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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200914236 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y0510
管理番号 1233463 
審判番号 不服2008-650038 
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-04-09 
確定日 2010-12-16 
事件の表示 国際登録第875396号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成からなり、第5類「Pharmaceutical preparations.」及び第10類「Instruments and apparatus for the inhalation of pharmaceutical preparations.」を指定商品として、2005年8月29日付けで、Germanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年(平成17年)9月24日に立体商標として国際商標登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、第5類『Pharmaceutical preparations.』及び第10類『Instruments and apparatus for the inhalation of pharmaceutical preparations.』の商品の一形態を表したものと認識させる立体形状のみからなるものと認められるから、本願商標をその指定商品に使用しても、単に、商品の包装容器あるいは吸入器の形状を普通に用いられる方法をもって表示したにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認められないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 立体商標における商品等の立体形状の商標法第3条第1項第3号の該当性について
(1)立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。
そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するにとどまり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異な形状であっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。
また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。
そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
(2)これを本願についてみると、本願商標は、別掲のとおり、全体として下部を平面にした楕円状の立体図形からなり、その構成中の上半分は、開閉できるキャップとなっている。
構成中の下半分の部分には、縦型楕円状の窓と、キャップを開けるための突起がある。
そして、上部のキャップを開けた場合は、一つの孔を有する上突起状の吸入口を有してなるものである。
そうすると、本願商標は、その構成全体として、指定商品「Pharmaceutical preparations.」の容器の形状の一形態を表したものと認識し得るものである。
また、本願商標は、その構成中に薬剤を吸入すると考えられる突起状の吸入口を有してなるものであるから、指定商品「Instruments and apparatus for the inhalation of pharmaceutical preparations.」の形状の一形態を表したものと認識し得るものである。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に本願の指定商品の容器の形状あるいは商品の形状を表示してなるにすぎないものと理解するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。
2 請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について
(1)請求人は、「本願商標は、呼吸器疾患の治療用薬剤の吸入器の形状を表したものであるが、これは、従来型のものに比して、吸入口が露出しないよう、本体と一体化したキャップを付した形状に特徴があり、また、その形状のデザインが、財団法人日本産業デザイン振興会が主催する『2004年度グッドデザイン賞』を受賞している(第2号証の1及び第2号証の2)ことから、その形状は従来の吸入器に見られない独自のものである。」旨主張している。
しかしながら、請求人の主張のとおり、本願商標は吸入器の形状として従来に見られない特徴を有するものであるとしても、それは商品等の機能をより発揮させるために施されたものといえるものであるから、本願商標は、その形状に特徴をもたせたことをもって、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法の範ちゅうで表示する標章のみからなる商標の域をこえるものではなく、自他商品識別力を有するものとは認められない。
また、本願商標の形状は、商品の機能に資することを目的とするものであるから、同種の商品に関与する者が当該形状を使用することを欲するものであり、先に商標出願したことのみを理由として当該形状を特定の者に独占させることは、公益上の観点から適切ではないといえる。
さらに、そもそも、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。(平成20年5月29日判決言渡 平成19年(行ケ)第10215号)
(2)また、請求人は、本願商標が我が国において、積極的に宣伝・広告を行った結果、我が国の医療関係者及び呼吸器疾患を持つ患者の間で広く知られるようになった。よって、本願商標に接した需要者はその商品が請求人のものであると認識することができる旨主張するとともに、本願商標がその指定商品に実際に使用されている事実を示すものとして、新聞、雑誌等の証拠資料を提出している(第3号証の1ないし第5号証)。
そして、請求人の提出された証拠をみるに、「ハンディヘラー」の文字や図形等が付された本願商標の形状の商品が、「Pharmaceutical preparations.」の容器や「Instruments and apparatus for the inhalation of pharmaceutical preparations.」として、実際に使用されていることが認められる。
しかしながら、上記の証拠の他に、請求人が我が国において、本願商標の形状の商品の販売、及びその宣伝・広告等を行った結果、本願商標が我が国の医療関係者及び呼吸器疾患を持つ患者の間で広く知られるようになったとする客観的な証拠(売上高、広告宣伝の回数、広告宣伝費、新聞雑誌における記事掲載の回数等)の提出はない。
したがって、提出された資料からは、本願商標が我が国の医療関係者及び呼吸器疾患を持つ患者の間で広く知られるようになったとは認めることができない。
よって、請求人の上記主張はいずれも採用することができない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すことはできない。
3 まとめ
以上によれば、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものとし、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。
よって結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 2010-06-21 
結審通知日 2010-07-28 
審決日 2010-08-09 
国際登録番号 0875396 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y0510)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 小林 正和 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 瀧本 佐代子
豊田 純一
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 加藤 義明 
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