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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X0911141824
審判 全部申立て  登録を維持 X0911141824
管理番号 1235046 
異議申立番号 異議2010-900200 
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-05-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-07-20 
確定日 2011-03-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第5315398号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5315398号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5315398号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲(A)のとおりの構成からなり,平成21年10月26日に登録出願され,第9類,第11類,第14類,第18類及び第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成22年4月9日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下の(1)ないし(17)に掲げるとおりである。
(1)登録第2013727号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:OTTO
登録出願日:昭和61年5月1日
設定登録日:昭和63年1月26日
書換登録日:平成21年2月4日
指定商品 :第20類,第22類,第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第2073002号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲(B)のとおり
登録出願日:昭和61年6月26日
設定登録日:昭和63年8月29日
書換登録日:平成20年9月17日
指定商品 :第6類,第16類,第19類及び第20類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(3)登録第2073321号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:OTTO
登録出願日:昭和61年5月1日
設定登録日:昭和63年8月29日
書換登録日:平成21年3月4日
指定商品 :第3類,第8類,第14類,第18類,第21類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(4)登録第2286230号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:OTTO
登録出願日:昭和61年11月14日
設定登録日:平成2年11月30日
書換登録日:平成14年7月17日
指定商品 :第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(5)登録第3278719号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:OTTO/オットー(二段書き)
登録出願日:平成6年7月18日
設定登録日:平成9年4月11日
指定商品 :第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(6)登録第4838289号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:OTTO(標準文字)
登録出願日:平成14年11月18日
設定登録日:平成17年2月10日
指定商品 :第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(7)登録第5143039号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:Otto
登録出願日:平成19年4月16日
設定登録日:平成20年6月20日
指定商品 :第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(8)登録第5165781号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成:Otto
登録出願日:平成19年4月16日
設定登録日:平成20年9月12日
指定商品 :第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(9)登録第5192750号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の構成:Otto
登録出願日:平成19年4月16日
設定登録日:平成20年12月26日
指定商品 :第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(10)登録第5228402号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の構成:Otto
登録出願日:平成19年4月16日
設定登録日:平成21年5月1日
指定商品 :第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(11)登録第5068404号商標(以下「引用商標11」という。)
商標の構成:別掲(C)のとおり
登録出願日:平成18年3月29日
設定登録日:平成19年8月3日
指定商品 :第3類,第14類,第16類,第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(12)登録第5079924号商標(以下「引用商標12」という。)
商標の構成:別掲(D)のとおり
登録出願日:平成18年3月29日
設定登録日:平成19年9月28日
指定商品 :第3類,第14類,第16類,第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(13)登録第5189997号商標(以下「引用商標13」という。)
商標の構成:別掲(E)のとおり
登録出願日:平成18年3月29日
設定登録日:平成20年12月19日
指定商品 :第3類,第14類,第16類,第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(14)登録第2154285号商標(以下「引用商標14」という。)
商標の構成:OTTO collection
登録出願日:昭和62年1月26日
設定登録日:平成1年7月31日
書換登録日:平成21年8月19日
指定商品 :第20類,第21類,第22類,第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(15)登録第2176218号商標(以下「引用商標15」という。)
商標の構成:OTTO collection
登録出願日:昭和62年1月26日
設定登録日:平成1年10月31日
書換登録日:平成21年8月12日
指定商品 :第8類,第14類,第18類,第21類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(16)登録第2466707号商標(以下「引用商標16」という。)
商標の構成:OTTO COLLECTION
登録出願日:平成1年6月12日
設定登録日:平成4年10月30日
書換登録日:平成15年4月23日
指定商品 :第6類,第9類,第16類,第19類及び第20類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(17)登録第4391640号商標(以下「引用商標17」という。)
商標の構成:別掲(F)のとおり
登録出願日:平成11年6月14日
設定登録日:平成12年6月16日
指定商品 :第21類,第27類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
上記引用商標1ないし17は,いずれも現に有効に存続しているものであり,以下,これらを一括して「引用商標」ということがある。

