商標の登録日はもとより、本件商標の出願日においても、日本において周知である。
ステラ マッカートニーは、ファッション業界では「ステラ」の愛称で呼ばれ、世界36か国に直営の販売拠点を有する著名デザイナーである。
そして、ステラ マッカートニーはもとより申立人も日本を含め世界的に周知であり、申立人のデザインに係る衣料、アクセサリーハウスブランド「STELLA McCARTNEY」も周知である。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標において、「ステラ」は、要部であり、引用商標「STELLA」は、「ステラ」と略称されており、「ステラ」の称呼を生ずる。よって、本件商標は、引用商標と「ステラ」の称呼において同一であり、「星、恒星」あるいは「ステラ」(女の名前)という観念において同一である。よって、本件商標は、引用商標と類似する。
(4)商標法第4条第1項第10号について
引用商標は、我が国において、申立人が香水に使用する商標として、本件商標の登録時はもとより、出願時においても、周知である。そして、本件商標は、引用商標に類似し、本件商標の指定商品第3類「化粧品」は、申立人が引用商標を使用する「香水」と類似する。すなわち、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標に類似する商標であって、その商品に類似する商品について使用するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第15号について
「Stella McCartney」は、申立人の被服の商標として、また、申立人のデザイナーと氏名として、本件商標の登録時はもとより出願時におても周知である。また、その片仮名表記「ステラマッカートニー」もまた、同様に周知である。
そして、「Stella」「ステラ」は、「Stella McCartney」「ステラマッカートニー」の略称である。
また、被服と化粧品とは、ファッションの対象となる商品として、その需要者を共通にする。
したがって、化粧品について本件商標「ステラマーレ」が使用されたときは、化粧品の需要者(すなわち、被服の需要者でもある。)は、「ステラ」が、被服の周知のブランドでありデザイナーである「Stella McCartney」「ステラマッカートニー」の「Stella」「ステラ」の「ステラ」であると認識し、申立人又はステラマッカートニーの提供する化粧品のブランドであり、「Stella McCartney」「ステラマッカートニー」の化粧品のブランド「STELLA」のサブブランドであると認識する。
よって、本件商標をその指定商品である化粧品に使用したときは、需要者は、これを申立人の提供する化粧品であると誤認するおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)引用商標等の周知・著名性について
申立人の提出した証拠によれば、申立人は、ステラ マッカートニーを代表者とする会社であるところ、ステラ マッカートニーは、1995年にロンドンのセントマーチンズ・カレッジ オブ アート アンド デザインを卒業、2001年3月にグッチとのパートナーシップの下「Stella McCartney」のブランド名をスタートさせ、2001年10月の2002年春夏パリコレクションにデビューした服飾デザイナーであり(甲5、甲167ほか)、申立人は、その「Stella McCartney」の文字からなる商標を衣料やアクセサリーに使用し、日本においても「被服」や「化粧品」等を指定商品とする「STELLA McCARTNEY」の文字からなる登録商標を有していることが認められる。
そして、申立人は、2003年9月に香水「STELLA」を発売し、化粧品についてその後も継続して販売されていることが認められる。
しかしながら、その日本における卸ベースの売上高は、2003年9月から2005までが約3400万円、その後年間約2500万円程度(商標「STELLA IN TWO」を含む。)(甲124)であって、それほど多いものとはいえないし、また、申立人がその香水等の化粧品が紹介されているとして提出した女性向け雑誌の記事を提出している(なお、甲17と甲54、甲18と甲55、甲19と甲56、甲27と甲57、甲29と甲58は同一)が、多くの場合「STELLA McCARTNEY(ステラマッカートニー)」の文字と共に使用されており、単独で使用されているものの数は限られていることが認められる(甲14ないし甲51、甲54ないし甲61、甲70ないし甲115)また、そのうち、甲74、甲75、甲77ないし甲87、甲90、甲92ないし甲95は、「Sheer Stella」(シアーステラ)として紹介されているものであり、さらに「ステラマッカートニー」と紹介され、「STELLA」の商標についての記載のないものもある(甲96、甲97ほか)。 そして,申立人からは,その香水に関し自ら行った広告宣伝の実績等を示す証拠の提出はなく、また、「STELLA(ステラ)」は、女子の名であることが認められる(甲172)。
