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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X30
審判 一部申立て  登録を維持 X30
審判 一部申立て  登録を維持 X30
管理番号 1230263 
異議申立番号 異議2010-900188 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-02-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-06-25 
確定日 2010-12-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第5312325号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5312325号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5312325号商標(以下「本件商標」という。)は、「MAXEX」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年11月16日に登録出願され、第30類「加工ハーブ飲料(医療用のものを除く。),コーヒー豆,焙煎済みコーヒー,カプチーノコーヒー,エスプレッソコーヒー,茶,代用コーヒー,砂糖,カプセル状又はタブレット状の容器に入ったハーブ茶・コーヒー豆・焙煎済みコーヒー・カプチーノ・エスプレッソコーヒー・茶・ココア・代用コーヒー,コーヒー及びココア」を指定商品とするほか、第7類及び第11類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同22年3月9日に登録査定、同年同月26日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下の(1)ないし(5)とおりであって、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1702370号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおり、「MAX」の欧文字を書してなり、昭和55年8月25日に登録出願、第29類「コーヒー、その他本類に属する商品」を指定商品として、同59年7月25日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、平成17年3月9日に第30類「茶,コーヒー,ココア,氷」及び 第32類「清涼飲料,果実飲料」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(2)登録第710310号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおり、「MAX COFFEE」の欧文字と「マツクス コーヒ」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、昭和35年7月26日に登録出願、第29類「コーヒー」を指定商品として、同41年6月16日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、平成18年4月12日に、第30類「コーヒー」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(3)登録第1453285号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおり、「MAX CAFE」の欧文字と「マックス カフェ」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、昭和41年10月25日に登録出願、第29類「コーヒー」を指定商品として、同56年1月30日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、平成13年9月12日に、第30類「コーヒー」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(4)登録第1565603号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲4のとおり、「MAX」の欧文字と「coffee」の欧文字とをずらして上下二段に書してなり、昭和50年6月19日に登録出願、第29類「コーヒー」を指定商品として、同58年2月25日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、平成15年5月7日に、第30類「コーヒー」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(5)登録第4095585号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲5のおり、「MAX,CAFE」の欧文字と「マックスカフェ」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、平成8年4月11日に登録出願、第30類「コーヒー」を指定商品として、平成9年12月19日に設定登録され、その後、同19年7月10日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
以下、引用商標1ないし引用商標5をまとめていうときは、「引用各商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 取引の実情等について
「MAX」の欧文字は男の名を表すものとして一般に認知されている(甲7)。一方、「EX」は欧文字2字からなり、基本的に商品の品番、型番、規格等を表す記号・符号等と解される部分である。また、「EX」の欧文字は我が国では「examp1e」の省略形として知られているほか、「特別な」「特上の」等を意味する「extra」等の省略形として商品名の語尾に付加的に用いられる形で多用されており、需要者一般にもそのように認識されているものである。「EX」の欧文字が語尾に用いられている商品名は枚挙に暇がないが、一例として、「HD革命/Partition EX」(甲8)、「グルコサミンEX」(甲9)、「スリムスパEX」(甲10)、「Trusty RAID EX」(甲11)、「カニパックEX」(甲12)、「ピュアレストEX」(甲13)、「ドクターシーラボ/Dr Ci Labo スーパークレンジング EX」(甲14)、「HAKU メラノフォーカスEX」(甲15)、「NUDE EX」(甲16、甲17)、「テクノラインEX」(甲18)等を挙げることができる。
