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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X0942
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X0942
管理番号 1234912 
審判番号 不服2009-23010 
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-11-25 
確定日 2011-03-17 
事件の表示 商願2008- 75239拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「集計SaaS」の文字を標準文字で表してなり、第9類「コンピュータプログラム(記録されたもの又はダウンロード可能なもの),コンピュータプリンタの環境設定用及び制御用プログラム,電子計算機用プログラム,電子計算機,その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,電子出版物」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,アプリケーションサービスプロバイダーによるソフトウェアの提供,電子計算機用プログラムの貸与,電気に関する試験又は研究,計測器の貸与」を指定商品及び指定役務として、平成20年9月12日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『数を寄せ集めて合計すること』を意味する『集計』の文字と『ソフトウェアをユーザー側に導入するのではなく、ベンダ(プロバイダ)側で稼働し、ソフトウェアの機能をユーザーがネットワーク経由で活用する形態』を表す語として用いられている『SaaS』の文字を一連に書してなるものであって、全体として『集計に関するソフトウェアの機能をネットワーク経由で利用するという形態』程度の意味合いを認識させる『集計SaaS』の文字を表示してなるにすぎないものであるから、これをその指定商品・指定役務中、前記の文字に照応する商品・役務(例えば『集計に関する電子計算機用プログラム,集計に関する電子計算機のプログラムの設計』)に使用するときは、単に商品・役務の品質・質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品・役務の品質・質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における手続きの経緯
当審において、職権に基づく証拠調べをした結果、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当すべきものとする新たな証拠を発見したので、以下のとおり、請求人に対し、平成22年11月11日付けの証拠調べ通知書によって、これを開示し意見を求めた。

1 「SaaS」の文字について
(1)新聞記事における記載について
2007年6月20日付けの朝日新聞(大阪地方版/徳島)には、「インターネット講座by森井教授・第385回 SaaS ソフトもレンタルで /徳島県」の見出しのもと、「SaaSとは、『ソフトウエア・アズ・ア・サービス』(Softwareas a Service)の略です。サーズと読みます。(中略)自分のパソコンにソフトウエアをインストールするのではなく、インターネットを利用して必要なときに、サービス側のサーバーに存在するソフトウエアを利用して作業を進める方法です。」との記載がある。
(2)インターネットのウェブサイトにおける記載について(平成22年10月12日検索)
ア 「アイティメディア株式会社」が運営する「IT用語辞典 e-Words」のウェブページ中の「情報マネジメント用語事典」)において、「SaaS (software as a service)サース / サービスとしてのソフトウェア」の見出しのもと、「ユーザーが開発者などからソフトウェア提供を受けるに当たり、必要な機能のみを選択して利用できるようにしたソフトウェアのこと。それを実現するためのメカニズム、あるいはそのようなソフトウェア提供形態(デリバリモデル)のことをいう場合もある。」との記載がある(http://e-words.jp/w/SaaS.html)。
イ 「株式会社インセプト」が運営する「@IT情報マネジメント」のウェブページにおいて、「SaaS 【Software as a Service】」の見出しのもと、「ソフトウェアの機能のうち、ユーザが必要とするものだけをサービスとして配布し利用できるようにしたソフトウェアの配布形態。サービス型ソフトウェアとも呼ばれる。」との記載がある(http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/saas.html)。
