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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 X39 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 X39 |
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管理番号 | 1228404 |
審判番号 | 不服2010-2256 |
総通号数 | 133 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-01-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-02-02 |
確定日 | 2010-12-22 |
事件の表示 | 商願2007- 14275拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「日本郵便」の文字を標準文字で表してなり、第1類、第2類、第3類、第4類、第5類、第6類、第7類、第8類、第9類、第10類、第11類、第12類、第14類、第15類、第16類、第17類、第18類、第19類、第20類、第21類、第22類、第23類、第24類、第25類、第26類、第27類、第28類、第29類、第30類、第31類、第32類、第33類、第34類、第35類、第36類、第37類、第38類、第39類、第40類、第41類、第42類、第43類、第44類及び第45類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、平成19年2月20日に登録出願されたものである。 その後、指定商品及び指定役務については、原審における同20年3月31日付け手続補正書及び当審における同22年2月2日付け手続補正書により、最終的に第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,道路情報の提供,自動車の運転の代行,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越の代行,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,船舶の引揚げ,水先案内,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,配達物の一時預かり,ガスの供給,電気の供給,水の供給,熱の供給,倉庫の提供,駐車場の提供,有料道路の提供,係留施設の提供,飛行場の提供,駐車場の管理,荷役機械器具の貸与,自動車の貸与,船舶の貸与,車いすの貸与,自転車の貸与,航空機の貸与,機械式駐車装置の貸与,包装用機械器具の貸与,金庫の貸与,家庭用冷凍冷蔵庫の貸与,家庭用冷凍庫の貸与,信書の送達,冷凍機械器具の貸与,ガソリンステーション用装置(自動車の修理又は整備用のものを除く。)の貸与」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、『日本郵便』の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中の『日本』の文字は我が国の国名であり、また、『郵便』の文字は、本願の指定役務中『郵便』の普通名称と認められるから、これらを一連に書したにすぎない本願商標を前記『郵便』に使用しても、『日本の郵便』(『国名』と『役務の提供の内容』)を認識させるにとどまり、自他役務を区別するための識別標識としての機能を有せず、需要者が何人の業務に係る役務であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 郵便法(昭和22年12月12日法律第165号)(最終改正:平成17年11月7日法律第121号)の第2条には、「郵便の業務は、この法律の定めるところにより、郵便事業株式会社が行う。」旨が規定され、同法第4条には、「郵便事業株式会社以外の者は、何人も、郵便の業務を業とし、また、郵便事業株式会社の行う郵便の業務に従事する場合を除いて、郵便の業務に従事してはならない。ただし、郵便事業株式会社が、契約により郵便事業株式会社のため郵便の業務の一部を委託することを妨げない。」旨が規定され、郵便窓口業務の委託等に関する法律(昭和24年6月15日法律第213号)(最終改正:平成17年11月2日法律第106号)の第3条には、「郵便事業株式会社は、契約により、郵便局株式会社の営業所において郵便窓口業務及び印紙の売りさばきに関する業務を行うことを郵便局株式会社に委託しなければならない。」旨が規定されていることから、郵便事業株式会社が、契約により郵便事業株式会社に委託した場合を除き、郵便事業株式会社以外の者は、何人も、郵便の業務に従事してはならないものということができる。 また、日本郵政株式会社法(平成17年10月21日法律第98号)の第1条には、「日本郵政株式会社は、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社の発行済株式の総数を保有し、これらの株式会社の経営管理を行うこと並びにこれらの株式会社の業務の支援を行うことを目的とする株式会社とする。」旨が規定されていることから、請求人である日本郵政株式会社は、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社の発行済株式の総数を保有し、これらの株式会社の経営管理を行うこと並びにこれらの株式会社の業務の支援を行うことを目的とする株式会社ということができる。 そうとすれば、本願商標は、前記1のとおり、「日本郵便」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「日本」の文字が、「わが国の国号」の意味を有する語として、また、「郵便」の文字が、「(1)信書(書状・はがき)その他所定の物品を国内・国外へ送達する通信制度。前島密が選定・建議した語。(2)郵便物の略。」(いずれも岩波書店:広辞苑第六版)の意味を有する語であるとしても、前記の郵便に関する事情に照らせば、これらの文字を組み合わせた本願商標全体から、原審説示の如き意味合いを直ちに看取させるとはいい難く、本願商標は、請求人のグループに属する郵便事業株式会社によって使用される同社のシンボルマークあるいは標章を表示するものとして理解され、認識されているというのが相当である。 さらに、当審において職権をもって調査したが、「日本郵便」の文字が、その指定役務を取り扱う業界において、特定の役務の質、提供の用に供する物を表示するものとして、取引上一般に使用されている事実を発見することができなかった。 してみれば、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、これをその指定役務中のいずれの役務に使用しても、役務の質について誤認を生ずるおそれはないというべきである。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2010-12-10 |
出願番号 | 商願2007-14275(T2007-14275) |
審決分類 |
T
1
8・
16-
WY
(X39)
T 1 8・ 272- WY (X39) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 堀内 真一、箕輪 秀人 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
高橋 謙司 井出 英一郎 |
商標の称呼 | ニッポンユービン、ニホンユービン |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 加藤 ちあき |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 辻居 幸一 |