3 登録異議申立ての理由の要点
(1)「Otto」ブランドの著名性について
申立人は,世界各国で通信販売方式による各種商品の小売販売事業を展開する「オットーグループ」を代表するドイツの会社であり,オットーグループは,設立当初より「Otto」を商号の一部及びハウスマークとして一貫して使用し,その取扱商品は,各種ファッションアイテム,家具,本,音楽CD等のほか,旅行サービス,保険事業等までその範囲と種類は多岐に亘り,1987年には世界最大の通信販売企業グループに成長し,1999年の売上高・収入実績に基づく世界企業上位500社中第334位にランクされ,第三者のインターネット上でも紹介されるなど,オットーグループの名は我が国でも浸透している(甲第19ないし第22号証)。
我が国では,1987年(昭和62年)2月よりカタログによる通販事業を開始,女性顧客向けの商品を中心に提供し,億単位の宣伝費をかけて顧客の開拓を図ってきており,カタログ事業に加え,早くからインターネットショッピングにも積極的に進出している(甲第23ないし第28号証)。カタログは,「For You(フォーユー)」,「Otto Women(オットーウィメン)」等複数種類があり,それぞれの表紙には「Otto」の文字からなるロゴが表示されており,いずれも大量に発行され,例えば「Otto Women」は,現在,年間1100万部に達する(甲第29ないし第109号証)。また,女性週刊誌等の定期刊行物に広告掲載記事と共にとじ込み式のカタログ請求はがきを掲載し,その応募者にカタログを送付する方法により顧客数を獲得している(甲第110ないし第154号証)。
その結果,申立人(子会社オットージャパン株式会社)は,2004年度195億6100万円,2005年度188億1600万円,2006年度171億9500万円,2007年度179億2300万円,2008年度188億5700万円という高い売上実績を維持し,通信販売業界においてアパレル専門通販会社としては全国第2位にランクされているなどのほか,近年では,民間テレビ放送番組で俳優が着用する衣装類を提供し,番組放送の際に,衣装提供者として「Otto」のロゴ又は「オットージャパン株式会社」の名称が表示されており,また,「Otto」ブランドの商品は,インターネットの電子掲示板サイトでも女性を中心とする一般消費者の間で高い評価を受けている(甲第157ないし第196号証)。
以上のとおり,「Otto」は,世界最大の通信販売企業グループを代表する申立人及びそのグループ企業の提供に係る商品等を表示する著名ブランドであり,引用商標は,我が国において「Otto」ブランドを体現する商標群であって,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されているものである。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は,円図形と欧文字部分が分離して観察されものであり,欧文字部分は「otto」を要部とするものであって,これより「オットー」の称呼及び申立人に係るオットーグループの略称としての観念を生ずるから,同一の称呼及び観念を生ずる引用商標と類似するものである。また,本件商標の指定商品中,第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,体重計,その他の測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」,第11類「業務用ワイン保存用冷蔵庫,その他の冷凍機械器具,電球類及び照明用器具,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,化学物質を充てんした保温保冷具」,第18類「愛玩動物用被服類」及び第24類「メリヤス生地,フェルト及び不織布」を除く商品は,引用商標1ないし3,6及び8ないし17の指定商品又は指定役務と同一又は類似のものである。
したがって,本件商標は,上記指定商品については商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標と引用商標とは,「Otto」の外観・称呼・観念を共通にする点において高い類似性を有すること,引用商標は「Otto」ブランドの商標として周知著名であること,引用商標は独創性が高いこと,本件商標の指定商品と引用商標が使用されている商品は,通信販売という共通の販売形態により提供されること,両者の需要者の購買時における注意力は高いものではないこと,などを総合考慮すると,本件商標をその指定商品に使用するときは,申立人又はその関連会社の業務に係る商品又はそのシリーズ商品であるかの如く,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
(ア)本件商標は,別掲(A)のとおり,二つの円図形と「ottostyle.jp」の文字からなるところ,該図形部分と文字部分とは,視覚上分離して看取されるばかりでなく,両者が常に不可分一体のものとしてのみ認識し把握されるべき格別の理由も見出し得ないから,それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし,読み易い「ottostyle.jp」の文字部分から生ずる称呼及び観念をもって取引に資される場合が少なくないものといえる。