ウ 「ウィキペディア」のウェブページにおいて、「SaaS(サース、Software as a Service)は、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア(主にアプリケーションソフトウェア)もしくはその提供形態のこと。」との記載がある(http://ja.wikipedia.org/wiki/SaaS)。
2 データの「集計」を行うソフトウェアが前記「SaaS」方式で提供されている事実について
(1)新聞記事における記載について
ア 2008年5月8日付けの日刊工業新聞には、「エスプリ、在庫など携帯で管理できるSaaS方式のサービス開始」の見出しのもと、「売り上げや在庫の情報を携帯電話でリアルタイムで管理できるSaaS(ソフトウエア機能のサービス提供)方式の『楽・楽売上報告サービス』を始めた。(中略)売り上げや在庫状況として集計して送信しデータベースを構築、」との記載がある。
イ 2009年9月3日付けの日刊工業新聞には、「富士通FIP、改正省エネ法対応支援へ企業・団体向けサービス提供」の見出しのもと、「環境経営情報パッケージ型システムをSaaS(ソフトウエア機能のサービス提供)化した。(中略)提供するのは、(中略)エネルギー使用量を改正省エネ法の報告に定められた単位に変換・集計する機能、集計結果を同法が指定する定期報告書として出力する機能など。」との記載がある。
ウ 2010年1月21日付けの日刊工業新聞には、「富士通、新型インフル罹患情報管理サービス-厚労省向け1カ月で導入」の見出しのもと、「SaaS(ソフトウエア機能のサービス提供)型の『新型インフルエンザ罹患情報管理サービス』を厚生労働省向けに提供し、(中略)。罹患情報をリアルタイムに収集・集計。」との記載がある。
エ 2010年3月3日付けの日刊工業新聞には、「日商エレ、データ入力の統合管理システムを開発」の見出しのもと、「データ入力の統合管理システム『バーチャル・エントリー・スクエア』を開発した。データ入力業務の進ちょく管理や入力件数の集計などの機能を搭載した。(中略)同システムの短期利用を希望するBPOサービス事業者向けには、SaaS(ソフトウエア機能のサービス提供)型で提供することも検討している。」との記載がある。
オ 2010年5月26日付けの日刊工業新聞には、「日立製作所が環境情報管理サービスをスタバ900店で稼働」の見出しのもと、「『SaaS型』で提供する環境情報管理サービス『エコアシスト・エンタープライズ・ライト』(中略)店舗のエネルギー使用量の把握・集計が短時間でできる」との記載がある。
カ 2010年6月8日付けの日刊工業新聞には、「日立ソフト、SaaS型の省エネ管理システムを来月から提供」の見出しのもと、「SaaS(ソフトウエア機能のサービス提供)型の省エネ情報管理システムを7月1日から提供すると発表した。(中略)企業や自治体の各拠点が使用した電気やガスなどエネルギー使用量を一元管理し、データを集計・分析できる。」との記載がある。
キ 2010年6月9日付けの日刊工業新聞には、「日立電子サービス、eラーニングシステムに個人情報保護教育をパッケージ化」の見出しのもと、「eラーニングシステムに個人情報保護教育コンテンツを組み合わせた『HIPLUS個人情報保護パッケージ』を発売したと発表した。(中略)価格はSaaS(ソフトウエア機能のサービス提供)型が50人利用で月額64万500円、(中略)受講記録の作成と集計などの機能を備える。」との記載がある。
ク 2010年6月14日付けの日刊工業新聞には、「エクスウェア、SaaS型のアンケート作成集計ソフト開発」の見出しのもと、「SaaS(ソフトウエア機能のサービス提供)型のアンケート作成集計ソフトを開発した。」との記載がある。
ケ 2010年7月12日付けの日刊工業新聞には、「日立、企業間商取引基盤サービス拡充-需給調整支援など追加」の見出しのもと、「SaaS(ソフトウエア機能のサービス提供)型の企業間商取引基盤『TWX-21』のサービスメニューを拡充する。(中略)今回、入手した環境情報を効率的に集計、管理する機能を追加した。」との記載がある。
コ 2010年8月16日付けの日刊工業新聞には、「えどがわエコセンター、SaaSで登録者管理」の見出しのもと、「SaaS型顧客情報管理(CRM)サービス『シーアールメイト』を採用。(中略)イベント時のスタッフ募集などで1週間かかっていた集計もSaaS対応で、1日に短縮できた。」との記載がある。
(2)インターネットのウェブサイトにおける記載について(平成22年9月13日検索)
ア 「株式会社 日経BP」が運営する「日経BP記事検索サービス」のウェブページにおいて、「日経コンピュータ 2009/12/23号 業種別フラッシュ 製造 パナソニック 従業員30万人が使えるデータ集計用SaaSを実現」の見出しのもと、「Excelで作成したデータを収集・集計するためのシステムをSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型で運用」との記載がある(http://bizboard.nikkeibp.co.jp/kijiken/summary/20100104/NC0746H_1567418a.html)。
