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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X1825
審判 一部申立て  登録を維持 X1825
審判 一部申立て  登録を維持 X1825
管理番号 1230257 
異議申立番号 異議2010-900163 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-02-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-06-14 
確定日 2010-12-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第5308675号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5308675号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5308675号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおり、筆記体風に「Kentdance」の文字を書してなり、平成21年5月27日に登録出願、平成22年2月4日に登録査定がなされ、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」ほか、第1類、第3類、第5類及び第21類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、平成22年3月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、下記のとおりの商標(以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
ア 登録第653109号商標(以下「引用商標1」という。)は、やや右に傾けて表記してなる「KENT」の文字を書してなり、昭和38年2月12日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として昭和39年9月16日に設定登録され、その後、指定商品については平成17年11月9日の書換登録により、第25類「被服」ほか、商標登録原簿に記載のとおりの商品に書き換えられている。
イ 登録第836101号商標(以下「引用商標2」という。)は、やや図案化してなる「ケント」と「KENT」の文字を二段に書してなり、昭和38年12月25日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉及びその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として昭和44年10月29日に設定登録され、その後、指定商品については平成21年9月9日の書換登録により、第18類「かばん類,袋物」ほか、商標登録原簿に記載のとおりの商品に書き換えられている。
ウ 登録第3031467号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ケント」の文字を書してなり、平成4年5月8日に登録出願、第25類「運動用特殊衣服」を指定商品として平成7年3月31日に設定登録されたものである。
エ 登録第5037926号商標(以下「引用商標4」という。)は、引用商標1と同一態様からなる「Kent」の文字を書してなり、平成18年10月4日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として平成19年4月6日に設定登録されたものである。
オ 登録第5213723号商標(以下「引用商標5」という。)は、引用商標1と同一態様からなる「Kent」の下段に小さく「IN」と「TRADITION」の文字とを三段に書してなり、平成19年5月25日に登録出願、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として平成21年3月13日に設定登録されたものである。
カ 登録第4853874号商標(以下「引用商標6」という。)は、「Kent」の文字を標準文字で表してなり、平成12年8月31日に登録出願、第25類「履物」を指定商品として平成17年4月8日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「Kentdance」の語から構成されているところ、商標権者「有限会社ケント」はダンス用品の通信販売やダンス会場等でダンス用品の直接販売をおこなっている業者である。したがって、本件商標に接する者は、その後半部の「dance」の語を「ダンス用、ダンスに用いる」といった単に用途を表している語であると認識し、前半部の「Kent」の語を本件商標の要部として認識し、この語からは「ケント」という称呼が生じ、「ケントという欧米男子の名」等の観念が生じる。
他方、引用各商標は、それぞれ「Kent」又は「ケント」の文字からなるため、引用各商標からは「ケント」という称呼が生じ、「ケントという欧米男子の名」等の観念が生じる。
したがって、本件商標と引用各商標とは、「ケント」の称呼及び「ケントという欧米男子の名」等の観念を共通にするものであり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。

(3)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、新旧ヴァンヂャケット社あるいはイトーヨーカ堂が紳土用の衣服及び服飾洋品雑貨に使用して周知・著名となった著名商標「kent」(別掲(2))(以下、「使用商標」という。)に類似する商標であって、その指定商品中、第25類「被服」と、紳土用の衣服及び服飾洋品雑貨とは同一または類似するものである。

(4)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、新旧ヴァンヂャケット社あるいはイトーヨーカ堂が紳土用の衣服及び服飾洋品雑貨について使用して周知・著名な商標として認識されるものであるから、これをその指定商品中、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」について使用するときは、これに接する需要者をして、該商品が、同人又はこれらと業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同するおそれがある。