このような状況からすると、本件商標に接する需要者は、本件商標の「EX」の部分については記号・符号等か、もしくは「extra」の省略形であると理解し、「MAX」と「EX」の各欧文字が結合してなる商標であると理解するものというべきである。
そして、「EX」の欧文字は商品の品質等を表すため識別力の低い部分であると解すべきであり、一方で「MAX」の欧文字は男の名等を表すものとして一般に認知されているものであるから、識別力を発揮する部分である。これに加え、本件商標は、需要者の印象に残りやすい語頭に「MAX」の部分が位置し、語尾に「EX」の部分が位置して構成される。そうすると、本件商標は「MAX」の部分を要部とし、これに「EX」の部分が付加的に結合されてなる商標であって、「マックス」及び「マックスイーエックス」の称呼が生じるというべきであり、一方で「マゼックス」の称呼が生じると解することは不自然である。
また、引用各商標の使用状況は次のとおりである。
引用各商標の商標権者である申立人の通常使用権者によって、1975年6月から千葉県及び茨城県にて「MAX COFFEE」の商標が付された缶コーヒーの製造・販売が開始され、1978年9月に栃木県が販売地域に加えられた。当該商品の製造・販売はそれ以来継続して行われており、ロングセラー商品となっている(甲19)。当該商品は、2007年度には159万ケースを売り上げており、毎日新聞記事において「全国的な知名度もある個性的な商品」と紹介されている(甲20)。
さらに、当該商品は2009年2月から全国で販売されるようになり (甲21)、アントニオ猪木ら著名人を集めた記念イベントが行われ(甲22)、人気テレビドラマ「木更津キャッツアイ」に当該商品が登場するなどした(甲23、甲24)。
加えて、当該商品に係るホームページが特設され(甲第25号証)、「MAX COFFEE V」や「I MAX COFFEE(ハートの図形付き)」の商標が付された関連商品が販売されるなど(甲26ないし甲28)全国展開が強力に推進されている。
これらの事実からすると、当該商品は日本全国において周知・著名の域に達しているというべきである。
また、当該商品について現在使用されている商標の態様は、大きな欧文字の「MAX」とやや小さい「COFFEE」の欧文字が二段に分けて横書きされてなるものであるが、「MAX」の欧文字が目立つ態様となっていること(甲19)、「COFFEE」の欧文字は識別力が相対的に低いことからすると、当該商品に使用されている商標の要部は「MAX」であり、当該商品に使用されている商標は「MAX」及び「MAX COFFEE」であると解される。そして、引用各商標は「MAX」を要部として構成されているものであるから、引用各商標は当該商品に使用されている商標であると解される。
このように、当該商品に用いられている商標「MAX」及び「MAXCOFFEE」が周知・著名であることに加え、当該商品の関連商品に「MAX COFFEE」の文字に他の欧文字を結合させた商標(「MAX COFFEE V」や「I MAX COFFEE(ハートの図形付き)」)が使用されている事実からすると、本件商標をコーヒー等の商品に使用した場合、需要者は本件商標を「MAX」に「EX」が結合された商標と理解し、当該商品と誤認することは明らかであり、出所の混同が生じるおそれがあるといわざるを得ない。
イ 本件商標と引用各商標との対比について
(ア)引用商標1との対比について
本件商標は、「MAXEX」の欧文字を書してなるものであるところ、「MAX」の文字部分より「マックス」の称呼を生ずる。これに対し、引用商標1は、「MAX」の文字からなり「マックス」の称呼を生ずるものであるから、両商標は、「マックス」の称呼を共通にする類似のものである。
してみれば、本件商標と引用商標1は、共に「マックス」の称呼を生ずること明らかであるから、その称呼において類似の商標である。
(イ)引用商標2ないし引用商標5との対比について
本件商標は、「MAXEX」の欧文字を書してなるものであるところ、「MAX」の文字部分より「マックス」の称呼を生ずる。これに対し、引用商標2ないし引用商標5は、「MAX」の文字部分から「マックス」の称呼を生ずるものであるから、両商標は、「マックス」の称呼を共通にする類似のものである。
してみれば、本件商標と引用商標2ないし引用商標5は、共に「マックス」の称呼を生ずること明らかであるから、その称呼において類似の商標である。
(2)むすび
前記したとおり、本件商標は、引用商標1ないし引用商標5と類似のものであり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、指定商品中第30類「加工ハーブ飲料(医療用のものを除く。),焙煎済みコーヒー,カプチーノコーヒー,エスプレッソコーヒー,茶,代用コーヒー,カプセル状又はタブレット状の容器に入ったハーブ茶・コーヒー豆・焙煎済みコーヒー・カプチーノ・エスプレッソコーヒー・茶・ココア・代用コーヒー,コーヒー及びココア」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により、取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)引用商標の著名性について
申立人の提出した証拠によれば、引用商標1ないし引用商標5に関しては、日本コカ・コーラ株式会社を通常使用権者として通常使用権が設定されている(甲2ないし甲6)。
そして、通常使用権者の企業システムにおいて製造、販売を行うボトラー社の一社である利根コカ・コーラボトリング株式会社及びその関連会社等は、「MAX COFEE」「マックスコーヒー」の商標を付した缶コーヒーを1975年から製造、販売を開始し、1991年からは前記商標に「GEORGIA」の文字を冠した商標が使用されていることが認められる。
