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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X28353740
審判 全部申立て  登録を維持 X28353740
審判 全部申立て  登録を維持 X28353740
管理番号 1231800 
異議申立番号 異議2010-900130 
総通号数 135 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-03-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-05-19 
確定日 2011-01-31 
異議申立件数
事件の表示 登録第5302054号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5302054号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5302054号商標(以下「本件商標」という。)は、「COSTECO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年8月5日に登録出願、第28類「遊戯用器具」、第35類「リサイクル品又は中古品の売買契約の締結の媒介又は取次ぎ,リサイクル品又は中古品の販売に関する情報の提供,商品の販売に関する情報の提供」、第37類「遊戯用器具の修理又は保守,遊戯用器具の修理又は保守に関する情報の提供」及び第40類「リサイクル品又は中古品の収集・分別・処分・再資源化処理又はこれらの取次ぎ,リサイクル品又は中古品の収集・分別・処分又は再資源化処理に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、同22年1月18日に登録査定、同年2月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人プライス コストコ インターナショナル インコーポレイテッド(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のとおりの商標であり(以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
(ア)登録第4401138号商標(以下「引用商標1」という。)は、「COSTCO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成9年8月8日に登録出願、第28類「遊戯用風船,クリスマスツリー用台,その他のおもちゃ,人形,遊戯用器具,ビリヤード用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,スキーワックス,釣り具」ほか、第1類、第3類ないし第5類、第7類、第8類、第10類ないし第12類、第14類、第18類ないし第22類、第24類、第26類、第27類、第32類ないし第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年7月21日に設定登録されたものである。
(イ)登録第5143423号商標(以下「引用商標2」という。)は、「COSTCO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年4月13日に登録出願、第35類に属する別掲に記載のとおりの役務を指定役務として、同20年6月20日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用各商標とは、中央部分における「E」の文字の有無という差異を有しているに過ぎないものであり、外観上類似の商標である。そして、本件商標の指定商品・指定役務中、第28類の指定商品は、引用商標1の指定商品中に包含されており、第35類の指定役務は、引用商標2の指定役務中の「オンラインその他のメディアによる商品の販売促進及び役務の提供促進に関する情報の提供」と類似する関係にあることは明らかである。
したがって、上記した商品及び役務について、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
「COSTCO」は、アメリカ生まれの会員制倉庫型の総合的な卸売り・小売店であり、各種のサービスも提供している。1976年の創業から僅か6年で3000億円の売り上げを達成し、2009年9月現在では、米国において408店舗、カナダ76店舗、メキシコ31店舗、英国21店舗、日本9店舗等々とほぼ全世界にCOSTCO店を展開している。
我が国には、1999年に進出しており、高い天井の倉庫内に商品を入荷されたままの状態でパレットに並べる陳列方法、単品大量販売を特徴とし、会員のみが利用できる店舗であり、日本における一般のスーパーマーケットとは大きく異なる特色を有している。そのため、雑誌・テレビ等のメディアに度々取り上げられており、インターネット上でもCOSTCO店に言及するウェブページは数限りなく存在する。
以上のことから、引用各商標は、我が国においても周知著名な商標となっていることは明らかである。
そして、小売店であれば、自店舗で販売した器具類の修理を取り次ぐことは一般的に行われており、また、環境配慮の観点からリサイクル化を促進しているスーパーマーケット等が数多く見受けられる実情にあり、こうした事業の実態からすれば、COSTCO店が遊戯用器具の修理又は保守の取り次ぎあるいはその情報提供といった役務を提供していたとしても何ら不自然ではなく、リサイクル品又は中古品の収集分別の事業を展開しても何ら不自然ではない。
そうとすれば、本件商標の第37類及び第40類の指定役務につき、本件商標が使用された場合には、引用各商標の周知著名性とも相俟って、需要者は当該役務がCOSTCO店によって提供されているかの如く誤認混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、上記指定役務について、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。
(4)商標法第4条第1項第19号について
上記した実情からみれば、商標権者が周知著名な引用各商標「COSTCO」と相紛らわしい本件商標を採択したのは、引用商標の名声にただ乗りして不正な利益を得ることを目的としたからに他ならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものである。
(5)よって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用各商標とは、前記のとおりの構成からなるものであるから、その構成文字に相応して、本件商標からは「コステコ」の称呼を生じ、引用各商標からは「コストコ」の称呼を生ずるものである。
そこで、この両称呼を比較するに、両者は、中間における「テ」と「ト」の音の差異を有し、この両音は、いずれも破裂音であって、それ自体響きの強い音であり、明瞭に発音・聴取される音であるから、中間部分における差異とはいえ、この差異が4音という比較的短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、彼此相紛れるおそれはないものとみるのが相当である。
また、本件商標と引用各商標との外観を比較してみても、本件商標は7文字からなるのに対して、引用各商標は6文字からなるものであって、そもそも、両者は、その構成文字数に差異があるばかりでなく、後半部分において、「TECO」と「TCO」という文字列の明瞭なる差異を有するものであるから、全体の外観から受ける視覚的印象においても明らかな相違があるものというべきであり、これを時と処を異にして離隔的に観察するも、通常の注意力をもってすれば、両者の外観を見誤ることはないものといわなければならない。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき理由は見出せない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る甲各号証によれば、本件商標の登録出願時において、引用各商標が申立人の業務に係る卸売り・小売りの役務を表す商標として、需要者間に広く認識されていたものであることは認められるとしても、上記したとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、しかも、本件商標の第37類及び第40類の指定役務が商標権者の業務と密接不可分な役務に限定されていることをも併せ考慮すれば、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標と引用各商標とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に規定されている要件を満たすものとはいえないばかりでなく、不正の目的をもって使用をするものであることを認めるに足る証拠も提出されていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものとはいえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
第35類「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服・帽子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用具及び掃除用具・食器・手動利器・クリスタルガラス製品・紙製タオル・衛生手ふき・紙類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家庭用リネン製品・寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ペットフード・愛玩動物用ベッドの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,動力付き手持ち工具・手動利器・手動工具及び金属製金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自動車タイヤの小売又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供,自転車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,燃料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,事務用家具を含む家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,事務用品(但し、家具に属するものを除く。)及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電子応用機械器具(コンピュータープログラムを含む)を含む電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,照明器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,コンパクトディスク・デジタルビデオディスク・フィルム・カメラ・バッテリーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝飾品・宝石の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,クリスマスツリー用装飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告物の配布,他人の便宜のために行う商品の陳列(小売又は卸売の業務において行われる場合を除く。),デモンストレーションによる広告,オンラインその他のメディアによる商品の販売促進及び役務の提供促進に関する情報の提供,商品サンプルの配布,輸出入に関する事務の代理又は代行,輸出入の手続きについてのコンサルティング又は輸出入に関する事務の代理又は代行に関する情報の提供」

異議決定日 2011-01-13 
出願番号 商願2009-59739(T2009-59739) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X28353740)
T 1 651・ 222- Y (X28353740)
T 1 651・ 26- Y (X28353740)
最終処分 維持  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 井出 英一郎
渡邉 健司
登録日 2010-02-19 
登録番号 商標登録第5302054号(T5302054) 
権利者 株式会社ニューギン
商標の称呼 コステコ 
代理人 多賀 久直 
代理人 神林 恵美子 
代理人 山田 健司 
代理人 山本 喜幾 

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