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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X070911363739
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X070911363739
管理番号 1233432 
審判番号 不服2010-113 
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-01-05 
確定日 2011-03-02 
事件の表示 商願2008- 72572拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第7類、第9類、第11類、第36類、第37類、第39類、第40類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成20年9月3日に登録出願されたものである。
その後、指定商品及び指定役務については、原審における同21年7月24日付け手続補正書により、別掲2に示すとおりの商品及び役務に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、「本願商標は、『住宅』を表したものとしか認識し得ない黄緑色の輪郭図形の中に『家庭用燃料電池と太陽光発電を組み合わせた発電装置』を表す語として使用されている『ダブル発電』の文字を輪郭図形と同じ色で表してなるものであるから、全体として、前記『ダブル発電装置を備えた住宅』であることを直ちに認識させるに止まり、これを本願指定役務中『建物の貸与、建物の売買、建築一式工事、建築物のリフォーム工事、太陽光発電装置と併用されるコージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置の貸与,コージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置の貸与,太陽光発電装置の貸与、建築物の設計』等に使用するときは単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表してなるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、黄緑色の横長四角形の上部を左右対照に、ちょうど住宅の軒のように鍵形に突起させ、さらに上底と下底の辺が平行となるよう8角形で構成された輪郭(以下、「輪郭図形」という。)内に、黄緑色の「ダブル発電」の文字を配した構成よりなるものである。
しかして、その構成中の「ダブル発電」の文字は、「太陽光発電と家庭用燃料電池等の自家発電設備との併用による発電」の意味合いとして、本願の指定商品及び指定役務を取扱う業界(特にガス、石油等を取り扱う業界や建築業界)において、普通に使用されていることは、別掲3に示すインターネット及び新聞記事情報から、窺い知ることができる。
そうしてみると、該「ダブル発電」の文字は、上記意味合いに関連する役務との関係においては、何ら自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
また、本願商標を構成する輪郭図形については、一見して住宅を表したものと容易に認識し得るものであり、さらに、実際に、本願指定役務を取り扱う業界(特に建築業界)においては、住宅の広告宣伝や住宅の機能、性能等を表示する際に、住宅を模した図形が広く採択、使用されている実情からすれば(「http://www.sekisuihouse.co.jp/ecopoint」,「http://jutaku.eco-points.jp/common/file/catalog.pdf」,「http://www.housingnavi.jp/」等参照)、当該輪郭図形も、その住宅を模した図形の一類型と認識されるといえるものであるから、ありふれた住宅の輪郭を普通に用いられる態様の域を脱しない方法で表示されたものとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、上記意味合いの「ダブル発電」の文字とありふれた住宅の輪郭図形とを組み合わせたにすぎないものであって、全体としてみても、これらの意味合い等を超えるものではなく、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないから、これをその指定役務中の「建物の貸与、建物の売買、建築一式工事、建築物のリフォーム工事、太陽光発電装置と併用されるコージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置の貸与,コージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置の貸与,太陽光発電装置の貸与、建築物の設計」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、全体として「太陽光発電と家庭用燃料電池等の自家発電設備を併用した発電システムに関連した役務」程の意味合いを認識させ、単に役務の質等を表示したものと理解するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、かつ、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。

(2)請求人の主張について
請求人は、「『ダブル発電』の説明には『「太陽光発電」に「ガスコージェネレーションシステム」を組み合わせた』の記載や、『太陽光発電とエネファームのダブル発電』の記載、『風力+太陽光のダブル発電』の記載、さらに『太陽光+ガスダブル発電』なる記載があったりと、『ダブル発電』なる語に一定の定義が設けられているようには見受けられず、その表現にはばらつきが見られる。また、『ダブル発電』なる語に接した需要者に『何らかの2つの電気を発生させること』や『2倍の電気を発生させること』を漠然と暗示させることはあったとしても『家庭用燃料電池と太陽光発電を組み合わせた発電装置』を直接的に需要者に想起させるといえるほどに当該意味合いが需要者に浸透しているとは考えられない。」旨主張している。
確かに、請求人が述べるように「ダブル発電」なる語の使用方法については、表現にばらつきが見受けられるものである。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標を構成する「ダブル発電」の文字は、「太陽光発電と家庭用燃料電池等の自家発電設備との併用による発電」の意味合いとして、特に家庭において利用される発電の仕組み、方法として、広く取引者、需要者に浸透され、確立されるに至っているというべきであるから、かかる請求人の主張は採用することができない。