しかしながら、その缶コーヒーの主な販売地域は、千葉、茨城、栃木の各県であり、例えば、2007年の売り上げ159万ケースの半分以上は、千葉県内で消費されている。
また、申立人は、その商品について、人気テレビドラマ等で取り上げられたと主張しているが、それは、千葉県又は茨城県を対象とした地域性の強い番組であって、その影響力については不明であるし、「MAX COFEE」「マックスコーヒー」の商標を付した缶コーヒーについて、これまで全国的に大々的なテレビCMや広告を出したとの事実は認められず、さらに、マックスコーヒーの全国販売が開始されたのは、2009(平成21)年2月からであり、その全国的な販売期間は短いものである(甲19ないし甲28)。
以上を併せ考慮すると、引用各商標が本件商標の登録査定がされた平成22年3月9日当時において全国的に広く知られていたとは到底認めることはできず、たとえ知られていたとしても、千葉県、茨城県及び栃木県の需要者にすぎないというのが相当である。
(2)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、「MAXEX」の欧文字を標準文字で横書してなるところ、商標を構成する各文字は同じ書体、同じ大きさ及び同じ間隔でまとまりよく表されており、その構成文字に相応して生ずる「マゼックス」の称呼は淀みなく一連に称呼し得るものである。
そして、引用各商標の著名性については、全国的なものであると到底いえないものであることは上記(1)のとおりであるから、全体としてまとまりよく表された本件商標は、これを「MAX」と「EX」に分離して観察しなければならない特段の理由はなく、一体不可分の商標として把握すべきものであって、特定の意味合いを有しない一連一体の造語とみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して「マゼックス」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じないというのが相当である。
これに対し、引用商標1は、「MAX」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「マックス」の称呼を生じ、「最大限」等の意味を有する英語「maximum」の略語と認められることから、「最大限」の観念を生ずるものである。
引用商標2は、「MAX COFFEE」の欧文字及び「マツクス コーヒ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、引用商標4は、「MAX/coffee」の欧文字を書してなるところ、それぞれの構成から「マックスコーヒー」及び「マツクスコーヒ」の称呼を生じ、また、その構成中の「COFFEE/コーヒ」及び「coffee」の部分は商品の普通名称を表示すものであって自他商品の識別力を有しないものであるから、独立して自他商品の識別力を有する部分は「MAX/マツクス」及び「MAX」の文字部分にあり、これより「マックス」の称呼、「最大限」の観念を生ずるものである。
引用商標3は、「MAX CAFE」の欧文字及び「マックスカフェ」の片仮名文字を上下二段に書してなり、引用商標5は、「MAX,CAFE」の欧文字及び「マックスカフェ」の片仮名文字を上下二段に書してなるところ、それぞれの構成全体からともに「マックスカフェ」の称呼を生じ、また、その構成中の「コーヒー店、コーヒー」等を意味する英語又は仏語の「CAFE」(カフェ)の部分は、商品の普通名称等を表示すものであって自他商品の識別力を有しないものであるから、独立して自他商品の識別力を有する部分は「MAX/マックス」の文字部分にあり、これより「マックス」の称呼、「最大限」の観念を生ずるものである。
そこで、本件商標と引用各商標とを比較するに、外観においては、本件商標と引用各商標とは、その構成文字において顕著な差異を有するものであるから、外観上相紛れるおそれはない。
称呼においては、本件商標より生ずる称呼「マゼックス」と引用各商標より生ずる称呼「マックス」とは、本件商標が5音構成、引用各商標が4音構成と両者は比較的短い音数構成からなり、第2音「ゼ」の音の有無において相違するばかりでなく、両者の構成音中にはいずれも促音「ッ」を有するためその前音である本件商標の「ゼ」又は引用各商標の「マ」の音が強く称呼されるため、これらを一連に称呼するときは語韻語調が異なり、両者は、明確に聴別できるものである。
また、本件商標より生ずる称呼「マゼックス」と引用各商標より生ずる称呼「マックスコーヒー」、「マツクスコーヒ」及び「マックスカフェ」とは、明らかな構成音の差異を有するので、両者は、明確に聴別することができるものである。
観念においては、本件商標からは特定の観念を生じないものであるから、観念上引用各商標とは比較することができない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(5)結論
以上のとおり、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)引用商標1

(2)引用商標2

(3)引用商標3

(4)引用商標4

(5)引用商標5



異議決定日 2010-11-30 
出願番号 商願2007-116338(T2007-116338) 
審決分類 T 1 652・ 263- Y (X30)
T 1 652・ 262- Y (X30)
T 1 652・ 261- Y (X30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浜岸 愛藤村 浩二 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 渡邉 健司
井出 英一郎
登録日 2010-03-26 
登録番号 商標登録第5312325号(T5312325) 
権利者 トゥットエスプレッソ、ソチエタ、ア、レスポンサビリタ、リミタータ
商標の称呼 マゼックス、マックスイイエックス 
代理人 高田 伸一 
代理人 塩谷 信 
代理人 神田 正義 
代理人 馬場 信幸 
代理人 藤本 英介 
代理人 今岡 智紀 
代理人 勝沼 宏仁 
代理人 宮城 和浩 
代理人 柏 延之 
代理人 高田 泰彦 
代理人 宮嶋 学 
代理人 宮尾 明茂 
代理人 黒瀬 雅志 

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