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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X12 審判 全部申立て 登録を維持 X12 審判 全部申立て 登録を維持 X12 審判 全部申立て 登録を維持 X12 |
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管理番号 | 1235041 |
異議申立番号 | 異議2010-900182 |
総通号数 | 137 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2011-05-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-06-25 |
確定日 | 2011-03-16 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5311123号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5311123号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5311123号商標(以下「本件商標」という。)は、「ARELLI」の欧文字を書してなり、平成21年3月13日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同22年1月27日に登録査定、同年3月26日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由(要点) 1 登録異議申立人の引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次のとおりの商標であり(以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1026332号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ピレリ」の片仮名を書してなり、昭和43年8月10日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同48年8月9日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が3回にわたりなされ、さらに、平成16年12月15日に第12類に属する商標登録原簿に記載の商品とする指定商品の書換登録がなされたものである。 (2)登録第1028117号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和45年9月17日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同48年8月23日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が3回にわたりなされ、さらに、平成17年1月5日に第12類に属する商標登録原簿に記載の商品とする指定商品の書換登録がなされたものである。 (3)登録第1074700号商標(以下「引用商標3」という。)は、「PIRELLI」の欧文字を書してなり、昭和43年8月12日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同49年7月1日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が3回にわたりなされ、さらに、平成17年1月5日に第12類に属する商標登録原簿に記載の商品とする指定商品の書換登録がなされたものである。 (4)登録第4124255号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成8年2月15日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同10年3月13日に設定登録され、その後、同19年10月30日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。 (5)国際登録第944476号商標(以下「引用商標5」という。審決注:「国際登録第844476号商標」の記載は誤記と認める。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、2007年7月19日にイタリア共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、同年(平成19年)9月14日に国際商標登録出願し、第12類、第37類及び第39類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成20年12月19日に設定登録されたものである。 2 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、欧文字「ARELLI」を横書きした構成であるから「アレッリ」又は「アレリ」の称呼を生ずる。 一方、引用商標1は、片仮名「ピレリ」を横書きした構成で、引用商標2及び引用商標4は、欧文字「PIRELLI」をデザイン化した構成で、引用商標3は、欧文字「PIRELLI」を横書きした構成で、引用商標5は、欧文字「PIRELLI」をデザイン化し、背景を黄、文字部分を赤に彩色した構成で、引用商標1からは「ピレリ」の称呼を、引用商標2ないし引用商標5からは「ピレッリ」又は「ピレリ」の称呼をそれぞれ生ずる。 また、本件商標と引用商標2ないし引用商標5は、外観上、5字「RELLI」の綴りを共通にし、異なるところはわずかに語頭の1字「A」と2字「PI」のみで、共通部分が構成の大半を占め、視覚上極めて近似した印象を有する。 さらに、本件商標と引用各商標は、称呼上も後半「レリ」又は「レッリ」を共通にし、異なるところは語頭音「ア」と「ピ」のみで、しかも共通する「レ」及び「リ」はいずれも有声弾音で強く明瞭に発音、聴取され、さらに「レッリ」のごとく中間に促音を含む場合は、「レ」にアクセントが置かれて語尾音まで明瞭に発音されるから、語調、語感が極めて近似し、彼此聞き誤るおそれがある。 加えて、「re11i」又は「e11i」は、イタリア人の姓に多用される語尾形で、両者は、観念上もイタリア人の姓を想起させる点で密接な関連性を有する。