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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 103
管理番号 1234933 
審判番号 取消2010-300411 
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-05-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2010-04-12 
確定日 2011-03-14 
事件の表示 上記当事者間の登録第1838383号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1838383号商標(以下「本件商標」という。)は、「EPURER」の文字を横書きしてなり、昭和57年12月22日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和61年1月24日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、平成18年3月22日に、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く)」とする書換登録がされているものである。

2 請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の指定商品中、第3類「化粧品」についての登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べている。
<請求の理由>
請求人は、本件請求に先立って調査機関に依頼して当該商標権者の業務内容、取扱商品の範囲、そして特に本件商標の使用の実態について、調査を実行した。しかしながら、本件商標の使用に係る商品が商標権者(又は通常使用権者)によって宣伝・広告又は販売されたことを示す資料を発見することが出来なかった。また、本件登録については専用使用権又は通常使用権の登録もされておらず、それらの存在を窺わせる資料も存在しない。
したがって、本件商標は、その指定商品のいずれについても、継続して3年以上日本国内において、商標権者(又は通常使用権者)によって一度も使用された事実が存在しないから、その指定商品中、第3類「化粧品」については、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取消されるべきである。

3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び審尋に対する回答を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号ないし第12号証を提出している。
(1)本件商標の使用の事実
被請求人は、昭和50年設立の化粧品の製造、販売及び輸出入等を業として行う株式会社である。そして、少なくとも本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において、「EPURER」商標及びシリーズ商標である「EPURERIIの商標を使用した「化粧用油」、「日焼け止めクリーム」、「ファンデーション」及び「リップクリーム」の販売を行っており(乙第1ないし第10号証)、この販売事実は、まさに本件商標を「化粧品」に使用していることを示すものである。
すなわち、商標法第50条第1項の規定する登録商標には「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。」ところ、「EPURER」の商標及びシリーズ商標である「EPURERII」の商標は、いずれも本件商標「EPURER」と社会通念上同一と認められる商標であることは明白であり、また、「化粧用油」、「日焼け止めクリーム」、「ファンデーション」及び「リップクリーム」が本件審判請求に係る指定商品「化粧品」に含まれることも明白である。
以下、被請求人は、本件商標の使用の事実を立証する証拠(審決注:被請求人は「甲号証」としているが、「乙号証」と読み替える。)について詳述する。
(2)本件商標の使用の事実を立証する証拠の提示
ア 本件商標が使用された「化粧品」の提出(乙第1号証)
乙第1号証は、平成22年6月10日に、被請求人代理人が、東京都新宿区左門町三番地一左門イレブンビル7階所在の飯島商標特許事務所内で、本件商標が使用された「化粧品」を写真撮影し、当該写真をもとに作成した写真報告書である。
イ 商品に関する広告物(乙第2号証)
乙第2号証は、本件商標が使用された「化粧品」を販売するにあたって、配布された広告物である。当該広告物により、被請求人が販売者であること、本件商標が使用された商品が掲載されていること、本件商標が使用された商品の価格「(エピューレ ロイヤルオイルにつき)30ml 9,450円(税込)」「(エピューレ ロイヤルオイルディスペンサーにつき)1,050円(税込)」が記載されていることを確認することができる。
ウ 商品カタログ(乙第3号証)
乙第3号証は、本件商標が使用された「化粧品」を販売するにあたって、配布された商品カタログである。当該カタログにより、被請求人が販売者であること、本件商標が使用された商品が掲載されていること、本件商標が使用された商品の価格「(パウダーファンデーションUV(パフ付)6色につき)各3,500円」「(コンパクトケース(大)につき)1,000円」「(エクセレントファンデーション2色につき)30ml 各2,500円」「(専用ディスペンサー(別売)につき)1,000円」「(フィニッシュパウダー1色(パフ付)につき)3,000円」「(UVクリーム(SPF17)につき)30g 3,000円」が記載されていることを確認することができる。
エ 取引書類(乙第4号ないし第10号証)
乙第4号ないし第6号証は、被請求人が本件商標を使用した「化粧品」を販売するにあたって、東京都千代田区神田東松下町所在のホシケミカルズ株式会社から当該商品の納品を受けていることを示す平成21年9月1日付、同年10月1日付及び同年11月2日付の各請求明細書である。なお、該請求明細書中の「エピューレ」は、「EPURER」を示す。
また、乙第7号証は、被請求人が本件商標を使用した「化粧品」を販売するにあたって、神奈川県藤沢市遠藤所在の統一印刷株式会社から当該商品の包装用ケース等の納品を受けていることを示す平成21年7月31日付請求書である。なお、該請求書中の「EP」は「EPURER」の略を示す。
さらに、乙第8号ないし第10号証は、被請求人が本件商標を使用した「化粧品」を東京都港区高輪所在の株式会社ナチュラルグループ本社に販売していることを示す平成22年2月付、同年3月付及び同年4月付の各社内データ一覧である。なお、該データ一覧中の「エピューレ」は、「EPURER」を示し、「EP」は「EPURER」の略を示し、「EP II」は「EPURER II」の略を示す。
オ これら各証拠により、少なくとも本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用した「化粧品」について取引されている事実があることは明らかである。
(3)結語
以上のとおり、乙第1号ないし第10号証によって、被請求人は、少なくとも本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において本件商標を使用した「化粧品」を販売しているため、商標法第50条第1項及び第2項の規定により、本件審判の請求に係る指定商品について、その登録を取消し得ないものであることは明白である。
よって、本件審判の請求は成り立たない。