(5)以上のことから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものであるから取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)「Kent」(ケント)商標の権利者及び使用者について
請求人の主張及び提出に係る甲第5号証の4、甲第13ないし15号証、甲第73ないし75号証(枝番を含む。ただし、以下、枝番のすべてを引用する場合は、その枝番の記載を省略する。)によれば、使用商標は、株式会社ヴァンヂャケット(昭和59年2月解散、以下「旧ヴァンヂャケット社」という。)の「VAN」ブランドの関連ブランドとして1963年に立ち上げられたこと、1978年10月、旧ヴァンヂャケット社は、東京地方裁判所の破産宣告を受け、1984年2月に破産が終結し解散したこと、旧ヴァンヂャケット社の清算終了前の1980年12月に、株式会社ヴァンヂャケット新社(=株式会社ヴァンヂャケット、以下「現ヴァンヂャケット社」という。)が設立され、旧ヴァンヂャケット社が保有していた知的財産の全てを譲り受けたこと、1983年6月に、現ヴァンヂャケット社により新たに設立された株式会社ケントが、現ヴァンヂャケット社から使用商標の使用権を与えられたこと、1997年3月に、現ヴァンヂャケット社が株式会社ケントを吸収合併したこと、2005年2月に、現ヴァンヂャケット社に係る引用商標1ないし3に係る商標権は、株式会社ケントジャパンに移転され、また、株式会社ケントジャパンは、引用商標4及び5を出願し、登録を受けたこと、現在、引用商標1ないし5についての商標権者は、申立人であるケントジャパン株式会社であること、ケントジャパン株式会社は、2009年8月に株式会社ビイエムプランニングが株式会社ケントジャパンを吸収合併し、名義変更してできた会社であること、イトーヨーカ堂は、ビイエムプランニング社と契約し,2001年2月から肌着やスーツといった男性用の被服等について使用商標を使用していることが認められる。
なお、以下、「旧ヴァンヂャケット社」と「現ヴァンヂャケット社」とを併せていう場合には、単に「ヴァンヂャケット社」という。

(2)使用商標の周知・著名性について
ア ヴァンヂャケット社に係る使用
請求人の提出に係る雑誌・書籍等(甲第6号証ないし甲第12号証)、Van Co.,Ltd.発行のカタログ(甲第16号証、甲第17号証)、株式会社ケントの広告等(甲第18号証ないし甲第48号証)、株式会社ケントのカタログ(甲第49号証ないし甲第58号証)、キャンペーンガイド(甲第59号証ないし甲第61号証)、)現ヴァンヂャケット社の広告等(甲第47号証、甲第48号証、甲第62号証ないし甲第68号証)、現ヴァンヂャケット社のカタログ(甲第69号証、甲第70号証)及び製品売上表(甲第71号証)によれば、「Kent」ブランドが昭和59年2月に解散した旧ヴァンヂャケット社により、同社「VAN」の兄弟ブランドとして昭和38年に立ち上げられたこと、「Kent」製品が昭和40年ないし50年代当時に20代ないし30代であったアイビースタイルに関心を持っていた男性に一定程度知られていたものと推測することができる。
そして、旧ヴァンヂャケット社の製品やケントショップ青山などは、現ヴァンヂャケット社により引き継がれ、また、「VAN」ブランドと共に「Kent」ブランドも、現ヴァンヂャケット社により1983年(昭和58年)に設立された株式会社ケントが使用してきたことは認めることができる。
しかしながら、株式会社ケント又は現ヴァンジャケット社による広告は、主に婦人画報社の「MEN’S CLUB」(別冊も含む。)であり、その掲載回数もさほど多いものともいえないし、カタログの発行も昭和58年ないし平成9年にかけて年1回程度発行されているものであって、「ケントショップ青山」や製品の紹介記事が掲載されている平成16年1月1日発行の「街ぐらし Vol.16」(甲第9号証)、平成10年12月1日発行の雑誌「asAyan」(甲第68号証)での「Kent」ブランドに係る広告、及び平成9年版のカタログ(甲第70号証)ほか、これ以降発行の雑誌での製品紹介や広告及びカタログなどは見当たらない。
また、「Kent」製品売上表(甲第71号証)にしても、1999年8月ないし2006年7月までの売上額の記載はされているが、その売上高は毎年減少し、2007年以降の売上額については記載がない。
してみれば、前記の証拠によっては、「Kent」製品の使用は確認できるものの、宣伝広告は十分とはいえず、また、2007年以降の売上額については確認できないものであるから、使用商標が、ヴァンヂャケット社の取扱いに係る「紳土用の衣服及び服飾洋品雑貨」を表示する商標として、昭和40年ないし50年代当時から本件商標の登録出願時(平成21年6月27日)まで継続して、需要者間において広く認識されていたと認めることはできない。
イ イトーヨーカ堂に係る使用
請求人の提出に係る店内、製品の写真(甲第5号証の2、3)、新聞報道(甲第5号証の4、甲第77号証、甲第79号証、甲第81号証、甲第84号証ないし甲第87号証)、実績表(甲第76号証の1)、イトーヨーカドーのチラシ等(甲第78号証、甲第80号証、甲第83号証、甲第88号証ないし甲第93号証)によれば、イトーヨーカ堂が「Kent(ケント)」製品を平成13年以降、平成18年を除き平成22年に至るまで販売し、申立人が述べるように各年で平均約12億枚、約32億円の売上げがあるとしても、これがイトーヨーカ堂における被服の総売上げに占める割合や、まして「Kent」製品のアパレル市場での占有率、ランクなどは不明である。
また、新聞での広告とチラシに使用商標や「ケント」の表示がされたスーツ、ワイシャツなどが掲載されているが、その掲載自体は多数の商品と共に掲載されているものであり、それが格別目立つように掲載されているもので
もない。
なお、甲第88号証ないし甲第93号証のイトーヨーカドーのチラシは、いずれも本件商標の登録出願後のものと認められる。
さらに、新聞報道繊研新聞や日経MJの報道記事でイトーヨーカ堂の「ケント」ブランドの展開について、その商品開発や販売活動などの記事と共に、ケント製品に係る掲載事実があるとしても、これら新聞は当該分野の業界紙であって、一般需要者がこれを購読するようなものではない。
そうすると、これらの証拠によっては、本件商標の登録出願時である「平成21年6月27日」時点においてのイトーヨーカ堂による「Kent」製品の取扱い事実によっては、使用商標がその取扱いに係る「紳土用の衣服及び服飾洋品雑貨」を表示する商標として、需要者間において広く認識されていたと認めることはできない。