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 商標法第4条第1項第15号について 引用各商標は、イタリアを始めとするヨーロッパ諸国及び日本国を含む世界各国で、申立人の自動車用タイヤに使用される商標として、本件商標の出願時に需要者又は取引者の間に広く認識され、現在もなお広く認識されているから、本件商標が申立てに係る指定商品に使用された場合、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所につき混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当する。 第3 当審の判断 1 引用各商標の著名性について 申立人の提出に係る甲第9号証ないし甲第97号証によれば、申立人は、1872年にイタリア国ミラノで設立され、一世紀以上もの歴史を有し、引用各商標を使用して自動車用タイヤを輸出し、同国内はもとより海外市場のシェアをも獲得し、各種モーターレースへのタイヤ供給やサッカーチームヘの出資、積極的な宣伝広告活動等により、世界的な名声を得て、現在に至っている(甲第9号証ないし甲第79号証)。その名は英語辞典にまで掲載され(甲第80号証)、各種ウェブページでも、申立人及びその商品に対して高い評価が与えられている(甲第81号証ないし甲第87号証)。 以上によれば、引用各商標は、自動車業界において、その業務に係る商品「自動車用タイヤ」を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、イタリア国をはじめ、我が国においても取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができ、その著名性は、本件商標の登録査定時においても継続していたものということができる。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標について 本件商標は、前記第1のとおり、「ARELLI」の欧文字からなるものであり、我が国で一般に親しまれている英語又はローマ字風発音方法に倣い「アレリ」の称呼を生ずるものであって、特定の観念を生じないものとみるのが自然である。 (2)引用各商標について ア 引用商標1は、前記第2のとおり、「ピレリ」の片仮名よりなるものであるから、「ピレリ」の称呼が生じ、自動車用タイヤ等のブランドとしての「ピレリ」の観念を生じるものとみるのが自然である。 イ 引用商標2、引用商標4及び引用商標5は、別掲(1)及び(2)のとおり、語頭の欧文字「P」の頭の部分を大きく横長に伸ばして他の欧文字「IRELLI」の上部に配置し、該「IRELLI」と幅を同じくしたものであるが、構成全体からすると「PIRELLI」の欧文字を表したものと認識、理解されるというのが相当である。 そうすると、「PIRELLI」の欧文字からなる引用商標3、引用商標2、引用商標4及び引用商標5は、「PIRELLI」の欧文字より、我が国で一般に親しまれている英語又はローマ字風発音方法に倣い「ピレリ」の称呼を生じ、自動車用タイヤ等のブランドとしての「ピレリ」の観念を生じるものとみるのが自然である。 (3)本件商標と引用各商標との類否について ア 称呼について 本件商標から生ずる称呼「アレリ」と、引用各商標から生ずる称呼「ピレリ」とを比較すると、両者は語頭において「ア」と「ピ」の音の差異を有し、その差異音は、わずか3音という短い称呼において、明瞭に聴取される語頭に位置することから、両者を一連に称呼しても語感の異なるものとして聴別され、互いに紛れるおそれのないものというのが相当である。 イ 観念について 本件商標と引用各商標の観念においては、前記(1)及び(2)のとおり、引用各商標から、自動車用タイヤ等のブランドとしての「ピレリ」の観念が生ずるが、本件商標から、特定の観念を生じるものとはいえず、観念上比較することができない。 ウ 外観について 本件商標と引用各商標の外観は、前記第1及び第2のとおりの構成からなり、本件商標と引用商標1、引用商標2、引用商標4、及び引用商標5とは明らかな差異があり、明確に区別し得るものである。また、本件商標と引用商標3とは、文字の態様を異にするばかりでなく、語頭において「A」と「PI」の差異及び文字の数においても異にするものであるから、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、互いに見誤るおそれのない外観上非類似の商標というべきである。 エ そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものでない。 3 商標法第4条第1項第15号について 前記2(3)認定のとおり、本件商標は、引用各商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点からみても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。 そうすると、引用各商標が、自動車業界において、その業務に係る商品「自動車用タイヤ」を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、イタリア国をはじめ、我が国においても取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができるとしても、本件商標に接する取引者、需要者が、引用各商標を直ちに想起又は連想するものとみることはできない。 してみれば、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。 以上によれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものでない。 4 まとめ したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1) (2) (色彩については、原本参照。) |
異議決定日 | 2011-03-02 |
出願番号 | 商願2009-22248(T2009-22248) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(X12)
T 1 651・ 263- Y (X12) T 1 651・ 262- Y (X12) T 1 651・ 271- Y (X12) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 門倉 武則 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
末武 久佳 小畑 恵一 |
登録日 | 2010-03-26 |
登録番号 | 商標登録第5311123号(T5311123) |
権利者 | 株式会社イリスインターナショナル |
商標の称呼 | アレリー、アレッリ、アレリ |
代理人 | 小川 利春 |
代理人 | 泉名 謙治 |