しかして,「ottostyle.jp」の文字は,その構成中の「.jp」の部分が,インターネットにおけるドメイン名のうち,国別コードに基づくトップレベルドメインであって,「日本」を示すものとして知られているから,全体としてドメイン名の一部を表したものと容易に認識し理解されるというべきである。また,「.jp」の部分は,ドメイン名の使用主体が日本に存在する者であることを示すにすぎず,「ottostyle.jp」の文字が商標として使用された場合,「.jp」の部分から出所識別標識としての称呼及び観念が生ずるとはいえないから,出所識別標識としての要部は「ottostyle」の部分というべきである。
加えて,「ottostyle」の文字は,同書同大で一連一体に表されているばかりでなく,これから生ずると認められる「オットースタイル」の称呼もよどみなく称呼し得るものであるから,その構成全体をもって,既成の親しまれた観念を生じない,一体不可分の造語として認識し把握されるとみるのが自然である。
そうすると,本件商標は,「ottostyle.jp」の文字部分から,「オットースタイルジェイピー」又は「オットースタイル」の称呼を生ずることはあっても,単に「オットー」の称呼を生ずることはないというべきである。
(イ)他方,引用商標1ないし10は,それぞれの構成文字に相応して「オットー」の称呼を生ずるものであり,引用商標11ないし16は,「WOMEN」,「Madame」,「PREMIERE」,「collection」又は「COLLECTION」の文字を含むものであるが,それぞれの構成に照らし,「Otto」又は「OTTO」の文字部分から「オットー」の称呼を生ずるものといえる。また,引用商標17は,その構成文字に相応して「オット」の称呼を生ずること明らかである。
なお,引用商標11ないし16は,それぞれ,「Otto」又は「OTTO」の文字以外の文字部分を含め,全体として「オットーウィメン」,「オットーマダム」,「オットープレミア」又は「オットーコレクション」の各称呼を生ずることはいうまでもない。
(ウ)そこで,本件商標から生ずる「オットースタイルジェイピー」及び「オットースタイル」の称呼と引用商標から生ずる「オットー」及び「オット」の称呼とを対比すると,両者は,構成音数が大きく異なるばかりでなく,「スタイルジェイピー」又は「スタイル」の音の有無という顕著な差異により,容易に区別することができるものである。
そして,本件商標と引用商標とは,それぞれの構成に照らし,外観上判然と区別し得る差異を有するものであり,また,本件商標が既成の親しまれた観念を生じないものである以上,観念について引用商標と比較すべくもない。
(エ)してみれば,本件商標と引用商標とは,称呼,外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人の提出に係る証拠によれば,引用商標は,申立人を含むオットーグループの業務に係る女性用被服等の商品を表示する商標として,女性消費者を中心に相当程度知られていることが認められるものの,その周知性の程度は,本件商標の指定商品を含む全般の商品分野に亘る取引者,需要者の間に遍く知られているとまではいえない。
しかも,前示のとおり,本件商標と引用商標とは非類似の商標であって,別異のものであるから,引用商標の独創性の程度や,引用商標を使用した商品の販売形態,需要者層,需要者の注意力,その他取引実情を考慮したとしても,本件商標をその指定商品について使用した場合には,これに接する取引者,需要者が引用商標を連想,想起するようなことはないというべきであり,該商品が申立人又は申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く,その出所について混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲(A)本件商標


(色彩については原本参照のこと)


別掲(B)引用商標2




別掲(C)引用商標11


(色彩については原本参照のこと)


別掲(D)引用商標12




別掲(E)引用商標13


(色彩については原本参照のこと)


別掲(F)引用商標17





異議決定日 2011-02-24 
出願番号 商願2009-81046(T2009-81046) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X0911141824)
T 1 651・ 26- Y (X0911141824)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉田 静子 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小川 きみえ
小林 由美子
登録日 2010-04-09 
登録番号 商標登録第5315398号(T5315398) 
権利者 有限会社リツコ
商標の称呼 オットスタイルドットジェイピイ、オットスタイルジェイピイ、オットスタイル、オット 
代理人 田中 克郎 
代理人 石田 昌彦 
代理人 稲葉 良幸 

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