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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X35
管理番号 1230202 
審判番号 不服2009-21877 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-11-10 
確定日 2011-01-07 
事件の表示 商願2009-1591拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「MIRAI」の欧文字と「味蕾」の漢字を上下二段に書してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務とし、平成20年3月14日に登録出願された商願2008-19692に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、平成21年1月13日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における平成21年3月16日付け手続補正書により、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(「米穀類・菓子及びパン・氷砂糖・水あめ・清涼飲料・果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる便益の提供」を除く。)」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第5046681号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成18年2月22日に登録出願され、第30類「調味料用岩塩、調味料」を指定商品として、平成19年5月11日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「MIRAI」の欧文字と「舌粘膜の各種の乳頭内にある卵形の小体。感覚細胞から成り、味覚をつかさどる。味覚芽。」(広辞苑 第六版)の意味を有する「味蕾」の文字を上下二段に表してなるところ、上段の「MIRAI」の文字が下段の「味蕾」の読みを特定したものであると無理なく把握できるものであるから、その構成文字に相応して「ミライ」の称呼を生ずるものであり、「味覚をつかさどる舌の部分」程の観念を生ずるものとみるのが相当である。
他方、引用商標は、別掲のとおり、矢印及び矢印をモチーフにして描いたと思しき図形と、その下に「mIRAI」(「m」の文字部分は、「IRAI」の文字部分と同じ大きさに書されている。)の欧文字を配してなるところ、かかる構成にあっては、該図形部分と「mIRAI」の文字部分とは、視覚上分離して看取されるばかりでなく、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情も見出せないから、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすとみるのが相当である。
してみれば、引用商標に接する取引者、需要者は、直ちに認識し、称呼し易い「mIRAI」の文字部分に着目し、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないものというべきである。
そうとすれば、引用商標からは、「mIRAI」の文字部分より、単に「ミライ」の称呼をも生ずるものであり、観念については、特定の意味合いを有しない造語として認識されるとみるのが相当である。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、両商標は、「MIRAI」及び「mIRAI」の文字部分から生ずる「ミライ」の称呼を共通にするものである。
次に、外観についてみるに、両商標は、構成全体とすれば、区別し得るものであるが、「MIRAI」と「mIRAI」の文字部分とは、語頭の「M」及び「m」の文字のみが異なるだけで、他の「IRAI」の文字については同一のものであって、その小文字「m」にしても、他の文字と同一の大きさで表わされてなるものであるから、両文字は極めて近似した印象を与えるものである。
また、観念については、本願商標が「味蕾」の漢字より「味覚をつかさどる舌の部分」程の観念を生ずるのに対し、引用商標が特定の意味合いを有しない造語よりなるから、比較し得ない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念上比較し得ないものであり、その構成全体の外観においては、区別し得ることを考慮したとしても、両商標は、それぞれの構成中の「MIRAI」及び「mIRAI」の文字部分の綴りを共通にするところから、外観上、近似した印象を与えるものであって、かつ、称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ない。
そして、本願商標の指定役務は、引用商標の指定商品と類似の役務を包含するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)請求人の主張について
ア 請求人は、引用商標の構成中、矢印をモチーフにした図形部分から称呼が生ずるという前提で、「引用商標からは、少なくとも『エムニジュイチ』の称呼が生ずる。」旨主張しているが、子細に検討すれば、引用商標の図形部分から、「m」の文字及び「21」の数字を想起させる場合があるとしても、簡易迅速を旨とする取引の場において、引用商標に接する取引者、需要者は、該図形部分が、特定の文字を表したものと直ちに認識し得るとまではいい難いから、特定の称呼は生じないものというべきであり、請求人の該主張を採用することはできない。
イ 請求人は、外観及び観念が相違する2つの商標が、併存登録されている過去の登録例を挙げ、「本願商標と引用商標とは類似しない。」旨主張しているが、請求人の挙げた登録例は、対比する商標の具体的構成において本願とは事案を異にするものであり、また、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かの判断は、個々の事案に即して個別具体的に判断されるべきものであるから、上記登録例をそのまま本件の類否判断に当てはめることは妥当でなく、上記登録例の存在をもって、本件における類否判断が左右されるものではないから、請求人の該主張も採用することはできない。

(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(引用商標)


審理終結日 2010-11-12 
結審通知日 2010-11-15 
審決日 2010-11-26 
出願番号 商願2009-1591(T2009-1591) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久保田 正文 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 田中 亨子
小田 昌子
商標の称呼 ミライ、アジツボミ 
代理人 齋藤 晴男 

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