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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X36
管理番号 1230007 
審判番号 不服2009-14807 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-08-17 
確定日 2010-12-10 
事件の表示 商願2008- 28412拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第36類「資金の貸付け及び手形の割引,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,割賦購入あっせん,現金支払機・現金自動預け払い機の貸与」を指定役務として平成20年4月11日登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4820117号商標(以下「引用商標」という。)は、「桜苑」の漢字と「おうえん」の平仮名を2段に書してなり、平成16年4月12日登録出願、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入のあっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,ガス料金又は電気料金の支払の取次ぎ,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,中古自動車の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金,紙幣・硬貨計算機の貸与,現金支払機・現金自動預け払い機の貸与」を指定役務として、同年11月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)商標の類否について
商標が類似するかどうかは、最終的には、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり、具体的にその類否判断をするに当たっては、両商標の外観、観念、称呼を観察し、それらが取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであって、決して上記3要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないが、少なくともその一つが類似している場合には、当該具体的な取引の実情の下では商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められる場合を除いて、出所の混同を生ずるおそれがあると認めるのが相当である(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)(平成11年(行ケ)第422号 平成12年6月13日判決)。
以下、これを踏まえて本願商標と引用商標の類否について判断する。
(2)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲のとおり、「OUEn」の欧文字を書してなるところ、該文字は辞書類に掲載されていない文字であって、特定の意味をもって親しまれた既成の観念を有しない造語といえるものであり、これより、一般に親しまれたローマ字読み風の「オウエン」の称呼を生ずるとみるのが相当である。
他方、引用商標は、「桜苑」の漢字と「おうえん」の平仮名を2段に書してなるところ、下段の平仮名は上段の読みを表したものと容易に理解できるものであるから、その構成文字より、「オウエン」の称呼が生じるものである。また、観念については、「桜苑」の文字は、辞書等に掲載されていない文字であり、特定の意味を持って親しまれた語とはいえないものの、表意文字である漢字で表されており、「桜」の文字と「庭園」を意味する「苑」の文字を組み合わせたものであるから、「桜」と「庭園」の観念を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において差異を有し、観念においては、上記のとおり、本願商標が特定の観念を有さない語であるから、比較することができないとしても、いずれも、「オウエン」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、取引の実情等において、出所の混同を生ずるおそれはないとみるべき特別の事情が存在するものとも認められない。
そして、引用商標の指定役務は、本願商標の指定役務を含むものであるから、本願商標と引用商標は、これを同一又は類似の役務に使用した場合、役務の出所の混同を生ずるおそれのある称呼を共通とする類似の商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(3)請求人の主張について
請求人は、「商標の類否については、『同一又は類似の商品(役務)に使用した商標が、外観、観念、称呼等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、かつ、役務の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断をすべきものである』、『商標の外観、観念または称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、したがって、右三点のうち類似する点があるとしても、他の点でいちじるしく相違するか、又は取引の実情等によって、何ら商品の出所を誤認混同するおそれが認められないものについては、これを類似商標と解することはできない』との判例(最高裁昭和39年(行ツ)第110号、同平成6年(オ)第1102号) がある。」旨述べ、過去の判決・審決例を挙げている。
しかしながら、本願商標と引用商標とは、称呼を共通にし、外観において相違するとしても、観念については比べることができないと判断されるものであるから、観念において、著しく相違しているとはいえず、また、両者をその指定役務に使用したときに、商品の出所に誤認混同をきたすおそれがないと認めるに足る取引の実情を証する証拠の提出もない。
また、請求人が挙げる登録例は、対比する商標の構成態様において本願商標とは異なるものであり、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の判決例等の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
さらに、請求人は、「称呼のみで役務の提供を受けるといったことはあり得ないことである。」旨述べているが、それを裏付ける証左の提出はない。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
(4)結語
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標

(色彩は原本参照)


審理終結日 2010-09-14 
結審通知日 2010-10-01 
審決日 2010-10-19 
出願番号 商願2008-28412(T2008-28412) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X36)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 蛭川 一治 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官
末武 久佳
大森 友子
商標の称呼 オウエン、オーエン 
代理人 中村 直樹 

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