• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X36
管理番号 1233430 
審判番号 不服2009-15814 
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-08-27 
確定日 2011-03-02 
事件の表示 商願2008-52015拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「SUPERIOR」の欧文字と、「スーペリア」の片仮名文字を二段に書してなり、第35類及び第36類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年6月30日に登録出願されたものである。
その後、指定役務については、原審における平成21年3月30日付け及び当審における同年8月27日付けの手続補正書により、第36類「クレジットカードの利用者に代わってする支払代金の清算,デビットカード又は電子マネーの利用者に代わってする支払代金の決済の代行,クレジットカード・デビットカードの発行の取次ぎ,クレジットカードの利用に関する情報の提供,資金の貸付,債務の保証,割賦購入のあっせん,割賦販売利用のための信用保証,金銭債権の回収代行,インターネットによる振込・振替の代行,プリペイドカードの発行,商品券の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,集金の代行,保険情報の提供,美術品・骨董品の評価に関する情報の提供」と、補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定において、「本願商標は、『SUPERIOR』の文字と、『スーペリア』の文字とを上下二段に表示してなるところ、この文字は、『上等の、上質の』の意味を有し、指定役務に係る業界を含むサービス業界においては、提供するサービスの質が他者に比べてより優れたものであることを示すことからすると、これを指定役務について使用しても、単に前記役務が、上等であること、優れていること、すなわち、役務の質を表示したものと理解されるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、以下の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して証拠調べ通知書を送付した。

(1)辞典類
ア 「プログレッシブ英和中辞典」(小学館発行)の「superior」の項、「(質的に)・・・より、まさった、高級な、上質な、重要な、価値のある」の記載。
イ 「朝日現代用語『知恵蔵』2007」(朝日新聞社)の1111頁、「スーペリア」の項、[superior]「優秀な、上位の」の記載。
ウ 「大きな字のカタカナ新語辞典 第2版」(学習研究社)の「スーペリア」の項、[superior]「優れた.上位の.」の記載。
エ 「現代人のカタカナ語/欧文略語辞典」(イミダス編集部)の「スーペリア」の項、[superior]「まさった.上位の.上級の.上質な.高級の.」の記載。

(2)新聞記事
ア 「製粉特集:各社インタビュー=日清製粉・左山実氏」
日本食糧新聞2010.07.28
「安心・安全・品質対策は、AIBフードセーフティ監査とISO22000を中心に取り組んでいる。AIBは2004年に知多工場が日本の製粉業界として初の最高評価『スーペリア』取得以来、7年連続で『スーペリア』を取得している。鶴見工場は4年連続、千葉工場は2年連続、東灘工場、岡山工場、坂出工場も初めて『スーペリア』を取得し、他の工場もAIBの審査・受審を行い、全工場800点以上という高得点を取ることができた。フードセーフティーとともにフードディフェンス(食品防御)についても取組みを強化している。」との記載。
イ 「ホテル情報:シーサイドホテル舞子ビラ神戸ほか /兵庫」
毎日新聞 2010.07.08 地方版/兵庫
「◇神戸ポートピアホテル アラン・シャペル 夏のグルメペアディナー シャンパンコレクション2010 8月31日まで(除外日8月7日)本館31階フレンチレストラン『アラン・シャペル』。17時半?22時。土・日・祝日は17時から。ドン ペリニヨン、クリュグ グランド キュヴェなどの中から好みの1本を。料理はシェフの佐々木康二がプロデュースする明石魚市で水揚げされた天然スズキのポワレ、フォアグラを詰めたブレス産ホロホロ鳥胸肉と腿(もも)肉のコンフィなど全6品の特別コース。スーペリアプラン2人3万2000円、プレステージプラン2人4万円。いずれもシャンパンフルボトル1本がつく。」との記載。
ウ 「長浜ロイヤルホテル 大人のときめきとくつろぎを強調 高層階客室オープン」産経新聞 2010.06.04 大阪朝刊
「大和ハウス工業グループ・大和リゾートの『長浜ロイヤルホテル』(滋賀県長浜市)の一部客室リニューアル工事に伴い、高層階客室『グランデフロア』がオープンした。高層階10階、11階フロアの全72室が、落ち着いた色調と上質な仕様で変身した。例えば、スーペリアツインは格子柄で統一されたデザイン、間接照明で演出するヘッドボードなど、洋室でありながら和を意識したモダンな雰囲気を実現。」との記載。
エ 「住友不動産リフォームが水回りでパッケージ トイレなどマンション向け発売」電気新聞 2009.06.19
「価格はスタンダードプランが230万円。基本性能を満たし、価格を抑えたシンプルプランが159万円。一方、最上位としては、スーペリアプランが380万円。このほか、7月末までの期間限定で、厳選した水回り4点をパッケージ化したスペシャルプランを148万円で提供する。」との記載。
オ 「マスダック、リスクアセスメントに力点置いた開発姿勢 安全確保が基本」日本食糧新聞 2009.03.06
「同社では食品事業部で東京銘菓のOEM生産している。・・・(中略)・・ユーザー企業向けにはAIB監査の最高位『SUPERIOR(スーペリアー)』を取得しているOEM工場を公開し、今後の菓子生産の参考になればと考えている。」との記載。
カ 「【新商品】夜用保湿クリーム『エビータ EX スーペリアナイト』」 FujiSankei Business i. 2008.08.20
「夜のスキンケアの最後に使用。肌に濃厚なうるおいを与え、はり、つやのある肌に導く。アンチエイジング効果が期待できる『α-リポ酸 BE』『コエンザイム Q10』や『ヒアルロン酸』といった保湿成分を配合。」との記載。