これらの認定事実を総合考慮すれば、提出された証拠からは、引用商標が香水について使用され、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く知られているとまでは認めることができない。
さらに、申立人は、「Stella McCartney」が被服のデザイナー及び被服や靴のブランドとして周知であるとして、甲63ないし甲68、甲125ないし甲143、及び「ステラ マーカトニー」が「ステラ」と略称されている事実を示すものとして、甲144ないし甲170を提出しているが、多くの場合「STELLA McCARTNEY」、「Stella McCartney」、「ステラマッカートニー」の文字と共に使用されているものであり、これらを見ても、「STELLA McCARTNEY(ステラマッカートニー)」が被服等に係るデザイナー若しくはそのブランドとして相当程度知られているといえても「STELLA(ステラ)」のみにおいて著名であるとは認められない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、「ステラマーレ」の文字よりなるものであるところ、これらは、全体としてまとまりよく構成されており、これより生ずる「ステラマーレ」の称呼も格別冗長なものでなく、無理なく一連に称呼し得るものであり、これを「ステラ」と「マーレ」とに分離して観察しなければならない特段の事情は見当たらないから、本件商標は、「ステラマーレ」の称呼を生じ、特に観念の生じない造語よりなるものというのが相当である。
これに対し、引用商標は、「STELLA」又は「ステラ」の文字よりなるものであるから、「ステラ」の称呼を生じ、「女子の名」(甲172)の観念を生ずるものである。
そこで、両商標を比較するに、両商標は、外観上明らかに相違し、称呼においては、本件商標の称呼は「ステラマーレ」であるのに対し、引用商標の称呼は、「ステラ」であるから、両称呼は、その構成音及び構成音数が明らかに相違し、これらを一連に称呼した場合であっても、十分に聴別し得るものである。
また、観念においては、本件商標から、格別の観念が生じないから、比較すべきところがない。
しかして、引用商標「STELLA(ステラ)」は、前記(1)認定のとおり、申立人の取り扱いに係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものということはできないばかりでなく、前記認定のとおり、本件商標は、全体として一連・一体の造語よりなるものというを相当というべきであるから、その構成中の「ステラ」から申立人の使用に係る商標を直ちに想起するとは、言い難く、本件商標は、申立人が香水等に使用している商標「ステラ」を含むものといい得ないところである。
してみれば、本件商標と上記引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標であるから、これをその指定商品について使用しても、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
被服等について使用されている引用商標「STELLA(ステラ)」は、多くの場合「STELLA McCARTNEY(ステラマッカートニー)」の文字と共に使用されており、「STELLA(ステラ)」のみにおいて著名であるとは認められないばかりでなく、前記(2)認定のとおり、本件商標は、全体として一連・一体の造語よりなるものというを相当というべきであるから、その構成中の「ステラ」から申立人の使用に係る商標を直ちに想起するとは、言い難く、本件商標は、引用商標と別異のものである。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者が申立人又は申立人と何らかの経済的・組織的に関係のある者の商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しない。
(4)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項の規定に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2011-03-01 
出願番号 商願2008-94325(T2008-94325) 
審決分類 T 1 651・ 252- Y (X03)
T 1 651・ 271- Y (X03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 前山 るり子
内山 進
登録日 2010-04-23 
登録番号 商標登録第5319055号(T5319055) 
権利者 株式会社ソノコ
商標の称呼 ステラマーレ 
代理人 三嶋 景治 
代理人 川崎 仁 
代理人 中里 浩一 
代理人 佐藤 雅巳 
代理人 古木 睦美 

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