イ 「日本ユニシス株式会社」のウェブページにおいて、「業種横断ソリューション > 電子調達・購買システム(SRM) > SRM導入のステップ」中の「購買・調達SaaSソリューション『eSupplierStation』」の見出しのもと、「購買・調達部門では、見積情報以外にも様々な情報をサプライヤから集めています。これらの情報は電話や電子メールでやり取りしているのが現状で、回収しきれていなかったり、集めたデータも集計できなかったりし、効率的な情報活用が出来ていないケースがよくあります。eSupplierStationはこれらの購買・調達部門における各種調査やアンケート業務を効率的に行うことができるSaaS型のソリューションです。」との記載がある(http://www.unisys.co.jp/srm/esupplierstation.html)。

第4 証拠調べ通知に対する意見の要点
請求人は、平成22年12月27日付けの意見書において、「前記通知書に記載の内容は、本願商標『集計SaaS』から成る文字が商品・役務の品質・質を具体的、かつ、直接的に表示する語として理解・認識されているものではなく、これが取引上普通に使用されている事実を示す内容でもないから、これらの記事や掲載内容を想定して、本願商標が品質・質を暗示・想定することがあるとしても、指定商品・役務の品質・質を直ちに具体的・直接的に理解・認識することはない。さらに、本願商標は構成文字全体で一連一体的に掌握され、特定の語意・観念を認識しない一種の造語と理解・認識されると判断するのが相当である。」旨述べている。

第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「集計SaaS」の文字を普通に用いられる態様で表してなるところ、その構成中の「集計」の文字は、「数を寄せ集めて合計すること。(『広辞苑 第六版』岩波書店)」を意味する語である。
そして、「SaaS」の文字は、「ユーザーが必要な機能のみを選択して利用し、そのぶんだけの料金を支払う形態のソフトウェア。(『標準パソコン用語事典 最新2009?2010年版』秀和システム、2009年1月15日発行)」若しくは「多様な機能を持つソフトウェアについて、必要に応じて必要な部分の機能のみを提供するサービスのこと。(『2009-’10年版 最新パソコン・IT用語事典』、第20版、技術評論社、2009年1月10日発行)」を意味する「ソフトウエア・アズ・ア・サービス(Software as a Service)」の略語であり、このことは、前記第3の証拠調べ通知の1に記載された新聞情報等によっても認められる。
また、前記第3の証拠調べ通知の2のとおり、データの「集計」を行うソフトウェアが、前記「SaaS」方式で提供されている事実がある。
これに加えて、インターネット上において、以下のように、様々なデータの集計用ソフトウェアが、「集計ソフトウェア」又は「集計ソフト」と称して提供・販売されている事実がある。
(1)新聞記事における記載について
ア 2003年11月18日付けの日刊工業新聞には、「富士ソフトABC、企業向け高速データ検索集計ソフト発売」との記載がある。
イ 2007年1月17日付けの日刊工業新聞には、「日本電子計算、アンケート集計ソフト新版を発売」との記載がある。
(2)インターネットのウェブサイトにおける記載について(平成22年10月12日検索)
ア 「株式会社ボーダーズ」のウェブページにおいて、「『AX』は、当社のあらゆるロウデータを簡単に全体集計やクロス集計できる当社オリジナルの集計ソフトウェアです。」「当社のあらゆる調査ロウデータをお客様のお手元のPCにて、簡単に単純集計およびクロス集計(3重まで)が実施できる当社オリジナルの集計ソフト」との記載がある(http://borders.jp/ax/)。
イ 「富士電機ホールディングス株式会社」提供の「データベース検索・集計ソフト|軽技Web 公式サイト」のウェブページにおいて、「データベース検索・集計アプリケーション」との記載がある(http://www.karuwaza.com)。
ウ 「株式会社リコー」のウェブページにおいて、「Ridoc IO Account Pro 集計ソフト」との記載がある(http://support.ricoh.com/bbv2/html/dr_ut_d/ut_t1/user/w/bb/pub_j/dr_ut_d/4101007/4101007830/V14/5122603/122603/user.htm)。
エ 「青葉出版株式会社」のウェブページにおいて、「得点集計ソフトかんたくん」との記載がある(http://www.aob.co.jp/sensei/kantantop.htm)。