(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1
本願商標
(色彩については原本を参照されたい。)


別掲2(平成21年7月24日付け手続補正書により、補正された商品及び役務)
第7類「太陽光発電装置と併用されるコージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置,コージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置,ガスエンジン,その他の内燃機関,ガスタービン,その他の動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機」、第9類「太陽光発電装置,太陽光発電装置と併用されるコージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置により発生した電力用の分電盤,コージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置により発生した電力用の分電盤,太陽光発電装置により発生した電力用の分電盤,その他の分電盤,太陽光発電装置と併用されるコージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置により発生した電力用インバータ,コージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置により発生した電力用インバータ,太陽光発電装置により発生した電力用インバータ,その他のインバータ,太陽光発電装置と併用されるコージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置により発生した電力量の測定表示計器,コージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置により発生した電力量の測定表示計器,太陽光発電装置により発生した電力量の測定表示計器,その他の電力量測定表示計器,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器」、第11類「コージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置と太陽光発電装置とを併用する家庭用熱電併給装置において発生した熱及び電力を使用する給湯冷暖房装置,コージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置を利用する家庭用熱電併給装置において発生した熱及び電力を使用する給湯冷暖房装置,太陽光発電装置において発生した電力を使用する給湯冷暖房装置,太陽熱を利用する給湯冷暖房装置,その他の給湯冷暖房装置,乾燥装置,換熱器,熱交換器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,ボイラー,暖冷房装置,暖冷房装置用温水ラジエータ,温水床暖房装置,ガスの燃焼又は電気の発熱を熱源として湯を霧状化して浴室内をサウナ風呂にする機能を有する家庭用浴室暖房乾燥機,ガスの燃焼又は電気の発熱を熱源として湯を霧状化して浴室内をサウナ風呂にする家庭用ミストサウナ装置,家庭用ガス空調装置,その他のガスを使用したガス空調装置,冷凍機械器具,家庭用電熱用品類,換気扇,衣類乾燥機,浴室暖房乾燥機,ガス湯沸かし器,風呂釜,シャワー器具,浴槽類」、第36類「割賦購入あっせん,家財保険契約の締結の代理・媒介又は取次ぎ,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」、第37類「建築一式工事,建築物のリフォーム工事,ガス管工事,太陽光発電装置の設置工事,建築一式工事に関する助言,建築物のリフォーム工事に関する助言,ガス管工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,ガス式床暖房装置の修理又は保守,ガス空調設備の修理又は保守,ガスオーブンの修理又は保守,ガスコンロ・ガスレンジの修理又は保守,ガステーブルの修理又は保守,家庭用ガス食器洗い乾燥機の修理又は保守,業務用ガス食器洗い乾燥機の修理又は保守,家庭用ガス炊飯器の修理又は保守,ガス湯沸かし器の修理又は保守,加熱器の修理又は保守,なべ類の修理又は保守,ガス風呂がまの修理又は保守,浴槽類の修理又は保守,ガスストーブの修理又は保守,太陽光発電装置の修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守」、第39類「ガスの供給,ガスの供給に関する情報の提供,電気の供給,電気の供給に関する情報の提供,熱の供給,熱の供給に関する情報の提供」、第40類「太陽光発電装置と併用されるコージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置の貸与,コージェネレーション機能を有する動力源(燃料電池を含む。)による発電装置の貸与,太陽光発電装置の貸与」及び第42類「建築物の設計,建築物のリフォームのための設計」