(3)インターネット情報
ア 「Bears」のウェブサイトにおいて、「家事代行サービス」、「スーペリア定期料金のご案内(割引料金) お得なスーペリア定期料金(割引定期料金)について ベアーズのロイヤルメイド(家事代行)サービスのデラックスメンバーシップ・ロイヤルメンバーシップにはスーペリア定期料金(割引定期料金)がございます。定期的に週30時間以上ご利用のお客様はスーペリア定期料金が適用され、とてもお得です。」との記載。
(http://www.happy-bears.com/service/kaji/regular/superior.php)
イ 「エステ・ステーション」のウェブサイトの「ボディケア(痩身ケア・デトックス・リラクゼーションなど)」において、「ベーシック40分」、「テクニカル60分」、「デラックス75分」、「クリニカル90分」及び「スーペリア120分」との記載。
(http://www.esthe-station.co.jp/charge/index.html)
ウ 「NOMURA」のウェブサイトにおいて、「Superior」の見出しのもと「スーペリアスタイル すべての街と家は、オンリーワンの価値を持っていなければならないと、野村工務店は信じています。」、「街づくり・家づくり 地域の価値を高める“スーペリア”の街づくり、暮らしの質を高める“スーペリア”の家づくり。野村工務店のスーペリアスタイルをご紹介します。」との記載。
(http://www.nomura-k.co.jp/superior/quality/)
エ 「三井住友銀行」のウェブサイトにおいて、「インターネット証券仲介」の見出しのもと「株式」の「手数料率」に、「約定代金に定率(手数料率)を乗じた金額が手数料となり、約定ごとに手数料を計算いたします。定率プランには手数料率が異なる 『スーペリア』 『アクティブ』『ベーシック』 の3つのクラスがあり、株式取引の状況や電子交付サービスの選択によりクラスが決定されます。」との記載。
(http://www.smbc.co.jp/kojin/shouken/tesuryo.html)
オ 「太平洋保険会社概要」のウェブサイトにおいて、「保険情報」に、「中国太平洋保険は、現在5,700店舗と6700の従業員と285万を含む国家47000000個々の顧客と法人顧客のための27のマーケティングスタッフよりも超えている全国のマーケティングネットワーク、多様なサービスプラットフォームを確立している生活総合的なリスク保護ソリューション、投資銀行業務、資産管理サービスを含む保険損害保険。 ・・(中略)・・今後は、中国太平洋保険は、持続的な成長と大手保険の国際競争力の値は、金融サービスグループ、”高い評価、優れたブランドと金融の安定、スーペリアファーストクラスのメリットに自分自身を構築する戦略的目標を”メインフォーカス保険を確立する保険金融サービスグループ。」との記載。
(http://www.nbamm.info/insurance/7985.html)

