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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X03
審判 一部申立て  登録を維持 X03
管理番号 1228588 
異議申立番号 異議2010-900146 
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-01-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-06-01 
確定日 2010-11-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第5307366号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5307366号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5307366号商標(以下「本件商標」という。)は、「ジェントルクリア」の片仮名と「Gentle clear」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成21年10月13日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つけづめ,つけまつ毛」のほか、第21類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同22年2月17日に登録査定、同年3月5日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、「やさしい」の意味を有する英語である「ジェントル(Gentle)」及び「きれいにする」の意味を有する英語である「クリア(Clear)」からなるものである。
しかるに、本件商標とその指定商品との関連を考えるに、洗顔料、クレンジング料等の指定商品において「ジェントル(Gent1e)」の語が、「肌等にやさしい商品」を表す語として使用され、認識されているものである(甲第1号証)。
また、石けん、クレンジング料、パック等の指定商品において「クリア(Clear)」の語が、「汚れや角質などを取り除く商品」を表す語として使用され、認識されているものである(甲第2号証)。
さらに、「ジェントル(Gentle)」の語と「クリア(Clear)」の語を結合した「ジェントルクリア(Gentle clear)」の語が、「お肌をやさしくいたわりながらメイクや皮脂の汚れをすばやく落とす」、「古い角質や毛穴の汚れを取り除き、ニキビができている肌に負担をかけない透明洗顔石鹸です」のように、「肌にやさしい、汚れや角質などを取り除く商品」を意味する語として使用されているものでもある(甲第3号証ないし甲第6号証)。
したがって、本件商標は、これをその指定商品に使用するときは、「肌にやさしい、汚れや角質などを取り除く商品」を直感させ、商品の品質を表す標章にすぎないものであることから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標を「肌にやさしい、汚れや角質などを取り除く商品」以外の指定商品に使用するときは、あたかもその商品が「肌にやさしい、汚れや角質などを取り除く商品」であるかの如く直感させ、その商品の品質について誤認を生ずる恐れのあることは明白であって、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(3)むすび
以上の理由により、本件商標は、その指定商品中、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つけづめ,つけまつ毛」(以下、これらをまとめて「本件指定商品」という。)について、登録の要件を具備しないものとして、その登録は取り消されるべきものと考える。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「ジェントルクリア」の片仮名と「Gentle clear」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるところ、その上段の「ジェントルクリア」の片仮名は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって外観上一体的に表してなるものであり、また、その下段の「Gentle clear」の欧文字部分も、「Gentle」と「clear」の各文字をいずれも同じ書体をもって外観上軽重の差なく表してなるものである。
そして、本件商標の構成中の「ジェントルクリア」の片仮名は、「Gentle clear」の欧文字から生ずる読みを無理なく特定したものと認められるところ、「Gentle」の語は、「生まれのよい、優しい、穏やかな」等(「研究社 新英和大辞典第5版」株式会社研究社発行)を意味するものであり、また、「clear」の語は、「明るい、澄み切った、きれいにする」等(前出「研究社 新英和大辞典第5版」)の意味を有するものである。
しかして、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る証拠によれば、商品「せっけん、化粧品」について、「ジェントルクリアソープ」、「ジェントルクリア クレンジング(メイク落とし)」、「ジェントルクリアリングウォッシュ」などと記載されていることが認められるとしても、これらの事実によっては、「ジェントルクリア」又は「Gentle clear」の各文字は、申立人の主張する「肌にやさしい、汚れや角質などを取り除く商品」の意味合いをもって取引上普通に使用されているとは認められず、かつ、これに接する需要者においても、かかる意味合いをもって認識されているとは認められないものである。
そうすると、前記した構成からなる本件商標は、これを本件指定商品に使用しても、商品の品質等を直接的、かつ、具体的に表したものということができず、自他商品の識別標識としての機能を十分果たすものである。
してみれば、本件商標は、これを本件指定商品に使用しても、商品の品質を表示するものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、上述したとおり、「肌にやさしい、汚れや角質などを取り除く商品」を需要者に認識させるとはいえないものであるから、これを本件指定商品のいずれに使用しても、その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるともいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つけづめ,つけまつ毛」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2010-10-29 
出願番号 商願2009-77323(T2009-77323) 
審決分類 T 1 652・ 13- Y (X03)
T 1 652・ 272- Y (X03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 正樹 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 末武 久佳
井出 英一郎
登録日 2010-03-05 
登録番号 商標登録第5307366号(T5307366) 
権利者 味の素株式会社
商標の称呼 ジェントルクリア、ジェントル 

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