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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 取り消して登録 X09 |
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管理番号 | 1234845 |
審判番号 | 不服2010-10979 |
総通号数 | 137 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-05-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-05-24 |
確定日 | 2011-03-30 |
事件の表示 | 商願2009- 3668拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第9類「実験用機械器具,その他の理化学機械器具,測定機械器具,電気通信機械器具,動脈血酸素飽和度をモニターし、計測し、吸入酸素のレベルを適正化する為に使用されるコンピュータソフトウェア,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成21年1月22日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『CLIO BLUE』の文字を標準文字で表してなる登録第4303674号商標(以下『引用商標1』という。)、『CLIO』の文字を標準文字で表してなる登録第4433877号商標(以下『引用商標2』という。)及び『QRIO』の文字を標準文字で表してなる登録第4899105号商標(以下『引用商標3』という。)(以下これらをまとめていうときは『引用各商標』という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標1との類否について 本願商標は、別掲に示すとおり、「CLiO」の文字とその右横に前記文字に比べて小さく「2」の数字を配してなるものである(以下、本願商標の構成全体を表すときは「CLiO2」という)。 しかして、本願商標は、同じ書体で、かつ、等間隔に配されていることから、外観上まとまりよく一体的に看取されるものである。 そして、本願商標の構成全体から生ずる「クリオツー」の称呼も、冗長とはいえず、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そうすると、本願商標の構成中の数字「2」が他の構成文字に比して小さく書されているとしても、外観上まとまりよく一体的に看取され、かつ、その称呼も一連で称呼し得るものであることからすると、殊更に数字「2」の部分を捨象し、「CLiO」の文字のみに着目し、「CLiO」の文字部分のみをもって取引に当たるとはいい難く、本願商標は、構成全体が一体不可分のものとして理解し認識されるものである。 してみれば、本願商標は、構成文字に相応した「クリオツー」の称呼を生ずるものであり、単に「クリオ」の称呼は生じないものであって、特定の観念は生じないものである。 他方、引用商標1は、前記2のとおり、「CLIO BLUE」の文字を書してなるものであるところ、同書・同大で外観上まとまりよく一体的に表されており、また、構成文字全体より生じる「クリオブルー」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そうすると、引用商標1は、「CLIO」と「BLUE」との文字間にスペースを有し、また、「BLUE」の文字が、「青」を意味する語であるとしても、殊更に、構成中の「BLUE」の文字部分を捨象し、「CLIO」の文字のみに着目し、取引に当たるというよりも、構成全体をもって、その指定商品の出所を表示するものと判断するのが自然である。 よって、引用商標1は、構成文字全体に相応した「クリオブルー」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じないものである。 そこで、本願商標と引用商標1の類否についてみると、本願商標と引用商標1とは、外観において、明らかに相違するものである。 また、本願商標から生ずる「クリオツー」と引用商標1から生ずる「クリオブルー」の称呼とを比較すると、第1音ないし第3音の「クリオ」の部分は共通するとしても、「クリオ」に次ぐ「ツー」の音と「ブルー」の音とは相違するものであるから、その音構成の差異が、両称呼に及ぼす影響は大きく両商標は、語調、語感が相違し、これらは、十分に聴別し得るものである。 そして、観念においては、共に、特定の観念を生じないものであるから、観念においては、比較することはできない。 以上を総合的に判断すると、本願商標と引用商標1とは、互いに特定の観念が生じないことから、観念については、比較し得ないとしても、その外観及び称呼が、明確に相違するものであるから、両商標は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。 (2)本願商標と引用商標2との類否について 本願商標は、前記(1)のとおり、「CLiO2」の文字からなり、構成文字に相応した「クリオツー」の称呼を生ずるものであるとしても、単に「クリオ」の称呼は生じないものであって、特定の観念は生じないものである。 他方、引用商標2は、前記2のとおり、「CLIO」の文字を書してなり、該文字から「クリオ」の称呼を生じるものであり、「ギリシャ神話クレイオ:9人のミューズ(Muses)の一人」の観念を生じ得るものである。 そこで、本願商標と引用商標2の類否についてみると、本願商標と引用商標2との外観を対比観察した場合、本願商標の構成中の「CLiO」と引用商標2「CLIO」とは、その綴りを共通にしていることから、本願商標の構成中に数字「2」を有するとしても、外観において近似した印象を与えるものであるが、外観が類似するとまではいえないものである。 また、本願商標から生ずる「クリオツー」と引用商標2から生ずる「クリオ」の称呼とを比較すると、本願商標は4音で構成され、引用商標2は3音で構成されており、その音数の差異が、両称呼に及ぼす影響は大きく両商標は、語調、語感が相違し、これらは、十分に聴別し得るものである。 そして、観念においては、引用商標2は、「ギリシャ神話クレイオ」の観念が生じ得るものであるとしても、本願商標が、特定の観念を生じないから、これらを比較することはできないものである。 以上を総合的に判断すると、本願商標と引用商標2とは、本願商標が特定の観念を生じないことから、観念については、比較し得ないとしても、外観において近似する印象を与えるものの、外観が類似するとまではいえず、かつ、これらから生ずる称呼は、明確に相違することからすると、両商標は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。 (3)本願商標と引用商標3との類否について 本願商標は、前記(1)のとおり、「CLiO2」の文字からなり、構成文字に相応した「クリオツー」の称呼を生ずるものであるとしても、単に「クリオ」の称呼は生じないものであって、特定の観念は生じないものである。 他方、引用商標3は、前記2のとおり、「QLIO」の文字を書してなり、該文字から「クリオ」の称呼を生じるものであり、特定の観念は生じないものである。 そこで、本願商標と引用商標3の類否についてみると、本願商標と引用商標1とは、外観において、明らかに相違するものである。 また、本願商標から生ずる「クリオツー」と引用商標3から生ずる「クリオ」の称呼とを比較すると、本願商標は4音で構成され、引用商標3は3音で構成されており、その音数の差異が、両称呼に及ぼす影響は大きく両商標は、語調、語感が相違し、これらは、十分に聴別し得るものである。 そして、観念においては、共に、特定の観念を生じないものであるから、観念においては、比較することはできない。 以上を総合的に判断すると、本願商標と引用商標3とは、互いに特定の観念が生じないことから、観念については、比較し得ないとしても、その外観及び称呼が、明確に相違するものであるから、両商標は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標と引用各商標とは、互いに非類似の商標であるから、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標) |
審決日 | 2011-03-17 |
出願番号 | 商願2009-3668(T2009-3668) |
審決分類 |
T
1
8・
26-
WY
(X09)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 佐藤 丈晴、薩摩 純一 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
豊田 純一 小林 由美子 |
商標の称呼 | クリオツー、クリオニ、クリオ |
代理人 | 佐藤 嘉明 |