以上の事実によれば、「superior」又は「スーペリア」の文字は、「上質な、優れた、価値のある」等の意味合いを有する語であり、商品や役務の種別、等級等を表すものとして、各種商品の品質を表す語として、また、役務の質を表す語として、使用されていることが認められる。
そうとすれば、本願商標をその指定役務に使用しても、取引者、需要者は、「上質な、優れた、価値のある」ものであると理解、認識するに止まり、何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標とみるのが相当である。

4 出願人の意見
出願人は、前記3の証拠調べ通知に対し、要旨以下のように意見を述べている。
(1)そもそも辞典類というものは、ある単語が持つ様々な意味を断面的に記載している性質のものであって、それぞれの意味合いが異なってくる個々の具体的な状況まで含めて説明しているものではない。
(2)本願商標が指定役務との関係において、役務の質を表示するに過ぎないものであるか否か、あるいは、「GOOD/グッド」の語のように、普遍的な位置付けで記述的な用語として、如何なる商品や役務に関しても、識別性を欠くと判断されるべきものであるか否か等については、辞書類の記載だけからは判断できるものではない。
(3)新聞記事の(2)アは、米国AIBのランク表示であり、米国製パン研究所の食品安全基準であって、金融業界とは関係がなく、そのランク表示を見ると、確かに、「優秀」が「SUPERIOR」であるが、次ぎの「良好」が「EXCELLENT」、その次ぎの「十分」が「SATISFACTORY」、最下位の「不十分」が「UNSATISFACTORY」となっているのであって、もし「SUPERIOR」が一般的なランク表示であると言うのであれば、それ以下のランクである「EXCELLENT」、「SATISFACTORY」、「UNSATISFACTORY」までもが同様に一般的なランク表示として、食品安全基準以外でも広く使用されているものでなければならない。
(4)推測ではあるが、これらのランク表示と使用されている「EXCELLENT」や「SATISFACTORY」の語がすでに商標登録されている例があることも想像に難くない。
(5)審判部による証拠調べの結果を通知するのであれば、そのような観点から「SUPERIOR」が使用された位置付けまでをも職権で調査した上で、他の用語との関係において記述的に使用されていることを指摘されなければ、請求人としては、反論のしようがない。
(6)インターネットで検索すれば、無数の情報が得られるのであり、単にそれらを列挙するだけで新たな拒絶理由として提示された場合、反論のためには、それらのすべての内容を請求人において精査しなければならなくなり、請求人に対して過大なる負担を強いる結果となり、適正なる審査の手段と言えるものではない。

5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「SUPERIOR」の文字と、「スーペリア」の文字を二段に書してなるところ、その構成中上段の「SUPERIOR」の欧文字は、「(質的に)・・・より、まさった、高級な、上質な、重要な、価値のある」を意味する英語(「プログレッシブ英和中辞典」(小学館発行))であり、「スーペリア」の片仮名文字は、その読みを表したものであることから、これらの文字を二段に書した本願商標よりは、原審説示の如く「上位の、上級の、上等の、上質の」であることを表したものと、容易に理解、認識させるものというのが相当である。
そして、「superior」又は「スーペリア」の文字が、「上質な、優れた、価値のある」商品であること表す語として、各種商品に使用され、また、役務の種別、等級等を表す語としても、各種役務の提供に使用されていることは、前記3の証拠調べ通知のとおりである。
そうとすれば、「SUPERIOR」及び「スーペリア」の文字よりなる本願商標をその指定役務に使用しても、取引者、需要者に、「上質な、優れた、価値のある」ものであることを理解、認識させる以上に、商標として機能すべき、特に目を引く部分がなく、需要者は、識別標識として役務の出所を表示したものとは認識し得ないものであるから、何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標とみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないと判断した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-12-15 
結審通知日 2010-12-24 
審決日 2011-01-07 
出願番号 商願2008-52015(T2008-52015) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X36)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松浦 裕紀子津金 純子 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 小田 昌子
田中 亨子
商標の称呼 スーペリア、シューペリア、スペリオル 
代理人 小谷 武 
代理人 奥村 陽子 
代理人 木村 吉宏 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