ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X0105 |
---|---|
管理番号 | 1234875 |
審判番号 | 不服2009-20780 |
総通号数 | 137 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-05-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-10-28 |
確定日 | 2011-03-09 |
事件の表示 | 商願2008-33639拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「PHUSION」の文字を標準文字により表してなり、第1類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、2007年10月30日域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成20年4月30日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、原審における平成21年3月17日付け手続補正書によって補正された結果、第1類「科学用又は研究用の診断用試薬(医療用のもの及び獣医科用のものを除く。),科学研究及び医学研究・獣医学研究用DNAポリメラーゼ,その他の科学研究及び医学研究・獣医学研究用酵素,科学研究及び医学研究・獣医学研究用試剤,環状DNA・DNAプライマー・DNAポリメラーゼ・緩衝液からなるキットになった科学研究及び医学研究・獣医学研究用試剤,バイオテクノロジーの分野において使用するDNAポリメラーゼ,その他のバイオテクノロジーの分野において使用する酵素,バイオテクノロジーの分野において使用する試剤,バイオテクノロジーの分野において使用する環状DNA・DNAプライマー・DNAポリメラーゼ・緩衝液からなるキットになった試剤,その他の化学品」及び第5類「臨床的診断用試薬,医療用又は獣医科用のDNAポリメラーゼ,その他の医療用又は獣医科用の酵素,医療用又は獣医科用の診断用試薬,医療用又は獣医科用の環状DNA・DNAプライマー・DNAポリメラーゼ・緩衝液からなるキットになった診断用試薬,その他の薬剤」となったものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第2541725号商標(以下、「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和58年11月17日に登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として平成5年5月31日に設定登録され、その後、平成15年6月3日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成17年5月25日に指定商品を第1類「はんだ付け用ペースト,ろう付け用ペースト,その他の化学品」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり「PHUSION」の文字を書してなるところ、該構成文字に相応して「フュージョン」の称呼を生じ、特定の観念を有しない造語よりなるものというのが相当である。 他方、引用商標は、別掲のとおり図形と文字とからなるところ、該図形部分と文字部分とを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情を見出し得ないものである。そして、その構成の中央に白抜きで表された「FUSION」の文字部分が、特に看者の目を惹きやすい部分であって、視覚上、該文字部分が分離して認識し、把握される場合があるとみるのが自然であるから、「FUSION」の文字部分を捉え、これをもって取引に当たる場合も決して少なくないというのが相当である。 そうすると、引用商標は、該文字部分に相応して「フュージョン」の称呼を生じ、「融解。融合。」の観念を生じるものである。 そこで、本願商標と引用商標の類否について判断するに、両商標は、前記のとおり、その構成文字より「フュージョン」の称呼を生ずるものである。 そうとすると、本願商標と引用商標は、外観上相違する点があるとしても、観念上比較できないものであって、称呼上同一のものであるから、これを指定商品について使用するときは、相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。 さらに、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。 したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。 なお、請求人は、引用商標の欧文字部分「FUSION」から「融解、融合」の観念が生じることをもって、引用商標は、その指定商品との関係において、該文字部分の自他商品識別機能が強いとは言い難く、また、その構成に特徴があることから、あえて文字部分のみを取り出して捉えられるというより、構成全体で需要者に印象づけられる旨主張している。 しかしながら、「FUSION」の文字が前記意味を有するとしても、直ちに具体的な商品の品質等を認識させるものとはいい得ないもので、その指定商品の品質等を表示するものとして取引上普通に使用されているという事実も見出すことができないから、該文字部分のみで独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならず、図形を有することを考慮しても、「フュージョン」の称呼が生じないとはいうことができない。 また、請求人は、仮に引用商標が「フュージョン」の称呼のみで取引される場合があるとしても、本願商標と引用商標が、その外観において著しく相違し、両商標が非類似である旨主張するが、本願の指定商品を取り扱う分野において、商標の称呼よりもむしろ外観や観念を重視して取引される特殊事情がある等の、特殊な取引の実情があるものとも認められないから、称呼が共通であることを理由に引用商標と類似するものと判断することは必ずしも不合理とはいえない。 さらに、請求人は、請求人が使用予定の商品と、引用商標の商標権者が使用していると思われる商品とは、具体的な取引状況において相紛れるおそれはない旨主張するが、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かは、本願商標の指定商品と同一又は類似する他人の登録商標に係る指定商品全般について判断するものであって、登録商標を使用する商品に基づいて判断すべきものではない。そして、引用商標の指定商品は「化学品」全般であるところ、請求人が使用予定の商品は化学品の範ちゅうにある各種の試薬や試剤であるうえ、本願商標の指定商品は「化学品」を指定するものであるから、両商標はその指定商品において同一の商品を含むものである。 以上のとおり、請求人のいずれの主張も採用することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(引用商標) |
審理終結日 | 2010-10-08 |
結審通知日 | 2010-10-12 |
審決日 | 2010-10-26 |
出願番号 | 商願2008-33639(T2008-33639) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(X0105)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 神田 忠雄、前山 るり子 |
特許庁審判長 |
内山 進 |
特許庁審判官 |
板谷 玲子 瀧本 佐代子 |
商標の称呼 | フユージョン、フユーション、プージョン、プーション |
代理人 | 田中 光雄 |
代理人 | 勝見 元博 |
代理人 | 寺田 花子 |
代理人 | 森脇 靖子 |
代理人 | 鮫島 睦 |