(4)審尋に対する回答
ア 被請求人は、化粧品・医薬部外品の製造卸と販売及び受託製造を業とする企業であり、株式会社ナチュラルグループ本社の子会社である(乙第11号証)。被請求人は、株式会社ナチュラルグループ本社を通じてエピューレ商品を取引者・需要者に販売するものである。
イ 乙第12号証は、被請求人の親会社である株式会社ナチュラルグループ本社作成の過去の出荷記録等を証明する書面である。これらによれば、証明を要する期間内に、エピューレ商品が実際に取引されていたことは明白である。

4 当審の判断
(1)乙第1号ないし第12号証によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証は、平成22年6月10日に被請求人代理人によって撮影されたとする被請求人の業務に係る商品「化粧油」、「日焼け止めクリーム」、「ファンデーション」、「リップクリーム」及び「ロイヤルオイル3本セット」の写真と認められるところ、上記商品の外箱及び内容物を充填した容器には、それぞれの表側には、やや図案化した「EPURER」の文字又は「EPURERII」の文字が顕著に表示されると共に、それぞれの商品に応じて、「ROYAL OIL」、「UV CREAM」、「EXCELLENT foundation」、「LIP CREAM」又は「ROYAL OIL SET/ロイヤルオイル3本セット」等の文字が併記されており、また、それぞれの裏側には「エピューレ」又は「エピューレII」の文字が顕著に表示され、それぞれの商品に応じて、「ロイヤルオイル(化粧油)」、「UVクリーム(日焼け止めクリーム)」、「エクセレント ファンデーション」、「リップクリーム」又は「ロイヤルオイル3本セット」等の文字が表示されている。
そして、上記「EPURER」、「EPURERII」、「エピューレ」又は「エピューレII」の文字からなる標章は、商標法第50条第1項の適用上、本件商標と社会通念上同一といえるものである。
イ 乙第2号及び第3号証は、被請求人の業務に係る商品のパンフレットと認められるところ、これらには、「エピューレ/ロイヤルオイル」又は「EPURERII」の表題の下に、乙第1号証に示すと同様の商品の写真が掲載され、それぞれの商品の説明が記載されている。なお、これらの商品パンフレットには発行日を示す表示はない。
ウ 乙第4号ないし第6号証は、2009年9月1日付、同年10月1日付及び同年11月2日付でホシケミカルズ株式会社から被請求人に宛てられた請求書の写しと認められるところ、それぞれの商品名欄には、「エピューレロイヤルオイル 3本セット」、「エピューレロイヤルオイル 1.5mlサンプル」等の文字が記載され、それぞれに応じた数量、単位、単価及び金額が記載されている。
そして、上記商品名欄に記載された「エピューレロイヤルオイル 3本セット」は、取引の経験則上、乙第1号及び第2号証に示された商品を指すものとみて差し支えない。
エ 乙第7号証は、平成21年7月31日付で統一印刷株式会社から被請求人に宛てられた請求書の写しと認められるところ、その品番・品名欄には、「EPロイヤルオイル ケース」、「〃 中枠」等の文字が記載され、それぞれに応じた数量、単価及び金額が記載されている。
オ 乙第8号ないし第10号証は、2010年2月ないし4月における「株式会社ナチュラルグループ本社 売上一覧 第35期」なる書面の写しと認められるところ、それぞれの商品名欄に「EP II UVクリーム(リニュアル品)」、「EP II UVクリーム3本セット」、「エピューレロイヤルオイル3本セット」、「EP II リップカラー100」、「EP II ファンデーションUV-10」等の文字が記載され、それぞれに応じた数量、単価及び金額が記載されている。
カ 乙第11号証は、請求人の会社概要(ホームページ抜粋)であるところ、「主な株主」の欄に、「株式会社ナチュラルグループ本社」との記載がある。同第12号証は、「エピューレ商品について」と題した株式会社ナチュラルグループ本社 経理部 溝端の記載及び社判が押印されているものであるところ、その記載によれば、商標権を取得しているエピューレシリーズにつき、株式会社エレンスより現在も商品販売継続中である、及び過去の出荷記録については、一括管理をおこなっている、旨、記載がある。そして、「商品別地区別実績表・仕入」には、「エピューレ2UVクリーム 1004、 北海道 94、 東北 44、関東 134」、「エピューレ2リップカラー001 1004、 北海道 0、 東北 0、関東 1」、「エピューレ2エクセレントファンデ1 1004、 北海道 0、 東北 2、関東 4」等のように記載され、これらの表は、2006年4月ないし2010年10月のものと認められる。
そして、上記商品名欄に記載された各商品は、取引の経験則上、乙第1号ないし第3号証に示された商品を指すものとみて差し支えない。

(2)まとめ
上記(1)の認定事実によれば、被請求人は、本件商標と社会通念上同一といえる商標を付した乙第1号ないし3号証に示す商品「化粧品」について、本件審判の要証期間内である、2006年(平成18年)4月ないし2010年(平成22年)10月に、株式会社ナチュラルグループ本社を介して販売したものと認められる。

(3)結語
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録(平成22年4月28日)前3年以内に日本国内において、被請求人によって、請求に係る指定商品「化粧品」について使用されていたものであるから、商標法第50条第1項の規定に基づき上記指定商品についての登録を取り消すべき限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-01-14 
結審通知日 2011-01-18 
審決日 2011-01-31 
出願番号 商願昭57-113038 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (103)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 田中 亨子
野口美代子
登録日 1986-01-24 
登録番号 商標登録第1838383号(T1838383) 
商標の称呼 エピューレ、エピュレアー、エピューラー 
代理人 飯島 紳行 
代理人 藤森 裕司 
代理人 木村 純平 
代理人 青木 博通 
代理人 柳生 征男 
代理人 中田 和博 

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