(3)本件商標と引用各商標の類否について
本件商標は、別掲(1)のとおり「Kentdance」の文字を筆記体風に一連に綴られているところからすれば、外観上一体のものとして看取し得るものであり、また、構成文字全体から生ずる「ケントダンス」の称呼は格別冗長なものではなく、一気一連に称呼し得るものであり、かつ、構成文字全体からは特定の親しまれた観念を生じさせない一種の造語というのが相当である。
また、商標権者がダンス用の靴などに本件商標を使用していることは同人のウェブページ(甲第2号証及び甲第3号証)により認められるとしても、
前記(2)のとおり、ヴァンヂャケット社またはイトーヨーカ堂の業務に係る「紳土用の衣服及び服飾洋品雑貨」を表示する商標として、需要者間において広く認識されていたと認めることはできず、本件商標は、上記したとおり、その構成・態様からして、外観上の一体性は強く、殊更に、「Kent」の文字のみを分離・抽出して観察しなければならないとする格別の事情はないというべきである。
そうしてみると、本件商標は、「ケントダンス」の一連の称呼のみを生ずるものであり、また、特定の親しまれた観念を生じさせない一種の造語というべきである。
他方、引用各商標は、それぞれの構成、前記2(1)に示すとおり「Kent」、「KENT」及び「ケント」(引用商標6は「IN」と「TRADITION」の文字との三段書き)の文字からなるものであるから、「ケント」の称呼を生じ、また、「欧米男子の名ないし氏、あるいはイギリスの地名」などの観念を生じるものである。
そこで、本件商標と引用各商標とを比較すると、本件商標から生ずる「ケントダンス」と引用各商標から生ずる「ケント」の称呼とは、「ダンス」の音の有無に明らかな差異を有するものであるから、両称呼は全体の語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものである。
また、両者は、それぞれの構成に照らし、外観において別異のものであり、かつ、観念においては、本件商標から特定の観念を生じさせないものである以上、両者は比較し得ないものである。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるというべきである。

(4)商標法第4条第1項11号について
前記(3)のとおり、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(5)商標法第4条第1項10号及び同第15号について
前記(2)のとおり、使用商標は、ヴァンヂャケット社又はイトーヨーカ堂の業務に係る「紳土用の衣服及び服飾洋品雑貨」を表示する商標として、本件商標の登録出願前より我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないし、さらに、使用商標が、同人の取り扱いに係る商品を表示するものとして、本件商標の登録査定時までに、需要者の間に広く認識されるに至ったと認めるに足りる特段の事情も見いだせない。
また、使用商標は、引用商標4と同様の態様からなるものであるから、本件商標と使用商標とは、前記(3)と同様に、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、これをその指定商品中、第25類「被服」について使用しても、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
また、同様の理由により、本件商標は、これをその指定商品中、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」について使用しても、これに接する需要者は、使用商標を想起又は連想することはないというべきであるから、該商品がヴァンヂャケット社並びにイトーヨーカ堂又はこれらと業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはなく、商標法第4条第1項15号にも該当しない。

(6)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標



(2)使用商標


異議決定日 2010-11-25 
出願番号 商願2009-39301(T2009-39301) 
審決分類 T 1 652・ 25- Y (X1825)
T 1 652・ 262- Y (X1825)
T 1 652・ 271- Y (X1825)
最終処分 維持 
前審関与審査官 飯田 亜紀 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小林 由美子
小川 きみえ
登録日 2010-03-12 
登録番号 商標登録第5308675号(T5308675) 
権利者 有限会社ケント
商標の称呼 ケントダンス、ケント 
代理人 増田 達哉 
代理人 藤沢 昭太郎 
代理人 藤沢 則昭 
代理人 朝比 一夫 
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