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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X03
審判 全部申立て  登録を維持 X03
管理番号 1228566 
異議申立番号 異議2010-900082 
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-01-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-04-02 
確定日 2010-11-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第5292820号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5292820号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5292820号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成21年4月15日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同年11月18日に登録査定、同22年1月8日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録第881365号商標(以下「引用商標」という。)は、「MELVITA」の文字を書してなり、第3類「Bleaching preparations and other substances for laundry use; cleaning, polishing, scouring and abrasive preparations; soaps; perfumery; essential oils, cosmetics, hair lotions; dentifrices.」、第5類「Food for babies.」及び第30類「Coffee, tea, cocoa, sugar, rice, tapioca, sago, artificial coffee; flours and cereal preparations, bread, pastry and confectionery, ices; honey, treacle syrup; yeast, baking-powder; salt, mustard; vinegar, sauces (condiments); spices; ice for refreshment.」を指定商品として、2005年11月29日に国際登録(事後指定、2006年4月27日)され、我が国において、平成20年5月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号該当性
ア 本件商標は、大書した肉太の「MELTINA」と、小書した「メルティーナ」よりなる。
本件商標に接した人の目に飛び込んで来るのは肉太に大書した「MELTINA」であり、小書して下に間をおいて配した「メルティーナ」は、単に「MELTINA」の音を示したにすぎないと認識される。
よって、本件商標において、「MELTINA」は要部である。
イ 引用商標は「MELVITA」の文字を書してなるものである。
ウ 本件商標中の「MELTINA」と申立人の商標でありハウスマークである引用商標「MELVITA」とを対比すると、以下のとおりである。
(ア)両者は等しく7文字からなり、
(イ)両者はいずれもアルファベットの大文字からなり、
(ウ)第1、2、3、5及び7番目の文字である「M」、「E」、「L」、「I」「A」を共通にし、
(エ)相違は、僅かに第4文字の「T」と「V」、第6文字の「N」と「T」におけるにすぎない。
(オ)7文字からなる商標において外観による識別に重要である最初の3文字「M」「E」「L」において、しかも引用商標において識別力の強い要素である「M」「E」「L」において、本件商標中の「MELTINA」と引用商標とは共通する。加えて、両者は、第5文字の母音「I」及び第7文字の母音「A」において共通する。しかも、本件商標中の第4文字「T」は引用商標中の第6文字「T」と同一であり、本件商標中の第6文字「N」は引用商標中の第4文字「V」と外観において相紛らわしい。すなわち、「N」の左側の縦線を取ると残りは概ね「V」を構成する。第7番目(最後、末尾)は共に「A」で終わる。
(カ)したがって、本件商標「MELTINA」は、引用商標「MELVITA」と外観において著しく類似する。
特に、本件商標中の最初の3文字「MEL」は、「MELVITA」の「蜂蜜」に由来する「MIEL」から取った「MEL」と同一であり、本件商標の引用商標との類似の度合いを強めるものである。
(キ)したがって、「MELVITA」を付した商品に接した需要者が時と所を違えて「MELTINA」を付した商品と接したときに、「MELTINA」を付した商品を「MELVITA」と同一の出所の商品であると誤認混同するおそれがある。すなわち、本件商標と引用商標とは、外観において類似する。
(ク)よって、本件商標は、引用商標と類似する。
(ケ)本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似する。
(コ)引用商標の先願権発生日及び国内登録日は、本件商標の登録出願日及び登録日に先立つ。
エ よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性
仮に、本件商標中の「MELTINA」が引用商標「MELVITA」と類似しないしとしても、両者は、少なくとも相紛らわしい。最初の3文字「MEL」の一致は特に重要である。
申立人は、オーガニック化粧品の分野においてフランス及び世界において広く知られ、我国においてもオーガニック化粧品の需要者の間で広く知られている。
したがって、引用商標を使用したオーガニック化粧品に接した需要者が本件商標を使用したオーガニック化粧品に接したときに、本件商標を付したオーガニック化粧品が引用商標を付したオーガニック化粧品と同一の出所の商品であると誤認するおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)結論
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号又は同第15号に違反してされたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲のとおり、「MELTINA」の欧文字の下に、やや小さく「メルティーナ」の片仮名文字を書した構成よりなるところ、下段の「メルティーナ」の文字が上段の「MELTINA」の文字の読みを表したものと無理なく看取し得るものであるから、これよりは「メルティーナ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じない造語というのが相当である。
他方、引用商標は、「MELVITA」の欧文字よりなるところ、その構成文字に相応して、「メルビタ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語というのが相当である。
そこで、本件商標より生ずる「メルティーナ」の称呼と、引用商標より生ずる「メルビタ」の称呼についてみるに、両者は、その構成音数、構成音において明らかな差異を有し、音感、音調を異にするものであるから、称呼上十分区別し得るものである。
また、両者は、外観上、片仮名文字の有無並びに第4文字の「T」と「V」及び第6文字の「N」と「T」の各文字において明らかな差異を有し、観念においては比較することができないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)「MELVITA」の著名性について
申立人の提出に係る甲第3号証ないし甲第11号証によれば、「MELVITA」に関して、ややデザイン化した「Melvita」の表記、又は「Melvita」の欧文字と「メルヴィタ」の片仮名文字の表記をもって、オーガニック商品の化粧品に使用されていることは認められるものとしても、甲第3号証はホームページの写しであり、甲第4号証ないし甲第11号証もインターネット情報であって、これらの証拠のみによっては、本件商標の登録出願時及びその査定時において、我が国の化粧品を中心としたファッション関連分野の取引者、需要者の間に広く知られていたものとは到底認めることができない。
(2)混同について
上記(1)に加えて、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 本件商標



異議決定日 2010-10-29 
出願番号 商願2009-28387(T2009-28387) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (X03)
T 1 651・ 271- Y (X03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 前山 るり子 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 井出 英一郎
渡邉 健司
登録日 2010-01-08 
登録番号 商標登録第5292820号(T5292820) 
権利者 ピアス株式会社
商標の称呼 メルティーナ、メルチーナ 
代理人 佐藤 雅巳 
代理人 古木 睦美 

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