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審決分類 審判 査定不服 商64条防護標章 取り消して登録 X07
管理番号 1226711 
審判番号 不服2009-1251 
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-01-15 
確定日 2010-11-29 
事件の表示 商願2007- 25344拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の標章は、登録第5022811号の防護標章として登録をすべきものとする。
理由 第1 本願標章
本願に係る防護標章登録を受けようとする標章(以下「本願標章」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、第7類及び第9類に属する別掲2のとおりの商品を指定商品とし、登録第5022811号商標(以下「原登録商標」という。)に係る防護標章登録出願として、平成19年3月23日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同21年3月19日付け手続補正書により、第7類「土木機械器具,荷役機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,耕うん機械器具(手持ち工具に当たるものを除く。),栽培機械器具,収穫機械器具,植物粗製繊維加工機械器具,飼料圧搾機,飼料裁断機,飼料配合機,飼料粉砕機,蚕種製造用又は養蚕用の機械器具,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具」に補正されたものである。

第2 原登録商標
原登録商標は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成15年11月14日に登録出願、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品として同19年2月2日に設定登録され、その後、指定商品については、商標登録の取消し審判により指定商品中「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー」について取り消すべき旨の審決がなされ、同22年8月19日にその確定登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第3 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願標章は、原登録商標の著名性が認められないから、他人がこれを本願指定商品に使用しても、商品の出所について、混同を生じさせる程に需要者間に広く認識されているものとは認められない。したがって、本願標章は、商標法第64条に規定する要件を具備しない。」旨認定、判断して、その登録を拒絶したものである。

第4 当審の判断
1 商標法第64条について
商標法第64条第1項は、「商標権者は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、その登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品又は指定商品に類似する役務以外の役務について他人が登録商標の使用をすることによりその商品又は役務と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるときは、そのおそれがある商品又は役務について、その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる。」と規定している。
そして、商標法第64条第1項における「登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合」の要件は、「当該登録商標が広く認識されているだけでは十分でなく、商品や役務が類似していない場合であっても、なお商品役務の出所の混同を来す程の強い識別力を備えていること、すなわち、そのような過程に至るまでの著名性を有していることを指すものと解すべきである」(平成21年(行ケ)第10189号、知財高等裁判所平成22年2月25日判決)と判示されている。
以下、これを本件について判断する

2 本願標章と原登録商標の同一性
本願標章は、その構成において原登録商標と同一のものであること、また、原登録商標が請求人(出願人:株式会社テクノス)の所有に係るものであり、かつ、該商標権が権利存続中であることは、原登録商標の記載よりこれを認めることができる。

3 本願標章の指定商品と原登録商標の指定商品との同一又は類似
本願標章の指定商品は、前記第1のとおりであり、原登録商標の指定商品は、前記第2のとおりである。
これをみるに、本願標章の指定商品と原登録商標の指定商品は、同一ではなく、また、生産部門、販売部門等を異にする互いに非類似の商品と認められる。