オ 「農業生物資源ジーンバンク」のウェブページにおいて、「生残結果集計ソフト」との記載がある(http://www.gene.affrc.go.jp/manuals-micro_sv_app.php)。
カ 「有限会社ソルブ」のウェブページにおいて、「商圏データ集計ソフト」との記載がある(http://www.sorb.co.jp/premier/index.htm)。
キ 「川出写真」のウェブページにおいて、「写真集計ソフト」との記載がある(http://www.gem.hi-ho.ne.jp/kawade/)。
これらの事実を総合すれば、「集計SaaS」の文字は、全体として「ユーザーが必要な機能のみを選択して利用できるようにしたデータ集計用ソフトウェア」程の意味合いを、容易に理解、認識させるものであるといわざるを得ない。
そうすると、「集計SaaS」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品中、「ユーザーが必要な機能のみを選択して利用できるようにしたデータ集計用ソフトウェア」及び指定役務中「当該ソフトウェアの設計・作成又は保守並びにこれらに関する情報の提供,当該ソフトウェアの提供,アプリケーションサービスプロバイダーによる当該ソフトウェアの提供,当該ソフトウェアの貸与」に使用しても、商品の品質、用途又は役務の質、提供の方法等を表示するにすぎないものであって、自他識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、これを前記商品又は役務以外の商品又は役務について使用するときは、その商品の品質又は役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。
2 請求人の主張について
請求人は、本願商標は、商品又は役務の品質又は質を具体的かつ直接的に表示する語として理解、認識されるものではなく、構成文字全体で一連一体的に掌握され、特定の観念を認識しない一種の造語と理解、認識されると判断するのが相当である旨主張するが、本願商標が、その指定商品の取引者、需要者の間で、当該商品の品質または役務の質を表示するものとして認識されることは、上記認定のとおりであるから、この点についての請求人の主張は認めることができない。
また、請求人は、本願商標は、この種商品(役務)を取り扱う業界において、取引上普通に使用されている事実がない旨主張する。
しかし、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(平成12年(行ケ)第76号 東京高裁平成12年9月4日 判決言渡)から、たとえ、「集計SaaS」の文字が、仮に、その指定商品又は指定役務を取り扱う業界において、商品の品質又は役務の質等を表示するものとして実際に使用されている事実が存在しなくとも、本願商標が商品の品質又は役務の質等を表示するものであると認定判断することの妨げにはならない。
さらに、請求人は、「集計」及び「SaaS」の文字を含む過去の登録例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張するが、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号等に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、指定商品及び指定役務の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるべきものであるから、それら過去の登録例をもって本願商標の登録の適否についての判断基準とするのは、必ずしも適切でない。
したがって、請求人の上記主張はいずれも採用することができない。
3 むすび
以上のとおり、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定の拒絶の理由は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2011-01-13 
結審通知日 2011-01-18 
審決日 2011-01-31 
出願番号 商願2008-75239(T2008-75239) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X0942)
T 1 8・ 13- Z (X0942)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 橋本 浩子 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 大塚 順子
小畑 恵一
商標の称呼 シューケーサーズ、シューケーサース、シューケー、サーズ、サース、エスエイエイエス 
代理人 小橋 立昌 
代理人 細井 貞行 
代理人 堀内 香菜子 
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