別掲3(インターネット及び新聞記事情報)
(ア)「JX日鉱日石エネルギー(株)」のホームページ中の「ダブル発電とは?」の項目に「家庭用燃料電池『エネファーム』と太陽光発電システムをダブルで組み合わせた発電システムです。」の記載。
http://www.noe.jx-group.co.jp/lande/product/double/index.html

(イ)「経済産業省資源エネルギー庁」のホームページ中の「総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会(第34回)配付資料」の項目に「資料2-2太陽光発電と家庭用燃料電池等の併用(いわゆる「ダブル発電」)についての記載があり、「ダブル発電の概念図」を表すと共にその説明として「太陽光発電と自家発電の併用」の記載。
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g90424b06j.pdf
同ホームページ中の「総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会(第35回)配付資料」の項目に「参考2太陽光発電と自家発電設備の併設(いわゆる「ダブル発電」)時の取扱いについて」の記載。
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g90525c08j.pdf

(ウ)「(株)環境新聞社」のホームページ中の「太陽光電力買い取りでゼファーなど差額補てんの動き 風力併設で価格5分の1」の見出しのもと、「新しい買い取り制度では、住宅用で太陽光発電システムを単独で設置する場合は48円、自家発電などと組み合わせたいわゆる『ダブル発電』の場合は、余剰電力が多くなることを考慮して39円で買い取ることが定められている。」の記載。
http://kankyomedia.jp/news/20091216_7437.html

(エ)「住宅設備ナビ」のホームページ中の「住宅設備について賢くなるサイト住宅設備ナビ」の項目に「最新のガスエネルギーシステムとは、家庭用燃料電池エネファーム。このエネファームと太陽光発電を併用するダブル発電が、最も効率がよいと考えられる。」の記載。
http://www.jyusetsu-navi.com/sokoshiri/13-1.html

(オ)「ダブル発電」がテレビコマーシャルで説明又は紹介された事例
「東京ガス株式会社」のホームページ内「CMラブラリー」の項の「CM動画「エネファーム1+1編」参照。
http://www.tokyo-gas.co.jp/channel/200ch/index.html
「JX日鉱日石エネルギー株式会社」のホームページ内「ENEOSTV」の項の「CM・オリジナル動画配信中」の「エネゴリくん&水川あさみCM-1ダブル発電「住宅展示場にて」編」参照。
http://www.eneos-tv.jp/

(カ)2006年12月7日付け日刊工業新聞(14頁)には、「ガス事業各社、ガスエンジンと太陽光のダブル発電を全国普及へ」の見出しのもと、「電力業界が推進する『エコキュート』はオール電化の目玉となる給湯システム。一方、ガスと自然エネルギーを併用したダブル発電は環境面、エネルギー効率、導入した家庭が新しいライフスタイルに変化していく持続可能な生活への変貌にもつながっている。」の記事。

(キ)2009年1月29日付け毎日新聞東京地方版朝刊(17頁)には、「役立つ住宅情報:地球に優しい住宅 発電へーベルハウス 旭化成ホームズ」の見出しのもと、「旭化成ホームズは(中略)今春発売予定の家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)と太陽光発電システムを組み合わせた『ダブル発電パック』」の記事。

(ク)2010年4月2日付け(社)日本電気協会新聞部電気新聞(1頁)「再生可能エネルギー全量買い取り 11年末にも開始 経産省が見通し示す」の見出しのもと、「太陽光と燃料電池などを家庭に併設するダブル発電については、住宅用太陽光も含めて全量買い取りに移行する場合、買い取り価格を特別に設定しない方針を説明。」の記事。

審理終結日 2010-12-16 
結審通知日 2010-12-20 
審決日 2011-01-14 
出願番号 商願2008-72572(T2008-72572) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X070911363739)
T 1 8・ 13- Z (X070911363739)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 小川 きみえ
大橋 良成
商標の称呼 ダブルハツデン、ハツデン 
代理人 小谷 悦司 
代理人 川瀬 幹夫 

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