4 原登録商標が需要者の間に広く認識されているか否かについて

(1)事実認定
ア 請求人は、工場向け外観検査装置の製造、販売を主な業務として、1965年設立され、1975(昭和50)年6月に社名を「株式会社テクノス」に変更したものである。そして、2001年12月期の売り上げは5億円程度である(甲第19号証(2002年1月15日付け「日経産業新聞」)、甲第20号証(2003年11月17日付け「毎日新聞」)、甲第22号証(1988年1月31日付け「光新時代」等)。
イ 請求人の商品の主要取引先は、日本の企業所得番付トップ38社のうち製造業では、100%、製造業トップ50社の70%以上、東京証券取引所一部上場企業を中心に240社以上であり、鉄鋼、自動車、フィルム、半導体、液晶など32業界におけるトップ企業がユーザーになっている(甲第7号証、甲第9号証、甲第19号証(2002年1月15日付け「日経産業新聞」)、甲第26号証(2009年1月10日付け「計測技術20091月増刊号最新の計測制御機器2009」等)、甲第29号証「ユーザー一覧」等)。
ウ 原登録商標の著名性を立証するために請求人の提出した証拠には、「TECHNOS」の欧文字からなる標章(以下「別掲4標章」という。)、「テクノス」の片仮名からなる標章(以下「別掲5標章」という。)が掲載されている。
(ア) 別掲4標章が付されている外観検査装置の写真及び別掲4標章が掲載されている記事、カタログ等
a 「ニューロ視覚センサースーパー5000K技術解説集」(甲第7号証)
b 項第3号証、項第4号証、甲第19号証及び甲第20号証の新聞記事のうち、1982年より2006年発行の「日刊工業新聞」に9回、1986年より2004年発行の「オートメレビュー」に9回、他「日経産業新聞」等に15回掲載されている。
c 甲第22号証ないし甲第26号証の雑誌記事のうち、1981年より1989年発行の「省力と自動化」に7回、1983年より2007年発行の「M&E」に13回、1987年より2007年発行の「コンバーテック」に10回、1996年より2008年発行の「月刊ディスプレイ」に11回、他「計測技術」、「計装」等に95回掲載されている
d 甲第27号証の展示会出展目録のうち、2006年10月26日発行の「2006年東京発明展出展目録」に掲載されている。
e 甲第29号証のうち、「ポスター」、1994年10月17日及び1995年7月12日発行「日刊工業新聞」1993年3月18日発行「日本経済新聞」、「製品カタログ」、「会社案内」に掲載されている。
f 請求人の製造する外観検査装置が取り上げられたテレビ番組(甲第30号証)
(イ)別掲5標章が掲載されている広告、記事、カタログ等
a 前掲甲第7号証
b 「テクノス・ニューロ視覚センサ」カタログ(甲第8号証)
c 甲第20号証の新聞記事のうち、2004年及び2005年発行の「日刊工業新聞」に3回、2003年より2005年発行の「オートメレビュー」に3回掲載されている。
d 甲第23号証ないし26号証の雑誌記事のうち、1996年より2006年発行の「月刊ディスプレイ」に5回、2005年より2007年発行の「M&E」に4回、他「計装」、「計測技術」等に21回掲載されている。
e 甲第29号証のうち、「ポスター」及び「テクノス・ニューロ視覚センサ」カタログに掲載されている。
(2)認定事実の検討
前記(1)で認定した事実によれば以下の事実が認められる。
ア 原登録商標の使用について
(ア)新聞、雑誌に掲載された、又はテレビ番組で取り上げられた、請求人の製造する外観検査装置には、別掲4標章が付されている(前記(1)ウ(ア))。
(イ)請求人が発行するカタログ、パンフレット、チラシには、別掲5標章が付されている(前記(1)ウ(イ))
イ 請求人が作成した外観検査装置のパンフレットの頒布部数、頒布地域及び頒布時期等は、不明であるが、該パンフレットには、別掲5標章が掲載されており、掲載されている外観検査装置には、別掲4標章が付されている。(前記(1)ウ(ア)及び(イ))

5 小括
4(1)イによれば、請求人の製品のユーザーが全国で240社程度であり、4(2)イによれば、請求人の作成している、カタログ等の頒布部数、頒布地域及び頒布時期等が不明である。
しかしながら、4(2)アによれば、別掲4標章及び別掲5標章は、請求人の業務に係る工場向け外観検査装置を取り扱う需要者の間に広く認識されているということができる。
ところで、原登録商標は、「TECHNOS」の欧文字と「テクノス」の片仮名を2段に書した構成よりなるものであるが、上段の「TECHNOS」の欧文字は、上記の事実に照らせば、請求人の製造している外観検査装置に使用している別掲4標章と社会通念上同一の商標と認められ、また、下段の「テクノス」の片仮名も、請求人の製造している外観検査装置のカタログ等に使用している別掲5標章と社会通念上同一の商標と認められる。
さらに、上段の「TECHNOS」の欧文字と下段の「テクノス」の片仮名は、称呼において同一である。
したがって、原登録商標は、別掲4標章及び別掲5標章と社会通念上同一の商標であり、その効力の範囲も同一であるから、別掲4標章及び別掲5標章は、原登録商標の使用とみて差し支えないというべきである。
してみれば、本願標章は、これを他人がその指定商品について使用した場合には、これに接する取引者、需要者をして、その商品が請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものとみるのが相当である。

6 むすび
以上によれば、本願標章を商標法第64条に規定する要件を具備しないものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本願標章


2 本願登録出願時の指定商品
第7類「鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,漁業用機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,ミシン,耕うん機械器具(手持ち工具に当たるものを除く。),栽培機械器具,収穫機械器具,植物粗製繊維加工機械器具,飼料圧搾機,飼料裁断機,飼料配合機,飼料粉砕機,牛乳ろ過機,搾乳機,蚕種製造用又は養蚕用の機械器具,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,陶工用ろくろ,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),風水力機械器具,業務用電気洗濯機,業務用攪はん混合機,業務用皮むき機,業務用食器洗浄機,業務用切さい機,業務用電気式ワックス磨き機,業務用電気掃除機,修繕用機械器具,乗物用洗浄機,消毒・殺虫又は防臭用散布機(農業用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),芝刈機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置」
第9類「火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル」

3 原登録商標


4 別掲4標章

(色彩はhttp://www.technos.jp/download/j_274qs.pdfを参照)

5 別掲5標章

(色彩はhttp://www.technos.jp/index.shtmlを参照)


審理終結日 2010-08-26 
結審通知日 2010-08-30 
審決日 2010-11-12 
出願番号 商願2007-25344(T2007-25344) 
審決分類 T 1 8・ 8- WY (X07)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大島 護長柄 豊 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官
大森 友子
末武 久佳
商標の称呼 テクノス 
代理人 吉田 親司 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 石川 義雄 
代理人 幡 茂良 
代理人 橋本 良樹 
代理人 小出 俊實 
代理人 潮崎 宗 

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