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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 X09
管理番号 1231720 
審判番号 不服2010-8969 
総通号数 135 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-04-27 
確定日 2011-02-21 
事件の表示 商願2009-31267拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「MSDS ナビ」の欧文字を横書きしてなり、第9類「コンピュータプログラムその他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成21年4月23日に登録出願されたものである。
そして、指定商品については、原審における同21年9月29日付け手続補正書により、第9類「化学物質安全性データシート又は製品安全データシートに関するコンピュータプログラム」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『MSDS ナビ』の文字を横書きしてなるところ、その構成中の『MSDS』の文字は、指定化学物質等取扱事業者においては『MSDS制度【「第一種指定化学物質、第二種指定化学物質及びそれらを含有する製品(指定化学物質等)を他の事業者に譲渡・提供する際、その性状及び取扱いに関する情報(MSDS:Material Safety Data Sheet)の提供を義務付ける制度】』として一般的に取り扱われ、また、これに続く『ナビ』が、『ナビゲーション』の略として普通に使用されていることからすれば、本願商標をその指定商品である『化学物質安全性データシート又は製品安全データシートに関するコンピュータプログラム』に使用したときには、単に『化学物質性及び製品安全の情報をデータベース化したもの』程の意を理解させるにすぎない。そのため、本願商標は、自他商品の識別力を有さず、これに接した取引者・需要者は、何人の業務に係る商品かを認識することができないものと認められるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「MSDS ナビ」の文字を同じ書体、同じ大きさをもって外観上まとまりよく一体に表してなる構成からなるところ、その構成中の「MSDS」の文字は、「化学物質等安全性データシート(Material Safety Data Sheet)。化学物質排出把握管理促進法によって、特定の化学物質を含む一定の製品について、添付が義務づけられる。」(「アルファベット略語便利辞典」株式会社小学館 2006年11月10日発行)として知られるものであり、その構成中の「ナビ」の文字は、「経路誘導」及び「航海術。航空術」を意味する「ナビゲーション」の略語及び「航法士。航海士」及び「自動車のラリーで、速度や方向を指示する同乗者」を意味する「ナビゲーター」の略語(「ネットでよくひくカタカナ新語辞典」株式会社三省堂 2004年4月10日発行)として知られるものである。
しかして、原審は、本願商標の構成中の「ナビ」の文字は、「情報をデータベース化したもの」との意味合いを生ずると説示するが、職権において調査するも、各種事典類等への掲載が認められず、ほかに上記意味合いを生ずるとする事実は発見することができない。
そうとすれば、「MSDS」と「ナビ」の両文字を組み合わせた「MSDS ナビ」の文字からは、原審説示のように「化学物質性及び製品安全の情報をデータベース化したもの」の意味合いを直ちに認識させるとはいい難く、かつ、「ナビ」の文字を上記の意味合いのうち、より指定商品との関連性が高いと考えられる「経路誘導」を表すものとしてみた場合においても、これと「MSDS」の文字との組み合わせた構成においては、「化学物質安全性データシートの経路誘導」程度の意味合いを看取させるにすぎず、直ちに特定の商品の品質等を表すものともいい難いものであり、かつ、本願の指定商品である「化学物質安全性データシート又は製品安全データシートに関する情報検索のためのコンピュータプログラム」について、「MSDS ナビ」が、その指定商品を取扱う業界において、類型的に使用されている事実も発見することはできない。
その一方で、請求人の提出した平成22年7月13日付けの手続補足書中の甲第3号証及び甲第4号証によれば、請求人である日本ケミカルデータベース株式会社と株式会社ホンダヱンジニアリングが生産、販売するコンピュータプログラムの名称として「MSDS ナビ」の文字を使用している事実が、パンフレット及び業界紙の広告の掲載から認められることからすれば、「MSDS ナビ」の文字は、本願の指定商品の取引者・需要者において、請求人の業務に係る商品に使用する商標として、一定程度認知されているものと認められる。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、その全体をもって、請求人の商品の名称を表示したものとして、認識し把握されるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、何人の業務に係る商品かを認識することができないものとはいえず、自他商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものとはいえず、取り消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2011-01-13 
出願番号 商願2009-31267(T2009-31267) 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (X09)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉田 静子 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 吉野 晃弘
末武 久佳
商標の称呼 エムエスデイエスナビ、エムエスデイエス 
代理人 市原 俊一 
代理人 市原 俊一 

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